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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

当てたい幸運

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




ゴールデンウィークも真っ最中で、春真っ盛り…いえ、初夏という気もする季節です。今日は会長さんの家でダラダラ、何処も混んでるというのが理由。シャングリラ号に行きたい気もしましたけど、会長さんが催してくれる歓迎イベントが困り物ですし…。
「あれさえ無ければいいんだけどなあ、シャングリラ号…」
歓迎イベントが嬉しくないし、とジョミー君が零して、キース君も。
「まったくだ。ロクな目に遭ったことが無いしな、ブルーのせいで」
「心外だねえ…。ぼくはソルジャーとして心を砕いているんだけどね?」
どうして分かってくれないのだ、と会長さんは不満そうですが。
「心を砕くだと? 俺たちの心を砕きまくるの間違いだろうが、もう粉々に!」
「そうです、そうです。完膚なきまでに打ちのめされると言うか、再起不能と言うべきか…」
会長の気持ちは分かるんですが、とシロエ君からも嘆き節。
「狙って外すのか、狙っているのか知りませんけど、いつも何処かがズレてるんです!」
「そうかなあ…? ババを引くのはハーレイになるよう、ちゃんと気を付けてるつもりだけど…」
「そのババが余計だと言っているんだ!」
だからシャングリラ号はパスした、とキース君。
「混んでいようが、つまらなかろうが、ゴールデンウィークを平和に過ごすなら地球に限る!」
「…本当に何処も混んでますけどね…」
空いてる所はマツカ先輩の別荘くらいなものですよ、とシロエ君がフウと。
「でも、マツカ先輩にも、そうそうご迷惑はかけられませんし…」
「ぼくはかまいませんけれど?」
何処か手配をしましょうか、とマツカ君が訊いてくれましたけど。
「いいよ、別に。ブルーの家でもゆっくりできるし」
御飯もおやつも美味しいし、とジョミー君が答えて、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「かみお~ん♪ 毎日お客様だもん!」
今日ものんびりしていってね! と笑顔一杯、元気一杯。家事万能でお料理大好き「そるじゃぁ・ぶるぅ」に任せておけば、手作りお菓子や素敵な食事がドンと出るのが会長さんの家、此処で過ごせるなら特に問題ないですよね?



そんなこんなで今日も集まっているわけですけど、何故だか話題はお祭りへと。混んでいるから行かないくせに、露店巡りの醍醐味がどうとか。
「やっぱりアレだよ、クジつきのだよ」
当たると串カツもう一本とか、そういうのが…、とジョミー君。
「当たった時の嬉しさが凄いし、本気で当たれば串カツどころか豪華商品だよ?」
「あれなあ…。当たらないのがお約束だろうが」
少なくとも俺は当たったことがないが、とキース君が難しい顔を。
「大当たりです、と言われて喜んだことはあるがだ、その大当たりがまた問題で…」
「キース先輩、今、当たらないと言いませんでしたか?」
シロエ君が突っ込むと。
「話は最後まで聞いてくれ。俺が欲しかったのはゲーム機でだな…」
親父は買ってくれなかったからな、と言われて納得、アドス和尚が駄目と言ったら駄目でしょう。子供のお小遣いで買うには高すぎる品、露店の当たりを狙うしか道が無さそうです。
「とにかく当てようと小遣いをせっせとつぎ込みまくって、やっと大当たりを引いたんだが…」
「ゲーム機、貰えなかったわけ?」
当たりなのに、とジョミー君が尋ねると。
「当たりは当たりでも、別物だった。…空くじ無しが売りの露店で、クジを引いたらハズレでもデカイ煎餅が一枚貰えるヤツで」
「あー、ソース煎餅な!」
あれは美味いよな、と頷くサム君。お店によって形は色々、ソース煎餅。お好み焼き風にソースを塗ってくれて、青海苔なんかもついたりします。露店ならではの味で、会長さんたちとお出掛けしたら誰かが買ってる定番で…。
「お前、ソース煎餅で大当たりなのかよ、すげえじゃねえかよ」
まず当たらねえぜ、という言葉通りに、私たちのお出掛けでも会長さんがサイオンで反則しない限りは二枚当てるのも難しいヤツ。でも…。
「いや、俺は当てた。だが、ゲーム機が当たる方じゃなくてだ、煎餅を十枚貰ったんだ!」
「「「じゅ、十枚…」」」
それは非常に豪華ですけど、食べるのもとても大変そう。キース君も食べ切れずに友達に大盤振る舞いしちゃったんだそうで、ゲーム機は貰えず仕舞いだったとか…。



