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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

はぁれぃの卵
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




シャングリラ学園に今年も春がやって来ました。入学式にはもちろん参加で、今年もやっぱり1年A組だった私たち。担任は不動のグレイブ先生、どう考えてもブラックリストで札付きなのが分かります。グレイブ先生は入学式の日の実力テストで会長さんと熱いバトルで…。
「今年もこういう季節ですねえ…」
バタバタもそろそろ一段落でしょうか、とシロエ君。今日は土曜日、みんなで会長さんのマンションに遊びに来ています。お花見シーズンは終わりましたから、普通にダラダラ。
「だよなあ、校内見学もクラブ見学も終わったしよ…。新入生歓迎パーティーも」
週明けからは授業が始まるし、とサム君が相槌、シャングリラ学園の年度初めは毎年ドタバタ。いろんな行事がてんこ盛りだけに、授業はなかなか始まりません。
「新入生歓迎パーティーってさあ…。ぼくたちは今年も出てないけどさ」
とっくに資格が無さそうだし、とジョミー君。
「当たり前だろう、俺たちが何回、入学式に出たと思っているんだ!」
厚かましいぞ、とキース君が顔を顰めて。
「裏方に回って当然だ! 一度は卒業した身というのを忘れるなよ?」
「覚えてるけど…。だから今年もエッグハントの手伝いで卵を隠してたけど…」
どうして卵なんだろう、と言われましても。新入生歓迎パーティーの花はエッグハントで、校内のあちこちに隠された卵を新入生が探すイベント。見付けた卵は貰ってオッケー、目玉商品は「そるじゃぁ・ぶるぅ」が化けた青い卵です。それを見付ければ豪華賞品ゲットな卵。
「どうして卵って…。エッグハントですよ、ジョミー先輩?」
文字通りに卵じゃないですか、とシロエ君が返して、マツカ君が。
「イースターのエッグハントの真似だったように思うんですけど…」
「そうよ、それよ! 宗教は関係ありません、ってリオさんが説明してるじゃないの」
毎年その筈、とスウェナちゃんも。
「イースターにはエッグハントで、卵を探して回るものでしょ?」
「うん、スウェナが言うので間違いないね」
イースターのをパクッたんだよ、と会長さんが証言しました。
「ウチの学校、お祭り騒ぎが大好きだしねえ…。それに、ぶるぅがいるものだから」
卵にドロンと化ける達人、と舞台裏を聞いて納得です。卵から生まれた「そるじゃぁ・ぶるぅ」は卵に化けるのが大得意。使わない手はありませんよね!



会長さんと同じく三百歳を軽く超えている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。でもでも、実年齢はともかく中身は子供で、六歳になる前に卵に戻ってリセットだという不思議な生き方。自分の意志でも卵に変身可能ですから、豪華賞品を預けておくにはピッタリです。
「えっと…。ぼくが言ってるのは、そっちの卵で…」
エッグハントの方なら分かる、とジョミー君の話は「そるじゃぁ・ぶるぅ」の生き方よろしく、出だしにリセット。
「ぶるぅがいるからエッグハントだっていうのも分かるんだけど…。そのぶるぅだよ」
「「「ぶるぅ?」」」
「うん。…なんで、ぶるぅは卵なわけ?」
人間だよね、とジョミー君は「そるじゃぁ・ぶるぅ」をまじまじと。
「かみお~ん♪ ぼくはもちろん、人間だよ!」
オバケじゃないもん、と元気な返事で、ジョミー君は更に。
「そうだよねえ…。でもさ、どうして卵から生まれて来ちゃったわけ?」
それに六歳になる前に卵に戻ってまた孵化するし、という質問をされた「そるじゃぁ・ぶるぅ」は真ん丸な目で。
「…なんでって…。ぼくは卵で…。子供のままでいるのがいいから、卵に戻って…」
「やり直しだよね、それも知ってる。だけど、卵な理由は何?」
「えーっ!? そんな難しいことを訊かれても…」
分かんないよう! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は会長さんに助けを求めました。
「ねえねえ、ブルー、ぼくって、どうして卵なの?」
「うーん…。それが分かれば、ぼくだって苦労はしないんだけどね?」
卵の仕組みは未だに謎だし、と会長さんまでが腕組みする有様。
「…本当に卵に戻った時には、いつ孵化するかも読めないわけで…。ぼくにも色々と制約が…」
「あんた、適当に放って遊んでいるだろうが!」
温めているとは聞かないぞ、とキース君の鋭いツッコミが。
「特製クッションに乗せておいたらオッケーだとかで、放って遊び歩きやがって!」
「んとんと…。それは仕方がないと思うの!」
ブルーも色々、忙しいもん! と会長さんの肩を持つ「そるじゃぁ・ぶるぅ」は絵に描いたように立派な良い子。とはいえ、どうして卵から生まれて来るんでしょうねえ…?



