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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

スタミナの秋
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。



今年も秋がやって来ました。ただし暦の上でだけ。八月の七日が立秋というだけでも「嘘だろう」と言いたい気分ですけど、「暑さ寒さも彼岸まで」はもう確実に嘘気分。秋のお彼岸が昨日で終わったというのに、やっぱりガッツリ暑いですよ?
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
今日も朝から暑いよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。土曜日なので会長さんのマンションにお邪魔してみれば、やっぱりクーラーが効いているわけで。
「うわぁ、涼しい! バス停からの道が暑くてさ~」
此処は天国! とジョミー君がリビングのソファに陣取り、私たちも。出て来たおやつはレモンメレンゲパイ、ほど良い冷たさが嬉しいです。それに冷たい飲み物も。でも…。
「あれっ、キース先輩、ホットですか?」
なんでまた、とシロエ君でなくても驚くホットコーヒー、注文の時から「そるじゃぁ・ぶるぅ」が何度も確認していました。「ホントにホット?」と。ホカホカと湯気が立っている淹れ立てのコーヒー、香り高くはありますが…。暑いですよ?
「すまん、暑苦しい気分にさせたなら申し訳ない」
しかしホットで、と熱いのを飲んでいるキース君。夏場はアイスコーヒーだったと思うんですけど、記憶違いかな、ホットだったかな?
「暑苦しいとは言いませんけど…。先輩、普段はアイスコーヒーだったんじゃないですか?」
暑い季節は、とシロエ君。やっぱり私の記憶違いじゃなかったようです。
「そうなんだが…。バテた時には冷やすのは良くない」
「「「バテた?」」」
今頃になって、とビックリですけど、考えてみれば夏の疲れが出るのが夏バテ。本当だったら今が夏バテのシーズンなのかもしれません。夏真っ盛りじゃなくて。
「…いや、夏バテじゃなくてだな…。昨日までの…」
お彼岸バテだ、とフウと大きな溜息が。そういえばキース君、今年のお彼岸は学校も休みがちでしたっけ。定番のお中日はもちろん、その前後にも。連絡だけは取れてましたから、来ていたような気になっていただけ、昨日もお休みだったのでした。



「お彼岸バテかよ…。親父さんかよ?」
コキ使われたのかよ、とサム君が訊くと、キース君は「まあな」と。
「ただ、コキ使うと言うのかどうか…。副住職なら、あのくらいは働くものかもしれん」
俺が高校生だから甘く考えているだけで、と生真面目な答え。
「学校を卒業して副住職稼業に専念していれば、もっと働くものかもしれんし…」
「でもよ、昨日は何してたんだよ、お中日はともかく」
お中日なら檀家さんも参加の法要だけどよ、と言うサム君。
「最終日はそこまでデカイ法要は無かった筈だぜ、お寺の役がついてる人くらいしか…」
「そうなんだが…。それはそうだが、春に手伝いをしてくれてるなら、察してくれ」
墓回向だ、とキース君。
「駆け込み需要というヤツだ。遠方にお住まいの檀家さんだと、お中日に帰って来るより昨日の方が都合が良かった。金曜日だからな」
そこで帰って一泊か二泊、日曜に帰るというコース、とブツブツと。
「お蔭で、例年だったら最終日にはそんなに多くはない墓回向が…」
「MAXでしたか?」
シロエ君の質問に、キース君は。
「お中日前の忙しさが戻って来たようだった…。しかも昨日は暑かったんだ!」
あのクソ暑い中で何度も何度も墓回向を…、と嘆き節。
「親父には「墓地で待機していろ」と言われたし、実際、そうしなければ間に合わないほど次から次へと…。昼飯を食いに戻った時にも、また新手が!」
待たせておくわけにはいかないのだそうで、食事を中止で裏山の墓地へ。そういう檀家さんに限って墓地が奥の方、暑い中を石段をテクテク登って、日がカンカンと照り付ける中で…。
「…墓回向かよ?」
「そうなんだ! 親父ときたら、食い終わっていたくせに「お前の仕事だ」と…」
行くように顎で促されたそうです、墓回向。でっぷり太ったアドス和尚は暑い中での墓回向はお好きではなくて、キース君に役目をブン投げがち。日頃からお寺に出入りしている檀家さんなら行くようですけど、駆け込み需要の方ともなると…。
「親父さん、行きそうにねえもんなあ…」
強く生きろな、と励ますサム君。そっか、お彼岸バテなんですね…。



