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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

ぼくを運んで

 夏休みのある日。今日はハーレイは午前中に柔道部の指導があるから、ブルーの家を訪ねて来るのは午後になる。ブルーは母と昼食を食べて、二階に戻ろうとしたのだけれど。
「ブルー。それ、ママの部屋に持って行ってくれるかしら?」
 母が紙袋を指差した。綺麗な色と模様の紙袋。
「うんっ!」
「ドレッサーの所に置いてくれればいいから」
「分かった!」
 化粧品の類なのだろう。小さな紙袋を提げたブルーは足取りも軽く階段を上り、母の部屋の扉を開けて入って、ドレッサーの前に袋を置いて。
(ママの部屋かあ…)
 この部屋に母のベッドは置いてあるのだが、恐らく母は使っていない。隣の父の部屋に置かれた大きなベッドが多分、二人用。幼い頃にはブルーも其処で何度も両親と一緒に眠っていた。今なら二人用のベッドの意味が良く分かる。
(…ぼくとハーレイ、いつになったら一緒のベッドで寝られるのかな…)
 出会った時の百五十センチから伸びない背丈。前世の自分と同じ背丈にならない限りはキスさえ許して貰えない。同じベッドなんて夢のまた夢、いつになるやら見当もつかず。
(…早く結婚したいんだけど…)
 母の部屋に飾られた結婚式の写真。今よりも若い両親が幸せそうな笑顔で写っている。ブルーはそれを羨ましそうに眺めながら。
(ぼくって、ドレスを着るのかな? 二人ともタキシードなんて変だよね?)
 並んで立っている分にはかまわないけれど、これは流石に可笑しいと思う。母を両腕でしっかり抱き上げて立つ父と、その腕の中で笑顔の母と。結婚写真の定番の一つ。このポーズでハーレイがタキシードのブルーを抱いていたなら、さながらコメディ。
(やっぱりドレスしか無さそうだよね…)
 こういう写真は撮りたいもの、と両親の写真を目に焼き付けてブルーは自分の部屋に戻った。



(ドレスかあ…)
 生まれてこの方、ドレスなんかは着たこともない。学校はずっと共学だったし、いくらブルーが可愛らしくても演劇などで女の子の役は回って来ない。小さい頃に「女の子?」と訊かれたことは多かったけれど、ちゃんとズボンを履いていた。
(でも、あの写真を撮りたかったらドレスだよね…)
 ドレスというものの着心地どころか、どうやって着るのかも分からなかった。その辺りはプロにお任せとしても、ああいった服で上手に歩くことが出来るのだろうか?
(踏んづけて転んじゃったりして…)
 それは非常に格好が悪い。かと言って最初からハーレイに抱いて歩いて貰うのも…。
(思い切りルール違反だよね?)
 結婚式が終わるまでは自分の足で歩いてゆくしかない筈だ。これは困った、とドレスの長い裾をどう捌くべきか悩み始めたブルーだったが。
「…あれ?」
 そういえば、と思考が別の方向へ向いた。
「ぼく、一回もハーレイに抱っこして貰ってないよ…」
 ドレス姿でないと似合いそうにない結婚式の写真の定番、新郎の両腕に抱かれた花嫁。
 前の生ではハーレイと結婚こそ出来なかったけれど、ああいう風に抱き上げられたことは何度もあった。ハーレイの逞しい腕に抱えられて運んで貰った。
 なのにハーレイと再会してから、そんな経験は一度も無い。ハーレイはブルーを胸に抱き締めてくれるけれども、あんな風に抱き上げて貰ったことは無い。
(…お姫様抱っこって言うんだっけ…)
 シャングリラに居た頃、若いミュウたちがそう呼んでいた。ハーレイに「お姫様抱っこだね」と言ったら「あなたは私のお姫様ですから」と真顔で返され、二人して大笑いしたものだ。ブルーは実はソルジャーではなく、シャングリラのお姫様だったのか、と。
(あれも大きくなるまでダメなの?)
 キスと同じでお預けだろうか、と考えたけれど、お預けにされる理由が思い当たらない。唇へのキスは大人のものかもしれなかったが、両腕でヒョイと抱き上げるくらい…。
(パパだって抱っこしてくれるよ、うん)
 ブルーが熱を出した時など、父が抱えてベッドに運んでくれたりする。ということは、特に問題なさそうだ。一度ハーレイに頼んでみよう、と決心した。そう、今日ハーレイが来たら、早速。