「あの手の露店はまず当たらん。当たったとしても、煎餅十枚がオチだ」
俺の知り合いで目的の物を当てたヤツはいない、とキース君はキッパリと。
「まだ宝くじの方がマシなんだろうが、これまた当たったヤツを知らんな…」
「分かります。当たったとしても金額少なめ、本当に凄いのは当たらないって聞きますよね」
だからこそ夢が大きいんでしょうが…、とシロエ君が相槌を打つと。
「あら、当たる時には当たるでしょ? でないと成立しないわよ、あれは」
当たり番号も発表されるんだし…、とスウェナちゃん。
「私たちの周りに強運な人がいないってだけで、誰かは絶対当たっているのよ」
「それは言えるね、宝くじならね」
露店と違ってズルは出来ない、と会長さんが。
「露店の方ならチェックされてるわけでもないから、当たりくじ無しとか、大当たりが出たってキースの時みたいに誤魔化すとかね」
「おい、あれは誤魔化しだったのか!?」
ソース煎餅十枚は実は本物の当たりだったのか、とキース君が目を丸くすると。
「当たり前だよ、煎餅用と景品用のクジを使い分けてはいないんだし…。大当たりです、って差し出されたクジをどう扱うかは露店の人の心ひとつだよ」
「ちょっと待て! だったら、あそこで俺がゴネてたら…」
「ゲーム機が貰えていたんだろうねえ、仕組みが分かる年だったらね」
少なくとも大の大人相手に誤魔化せはしない、という指摘。
「付き添いで親が来ていたとかでも、ゲーム機は貰えた筈なんだよ。ソース煎餅十枚じゃなくて」
「…俺は騙されたというわけなのか?」
「そうとも言うけど、ソース煎餅で納得したなら、君にも落ち度はあるからねえ…」
過失がゼロとは言い切れない、と会長さんは可笑しそうに。
「露店のクジだと、売ってる人も海千山千、相手を見て結果を決めるってね!」
「くっそお、俺はゲーム機を当てていたのか、あの時…」
「そういうことだね、今となっては時効だけどね」
露店のクジでも当たる時には当たるんだよ、と会長さん。
「だからね、宝くじだって当たる時は当たる! 運が良ければ!」
「会長、やっぱり運なんですか?」
「運次第だねえ…!」
露店のクジも宝くじも、と会長さん。世の中、やっぱり運が大切…?



どうやら露店で大当たりしたらしいキース君。海千山千の店主に陥れられ、ゲーム機の代わりにソース煎餅十枚というオチですけれど。それにしたって当たる時には当たるものだ、と理解しました。宝くじだって、きっと…。
「うん、宝くじは当たるよ、絶対に!」
「「「???」」」
誰だ、と思わず振り返った声。会長さんではない筈だ、と見れば紫のマントがフワリと揺れて。
「こんにちは! 遊びに来たよ、ぶるぅ、おやつは?」
「かみお~ん♪ 今日はヨモギと胡桃のパウンドケーキなの!」
草餅が美味しいシーズンだしね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がキッチンに走り、ソルジャーの分のパウンドケーキと紅茶をササッと用意。ソルジャーは早速、ケーキにフォークを入れながら。
「宝くじはね、当たるものだよ、狙っていけば!」
「「「は?」」」
「だって、一種の博打だろ? こっちの世界のを見てた感じじゃ」
「それはまあ…。博打と言えないこともないけど…」
当たらなかったら紙屑だし、と会長さんが答えると。
「そう、そこなんだよ、外すと紙屑! でもねえ、宝くじだと狙えるからね」
「…何を?」
どう狙うんだ、と会長さん。
「馬券とかなら、事前の情報で狙うというのは常識だけど…。宝くじだと狙えないよ?」
どの番号が当たりそうとか、当たりやすいとか、そういうのも無いし…、と言ってから。
「待てよ、アレかな? 当たりが出やすい売り場で買うっていうヤツかい?」
「あるらしいねえ、そういうのも! 買いに行くツアーもあるんだって?」
「「「ツアー!?」」」
なんだそれは、と驚きましたが、ソルジャーが言うには宝くじを買いに出掛けるツアー。エロドクターから聞いたのだそうで、会長さんも「あるね」と証言。
「当たりくじが出ると評判の売り場へ連れてってくれるツアーだよ。けっこう評判」
「人気らしいね? でもねえ、ぼくが言うのはそれじゃないしね」
買っただけでは狙いようが無いし、と言うソルジャー。当たりくじが出やすい売り場で買うのが限界っぽいんですけど、そんな宝くじをどう狙うと?