卵に戻って孵化してみたり、卵に化けたりするのが「そるじゃぁ・ぶるぅ」。それを生かして新入生歓迎パーティーのエッグハントまでがあるというのに、どうして卵なのかは謎みたいです。卵から生まれる「そるじゃぁ・ぶるぅ」本人にも、一緒に暮らしている会長さんにも。
「…分かってないんだ、卵の理由…」
ジョミー君は残念そうで、会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」は顔を見合わせて。
「…最初から卵だったしねえ?」
「そだよ、気が付いたら卵の中だったよ、ぼく!」
その前のことは分からないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。遠い昔に火山の噴火で海に沈んだアルタミラという島が二人の出身地ですけど、その島に住んでいた会長さんの枕元にコロンと転がっていたのが二人の出会い。片方は卵なんですけれど。
「ぶるぅの卵があった理由も謎だしねえ…。誰も教えてくれなかったし」
「ぼくも誰にも聞いてないもん…」
ブルーの声が殻の向こうから聞こえてただけ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も言ってますから、本当に理由は謎なのでしょう。何故、卵なのか。
「…謎なのかよ…」
ホントに分かっていなかったのな、とサム君が頭を振った所へ。
「お互い様だよ、ぶるぅの卵は謎だらけだよ!」
「「「!!?」」」
誰だ、と一斉に振り向いた先にフワリと翻った紫のマント。別世界からのお客様です。
「ぶるぅ、ぼくにもケーキと紅茶!」
「オッケー! 今日はイチゴたっぷりミルフィーユだよ!」
はい、どうぞ! とサッと出て来たミルフィーユと紅茶。ソルジャーは早速、ミルフィーユにフォークを入れながら。
「ぶるぅが卵から生まれる理由は、ぼくにも分かってないってば!」
「あのとんでもない悪戯小僧か?」
大食漢の、とキース君が訊くと、「他に誰がいると?」と返したソルジャー。
「ぶるぅの方がもっと謎だよ、卵以前の問題だから!」
そもそも卵ですらもなかった、とソルジャーに言われてみれば…。「ぶるぅ」の場合は、卵になる前に石ころの時期があったんでしたっけ…。



ソルジャーの世界のシャングリラに住む「そるじゃぁ・ぶるぅ」のそっくりさんが「ぶるぅ」。悪戯と大食いが生き甲斐、趣味は大人の時間の覗きだという迷惑な子供。ソルジャーとキャプテンが温めた卵から生まれたのだと聞いてます。でも。その前は…。
「ぶるぅは最初は石だったんだよ? こんなに小さな!」
ソルジャーが示す指先くらいのサイズ。しかも真っ白で、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のような青い卵ではなかったとか。クリスマスの後に青の間で拾って、サイオンで探ろうとしたら青い卵に変身、仕方ないので温めたという展開で…。
「あれに比べれば、こっちのぶるぅは普通だよ! 最初から卵なんだから!」
「「「うーん…」」」
そうかもしれない、と妙に説得力があるのがソルジャーの話。石が卵に育つよりかは、最初から卵だった方が遥かに普通で、まだマシなのかもしれません。
「えーっと…。その石ころって、サンタクロースのプレゼントなわけ?」
クリスマスなら、とジョミー君。
「なんでぶるぅを貰えるのかは謎だけど…。サンタクロースしかいないよね?」
「多分ね、不法侵入だけどね!」
ぼくのシャングリラの防御システムは完璧なのに、とソルジャーはフウと溜息を。
「ぼくのサイオンにも引っ掛からずに入り込んだ上に、青の間まで来たというのがね!」
あんなに目立つ姿のくせに、とソルジャーの思考はズレていました。
「真っ赤な服とか、担いだ大きな袋とか…。太っている上にお爺さんだし、逃げ足も遅いと思うんだけど…。このぼくが遅れを取るなんて!」
ソルジャーのメンツが丸潰れだよ、とサンタクロースの侵入を許した自分が情けないとか。
「おまけに、くれたプレゼントがぶるぅなんだよ? あんまりだってば!」
「もっと他のが欲しかったわけ?」
会長さんが尋ねると、「決まってるじゃないか!」とソルジャー、即答。
「悪戯小僧で無芸大食、サイオンだけが無駄に強くて、趣味が覗きって最悪だよ!」
「…それってさあ…。ホントに別のだったら良かった?」
サンタクロースのプレゼント、とジョミー君がソルジャーに。
「同じ卵でも、もっと別のとか」
「「「卵?」」」
ジョミー君の頭は卵から逃れられないのでしょうか、他にどういう卵があると?