ただでも忙しい秋のお彼岸、最終日に至るまで振り回されて終わったキース君。もうすっかりとバテてしまって、レモンメレンゲパイくらいはともかく、アイスクリームなどはパスだそうです。バテた時には温かい食べ物や飲み物がいい、ということで…。
「それは確かに基本だね、うん」
会長さんが頷きました。
「土用の丑だって熱々のウナギを食べるわけだし、冷やすのは良くない。…ぶるぅ、お昼はスタミナのつくものにしてあげてよ」
「えとえと…。シーフードカレーのつもりだったけど、ニンニク入れる?」
「そうだね、もうお彼岸も終わっているからいいだろう」
ニンニクたっぷりのカレーでいいね、と会長さんがキース君に確認すると。
「有難い…。お彼岸の間は親父がうるさくて、スタミナどころか精進料理で…」
「分かったぁ! それじゃ、ニンニク! スタミナカレー!」
ちょっと仕込みに行ってくるね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はキッチンへ。カレーは出来上がっているそうなんですけど、ニンニクは早めに入れておかないと馴染まないそうです。
「…精進料理だったんですか…。それはキツイですね」
この暑いのに、とシロエ君が頭を振りましたが。
「俺限定でな! 親父は肉も食っていたんだ、俺だけ修行ということで…」
実に不幸な年回りだった、と嘆くキース君のお彼岸バテ。「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニンニクをたっぷりすりおろしてカレーに入れて来たとか言ってますから、お昼御飯でスタミナをつけて元気になって貰わないと…。



そういったわけで、お昼御飯はニンニクたっぷりのスタミナカレーになりました。スパイシーなシーフードカレーが更にバージョンアップです。私たちの飲み物はラッシーですけど、キース君には熱いマサラティー、元気が出るようスパイス入りのミルクティー。
「「「いっただっきまーす!」」」
食べるぞ、と合掌したダイニングですが、途端に背後で誰かの声が。
「こんにちはーっ!」
ぼくにもカレー! と出て来たソルジャー、紫のマントの正装です。「コレでカレーは気分が出ないかな」とパッと私服に着替えるが早いか、空いていた椅子にストンと座って。
「それとね、飲み物も…。えーっと、キースとおんなじヤツで」
「マサラティーなの?」
あんまり好きじゃなさそうだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「お砂糖とミルクはたっぷり入っているけれど…。スパイス多めに入れてあるから、甘いって感じはあんまりしないよ、マサラティー」
「そう、そのスパイス! 元気が出るんだよね?」
「うんっ! マサラティーの国だと、うんと暑いから、暑さに負けないようにスパイス!」
カレーとおんなじ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は笑顔です。
「えっとね、スパイスはお薬なの! 効き目で色々選ぶんだよ!」
漢方薬みたいなものだから、という説明にソルジャーの瞳が何故かキラリと。
「やっぱり漢方薬なのかい?」
「ちょっと違うけど…。アーユルヴェーダだったかなあ…。でもでも、お薬!」
カレーの国ではお薬なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。ソルジャーは「それは良かった」と嬉しそうに。
「来た甲斐があったよ、それじゃ、ぼくにもマサラティー! キースと同じヤツ!」
「…スパイス、ちゃんと変えられるよ?」
お店で出るようなマサラティーにも出来るし、もっとスパイス控えめにも…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は言ったのですけど。
「そのままで! お彼岸バテに効くとかいうヤツで!」
それとスタミナカレーでお願い、と注文しているソルジャー。まさかソルジャーもお彼岸バテってことは無いですよね、お坊さんとは違いますしね…?



間もなくソルジャーの前にもスタミナカレーとマサラティー。ニンニクたっぷりのシーフードカレーはソルジャーの口にも合ったようですが、マサラティーの方は…。
「…うーん…。なんと言ったらいいんだろう…」
もはや紅茶とは違う気がする、とカップを手にして悩むソルジャー。
「香りも別物、ミルクの味もあんまりしないし…。甘いどころかピリッとしてるし…」
「だから言ったのに…」
あんまり好きじゃなさそうだよって、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。キース君も自分用のを飲みながら些か呆れた風で。
「自業自得だとは思うんだがな…。あんた向けにアレンジして貰うんなら、ミルクだな」
それと砂糖を追加でよかろう、とキース君。
「半分ほどに減らして貰って、ミルクと砂糖を追加して貰え」
「減らすって…。それじゃ、減らして貰った分はどうなるんだい?」
「もったいない話だが、捨てるしかなかろう」
あんたが口をつけた以上は、とキース君は左手首の数珠レットの珠を一つ繰って。
「仏様にはお詫びしておいてやったぞ、捨てる分は施餓鬼しますから、とな」
「施餓鬼って?」
「餓鬼道というのがあってだな…。そこに落ちると、食べ物も水も火に変わってしまって何も食えなくて飢えるわけだ。その餓鬼に食べ物をどうぞ、と供養するのが施餓鬼だ」
「…残り物でもいいのかい?」
飲み残しでも、とソルジャーがマサラティーのカップを指差すと。
「本来は食べる前にやるものだが…。修行中だと、飯粒を「餓鬼に」と取り分けることもあったりするんだが、口をつけたものでも捨てるよりはな」
だから遠慮なく捨てて貰え、とキース君は言ったのですけど。
「もったいないよ、誰かにお裾分けなんて!」
こんな有難い飲み物を、とソルジャーはカップを自分の口へと。ゴクリと一口、また一口。半分ほどになった所で「そるじゃぁ・ぶるぅ」に…。
「ちゃんと減らしたから、ミルクと砂糖を追加でお願い!」
「オッケー!」
足してくるね、とキッチンに走る「そるじゃぁ・ぶるぅ」はいいんですけど、ソルジャー、餓鬼に施すよりかは飲もうというのが凄すぎです…。