宝くじは絶対に当たる、と豪語しながら出て来たソルジャー。しかも「狙っていけば当たる」という話ですが、相手は馬券じゃありません。ただの抽選、狙って当たるようなものでは…。
「普通ならね! だけど、ぼくたちなら狙えるから!」
「「「ぼくたち?」」」
「ぼくとか、ブルーとか、ぶるぅとか! そこはサイオン!」
抽選の時にズバリ細工を、と飛び出しました、反則技が。確かに百発百中でしょうが、それってフェアではありませんから…!
「あのねえ…。流石のぼくもね、それだけはやっていないから!」
ウッカリやってしまわないよう、宝くじだって買わない主義だ、と会長さんは苦い顔。
「宝くじを買ってしまえば、当たって欲しいと思うものだし…。無意識の内にやらかさないとは言えないからねえ、サイオンで介入」
「なんだ、宝くじ、やらないんだ?」
「ぼくは露店のクジまでだよ!」
それも大当たりは狙わない、とキッパリ言い切る会長さん。
「ソース煎餅だの串カツだのを当てる時にも、数は少なめ、煎餅十枚の大当たりなんかは避けて通るのが鉄則だから!」
サイオンはそういうズルをするための能力じゃない、と珍しく正論。いつもだったらサイオンを使って悪戯するとか、そういった方向で遠慮なく使っているくせに…。
「なるほどねえ…。宝くじはやらない主義だった、と」
「一般人の感覚ってヤツを忘れちゃったら駄目なんだよ!」
世間を上手く渡って行けない、と会長さんは大真面目。
「君みたいに一般社会から弾き出された世界で生きているならともかく、ぼくたちは普通の人との交流もきちんとあるからね!」
「うーん…。ぼくの感覚、ズレているかな、宝くじなら狙えばいい、って…」
「ズレまくりだよ! 少なくとも、此処じゃ通用しないね!」
やるんだったら自分の世界でやってくれ、と会長さんが言うと、ソルジャーは。
「やりたい気持ちは山々だけどさ…。ぼくの世界には宝くじが無くて」
「「「え?」」」
「不健全ってことになるみたいだよ? 宝くじを当てて一攫千金というのはね」
ぼくの世界には向かないらしい、という話ですが。…不健全ですか、宝くじ…?



年に何度か大々的に宣伝されるほど、お馴染みなのが宝くじ。夢を当てようと買う人だって多いんですけど、不健全だとは思いませんでした。馬券はともかく、宝くじにハマッて身を滅ぼしたという例はそうそう無さそうですし…。
「こっちの世界じゃそうだろうけど、ぼくの世界はSD体制! そこが問題!」
完全な管理社会だから…、とソルジャーは顔を顰めました。
「職業だって機械が決めるほどだよ、つまりは貰えるお金なんかも決まってるわけで…」
「そうか、臨時収入なんかは駄目なんだ?」
会長さんが訊くと、ソルジャーは「うん」と。
「アルバイトくらいは出来るけどねえ、働きもしないで大金がドカンと入るのはマズイ。宝くじが当たりましたから、って楽な人生を送る人がいたんじゃ駄目なんだよ」
それを真似たい人が出て来て社会がメチャメチャになってしまう、と頭を振っているソルジャー。
「きちんと計算されてる社会で、例外なんかは有り得ない。大金を稼ぎたいと言うなら、それなりのコースに乗るしかない!」
機械に配属された就職先で出世する以外に道は無いのだ、と聞かされて、改めて知ったSD体制の世界の怖い側面。宝くじで夢も見られないなんて…。
「ね、夢が全く無い世界だろう? …そういう世界が嫌になったら、もう飛び出して海賊になるしか道は無いねえ、それなら略奪し放題だし、一攫千金も夢じゃないしね!」
もっとも追われる身になるけれど…、と当然な話。
「捕まらなければ楽な世界だよ、海賊ってヤツは。ぼくたちも一時期、お世話になったし」
「そう聞いてるねえ…。君の性格、そっちで色々と影響された?」
「さあ…? 宝くじがあったら狙いたいというのは、海賊仕込みかもしれないけどね!」
一攫千金は狙ってこそだし、と言ってますけど、ソルジャーの世界には無い宝くじ。私たちの世界で狙っていくのは会長さんが駄目出ししてますし…。
「…駄目かな、宝くじを狙っていくというのは?」
「当たり前だよ、第一、君は狙わなくてもお小遣いには不自由していないだろ!」
ノルディに好きなだけ貰える筈だ、と会長さん。
「ノルディはたっぷり持ってるんだし、そっちで貰ってくれたまえ! 宝くじなんかには手を出さないで、健全に!」
「…不健全なのも好きなんだけど…」
社会から弾き出されちゃったのがぼくたちだから、と言われましても。宝くじには介入しないで露店のクジくらいにして貰わないと、私たちの世界がうんと迷惑しますってば…。