 間もなくハーレイが訪ねて来てくれ、母が部屋まで案内してきた。母はアイスティーとお菓子をテーブルに置いて階下へと去り、ブルーは勇んで切り出してみる。
「ねえ、ハーレイ」
「なんだ?」
「お姫様抱っこはかまわないよね?」
「はあ?」
 ハーレイがポカンと口を開けた。それにかまわず、ブルーは続ける。
「お姫様抱っこ! まだ一回もして貰ってないよ」
「…お姫様抱っこって…。アレか、俺がお前を抱き上げるヤツか?」
「そう! パパもしてくれるし、お姫様抱っこはダメじゃないよね、キスと違って」
 期待に満ちた瞳でハーレイを見詰め、「お願い!」とペコリと頭を下げた。
「ちょっとでいいから抱っこしてみてよ」
「……全く必要無いと思うが」
 つれない返事にブルーは「なんで?」と目を見開いた。
「ぼくがお願いしているんだから、必要はあると思うけど…」
「無いな」
「どうして? 前は抱っこしてくれてたよ? それに前よりずっと軽いよ」
 ぼくの体重、と自分の小さな身体を指差す。
「今の方がずっと軽いのに…。持ち上げやすいのに、なんでダメなの?」
「前より軽いのは知っているさ。俺の膝の上に乗っかっていても軽いからな」
「だったら、どうして! 重くないのに! ちょっとでいいから!」
 ほんの少し歩いてくれるだけでいいのだ、とブルーは強請った。けれどハーレイは「駄目だ」の一点張りで、立ち上がる気配も見せてくれない。
「ハーレイのケチ!」
「ケチでかまわん。とにかく俺はやる気はない」
「…ちょっとだけでも?」
「そのちょっとで、だ。お前は何処へ行くつもりなんだ」
 鳶色の瞳がブルーの瞳を真正面から覗き込んだ。
「俺がお前を運んでいた先は、ベッド以外に無かった筈だぞ」
「えっ…?」
 思いもよらない言葉に暫し考え込み、遠い記憶を探ってみる。お姫様抱っこで連れて行って貰う先には、本当にベッドしか無かっただろうか?