食べ物も水も火に変わる世界、何も食べられずに飢えに苦しむ世界が餓鬼道。そこに住んでいる餓鬼の上前をはねると言ったら少し変ですが、施すくらいなら飲んでしまえとマサラティーをゴクゴク飲んでしまったのがソルジャーで。
「…あんた、どういう神経なんだ」
気の毒な餓鬼に施そうとは思わないのか、とキース君が顔を顰めると。
「うーん…。ぼくのシャングリラの食事だったら、いくらでも!」
あんな面倒な食事をするより、栄養剤で充分だから、と天晴れな返事。
「そっちだったら、もう喜んで! 次の食事は全部あげるから、施餓鬼だっけ?」
それをよろしく、というのも酷い話で。
「おい、食べ物の有難さというのを分かっているのか? とても分かっていそうにないが」
何が施餓鬼だ、と睨み付けている副住職。
「要らないからくれてやろう、というのは施餓鬼の本来の精神からだな…」
「施餓鬼の話はどうでもいいよ。食べ物の有難さだったら、分かっているから!」
だからこそ飲んだ、とソルジャーが返した所へ「そるじゃぁ・ぶるぅ」が「はい!」とマサラティーのカップを持って戻って来ました。
「ミルクとお砂糖、足して来たよ! これでいけると思うんだけど!」
「ありがとう! うん、美味しいね」
甘さが増した、と喜ぶソルジャー。
「この味だったら充分飲めるよ、でも、効能は落ちていないんだよね?」
「えーっと…。比べるんなら、さっきの方がずっとスタミナがつくんだけれど…。でもでも、さっき入れて来た分は飲んだわけだし、合わせればきっと大丈夫!」
元気が出るよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニッコリと。
「お彼岸バテも治ると思うの、これとカレーで! …だけど、お彼岸、何処でやったの?」
シャングリラにお彼岸はあったっけ、という質問。待ってましたよ、私も知りたかったんです。ソルジャーの世界でお彼岸バテって、どう考えても有り得ませんから~!



スタミナたっぷりのニンニク入りのシーフードカレー、それとマサラティーが目当てで来たソルジャー。「来た甲斐があった」と言ってましたし、口に合わないマサラティーだって餓鬼に施すより飲んでしまえな方向でしたし、バテてるんだと思うのです。
けれども、キース君と同じなお彼岸バテは無さそうな世界、何処でバテたかが気になる所。「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお蔭で謎が解けそうですけど、ソルジャーは「え?」と。
「お彼岸って…。ぼくのシャングリラにお彼岸なんかは無いけれど?」
そもそもお坊さんがいないし、と返った返事。
「だから無いねえ、お彼岸なんかは! もちろん、お盆も!」
「え? でも…。お彼岸バテだから、スタミナカレーでマサラティーでしょ?」
キースのために作ったんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「普通のシーフードカレーのつもりだったけど、キースがお彼岸バテだから…。スタミナのつく食事にしてあげて、ってブルーが言ったし…」
だから飲み物もマサラティーなの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が説明すると。
「そこだよ、スタミナって所なんだよ! ぼくはそっちが欲しくって!」
「お彼岸バテでしょ?」
「違うよ、スタミナをつけたいんだよ!」
これからの季節は大いにスタミナをつけたいから、とソルジャーはスタミナカレーを頬張って。
「ニンニクなんかは王道だよねえ、スタミナの! これも嬉しい食事だねえ…」
「…あんた、いったい何がしたいんだ?」
餓鬼の上前まではねやがって、とキース君が突っ込むと。
「もちろん、体力づくりだよ! スタミナをつけて頑張らなくちゃね!」
「…墓回向をか?」
「お彼岸は無いと言ったじゃないか。そういう世界でスタミナと言えば!」
「「「…スタミナと言えば…?」」」
オウム返しにハモッてしまった私たち。ソルジャーはカレーをパクリとスプーンで一口、モグモグしてから高らかに。
「スタミナをつけて、やることは一つ! 食欲の秋で、性欲の秋!」
人肌恋しくなる秋こそセックス! と強烈な台詞。そういやソルジャー、秋になったら言ってますかねえ、食欲の秋で性欲の秋…。