サイオンで宝くじを当てられるらしい会長さんやソルジャーたち。なんとも凄い能力ですけど、会長さんはそれを封印中。宝くじだって買わずに封印、なのに別の世界から来たソルジャーがやってみたいのが宝くじ。会長さんはブツブツと。
「君が不健全なのが好みだろうが、SD体制が何と言おうが、宝くじだけは駄目だからね! それこそ、ぼくたちの世界がメチャメチャだから!」
夢を買いたい人たちが大いに迷惑するから、と文句を言われたソルジャーは。
「うーん…。宝くじの世界を楽しみたいけど、露店じゃイマイチ…」
「ソース煎餅十枚でいいだろ!」
「そんなのはつまらないんだよ! もっとワクワクするのを希望!」
宝くじ的なワクワク感を…、と刺激を求めているソルジャー。いっそ馬券でも買ってみたら、と思わないでもないですが…。
「そうだ、買うのが駄目なら売ればいいんだ!」
「「「へ?」」」
宝くじを売るって…。ソルジャーがですか…?
「そう! 買ってドキドキ、それが駄目なら売ってドキドキ、ワクワクだよ!」
「…勝手に宝くじを売ったら犯罪だろうと思うけど?」
確か決まりがあった筈だ、と会長さん。
「露店レベルならいいんだろうけど、宝くじとなると…。一般人は扱えないと思うよ、それを誤魔化して売るとなったら、宝くじを買うのと同じくらいに迷惑だから!」
「そうなのかい? でもね、ぼくのは露店と変わらないからね!」
露店よりもっと慎ましいかも、と妙な発言。露店より慎ましい宝くじって…?
「え、どうして慎ましいかって? 大勢の人に売り出すつもりじゃないからだよ!」
ターゲットはたった一人だけ! とソルジャーは指を一本立てて。
「その人が何度も買ってくれればいい仕組み! もう、当たるまで何度でも!」
「…その一人って、まさか…」
ぼくの知ってる誰かのことではないだろうね、と会長さんが訊くと。
「ピンポーン! 君もとってもよく知ってる人!」
それに此処にいるみんなも知ってる、と私たちをグルリと見渡すソルジャー。
「ズバリ、こっちのハーレイってね!」
「「「ええっ!?」」」
教頭先生だけに売り出す宝くじって…。当たるまで何度でも、だなんて、どんな宝くじ…?



ソルジャー曰く、ターゲットは教頭先生一人だけという宝くじ。何度も買ってくれるリピーターを狙うみたいですけど、教頭先生が宝くじなんかを買うんでしょうか?
「宝くじねえ…。ハーレイも買ってはいないけどね?」
ぼくとは全く違う理由で、と会長さん。
「運が悪いという自覚はあるんだ、どうせ買っても当たらないから買ってない。そんなハーレイが手を出すとは思えないけどねえ…」
たとえ販売者が君であっても、と会長さんが意見を述べましたが。
「それは普通の宝くじだろ、ぼくが狙いたかったヤツ!」
「そうだけど?」
「ぼくが売るのは露店のクジの御親戚だよ、ハーレイにだけ美味しい宝くじだよ!」
空くじ無しでハズレ無し、ということは…。しかも美味しいなら、ソース煎餅とか串カツ系のクジを売るんですか?
「違うよ、もっと美味しいもの! 当たったら、ぼくの下着とか!」
「「「下着!?」」」
「そう、下着! いわゆるパンツ!」
そういうのが当たる美味しいクジで…、とソルジャーは笑顔。
「もっと素敵な当たりクジになれば、ぼくとキスとか、添い寝だとかね…!」
「ちょ、ちょっと…!」
そんなクジは困る、と会長さんが肩をブルッと震わせて。
「不健全にもほどがあるだろ、その宝くじ! そりゃあ、ハーレイには美味しいだろうけど!」
「ぼくは不健全なのが好みなんだよ、健全すぎる世界に追われる身だしね!」
SD体制の世界で苦労してるし、とソルジャーお得意の必殺技が。
「日頃から苦労をしまくっている、ぼくの楽しみをこれ以上減らさないで欲しいね! 宝くじを買うのが駄目なら、売る方で!」
こっちのハーレイに不健全な宝くじを売り付けるのだ、とソルジャーは譲りませんでした。
「心配しなくても、宝くじだから! そう簡単には当たらないから!」
「でも、当たったらパンツなんだろう!?」
「当たればね!」
当たらなかったらパンツなんかは貰えないから、とソルジャー、ニッコリ。でもでも、さっき、空くじ無しとか言いませんでしたか、パンツでなくても何か貰えるんじゃ…?