 前の生で何度も抱き上げてくれたハーレイの腕。頑丈だった腕の逞しさと力強さを覚えている。今よりも重かったブルーの身体を軽々と抱き上げ、危なげもなく運んでくれた。ふわりと宙に浮く感覚。自分のサイオンで浮き上がるのとは全く違った心地よさ。
「…ベッドだけってこと、ないと思うけど…」
 それならば青の間かハーレイの部屋での記憶だけしか無い筈だ。ブルーの記憶が違うと告げる。シャングリラの長い通路やブリッジ、公園なども覚えていた。何処でもハーレイの腕にしっかりと抱かれて周りを見たり、高い天井を見上げたり…。
「ハーレイ、絶対、間違ってるよ! 通路も公園もそれで歩いた!」
「いや、間違えているのはお前だ。俺はお前をベッドにしか運んでいないんだが?」
「そんなことない!」
 通路はともかく、ブリッジや公園にベッドは無い。百歩譲って通路の方なら行き先がメディカルルームのベッドということもあっただろうが…。
 懸命に言い募るブルーだったが、ハーレイは「お前が忘れているだけだ」と譲らない。
「俺がお前を運ぶ時には行き先はベッドだ、間違いはない」
「でも…! ブリッジと公園にベッドは無いよ!」
「ああ、ブリッジと公園にはな。せいぜい休憩用の椅子くらいだな」
「だったら、なんで!」
 ハーレイの記憶違いか、お姫様抱っこをしたくないがゆえの逃げ口上か。どちらかだとブルーは思ったのだが、ハーレイがフウと溜息をつく。
「…覚えてないのも無理ないかもな。俺が目的地に着いた頃には、お前、大抵、寝ていたからな」
「寝てた…?」
 そんな記憶は全く無かった。ハーレイの腕に抱かれて移動するシャングリラの通路や公園などは気持ち良かったし、眠ってしまうわけがないのに…。
「ぼくは寝ないよ、せっかくハーレイがぼくを運んでくれているのに」
「その気が無くても寝てるんだ。…俺はお前が倒れた時しか、外でお前を運んではいない。お前、冷静に考えてみろよ? それ以外で俺がお前を運んでいたなら、周りに何と言い訳するんだ」
「あっ…!」
 そう言われればその通りだった。前の生では身も心も結ばれた本物の恋人同士だったけれども、周囲にはそれを隠し通した。ハーレイが理由も無くブルーを抱き上げて運んで歩けば、当然、仲を疑われる。ということは、自分の記憶が抜けているだけで…。
「分かったか? お前は運ぶ途中で寝ちまっただけだ。行き先はベッドだったんだ」
 ハーレイの指摘に反論出来ない。お姫様抱っこで辿り着く先は本当にベッドだったのだ。



「…思い出したか? つまりだ、俺に今のお前を運ぶ理由は無いわけだ」
 お前はピンピンしてるんだから、と鳶色の瞳に笑みの色が浮かぶ。
「気分が悪いわけでもないし、倒れちまったわけでもない。…ついでに、そういう理由以外で俺がお前をベッドに運ぶには早過ぎるしな」
「嘘……」
 あの懐かしい浮遊感を味わえないなんて。今のブルーの身体だったらヒョイと抱き上げて何処へでも運んで貰えそうなのに、行き先はベッド限定だなんて…。
「じゃ、じゃあ…。じゃあ、ハーレイ…」
 ブルーは一縷の望みを託して尋ねてみた。
「もしも学校でぼくが倒れて動けなかったら、運んでくれる?」
「………。それはお姫様抱っこでか?」
「うん。それならいいよね、保健室まで」
 保健室ならば行き先はベッド。いつもは保健委員のクラスメイトや担任に連れられて行っているけれど、ブルーはヨロヨロ歩いてゆくか、あるいは車椅子で運ばれるか。しかしハーレイが倒れた現場に行き合わせたなら、抱き上げて運んでくれるだろう。それだけの力は充分にあるし…。
「お前を保健室までか?」
「そうだよ、保健室のベッドに運んで欲しいんだけど」
 倒れたからには気分は相当に悪いのだろうが、ハーレイの腕で運ばれるのなら悪くない。途中で意識を失くしたとしても、お姫様抱っこをして貰える。ほんの一瞬のことであっても、胸に幸せな記憶が残る。今の生でのお姫様抱っこ。
 赤い瞳をキラキラと輝かせるブルーの姿に、ハーレイは「お前なあ…」と苦笑いをした。
「…その運び方は、普通は嫌がるモンなんだが?」
「そうなの?」
 ブルーは驚いて目を丸くした。あんなに気持ちのいい運ばれ方は無いと思うのに、嫌がるなんて信じられない。クラスメイトの肩を借りて重い足を引き摺って歩くより、ぐらぐらと揺れる身体を車椅子に委ねて運ばれてゆくより、ずっと、ずっと楽で気持ちが良くて…。
 顔いっぱいに「信じられない」気持ちが溢れるブルー。けれどハーレイがプッと吹き出す。
「まあ、女の子なら大喜びだな、なにしろお姫様抱っこだからな? しかしだ、男は全く違うぞ。何処の学校でも俺のクラブのヤツらにとっては罰ゲーム的な扱いだったが」
 注意を守らずに怪我をした生徒をアレで運ぶ、とハーレイは言った。
「やめて下さいと叫んでいようが、知ったことではないからな。下ろして下さいと泣きの涙が定番なんだが、俺は下ろさん。それが究極の罰ってヤツだ」