ソルジャー曰く、やることは一つ。スタミナをつけたら大人の時間で、キャプテンと過ごすつもりです。けれど、ソルジャーがスタミナをつけても、あんまり意味は無いんじゃあ…?
会長さんもそう思ったらしくて。
「君の話はそこまでにして、と…。レッドカードは出したくないから、そこでおしまい。でもね、君がスタミナをつけた所で意味が無いように思うけど?」
「どうしてさ?」
「えーっと…。ちょっと言いにくいんだけど…」
「分かるよ、スタミナはハーレイの方だと言いたいんだろう?」
ぼくは受け身の方だからね、とソルジャー、サラリと。
「本来、スタミナをつけて励むべきなのはハーレイだけど…。ぼくも疲れを持ち越さないのが大切だからさ、それで試してみるのが一番!」
「「「へ?」」」
「スタミナカレーとマサラティーとで、どこまでスタミナがついたかだよ! 今夜もハーレイと大いに楽しむつもりだし…。ぼくがパワーアップしているようなら、使えるわけ!」
スタミナカレーもマサラティーも、と言うソルジャー。
「ぼくは寝起きが悪い方でねえ…。それが明日の朝、スッキリと目が覚めるようなら効くんだよ! スタミナカレーとマサラティーは!」
「それはそうかもしれないけれど…」
会長さんが腕組みをして。
「だったら、君はこれから毎日のようにスタミナカレーとマサラティーを作れと言ってくるわけ、スタミナのために?」
「もちろん、お願いしたいねえ! ぼくの分と、ついでにハーレイのもね!」
「毎日、カレーとマサラティーとでいいのかい?」
「そうだけど?」
ぼくは元々、栄養剤で充分だという人間だから、とソルジャーは何とも思っていませんけれども、キャプテンの方は絶対違うと思います。毎日、毎日、同じ食事じゃ飽きるのでは…。「そるじゃぁ・ぶるぅ」も心配そうに。
「んとんと…。そんなお食事、ハーレイが困ってしまわない?」
もっと色々、食べたくなると思うんだけど、という意見。誰だって普通はそうですよねえ?



食事の代わりに栄養剤でもいいと言うソルジャー、毎日がカレーとマサラティーでもいい模様。スタミナさえつけばいいようですけど、スタミナっていうのは…。
「食事で摂るなら、バリエーション豊かにするべきだろうと思うけどね?」
食べる楽しみもスタミナの内、と会長さん。
「土用の丑のウナギもそうだよ、あの日に食べるから美味しく感じてスタミナもバッチリ! それが毎日ウナギだったら、なんだかねえ…」
「逆にゲンナリしそうではあるな」
仮にスタミナがついたとしても、とキース君が頷いています。
「またウナギか、と思わないように料理してあれば話は別だが…」
「そういうものかい、食事って?」
「あんたには分からんだろうがな!」
餓鬼の上前をはねるかと思えば、要らない食事を餓鬼にやろうというヤツだ、と副住職。
「食べ物は感謝して頂くものだが、素人さんには難しい。ワンパターンとなったら尚のことだ」
「分かるぜ、俺だって毎日同じだと溜息コースは確実だしよ」
これでも坊主の端くれなのに、とサム君が。
「だからよ、毎日カレーってヤツはよ…。俺もお勧め出来ねえよ」
「ふうん…? でもね、ぼくだと充分なわけで…」
とにかくスタミナ! とソルジャーはスタミナカレーを綺麗に食べ終え、マサラティーもすっかり飲み干して。
「さてと、どれだけスタミナがついているだろう? 今夜が楽しみになってきたよ!」
「…効果があったら、君のハーレイも君も、明日からスタミナカレーとマサラティーだと?」
どうかと思う、と会長さんが溜息をつくと、ソルジャーが。
「そう言うのなら、バリエーションってヤツを考えといてよ!」
「「「は?」」」
「バリエーションだよ、同じカレーでも味付けがちょっと変わるとか!」
そういう方向で何か考えて、とソルジャーはまるで他人任せで。
「ぼくのやり方がマズイと言うなら、解決策の方をよろしく! それじゃ、御馳走様ーっ!」
効果があったら、明日、報告に来るからね! と手を振ってソルジャーは消えてしまいました。お昼御飯でつけたスタミナ、夜まで効果はあるんですかねえ…?