「そるじゃぁ・ぶるぅ」も悪戯小僧の「ぶるぅ」も、青い卵から生まれた子供。ジョミー君は「そるじゃぁ・ぶるぅ」が卵から生まれる理由を知りたかったみたいですけど、理由は謎。「ぶるぅ」の方だと更に謎だらけ、ジョミー君の頭の中は卵一色らしいです。
「別の卵って…。どういう意味だい?」
お得用の卵パックだろうか、とソルジャーの言葉も斜め上でした。
「確かに、そういう卵だったら食べてしまえば良かったわけだし…。プレゼントに貰うには丁度いいかもね、美味しいケーキが出来そうだから!」
卵料理は御免だけれど、と言うソルジャーは偏食家。こっちの世界だと「地球の食べ物は何でも美味しい」とグルメ三昧しているくせに、自分の世界では「お菓子があれば充分」な人。食事をするなど面倒だから、と栄養剤を希望、キャプテンが苦労しているようです。
「ケーキを作って貰えるんなら、卵も美味しいのがいいねえ…。お得用のパックよりかは、断然、平飼いの卵だね! …ぼくの世界にあるかどうかは謎だけど!」
「そういう卵じゃなくってさ…。ハーレイの卵だったら、どう?」
「「「ハーレイの卵!?」」」
「うん。…はぁれぃって言うべきなのかもしれないけどね」
ちょっと呼びにくいけど、とジョミー君。
「サンタクロースのプレゼントなんだし、そっちだったらいいのかと思って」
「はぁれぃの卵って…。なんだい、それは?」
ソルジャーがポカンとしていますけれど、ジョミー君は。
「ぶるぅの卵か、はぁれぃの卵か、どっちかだったら、はぁれぃかなあ、と」
孵化したら「ぶるぅ」の代わりに「はぁれぃ」、とジョミー君の発想もぶっ飛んでいます。
「はぁれぃの方が嬉しいかな、って。…結婚するくらいに好きみたいだから」
「…はぁれぃねえ…」
それは考えたことも無かった、と唸るソルジャー。
「つまりアレかい、ぶるぅみたいにミニサイズのハーレイが生まれて来ると?」
「そうだけど…。そっちの方が良かったかな、と」
だって一応、ハーレイだしね、とジョミー君は言ってますけれど。はぁれぃの卵とやらを貰った方が良かったんですかね、ソルジャーは…?



「はぁれぃかあ…。ビジュアル的には悪くないけど…」
ぶるぅみたいにチビのハーレイ、とソルジャーは顎に手を当てて。
「でもねえ…。それもやっぱり悪戯小僧で、凄い大食いなんだろうねえ?」
おまけに覗きが大好きで、と歓迎出来ない様子ですけど。
「それはどうだか分からないよ?」
元ネタが全く別物だから、と会長さんが指摘しました。
「ジョミーがそこまで考えてたかは知らないけれどね、はぁれぃの卵を貰った場合は、ぶるぅとはまるで違った子供が孵化してたかも…」
「何か根拠があるとでも?」
ぶるぅが卵から生まれる理由も分からないくせに、とソルジャーが言うと、会長さんは。
「あくまで、ぼくの推測だけど…。こっちのぶるぅには当てはまらないけど、君のぶるぅを考えてみると、はぁれぃだと別になりそうで…」
「どんな具合に?」
「君のハーレイを強烈にデフォルメしたような感じ!」
ぼくにもイメージ掴めないけど、と会長さん。
「デフォルメだって?」
「そう! 君の世界のぶるぅだけれどね、君を強烈にデフォルメしたって感じでねえ…」
まずは大食い、と会長さんは指を一本立てて。
「君は大食漢ってわけじゃないしね、自分の世界じゃ殆ど食べないって話だけれど…。でも、食べること自体は好きと見た! お菓子限定で!」
「…それは否定はしないけど…。お菓子だったらいくらでも食べるし、三食全部おやつだったら大歓迎だよ、ハーレイが許してくれないけどさ」
ぼくの世界のノルディもうるさく文句を言うし、とソルジャーは不満そうな顔。
「お菓子だけで食べていける世界が夢なんだけどねえ、ぼくの世界なら」
「ほらね、好物なら食べるんだよ、君は! こっちの世界じゃグルメ三昧だし!」
ぶるぅの大食いは君に生き写しで、もっと強烈になったケース、と会長さん。
「お菓子じゃなくてもオッケーなだけで、丸ごと君に似たんだよ! 強烈にデフォルメされちゃってるから、凄い大食いになったんだってば!」
ご意見は? という会長さんの問いに、ソルジャーは反論出来ませんでした。好物だったら好きなだけ食べるという点は間違っていないんですから。