ソルジャーが売りたい、空くじ無しの宝くじ。当たればソルジャーのパンツとかが貰えるだけに、その他のくじが心配です。ハズレた場合はどうなるんでしょう、串カツとかソース煎餅とか…?
「…串カツも美味しいんだけどねえ…」
仕込んでおくのもちょっといいかな、とソルジャーは首を捻りました。
「ぶるぅ、串カツの美味しい店と言ったら、やっぱりアレかな? パルテノンの…」
「んとんと、活けの車海老とかを揚げてくれるトコ?」
「うん! あそこがぶるぅもお勧めかい?」
「んーとね、美味しいお店は色々あるけど…。食材がいいのはあそこだよ!」
お肉もお魚も野菜も最高! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「こだわりの食材を揚げるお店だから、お値段も高くなっちゃうけれど…」
「値段は別にかまわないんだよ、ぼくが支払うわけじゃないから! 食べるだけだから!」
「「「は?」」」
またエロドクターとデートだろうか、と思った私たちですが。
「違うってば! ぼくと一緒に食べに行くのは、こっちのハーレイ!」
「「「教頭先生!?」」」
「そうだよ、空くじ無しだからね!」
ハズレくじだとハーレイに尽くして貰う方向で…、とソルジャーはニヤリ。
「ぼくと一緒に食べに行けるなら、まだしも当たりな方なんだよ、うん」
「…もっと外れたら?」
会長さんが心配そうに尋ねると。
「そういう時はね、ぼくのハーレイの分まで持ち帰りコースで豪華弁当を買わされるとか!」
「「「あー…」」」
つまりソルジャーの財布代わりにされるのか、と理解してしまったハズレくじの正体。けれど当たればソルジャーのパンツや、キスや添い寝をゲットなんですね?
「そう簡単には当たらないけどね、宝くじだしね!」
ついでにこっちのブルーの分も混ぜておこう、とニコニコと。
「ぼくの以上に当たりにくいけど、ブルーのキスと添い寝もね!」
「勝手に決めないで欲しいんだけど!」
「パンツよりかはマシだろう?」
それともパンツを当てて欲しいのか、という質問が。会長さん、もしやピンチですか…?



ソルジャーが教頭先生だけに売り付ける宝くじ。当たればソルジャーのキスや添い寝で、パンツなんかも貰えるとか。それの会長さんバージョンも混ぜたいソルジャー、キスや添い寝よりもパンツを当てて貰った方がいいのかという逆襲で。
「いいかい、キスとか添い寝だったら、その場限りで済むんだよ? 最悪、サイオニック・ドリームで逃げるという手もあるけど、パンツはねえ…」
ハーレイの手元に残るからね、とズイと前へと。
「そんな記念品を当てられるよりは、キスと添い寝の方がいいかと思うけど…。君がパンツを希望だったら、ここはパンツで!」
「ぱ、パンツ…?」
「もちろん使用済みに限るよ、洗濯はしても一度は履いたパンツでないと!」
まるで値打ちが無いからね、と言われた会長さんは顔面蒼白。
「な、なんでパンツなんかをハーレイに…!」
「じゃあ、キスと添い寝! 大丈夫、そうそう当たるわけがないから!」
ぼくの分の方が当たりやすいようにしておくから、とソルジャーは自信たっぷりで。
「なんて言ったっけ、組違いだっけ…? そんな感じで仕込んでおくよ」
沢山の組の中に君の分は一つだけ、と言い切るソルジャー。他の組だと同じキスや添い寝でもソルジャーになるのだそうで、会長さんバージョンはとてもレアなもので。
「平気だってば、君の分のクジはただの釣り餌! まず当たらない!」
そして君のを混ぜるからには儲けは山分けでどうだろうか、と殺し文句が。
「宝くじだよ、暴利をむさぼるつもりなんだよ! 君も是非!」
「…山分けというのは魅力的だね、それに当たりはまず出ない、と…」
「出ないね、本物の宝くじが滅多に当たらないのと同じでね!」
ぼくと二人で儲けよう! と唆された会長さんは…。
「その話、乗った!」
「そうこなくっちゃ! それじゃ早速、宝くじ作りを!」
「いいねえ、本物っぽく凝って作ってみようか?」
「どうせならこだわりたいからね!」
第一回の分を二人で作ろう、と結束を固めた会長さんとソルジャーは宝くじ作りを始めました。第一回ってことは二回、三回と続くんでしょうか、毎週、毎週、抽選だとか…?



フカヒレ丼の昼食を挟んで、宝くじ作りを続けた二人。ああだこうだと凝りまくった末に出来た宝くじの山、全部を買ったらお値段、いくらになるんでしょう?
「このクジを全部…? えーっと、一枚これだけだから…」
ソルジャーが電卓をカタカタ叩いて、「はい」と見せられた数字に目を剥いた私たち。とてもじゃないですが全部は無理です、本物の宝くじの一等賞より強烈な値段じゃないですか~!
「そりゃね…。そうでなければ宝くじとは言えないからねえ…」
当たりクジを確実に買えるようなのは駄目じゃないか、とソルジャーが言って、会長さんも。
「ハーレイの懐具合からして、一度に無理なく買える枚数、十枚くらいって所かなあ…」
「そんなトコだね! でもって空くじ無しだからねえ、ぼくに御馳走もしなくっちゃ!」
「…使うかどうかは、ハーレイ次第になるけどね…」
宝くじだから、と会長さん。
「交換しなけりゃ一等賞でも手に入らないのが宝くじだし、君に御馳走するかどうかも…」
「そうなるけどねえ、宝くじをまた買いたかったら、交換しないと!」
売っているのはぼくなんだから、と得意満面。
「ぼくの機嫌を損ねちゃったら、もう買えないよ? 君は売りには行かないだろう?」
「…一人で売りに行く気は無いねえ、ボロ儲けでもね!」
ちょっとアヤシイ宝くじだけに…、と会長さんは腰が引け気味。それはそうでしょう、キスと添い寝が当たるかもしれない宝くじです。パンツは当たらないみたいですけど。
「パンツはぼくの分だけだね! もちろん、当たればプレゼント!」
本当に履いたパンツをプレゼントする、と平気な顔で言えるソルジャー、きっと心臓に毛が生えているというヤツじゃないかと…。
「え、心臓? 毛なら他にも…。でも、流石にパンツについているのをプレゼントはねえ…」
「もういいから!」
下品な話はお断りだ、と会長さんがブチ切れました。
「そんな話をしている間に宝くじ! ハーレイに売りに行くんだろう!」
「そうだったっけね、二人で行くのがいいのかな?」
「ハーレイの気分を盛り上げるには、他の面子はいない方がいいね」
だけど様子は見たいだろうから…、と中継画面が用意されました。教頭先生のお宅のリビングが映し出されています。私たちは此処から見物なんですね、行ってらっしゃい~!