 男子たるもの、お姫様抱っこで運ばれるなどは屈辱の極み。それがハーレイが顧問を務めてきた柔道部や水泳部の生徒の共通の認識なのだという。自分が注意を守らなかったがゆえに怪我をし、その見せしめとして校内引き回しの刑を食らうのだ、と。
 ブルーは心底、驚いた。ハーレイに抱き上げられて運ばれることを嫌がる者がいるなんて…。
「じゃあ、どうやって運んでいるの? そういう罰にならない時は?」
 きちんと注意を払っていても怪我をすることは少なくない。体育の時間は苦手だけれども、その体育で何度も見て来た。転んだり、誰かと接触したりして怪我をした子を。
 不幸にして怪我をしてしまったハーレイの教え子はどうなるのだろう? ブルーが抱いた素朴な疑問に、ハーレイは「ああ」と事も無げに答えた。
「もちろん、背負うさ」
「背負う!?」
 ハーレイの広い背中だったら、体格のいい生徒であっても背負えるだろう。そして…。
「ぼく、一回もやったことない!」
 ブルーはハーレイの広い背中に背負って貰ったことが無かった。今の生でも一度も無いし、前の生でも経験が無い。あんなに大きな背中なのに。がっしりとした肩幅が頼もしいのに…。
 自分は如何に美味しい思いをし損ねたのか、という気がした。お姫様抱っこも素敵だけれども、背中だってきっと気持ちいい。ハーレイの温もりを感じながら揺られて、支えられて。
 むくむくと湧き上がって来る背中への憧れ。ハーレイの背中に背負われてみたい。
「それ、やって欲しい! 背負って欲しいよ!」
 前の時にもやってないもの、とブルーがせがむと「前は必要無かったろうが」と返された。
「お前は大きくても軽かったしな? 様子を見ながら運ぶ分には抱いた方がいい」
「でも…!」
「お前も背負えと言わなかったぞ、抱っこで満足してたんだろうが」
「……うーっ……」
 言い返そうにも、前の生で背負って欲しいと思ったことが無いのは事実。ハーレイが他の誰かを背負って歩いていたなら思い付いたろうが、生憎と一度も目にしなかった。それでも背中に向いてしまった目は「それもやりたい」とブルーの心をかき立てる。あの広い背中に背負われたいと。
 そう、今度の生では背負って欲しい。お姫様抱っこもやって欲しいし、温かな背中も感じたい。どちらも家では無理そうだけれど、もしも学校で倒れたならば…。