悪戯小僧な「ぶるぅ」の大食いはソルジャーの食生活をデフォルメしたもの。言われてみれば頷ける説で、会長さんは二本目の指をピッと立てると。
「でもって、悪戯! これも君の性格と無関係だとは思えないけどね?」
ぼくたちが日頃、蒙っている色々な迷惑から考えても…、と会長さん。
「君に自覚は全く無くても、ぼくたちからすれば立派なトラブルメーカーなんだよ! ぶるぅには負けるというだけで!」
「…そうなのかい?」
ぼくは迷惑なんだろうか、とソルジャーがグルリと見回しましたが、首を縦に振った人はゼロ。横に振った人もゼロですけれど。
「ご覧よ、誰も否定をしないってトコが証拠だよ! ぶるぅと同じで悪戯小僧!」
その性格をもっと極端にしたら「ぶるぅ」が出来る、と会長さんが立てた三本目の指。
「それから、ぶるぅのおませな所! 胎教だとばかり思っていたけど…」
卵をベッドで温めてた間もお盛んだったようだし、と会長さんはフウと溜息。
「そのせいなんだと思い込んでいたけど、それも違うね! 君のせいだね!」
「…ぼくは覗きはしないけど?」
「君が覗いてどうするのさ! 覗くよりかは覗かれる方が好きなんだろう!」
「…覗かれていても燃えないからねえ、好きってことはないんだけどね?」
覗かれていても平気なだけだ、とソルジャーが答えて、会長さんが。
「そのふてぶてしい性格だよ! ぶるぅはそれを貰ってるんだよ、強烈にデフォルメした形で!」
だから叱られても覗きをやめない、と会長さん。
「ついでに君の恥じらいの無さとか、やたら貪欲な所も絡んでくるものだから…。大人の時間を覗き見するのが大好きな上に、おませなんだよ!」
これだけ揃えば立派な「ぶるぅ」の出来上がり、という会長さんの説に誰からともなく上がった拍手がパチパチ。なるほど、「ぶるぅ」はソルジャーそのもの、小さい代わりに性格が強烈になったんですねえ、デフォルメされて…。



会長さん曰く、悪戯小僧で大食漢で、おませな「ぶるぅ」はソルジャーの性格を丸ごとパクッて、強烈にデフォルメしてある存在。ソルジャーを子供にしたような姿ですから、元ネタはソルジャーらしいです。
「だからね、モノがはぁれぃの卵だった場合は、別物になると思うんだけど!」
元がハーレイなんだから、と会長さん。
「君のハーレイの性格を強烈にデフォルメしたようなのが出来るかと…」
はぁれぃだったらそうなる筈、という推理には頷けるものがあります。キャプテンを小さくしたような姿で生まれて来るのが「はぁれぃ」、性格の方も元ネタをパクッていて当然。
「なるほどねえ…。はぁれぃの卵を貰っていたなら、今頃は別のがいたわけだ?」
姿も中身も…、とソルジャーも理解したようで。
「どんな性格になるんだろうねえ、そのはぁれぃは?」
「…引っ込み思案ってトコじゃないな」
ヘタレを強烈にデフォルメなんだし、と会長さんが言い、キース君も。
「そんなヤツかもしれないな…。自己紹介もマトモに出来ないようなヘタレなんだな?」
「ぼくはそうだと思うけど?」
ヘタレは確実に出るであろう、と会長さん。
「それからクソがつくほど真面目で、とことん丁寧な言葉遣いで!」
「「「あー…」」」
キャプテンの性格をデフォルメするならそうなるな、と思うしかない真面目な「はぁれぃ」。言葉遣いもきっと丁寧、舌足らずながらも頑張って喋る「ですます」口調。
「…ぶるぅとはまるでイメージ違うんだけど?」
本当にそうなるんだろうか、とソルジャーが尋ねて、会長さんが。
「ぼくにもイメージは掴めないと言ったよ、こうじゃないかと思う程度で!」
生まれてみないと分からないよね、と会長さん。
「でもねえ、ぼくの推理が当たっていたなら、はぁれぃは全く別物だよ! ぶるぅとは!」
「…そうなるわけか…。どっちの方がマシなんだろう?」
もう手遅れって気もするけれど、と言うソルジャー。サンタクロースは「ぶるぅ」の卵を寄越したわけで、プレゼントはもう貰っちゃったし、と。多分、返品も交換も無理だよねえ、と。