瞬間移動で飛び出して行った、会長さんとソルジャーと。二人の出現に教頭先生はビックリ仰天、けれども直ぐに立ち直って。
「ホットの紅茶でいいですか? それとクッキーで」
「どうぞ、おかまいなく。今日は勧誘に来ただけだからね!」
ソルジャーが浮かべた極上の笑み。
「宝くじを買ってみないかい? 君にしか売らない宝くじでね、今回が第一回で!」
「宝くじ…ですか?」
「そうなんだよ! 空くじ無しが売りなんだけどさ、当たればキスとか添い寝とかがね!」
「…キスに添い寝…」
ゴクリと生唾を飲み込む教頭先生。ソルジャーは「そう」と大きく頷いて。
「ぼくからのキスに、ぼくの添い寝が当たるんだけど…。大当たりの時は、これがブルーになるんだな! 君の大好きな本物のブルーに!」
こっちのブルー、と会長さんを指差すソルジャー。
「大当たりだけに、そう簡単には出ないけど…。こまめに買っていれば、いつかは!」
「…当たるのですか?」
「君の運も関係するけどね! それから、クジの交換を忘れないことと!」
ハズレくじの方でも疎かにしてたら罰が当たるよ、とニコニコと。
「でもって、当たりの中にはパンツもあって!」
「パンツですか?」
「うん、本物の下着のパンツ! こっちはブルーが嫌がっちゃってね、ぼくのパンツしかないんだけれど…。同じブルーだし、当てるだけの価値は!」
「ありそうですね!」
鼻息の荒い教頭先生、ソルジャーのパンツでもいいらしいです。会長さんが「スケベ」と呟き、ソルジャーと二人、仲良く並んで。
「それで、宝くじ、買うのかな? …ブルーの説明で中身は分かったようだけど」
「買うに決まっているだろう! もう全部でも!」
「ふうん…? 全部買ったら、この値段だよ?」
買えるわけ? と訊かれた教頭先生、もうガックリと肩を落として。
「…では、十枚で…」
「オッケー、今日の所は十枚ってことで」
それじゃ抽選をお楽しみに、と宝くじを売り付けた極悪人が二人。当たりますかねえ、宝くじ?



第一回の抽選会は、その日の内に行われました。サイオン抜きでの抽選を売りにしたいから、と会長さんが用意したダーツ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」がサイオンで凄い速さでクルクル回転させている所へ私たちが矢を順番に。
「…これって一応、フェアなんだよなあ?」
俺たちのサイオンは思念波くらいが限界だしよ、とサム君が。
「そうだな、俺もサイオニック・ドリームは髪の毛限定でしか使えんし…」
あんな速さで回っているダーツの的なんかが見えたら凄すぎだ、とキース君も。こうして順番に投げていった矢、当たりの組や番号なんかが決まりましたが。
「…やっぱり簡単には当たらないねえ…」
サイオン抜きじゃね、と笑うソルジャー。教頭先生がお買いになった十枚は全て外れたらしく。
「ぼくと串カツでデートが三枚、豪華弁当を買ってくれるのが五枚、ケーキを買ってくれるのが残りの二枚だね!」
「「「うわー…」」」
気の毒すぎる、と思いはしても、抽選はズルはしていません。ソルジャーと会長さんは何番が何のクジだったのかを書き付けた紙を瞬間移動で教頭先生に届けに出掛けて、その様子も中継してくれました。教頭先生、なんとも残念そうですが…。
「…次回の宝くじはいつですか?」
「君次第だけど…。御希望とあれば、次の土曜日でも!」
ねえ? とソルジャーが会長さんの方を眺めて、会長さんも。
「もっとペースを上げろと言うなら、毎日だってかまわないんだよ? 君の財布が大丈夫なら」
「それなら、毎日買わせて貰う! 抽選も毎日になるのだろう?」
「それはもちろん。…だけど外したクジの分はちゃんとフォローしなくちゃね」
今日の所はブルーと串カツでデートが三回、豪華弁当プレゼントが五回にケーキが二回、と指折り数える会長さん。教頭先生は「よし!」と財布を取り出して。
「…では、豪華弁当お二人分が五回と、ケーキが二回と…。その分がこれで」
「ありがとう! 串カツはいつ出掛けようか?」
「そうですねえ…。あなたがお暇でらっしゃる時に御馳走させて頂きますよ」
パルテノンのあの店ですね、と教頭先生は約束を。あのお店、私たちもたまに出掛けますけど、お値段、半端じゃありません。教頭先生、宝くじを当てるよりも前に破産コースじゃあ…?