ソルジャーが帰って行ってしまった後、私たちは溜息をつくしかなくて。
「…なんだったんでしょう、アレ…?」
スタミナカレーは効くんでしょうか、とシロエ君。
「キース先輩、どんな感じですか? お彼岸バテは?」
「…食べる前よりは楽になったな、マサラティーのお蔭もありそうだ」
ホットコーヒーに比べれば遥かに効いた気がする、とキース君は少し元気を取り戻した様子。
「後でもう一杯、頼めるか? …面倒でないなら」
「かみお~ん♪ スパイスはちゃんと買ってあるから、紅茶と一緒に煮るだけだよ!」
だから簡単! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「えっとね、スパイスはお薬だから…。元気が出るヤツとか色々あるの!」
カレーの国にお出掛けすれば、とニコニコと。
「本場のスパイスが欲しくなったら買いに行くしね、そのついでに買ってくるんだよ!」
マサラティー用にブレンドしたヤツ、と言われて納得、本場モノ。それは確かに効きそうです。漢方薬と同じ理屈か、と思ったアーユルヴェーダとやらのスパイス。これでキース君も完全復活するといいね、と午後のおやつにもマサラティーが出され…。
「かなり復活出来た気がする。後は一晩ぐっすり眠れば治るだろう」
しかし大事を取って飲み物は今夜も温かいものを…、と言うキース君に会長さんが。
「スタミナをつけるなら、晩御飯は焼肉だねえ…。ガーリックライスなんかもつけて」
「すまんな、俺がバテてしまったばっかりに…」
「焼肉はみんな大好物だし、特に問題無いと思うよ」
ねえ? と訊かれて「うん」と頷く私たち。会長さんの家の焼肉パーティーはマザー農場のお肉ですから美味しいのです。「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「ちょっと貰ってくる!」と焼肉用のお肉や野菜を分けて貰いにマザー農場へと瞬間移動で出掛けましたが…。
「見て見て、こんなの貰って来ちゃったー!」
キースにピッタリ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が高く差し上げた瓶。えーっと…?
「スタミナがつくタレなんだって! マザー農場特製だよ!」
こんなのがあるって知らなかった、と言ってますけど。それっていわゆる「まかない」ですかね、お客さんに出すための料理と違って、従業員の人とかが食べるという…?



焼肉の材料の調達に出掛けた「そるじゃぁ・ぶるぅ」が貰って来たタレ。瓶には何も書かれていなくて、如何にも自家製といった雰囲気です。焼肉用のタレなのかな…?
「んーとね、色々使えるらしいよ? 焼肉にも、お肉の下味とかにも…。お料理にも!」
マザー農場の秘伝だって! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は得意そう。秘伝だったら、まかないとかではないんでしょうか?
「食堂でもよく使っています、って言っていたから、お客さんにも出してると思う!」
今まで知らなかったけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が瓶を見ているからには、隠し味に使っているのでしょう。そのまま使えば料理上手だけに「これは何?」と思うでしょうし…。
「ソルジャーのぼくも、タレというのは初耳だねえ…。マザー農場はソルジャー直轄じゃないし、知らなくっても不思議はないけど…」
スタミナがつくタレなのか、と会長さんは瓶を揺すってみています。相当に濃いタレだとみえて、ドロリとしているのが分かりますが…。
「それね、薄めて使うんだって! 焼肉のタレにするのなら!」
そのままだと濃すぎて強すぎるらしいの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「下味とか、お料理もちょっぴり入れれば充分だって!」
「なるほどねえ…。ぶるぅやぼくにも分からないわけだね、薄めて使っているんだったら」
「そうなの! 凄く色々入っているって言ってたよ!」
ニンニクも、それにスッポンエキスも…、とタレの説明が始まりました。スタミナがつく食材などをじっくり煮込んで樽で熟成、大量生産には向かないのだとか。ゆえに秘伝で、一般販売はしていないタレ。お彼岸バテのキース君にピッタリのタレじゃないですか!
「マザー農場の皆さんまでが俺を心配して下さったとは…。有難いことだ」
キース君が合掌した所へ、「タレだって!?」という声が。
「「「???」」」
誰だ、と思うまでもなく降って湧いたソルジャー、タレが入った瓶を引っ掴むと。
「これがスタミナがつくというタレ…。焼肉にも、他の料理にも使えるタレなんだね?」
「そうだけど…。焼肉、食べに来たの?」
お客様大好き「そるじゃぁ・ぶるぅ」は歓迎モードで、ソルジャーは。
「御馳走してくれるんなら、喜んで! このタレも是非、試したいから!」
スタミナをつけて性欲の秋! とブチ上げるソルジャー、戻って来ちゃったみたいです。スタミナカレーとマサラティーでは足りなかったかな…?