「返品ねえ…。それに交換…」
手遅れだろうね、と会長さんも。
「ぶるぅが来てから年単位で時間が経っちゃってるから、どっちも無理だと思うけど…」
クーリングオフの期間もとっくに過ぎたであろう、という見解。
「もっとも、ぶるぅは買った品物ではないんだし…。クーリングオフは無さそうだけど」
「クーリングオフかあ…。それも出来なくて、返品も交換もとっくに無理、と」
ぶるぅで諦めるしかないってことか、とソルジャーは深い溜息を。
「…はぁれぃの方が良かったような気がするんだけどねえ…」
「あっ、やっぱり? 選べるんなら、はぁれぃなんだ?」
ジョミー君が訊くと、ソルジャーは「うん」と。
「そっちの方が素敵だよ、うん。悪戯はしないし、大食いでもないし、真面目だし…」
「同じ卵でも、ぶるぅとは月とスッポンですからね」
ぼくたちも「はぁれぃ」の方が良かったです、とシロエ君。
「次の機会がありそうだったら、是非、はぁれぃを貰って下さい!」
「えっ、次って…。まだ増えるのかい?」
ぶるぅだけでも大変なのに、はぁれぃまでが、とソルジャーは赤い瞳を見開いて。
「それは御免だよ、返品か交換なら歓迎だけど!」
「…ぶるぅは捨てると?」
はぁれぃを貰えるんなら捨てるのかい、と会長さんが顔を顰めましたが。
「別にいいじゃないか、同じ貰うなら素敵な卵の方がいいしね!」
サンタクロースが相談に乗ってくれないだろうか、とソルジャーが言い出した酷すぎる考え。いくら「ぶるぅ」に手を焼いていても、今更、返品だの交換だのって…。
「あんた、自分に正直すぎるぞ!」
キース君が怒鳴って、ジョミー君も。
「ぼくが言ったのは、もしも、ってコトで…。ぶるぅが来ちゃった段階で、はぁれぃはもう貰えないとか、そんな感じで…」
「そうですよ! ぶるぅが可哀相じゃないですか!」
間違っても本人にそんな話はしちゃ駄目ですよ、とシロエ君。私たちだってそう思いますです、可哀相すぎますよ、どんなに「ぶるぅ」が悪戯小僧でも子供には違いないんですから。



「ぶるぅ」には絶対に聞かせちゃ駄目だ、とソルジャーに何度も釘を刺しておいた「はぁれぃ」の卵という話。けれども、ネタとしては笑える代物なだけに、ソルジャーが夕食を食べて帰ってゆくまでの間に何度も話題に上りました。「ぶるぅ」の代わりに「はぁれぃ」だったら、と。
そしてケタケタ笑い転げて、それっきり忘れた「はぁれぃ」の卵。翌日の日曜日はソルジャーも来なくて極めて平和で、週が明けても平和な日々で。やがて迎えた土曜日のこと。
「ちょっといいかな!?」
ソルジャーが空間移動で飛び込んで来た会長さんの家のリビング。おやつ目当てでやって来たな、と直ぐに分かるだけに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」がベリーのタルトを用意しましたが…。
「あっ、ありがとう! 腹が減っては戦が出来ぬと言うからねえ…!」
これは有難く頂いておいて、とガツガツと食べているソルジャー。何か急ぎの用でもあるのか、凄い速さで食べ終わると。
「これを見てくれるかな、こんなのだけど!」
見た目にはただの石なんだけど、とテーブルに置かれた白い石ころ。指先くらいの大きさです。
「…この石がどうかしたのかい?」
ただの石にしか見えないけれど、と会長さんが訊くと、ソルジャーは。
「そこが問題なんだってば! ただの石にしか見えないってトコが!」
「…石だろう?」
「あるべき所にあったんだったら、確かにただの石なんだけど!」
公園に落ちていたんだったら何も問題無いんだけれど、と謎の台詞が。
「…メイン・エンジンとかワープドライブの辺りかい?」
それは確かに問題かもね、と会長さん。
「ああいう機関に異物は禁物、おまけに石があったとなると…。子供が出入りをしてるわけだし、厳重に注意しておかないと」
色々な意味で危険すぎる、と会長さんもソルジャーだけのことはあります。
「監視カメラはついてるんだろう? 直ちに映像を解析すべきで、持ち込んだ子供を特定出来たら厳しく叱っておくべきだね!」
「…そっちの方がよっぽどマシだよ!」
これはハーレイの部屋で見付かったのだ、とソルジャーは石を指差しました。キャプテンの部屋の床にコロンと転がっていたらしいんですけど、その場所に何か問題が…?