「ハーレイ、背負うか、抱っこか、どっちか!」
 どっちでもいいから、とブルーは強請った。学校の中で倒れていたなら運んで欲しいと。
「分かった、分かった。…いつかその辺で倒れてたらな」
 行き先がベッドだったら運んでやる、とハーレイがパチンと片目を瞑る。
「ただしあくまで学校で、だぞ。この家の中なら運ぶまでもないしな、ベッドは其処だ」
 担ぎ上げたらゴールインだ、と笑うハーレイに、ブルーは「学校でいいよ」と頷く。
「学校でいいから、どっちか、お願い」
「よしきた、俺に任せておけ。…いやはや、今から楽しみだな? どんな噂が立つやらなあ…」
「噂?」
「お前の噂さ、お姫様抱っこで運ばれてったら不名誉だぞ! 一生モノの男の恥だ」
 女の子にも何と言われるやらなあ、とハーレイは可笑しくてたまらないという様子で笑った。
「俺とお前が恋人同士なんていう嬉しい噂はまず立たないさ。お前に笑える名前がつくのが見えるようだな、ブルーちゃんとか」
「ブルーちゃん!?」
「お姫様だぞ、女の子の名前は「ちゃん」づけだろうが」
「…そ、それは……」
 小さな頃には「ブルーちゃん」だった。よく女の子と間違えられていた頃は、お隣のおばさんや郵便配達のおじさんたちにそう呼ばれていたし、ブルー自身も気にしなかった。それがいつからか「ブルー君」に代わり、成長した気になっていたのに「ブルーちゃん」だとは…。
「嫌だよ、ブルーちゃんなんて! 学校で抱っこは要らないよ!」
「なんでだ、して欲しかったんだろう?」
 遠慮するな、と胸を叩いてみせるハーレイに「背負う方でいいよ!」とブルーは叫んだ。
「抱っこの方は我慢するから! 大きくなるまで!」
 そうは言ったものの、少し寂しい。して欲しかったお姫様抱っこ。ハーレイの腕に身体を預けて運ばれる時の例えようもない充足感と心地よさは当分、今の身体では味わえない。
 俯いてしまったブルーの頭をハーレイの手がクシャリと撫でた。
「…分かってるさ、お前の気持ちはな。だがな、今はまだ応えてやれないんだ」
 すまん、と真摯な瞳で謝るハーレイ。さっきまでの笑いが嘘だったように。
「…ハーレイ…?」
「いつかお前が大きくなったら、ちゃんとベッドまで連れてってやる。…意味は分かるな?」
「…うん…」
 ブルーの頬が真っ赤に染まった。いつか望みが叶う時には、自分は、きっと…。



 今は叶わないらしい、お姫様抱っこ。
 けれどブルーには今の生での目標が出来た。前の生では思いもしなかったハーレイの背中。その広い背中に背負って貰って移動すること。
「ねえ、ハーレイ? 背負って貰う方なら学校でやってくれるんだよね?」
「お前の家だとベッドに担ぎ上げて終わりだからなあ、まあ、学校しか無いだろうな」
 だが、とハーレイはブルーの額を指先で弾く。
「それを狙って無理して学校へ来るのは無しだ。お前が寝込む姿は見たくないんだ」
「…だけど…」
「でも、も、だけど、も聞きたくはないな」
 病気になって辛い思いをするのも、苦しくなるのも、お前だろうが。
 背負ってやるのは何でもないが、その前に、お前。行き倒れるなよ、学校で……な。
 しっかり食べて、丈夫になれ。
「……うん……」
 それがハーレイの心からの望みで、ブルーの身体を気遣っての言葉なのだと分かったから。
 ブルーはコクリと頷いた。
 学校で倒れないようにしたい。ハーレイに心配させたくはない。
(…でも……)
 同じ倒れるならハーレイの前で、と子供ならではの欲張り心も顔を出す。
 お姫様抱っこは当分無理でも、ハーレイの背中。其処に背負って貰えるのならば、保健室行きも気にしない。倒れて、寝込んで、学校を休んでしまったとしても…。
(それにハーレイのスープもつくしね)
 ブルーが寝込んだ時には大抵、ハーレイが家まで作りに来てくれる。
 前の生でブルーのためだけに作ってくれていた野菜のスープ。何種類もの野菜を細かく刻んで、基本の調味料だけでコトコト煮込んだ素朴で優しい味わいのスープ。
 広い背中に背負って貰って、あの懐かしい味のスープが飲めるなら…。
(うん、それだけでとっても幸せだよね)
 ふふっ、とブルーは微笑んだ。ハーレイに心配させたくはないのだけれども、心配してかまって欲しいとも思う。いつか一緒に暮らせるようになるまでの間は、そのくらい…。
(いいよね、ちょっとくらいはね…)
 ねえ、ハーレイ?
 ちょっとくらい我儘を言ってもいいよね、ぼくはハーレイの恋人だから…。




            ぼくを運んで・了


※今はして貰えない、お姫様抱っこ。流石に色々無理がありすぎますね、これは。
 今度は背負って欲しくなったようですが、子供ならではの我儘全開かも…。
 ←拍手して下さる方がおられましたらv
 ←聖痕シリーズの書き下ろしショートは、こちらv






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