晩御飯は、戻って来てしまったソルジャーも交えて焼肉パーティー。マザー農場の秘伝のタレは「そるじゃぁ・ぶるぅ」が薄めてくれて、その味がまた絶品で。
「これってさあ…。マザー農場のジンギスカンの味に似ていない?」
ジョミー君が言ったら、マツカ君も。
「そうですね。一番近いのはあれですね」
収穫祭で御馳走になるジンギスカンの味ですよ、と言われてみれば、そういう味かもしれません。食堂で頂くステーキのソースも少し似ているかも…。
「まさか薄めていたとはねえ…。濃厚なソースを」
ぼくは煮詰めるものだとばかり、と会長さんが少し中身が減った瓶を眺めて、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も「ぼくも」と首をコックンと。
「美味しくて複雑な味がするから、色々入れているんだろうな、って思ってたけど…。似たような味は家で作れるから、ちっとも不思議に思ってなかった…」
そんなに手間がかかったタレだったなんて! と感心しているお料理上手な「そるじゃぁ・ぶるぅ」は、レシピを貰おうと考えているようです。せっかくだから自分も作ってみようと。
「いいねえ、ぶるぅが作るのかい?」
出来上がったら、ぼくにも是非! とソルジャーが。
「スタミナがつくタレと聞けばね、もう貰うしかないってね! スタミナカレーやマサラティーだと、こっちの世界へ食べに来るしかないけれど…。タレだったら!」
ぼくの世界の料理にかければ出来上がりだし、と無精者ならではの発言が。
「いろんな料理に使えるのなら、ちょっとかければ完成だしね!」
「…君のいい加減な性格からして、美味しくなるとも思えないけど?」
せっかくの美味しいタレが台無し、と会長さんがソルジャーをジロリと。けれどソルジャーが負ける筈もなくて。
「要は効き目があればいいんだよ、良薬は口に苦しだからね!」
多少マズくても、スタミナがつけばそれでオッケー! と突き上げる拳。
「それにさ、薄めて使ってもこの美味しさでさ、おまけにスタミナがつくんだよ? そのまま使えば効き目だって!」
一段と増すに違いない、と言ってますけど、相手はドロリとしたタレです。ほんの少しを薄めただけで焼肉パーティーに充分な量が出来上がったわけで、相当、濃いんじゃないですか…?



スタミナがつくらしい、マザー農場秘伝のタレ。濃厚すぎるタレは薄めて使用で、瓶の中身はそれほど減っていないというのに大人数での焼肉パーティーにたっぷり使えています。ソルジャーも入れて総勢十名、薄めたタレは器にまだまだ残ってますし…。
「…原液はどうかと思うけどねえ?」
濃すぎて不味いんじゃなかろうか、という会長さんの意見に「そるじゃぁ・ぶるぅ」も「そだね」と頭をピョコンと。
「辛すぎるだとか、甘いか辛いかも分からないほどとか、そんなのじゃないかな」
ちょっと試してみる! と瞬間移動でヒョイと出て来た料理用の竹串、「そるじゃぁ・ぶるぅ」はタレの瓶を開けて串の先っぽを突っ込んでみて…。取り出した串を舌でペロリと。
「…どうでした?」
味は、とシロエ君が訊くと、「美味しい!」という意外すぎる答え。
「美味しいわけ?」
薄めてないよ、とジョミー君も目を丸くしてますけれど。
「でも、美味しい! ちょっぴり舐めただけだったから…。きっと口の中で薄まるんだよ」
焼肉のタレと同じ美味しさ、との話に、ソルジャーは。
「それなら原液も充分いけるね、どのくらいスタミナがつくのか試していいかな?」
「…君が使うのかい?」
あんまりお勧めしないけどねえ…、と会長さん。
「ぶるぅは少し舐めただけだし、美味しかったかもしれないけれど…。そのままタレに使ったりしたら、それこそ火を噴く辛さかも…」
「ぼくで試すって誰が言った? スタミナのつき具合ってヤツを知りたいんだよ、ぼくは!」
こっちのハーレイに決まっているだろう! というソルジャーの台詞。教頭先生で試すだなんて、焼肉パーティーに御招待ですか?