キャプテンの部屋にあったという石。白い小さな石で、何処から見たって普通の石で。
「…君のハーレイの部屋だと何がいけないんだい?」
会長さんの問いに、ソルジャーは。
「ハーレイの部屋で石ってトコだよ、これが青の間なら、ぶるぅなんだよ!」
「「「は?」」」
「ぶるぅだってば、ぶるぅの卵も最初はこういう白い石で!」
サイオンで探ったら青い卵に変わったのだ、とソルジャーの顔に焦りの色が。
「ハーレイの部屋にあったってことは、これは、はぁれぃの卵じゃないかと…!」
「はぁれぃって…。それはいくらなんでも…」
考えすぎじゃないのかい、と会長さん。
「第一、今はクリスマスでもないからね? サンタクロースが来るわけがないし!」
「それはそうだけど、でも、ハーレイは石なんかを部屋に持って行ってはいないと…!」
なのにベッドから転がり落ちた所が問題、と言うソルジャー。床に転がっていたと言いませんでしたか、ベッドから床に落ちたんですか?
「うん、多分…。ベッドに入る前には落ちてはいなかったからね」
ハーレイとベッドで楽しく過ごして、起きたら床に転がっていた、という証言。
「だからベッドから落ちたんじゃないかと…。でも、ハーレイは石なんか部屋に持っては来なかったらしいし、危険すぎるんだよ! はぁれぃの卵の可能性大!」
「…それで?」
ぼくたちに何をどうしろと、と会長さん。
「季節外れのプレゼントを貰ってしまったと言うなら、それは君の世界の問題だろう?」
「そうなんだけど…。ぶるぅだけでもう手一杯だよ!」
この上、はぁれぃまでは要らない、とソルジャーは身勝手すぎました。キャプテンの部屋に「はぁれぃ」が住み着いてしまえば、夫婦の時間にも悪影響が…、などと言うのがソルジャー。
「はぁれぃはクソ真面目だから覗きはしない、と言うだけ無駄だよ、ぼくのハーレイには!」
部屋に余計な住人がいるだけでヘタレには脅威になるのだそうで。
「現にハーレイ、これがはぁれぃの卵だったら、もうハーレイの部屋では嫌だと言ってたし…」
あの部屋で大人の時間を過ごせなくなる、とソルジャーが恐れる「はぁれぃ」の卵。ただの石にしか見えないんですし、考えすぎじゃないですか…?



ソルジャーが一人で大騒ぎしている白い石。「はぁれぃ」の卵だと慌ててますけど、ただの石ころっていう線もありますよ?
「そ、そうなのかな…? ハーレイに覚えが無いってだけで…?」
何かのはずみに紛れ込んだかな、とソルジャーは首を捻っています。リネン類とかを運ぶ台車があるかはどうかは知りませんけど、運搬中に子供が突っ込んだかも…。
「子供ねえ…。まるで無いとは言い切れないねえ、それでそのままハーレイの部屋に?」
「そういうオチかもしれないよ? 上手い具合にくっついてたかも」
ベッドメイキングの係がサイオンを使っていたら、と会長さん。
「大きなベッドを相手にするなら、補助のサイオンは欲しいトコだし…。シーツとかをバッと広げて被せようって時に、石もそのまま運んじゃったとかね」
「そうだね、その可能性もゼロではないか…。ホッとしたけど、念のため…」
確認だけはしておこう、とソルジャーが右手で石を握って、その手がボウッと青い光に包まれています。サイオンで探っているわけですね、ただの石かどうか。
「やっぱり心配になるからね! うん、大丈夫かな、反応しないし」
心配して損をしちゃったよ、とソルジャーが石をテーブルにコトンと置いた途端に。
「「「えっ?」」」
今度は石がボウッと光って、一瞬の内にピンク色の卵に変わっていました。鶏の卵くらいのサイズで、つまりは「そるじゃぁ・ぶるぅ」が化ける卵と同じ大きさ、ただし色違い。
「…卵になった!?」
ジョミー君が顔を引き攣らせて、キース君が。
「まさか、はぁれぃの卵なのか、これは!?」
「…ぼ、ぼくも信じたくないけれど…。で、でも…!」
ハーレイの部屋にあった以上は「はぁれぃ」の卵なのだろう、とソルジャーは再び大慌て。
「こういうことだよ、はぁれぃの卵なんだよ、これは!」
「持って帰って温めたまえ!」
君の世界の卵なんだし、と会長さんが扉の方を指差しましたが、ソルジャーの方は。
「そうはいかないって言ったじゃないか! ぼくもハーレイも困るんだよ!」
はぁれぃまで育てる余裕はとても…、と話は振り出しに戻っています。要らないだなんて言う方が無茶で、育てるべきだと思うんですけど…?