毎日抽選コースを選択なさった教頭先生は、順調に搾取されてゆかれました。当たりそうで当たらないのが宝くじ。ここの数字が一つ違えばソルジャーのパンツだったのに、なんていうのもお約束です、キスも添い寝もそういった具合。
「…なんだか申し訳ない気がするぞ、俺は」
この数字は俺が投げた分の矢だ、とキース君が当たりの番号を見詰めて、シロエ君が。
「それを言うなら、昨日のぼくもそうでしたよ。一つズレていたら、パンツだったんですよ!」
「…この際、パンツでいいから当たらねえかなあ…」
でないと教頭先生の財布がマジでヤバイぜ、とサム君が心配する通りに、教頭先生の懐具合は悪化の一途を辿っています。宝くじを毎日十枚ずつはいいんですけど、なにしろ空くじ無しが売り。宝くじを売るソルジャーに訪ねて来て欲しければ、ハズレくじのフォローが必須なわけで。
「今日のハズレくじ、確かステーキハウスよね?」
スウェナちゃんが訊いて、マツカ君が「ええ」と。
「それと、そこの名物のカツサンドですよ。特上の分と、そうでないのと」
「とんでもない値段のカツサンドだよね、特上の方でなくてもね…」
美味しいけどさ、とジョミー君。ステーキハウスの自慢のお肉を挟んだサンドイッチは何度か食べましたけれど、ちょっとしたお店のランチコースが食べられそうなお値段です。特上ともなれば老舗フレンチのランチの値段で、それをソルジャーにプレゼントするのがハズレくじで…。
「…このまま行ったら、もう間違いなく破産だな…」
せめてパンツが当たってくれれば、とキース君が溜息をついた所へ、当たり番号を教頭先生に告げに出掛けた悪人二人が御帰還で。
「やったね、今日はカツサンドを買って帰ろう! ハーレイの分も、特上で!」
「あそこのは特別美味しいからねえ…。ついでにぶるぅの分もどうだい?」
「いいかもね! 特上のクジは六枚もあったし、ぶるぅに一枚プレゼントもね!」
一枚で二人前だから、とソルジャーはウキウキ、教頭先生から毟ったお金を数えています。明日もこういう光景だろうと思うと誰もが溜息三昧、ソルジャーが「なんだい?」と顔を上げて。
「宝くじが全く当たらないのはハーレイの運の問題だよ? 間違えないで欲しいね」
「ぼくもブルーに賛成だね。ハーレイが好きで買っているんだ、何の問題も無さそうだけど?」
それに…、と会長さんが浮かべた微笑み。
「ハーレイだって努力をするみたいだよ? 自分の運が良くなるように」
「「「はあ?」」」
運って鍛えられるものだったでしょうか、努力で何とかなるものですか…?



教頭先生が買う宝くじは全く当たらないまま、迎えたその週の土曜日のこと。会長さんの家へ遊びに行ったら、先にソルジャーが到着していて。
「今日はハーレイ、運を貰いに行くらしいね!」
「「「えーっと…?」」」
何のことだろう、と悩む私たち。教頭先生が運が良くなるよう努力をなさると聞きはしたものの、あれから何も変わっていません。どういう努力かも謎だと思ってたんですが…。運を貰いに出掛けるだなんて、運って貰えるものでしたっけ…?
「行く所に行けば貰えるようだよ、そういう運をね!」
ズバリ宝くじが当たる運、とソルジャーの口から謎の台詞が。それってどういう運ですか?
「宝くじが当たるようになるって運だよ、これから貰いに出掛けるんだよ!」
「…何処へだ?」
話がサッパリ見えないんだが、とキース君が訊けば、会長さんが。
「宝くじが当たると有名な神社! そこへお参りに行こうと決めたらしくて、今から出発!」
ほら、と出て来た中継画面。教頭先生が愛車に乗り込み、ご出発で。目的地まではかなりかかる、とパッと消された画面が再び登場した時にはお昼すぎでした。美味しく食べたレモンクリームソースとチキンのパスタ、その味がまだ舌に残ってますが…。
「…御祈祷ですか?」
神社の中っぽいんですが、とシロエ君。教頭先生は如何にも神社といった感じの建物の中に座っておられて、其処へ神主さんが登場、バッサバッサと大きな御幣を振って。
「…願わくばパンツとキスと添い寝が当たりますようにと、かしこみ、かしこみまお~す~」
「「「うわー…」」」
なんてこったい、と誰もが愕然、凄い祝詞もあったものです。こんな祝詞を上げて貰って大丈夫なのかと青ざめましたが、会長さんが言うには、この神社は宝くじの当選祈願で名高い神社。当てるための御祈祷料さえ納めてくれれば、後は何でもありなのだそうで。
「それにね、祝詞というヤツはさ…。定型文は一応あるけど、毎回、作るものなんだよ」
「「「え?」」」
「御祈祷の度に新しく書くのがお約束! だからパンツと言われれば書く!」
キスも添い寝もきちんと書くのだ、というわけですから、神主さんが朗々と読み上げていた紙にはしっかり「パンツ」と書かれていたのでしょう。キスも添い寝も。そこまでキッチリ頼んだからには、御利益があるといいですけどねえ…。