タレの原液の効き目が知りたいソルジャー、試すなら教頭先生とのこと。会長さんが止めるのも聞かず、青いサイオンがキラリと光って、教頭先生が焼肉パーティーの場に。
「な、なんだ!?」
驚いておられる教頭先生に、ソルジャーは。
「こんばんは。御覧の通りに焼肉パーティーをやっててさ…。美味しいタレが手に入ったから、君にも御馳走しようと思って」
まあ座ってよ、と椅子まで引っ張って来たソルジャー。教頭先生は「これはどうも…」と腰を下ろして、何も疑ってはいらっしゃらなくて。
「遠慮なく御馳走になることにします。…焼肉ですか」
「そう! このタレがホントに美味しくってねえ…」
これだけでも充分にいける味で、とソルジャーの手に小皿。私たちが薄めたタレを入れてるヤツですけれども、ソルジャーはそれに瓶から原液をドロリ。
「はい、まずはお試し! タレだけで味わってみてよ、肉は入れずに」
「そんなに美味しいタレなのですか。…では、早速…」
教頭先生は小皿を傾け、ドロリとしたタレを口に含んで、味わってからゴックンと。
「いい味ですねえ…! なんとも深くて複雑で」
「それは良かった。じゃあ、この後は焼肉でどうぞ」
薄めたタレもいけるんだよ、とソルジャーが小皿に薄めた方のタレを注ぎ足し、教頭先生は焼肉パーティーに本格的に参加なさったわけですが。暫く経つと…。
「…暑くないですか?」
「失礼だねえ…。クーラーは効いてると思うけど?」
ケチっていない、と会長さんが眉を吊り上げ、それから間もなく。
「…ちょ、ちょっと失礼を…」
席を立とうとする教頭先生。ソルジャーが「トイレかい?」と教頭先生の肩に手を置き、「トイレなんかに行かなくてもねえ、ここで充分!」と。
「なんだって!?」
ぼくの家を何だと思っているわけ!? と会長さんが怒鳴りましたが、ソルジャーは。
「生理的現象が別物なんだよ、ハーレイは催してきちゃったわけで…。こう、ムラムラと」
スタミナがついて! と満面の笑顔。それって、もしかしなくても…?



教頭先生の生理現象はズボンの前がキツイ方でした。トイレではなくて。ますますもって許し難いと会長さんが怒り狂って、ソルジャーは教頭先生に。
「困ったねえ…。ぼくとしてもなんとかしてあげたいけど…」
「え、ええ…。私も是非とも…」
お願いしたい気分です、と教頭先生は会長さんをチラリ。
「ブルー、こう仰っておられるのだし…。そのぅ、少しだな…」
「どういう神経をしているのさ! このぼくの前で、少しも何も!」
ぼく一筋だと思っていたのに、と会長さんが喚いているのに、教頭先生も「そう怒るな」と。
「今は最高に漲っているし、あちらのブルーと少しやっても、まだ充分に…」
「やるも何も、ヘタレには絶対、無理だから!」
やれると言うなら、今すぐにやれ! と会長さんのサイオンが炸裂、教頭先生のズボンや紅白縞のトランクスやらがパッと消滅。スウェナちゃんと私の視界にはモザイクがかかってしまって…。
「さあ、この状態で遠慮なくどうぞ! 出来るものなら!」
ブルーはそこにいるんだから、と会長さんが指差し、ソルジャーが。
「ここまで用意をして貰ったからには、ぼくも御奉仕しないとね! さてと…」
始めようか、と教頭先生の前に屈んだソルジャーですけど、そこはヘタレな教頭先生。ズボンや紅白縞が消えて焦っておられる所へ、ソルジャーが接近したわけですから…。
「「「………」」」
やっぱりこういう結末だったか、と呆れるしかない教頭先生の末路。椅子に腰掛けたままでブワッと鼻血で、そのまま失神。手足がダランとしちゃっています。
「えとえと…。ハーレイ、どうなっちゃったの?」
このタレって何か危ないものでも入ってたかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。ぼくも舐めちゃったんだけど、と。
「らしいね、薄めずに飲むと危ないようだよ。ぶるぅは少しだから大丈夫だと思うけど…」
でも危ないねえ、とソルジャーが肩を竦めて、「人体実験ありがとう」と教頭先生を抱え、瞬間移動で家へと運んで行ったようです。直ぐに戻ると思いますけど、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は。
「…なんか危ないタレみたいだよ?」
「いや、それは原液で使った時でだな…」
普通に使えば何も起こらない美味いタレだが、と話すキース君はお彼岸バテもスッキリだとか。適量を使えば美味しくて役立つ素敵なタレだと思いますけどね?