ソルジャーが持ち込んだ白い石ころ、転じてピンク色をした卵。「ぶるぅ」が生まれるまでの状況と似てはいるものの、発見された場所はキャプテンの部屋。ゆえに「はぁれぃ」の卵であろう、とソルジャーでなくても考えるわけで…。
「はぁれぃの卵なら、君たちできちんと温めるべきだよ!」
育児放棄をしてどうするのだ、と会長さんは眉を吊り上げました。
「こうして卵になったからには、育てる責任は君たちにあるから!」
「でも、ハーレイが反対なんだよ! ぼくもだけど!」
はぁれぃの卵は孵化するまでにも一年かかる、と騒ぐソルジャー。
「その間、ぼくたちのベッドにドンと卵が居座るわけだし、おまけに中身は、はぁれぃだし…!」
「はぁれぃの方で良かったじゃないか、ぼくの推理が当たっていたならクソ真面目だから!」
どんな胎教を食らったとしても真面目な子供になるであろう、と会長さん。
「いつか卵が孵った時には、実にいい子になるかもねえ…。何かと言えば特別休暇に励む君たちに説教をかましてくれるような!」
「せ、説教って…?」
「こんな所で励んでいないで仕事をしたら、と横で注意をしてくれるんだよ!」
それは覗きとは言わないから、と会長さんはピッシャリと。
「大人の時間にうつつを抜かしている弛んだ君たちにお説教! 仕事に行け、と!」
君の方は暇でもハーレイには仕事があるんだから、と会長さん。
「はぁれぃは頼もしい子になってくれるよ、胎教が酷ければ酷いほど!」
「そ、そんな…! ハーレイがますますヘタレるじゃないか!」
ぶるぅの覗きよりも酷い展開、とソルジャーは焦りまくっています。
「覗きだけでも、ハーレイは萎えてしまうのに…! 堂々と出て来てお説教なんて…!」
「いいと思うよ、そういう真面目な子供も君たちには必要だよ!」
君のシャングリラの未来のためにも、「はぁれぃ」は希望の光になるね、と会長さんが挙げる「はぁれぃ」という子供の素晴らしさ。特別休暇と称してサボッてばかりのソルジャー夫妻にお説教をかまし、日頃の夫婦の時間も翌日に備えて早めに切り上げるように監視モードで…。
「はぁれぃは絶対、育てるべきだね! 君のシャングリラで!」
「そういう子供は困るんだってば!」
ぼくの士気にも関わるから、とか言ってますけど、見られていたって平気というのがソルジャーですから、説得力はゼロですねえ…?



私たちは「はぁれぃ」の卵を温めるように、と口々にソルジャーに言ったのですけれど。なにしろ相手は自分勝手で、「ぶるぅ」を返品して「はぁれぃ」と交換出来たらいいのに、と言い放ったような思考の持ち主。旗色が悪い、と考えたらしいソルジャーは逃げて帰ってしまって…。
「…会長、この卵、どうするんですか?」
親がいなくなってしまいましたが、とシロエ君が見ているピンク色の卵。テーブルの上に放っておかれて、それは寂しそうな感じに見えます。
「うーん…。ぶるぅの卵と同じ仕組みなら、温めなくてもいいんだけれど…。あっちのぶるぅは温めないと駄目だったようでもあるからねえ…」
「俺たちで温めるしかねえのかよ?」
このままだと駄目になっちまうよな、とサム君が卵をつつくと、キース君が。
「孵卵器は使えないんだろうか? あれが使えるなら便利なんだが…」
時々、卵の向きを変えてやるだけで良かった筈だ、と挙がった孵卵器。でも…。
「それは駄目だね、あっちのぶるぅの卵は大きく育つんだから」
「「「あー…」」」
そうだったっけ、と思い出しました。「そるじゃぁ・ぶるぅ」の卵の殻は成長しませんけれども、「ぶるぅ」の卵は育ったのだと聞いています。最終的には抱えるほどの大きさに。
「…仕方ない、親が逃げた以上は里親だよね」
でも、ぼくたちも余計な時間は取られたくないし、と会長さんの指がパチンと鳴って。
「な、なんだ!?」
瞬間移動で教頭先生が呼び出されました。家で寛いでらっしゃったのに違いありません。
「悪いね、君に頼みたいことが出来ちゃって…」
子供を育てて欲しいんだけど、と会長さん。
「子供だと?」
「そう。…ブルーが捨てて行っちゃったんだよ、この卵を!」
一年間ほど温めてやると「はぁれぃ」という子供が孵化する筈で…、と会長さんは説明を。
「ミニサイズの君みたいなのが生まれる予定の卵で、温めてくれそうな人が他にいなくて…」
「し、しかし…。私にも仕事というものが…!」
「そこは適当でいいんだよ! 温められる時だけで充分だから!」
多分…、と会長さんは卵を眺めて、それから「駄目かな?」とお願い目線。会長さんに惚れている教頭先生はハートを射抜かれてしまい、卵を引き受けてしまわれました。二つ返事で。