パンツとキスと添い寝が当たりますように、と御祈祷して貰った教頭先生。再び車を運転して戻って来られた頃には夕方でしたが、絶大な自信に溢れておられるようで。
「今日は宝くじを三十枚買ってみることにするか…」
パンツとキスと添い寝にそれぞれ十枚、と当てる気満々、そこへ会長さんとソルジャーが宝くじを売りに出掛けて行って。
「三十枚ねえ…。大きく出たねえ?」
「あの神社の御利益、どうなんだろうね?」
楽しみではある、と私たちに今日も任された抽選、みんなでダーツを順番に投げて。
「「「あ、当たった…?」」」
それも添い寝が、と何度も眺める当たり番号、教頭先生がお買いになった三十枚の内の一枚としっかり重なっています。もしやレア物と噂の会長さんの添い寝では、と焦りましたが…。
「組違いだねえ…」
この組だとぼくの方の添い寝、とソルジャーがクッと喉を鳴らして。
「でもまあ、当たったんだしね? ちょっと行ってくるよ、今夜は添い寝に」
「…添い寝だけにしておいてくれるんだろうね?」
会長さんが念を押したら、ソルジャーは。
「さあ、どうだか…。御祈祷までして当てた添い寝だよ、ちょっとサービスするのもいいかも…」
痴漢行為の一つや二つ…、と瞬間移動で飛び出して行ったソルジャーでしたが…。



「当たったのですか!?」
添い寝のクジが、と感極まった教頭先生。私たちは中継画面に目を凝らしていて、会長さんは監視モードに入っています。ソルジャーが不埒な真似をしたなら止めようというわけですけれど。
「当たったんだよ、ぼくの添い寝が! それでね、今日まで色々とお世話になったから…」
ハズレのクジで御馳走して貰った御礼をしなくっちゃ、とソルジャーは教頭先生の腕をグイと掴んで引っ張りました。
「せっかくだからね、添い寝ついでにお触りタイム! ぼくの方から!」
「…は?」
「分からないかな、もう、この辺とか、この辺とかをね…!」
じっくりしっかり触ってあげる、とソルジャーの手が伸びた教頭先生の大事な所。途端に教頭先生の鼻からツツーッと赤い筋が垂れ、次の瞬間…。
「「「あー…」」」
いつものパターンか、と見入ってしまった鼻血の噴水、教頭先生は仰向けに倒れてゆかれました。添い寝して貰ってもいない内から、もうバッタリと。
「うーん…。床で添い寝は趣味じゃないけど…」
ソルジャーが零して、会長さんが中継画面の方に向かって。
「床でいいから! 余計なサービスはしなくていいから!」
「じゃあ、床で…。なんだか寝心地、良くないけどねえ…」
背中とかが痛くなってしまいそう、とソルジャーはブツクサ、「次はパンツにしてくれないかな」なんて文句を言ってます。えーっと、宝くじ、まだ売り付けると…?
「当然じゃないか! 売れる間は売るってね! そうだろ、ブルー?」
「まあねえ、素敵な儲け話だしね?」
当たりが出ることは証明されたし、まだ売れる! と会長さん。教頭先生、破産なさるまで毟られそうな感じです。それまでにレア物の会長さんの添い寝が当たるか、ソルジャーのパンツが当たるのか。教頭先生、ご武運をお祈りしておりますから、しっかり当てて下さいね~!




               当てたい幸運・了


※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 教頭先生限定で、ソルジャーが作った宝クジ。教頭先生、せっせと散財したくなるわけで…。
 ついに御祈祷を頼んだ結果、当たりクジが出たのに、お約束な結末に。気の毒すぎかも?
 次回は 「第3月曜」 7月19日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、6月は雨がシトシトな季節。気分が下がってしまうわけで…。
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