私たちは秘伝のタレの美味しさと効能を「そるじゃぁ・ぶるぅ」にせっせと力説、会長さんも「あれはブルーの使い方が悪かっただけだ」と言っているのに、お子様なだけに。
「でもでも…。ちょっぴり怖いと思うの、作り方を習うのはやめようと思う…」
「それはまあ…。作らない方がいいでしょうね」
何処かの誰かが狙ってますし、とシロエ君。
「ぶるぅが作れるとなったら大量に仕込めと言って来ますよ、あの調子だと」
「うんうん、たまに貰って使う方がずっといいと思うぜ」
肉を貰いに行ったついでに分けて貰えよ、とサム君が前向きに述べている所へ…。
「ただいまーっ! ハーレイはベッドに寝かせて来たよ」
大サービスでパジャマも着せておいた、とソルジャーが瞬間移動で戻って来ました。
「あっ、ぼくはパジャマを着せただけでさ、味見も試食もしていないから!」
「当たり前だよ! そのくらいはぼくも監視してたよ!」
君が妙なことをしないように、と会長さん。
「もっとも、君が本気になったら、その辺りも誤魔化されそうだけど…」
「ピンポーン! でもね、ハーレイに関してはやらないよ。君との友情は壊したくないし」
ところで…、とソルジャーの視線が例のタレの瓶に。
「ぶるぅ、このタレの危なさは分かったと思うんだ。…ぼくとしては作って欲しいけど…」
「やだやだ、怖いから作らないよう!」
「うん、その方が良さそうだよね。まさか、あそこまでとは思わなかったし…」
効き目が凄すぎ、と肩をブルッと震わせるソルジャー。
「それでね、危ないタレを持っていたくないなら、ぼくが貰って帰るけど…。そしたら無駄にはならないからねえ、キースが言ってた施餓鬼と同じで」
「でも、危ないよ? ハーレイも変になっちゃったし…。鼻血で気絶しちゃったし…」
「ぼくのハーレイなら大丈夫! だから、ぼくのシャングリラで料理に使おうかと…」
ちゃんと薄めて使うから! というソルジャーの言葉に、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「じゃあ、お願い!」とタレの瓶を前へと押し出しました。
「えっとね、薄め方、メモに書くから! 焼肉のタレにするならこれだけで…」
お料理の下味がこんな感じで、と薄める分量をメモにサラサラと。美味しかった秘伝のタレはソルジャーに横から掻っ攫われそうです、お彼岸バテも治ると噂の優れものなのに~!



こうしてタレはトンビにアブラゲ、まんまとソルジャーに掠め取られてしまいました。キース君のお彼岸バテも治ったスタミナ、焼肉パーティーをするならアレに限ると誰もが思う味だったのに。他のお料理でも味わいたかった、と文句をブツブツ、ようやっと秋になって来た頃。
「誰か、助けてーっ!」
誰でもいいから、と会長さんの家のリビングに飛び込んで来たソルジャー。例の秘伝のタレを手に入れてからは、とんと御無沙汰だった筈ですが…?
「助けてくれって…。今更、何を?」
あのタレなら、ぶるぅは作らないからね! と会長さんがツンケンと。
「君のお蔭で危ないタレだと思い込んじゃって、作るどころか貰いにも行ってくれないし…。あれからマザー農場に訊いたら、野菜炒めとかも美味しく出来るって言われたのに!」
ぼくたちは秘伝のタレで作る料理の美味しさを永遠に逃したんだから、と怒る会長さん。
「そりゃね、マザー農場に行けば食べられるよ? でもねえ…」
「俺たちは、ぶるぅならではのアレンジを楽しみたかったんだ!」
誰のせいだと思っているんだ、とキース君が怒鳴って、私たちもブーイングしたのですけど。
「それどころではないんだってば…! あのタレ、ホントに凄く効くから、全部なくなったらマザー農場から盗み出そうと思っていたのに…!」
「何か不都合でも?」
タレが樽ごと消えてたのかい、と会長さんがフンと鼻を鳴らせば。
「違うんだよ! ぶるぅが盗んで、悪戯で料理に混ぜちゃって…。そしたらスタミナが変な方へと行っちゃったんだよ、シャングリラ中が仕事モードなんだよ!」
「「「…はあ?」」」
「そのまんまだってば! 三日も前から誰もが仕事で、休む暇があったら仕事、仕事! ぼくのハーレイもガンガン仕事で、それだけで疲れて眠っちゃって!」
目が覚めたらブリッジに直行なのだ、とソルジャーは泣きの涙です。ソルジャーの世界の食材だか、それとも料理だか。…あのタレには合わなかったんでしょうか?
「分からないけど…! ぶるぅは今でもタレを何処かに隠している上に、こっちに来たら手に入るってことも知ってるんだよ…!」
このままでは、ぼくは永遠にハーレイにかまってもらえないんだけれど! と大騒ぎしているソルジャーですけど、いい薬だと思います。私たちの美味しいスタミナのタレを奪ったからには、報いがあっても当然でしょう。キャプテン、お仕事、これからも頑張って下さいね~!




            スタミナの秋・了


※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 マザー農場で貰った、スタミナがつく秘伝のタレ。美味だったのに、ソルジャーが強奪。
 もう食べられない、と嘆く面々ですけど、ソルジャーが食らってしまった報い。天網恢恢…?
 さて、シャングリラ学園番外編、去る4月2日で連載開始から14周年となりました。
 今年で連載終了ですけど、目覚めの日を無事に迎えられたというわけです。まさに感無量。
 我ながら凄いと思ってしまう年月。今年いっぱい、根性で突っ走るしかないですね。
 次回は 「第3月曜」 5月16日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、4月はお花見。マツカ君の別荘にも出掛けたいわけで…。
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