こうして里親が無事に決まった「はぁれぃ」の卵。ソルジャー夫妻よりも真面目に温めたのが良かったらしくて、二週間ほどでグンと大きくなったようです。抱えるくらいに育った卵を私たちも見学に出掛けました。会長さんの家から瞬間移動で。
「うわあ、大きく育ちましたねえ…!」
もうすぐ孵りそうですよ、とシロエ君が卵を撫でると、キース君も卵に触ってみて。
「そうだな、今日にでも孵るかもしれん。…だが、あの馬鹿は一度も来ないし…」
「こっちで育てるしかないのかしら?」
性格は問題無さそうだけど、とスウェナちゃん。
「真面目な子供なら、お留守番だって出来そうだけど…。でも、家が無いわね」
「ぼくの家はぶるぅがいるからねえ…。キース、元老寺で引き取れないかい?」
将来はお坊さんになる見習いってことで、と会長さんが凄い提案を。
「真面目なんだし、お経も早く覚えると思う。月参りの時に連れて行ったら評判もいいよ?」
「…そうかもしれんな、小坊主は人気が高いものだし…。親父に相談してみるか」
大食いも悪戯もしない子供なら大丈夫だろう、とキース君。
「それは良かった。じゃあ、暫くはハーレイの家で預かって貰って、話がついたら元老寺に…」
「その話、待った!」
私が育てることにしよう、と教頭先生が名乗り出ました。ベッドで卵を抱えたままで。
「えーっと…。ハーレイ、情が移ったとか?」
「いや、そのぅ…。お前に頼まれて温めたのだし、気分はお前と私の子供で…」
「ふうん? だったら、そういうことで」
いいんじゃないかな、とニンマリと笑う会長さん。これが狙いで元老寺を持ち出したのに違いありません。「はぁれぃ」を育てることになったら、教頭先生の自由時間は激減しますし…。
「そうだよ、おまけにコブ付きなんだよ! もう結婚の資格は無いね!」
ぼくはコブ付きはお断りで…、という会長さんの言葉に教頭先生は顔面蒼白。けれど今更、育てる話を撤回したら更に軽蔑されることは必定、ピンチとしか言いようがない状況で…。



「あっ、生まれるかな?」
ピシッと卵にヒビが入ったのをジョミー君が見付けて、私たちは固唾を飲んで見守ることに。教頭先生がコブ付きになると噂の「はぁれぃ」、どんな姿をしているのでしょう?
ワクワクと見ている間にピシッ、ピシッとヒビが広がっていって…。
「かみお~ん♪ はじめまして、パパ、ママ!」
「「「ええっ!?」」」
現れた子供は「そるじゃぁ・ぶるぅ」にそっくりの見た目、「はぁれぃ」じゃなかったんですか?
「わあっ、ぶるぅだ!」
ずっと卵に化けていたの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の歓声が。すると、目の前に素っ裸で立っている小さな子供は…。
「「「ぶるぅ!?」」」
「そだよ、ブルーに連絡してくれる? はぁれぃの卵が孵りました、って!」
二週間も放っておかれたんだから! とニヤニヤと笑う「ぶるぅ」は悪戯小僧の顔でした。まさかソルジャー夫妻は「ぶるぅ」の不在に気付かず、「はぁれぃ」の卵だと思い込んだままで…。
「多分ね、ぼくのパパとママだから! はぁれぃと交換したかった、なんて言ってたから!」
「「「うわー…」」」
その瞬間に私たちは悟りました。ソルジャー夫妻が「ぶるぅ」に超ド級の借りを作ったことを。
「…あ、あいつら、これからどうなるんだ…?」
恐ろしくて考えたくもないんだが、とキース君が左手首の数珠レットを繰り、会長さんが。
「だからぶるぅには聞かせちゃ駄目だと言ったのに…。話しちゃったんだ、はぁれぃの卵…」
「うんっ! 何をして貰ったらいいかな、ぼく? 二週間も放っておかれたもんね!」
一緒に悪戯を考えてくれる? という「ぶるぅ」の誘いに、背筋が寒くなりましたけれど。
「…こんなチャンスは二度と無いからな、俺たちに最強の味方が出来たぞ!」
今までの借りを返そうじゃないか、とキース君が拳を握って、会長さんも。
「そうだね、ハーレイ、君も話に入りたまえ! 卵を温めた功労者だから!」
「い、いや、私はだな…」
「遠慮している場合じゃないだろ、何回コケにされたんだい?」
さあ! という会長さんの悪魔の囁き、教頭先生もお仲間です。ソルジャー夫妻に復讐出来るチャンス到来、「ぶるぅ」が味方につきました。二週間も放置されてた間に悪戯も山ほど考えたでしょう。その悪戯、私たちも大いにアイデア出します、ソルジャー夫妻に天誅ですよ~!



            はぁれぃの卵・了


※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 卵から生まれる「ぶるぅ」たちですけど、「はぁれぃ」の方がいいと言ったソルジャー。
 そして来てしまった「はぁれぃ」の卵、里子に出したのが運の尽き。正体がアレではねえ…。
 このシャングリラ学園番外編、来月で連載開始から14周年。今年で連載終了です。
 更新は残り2回ですけど、最後まで笑って読んで頂けると嬉しいな、と思っています。
 次回は 「第3月曜」 11月21日の更新となります、よろしくです~!

※毎日更新な 『シャングリラ学園生徒会室』 はスマホ・携帯にも対応しております。
 こちらでの場外編、10月はソルジャーがマグロ漁船に乗ると言い出しまして…。
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