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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

危ない生き物

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。

 シャングリラ学園番外編は 「毎月第3月曜更新」 です。
 第1月曜に「おまけ更新」をして2回更新の時は、前月に予告いたします。
 お話の後の御挨拶などをチェックなさって下さいませv



そろそろ夏休みの声が聞こえて来そうな七月の初め。近付いてくる期末試験対策など完全に無視が1年A組、それに輪をかけて何もしないのが私たち七人グループです。今日も今日とて、土曜日とあって会長さんの家に遊びに来ていたり…。
「かみお~ん♪ お昼御飯はグリーンカレー! トムヤムクンも作ってみたよ!」
夏はやっぱりスパイシー! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が呼びに来てくれ、ダラダラしていた広いリビングからダイニングの方へと大移動。席に座って…。
「「「いっただっきまーす!!!」」」
「ちょっと待ったぁ!」
ぼくの分が、と余計な声が。いつの間に湧いたか、会長さんのそっくりさんが紛れてテーブルに着いています。当然ながらカレーのお皿もトムヤムクンもその前には無く。
「ぶるぅ、ぼくの分のカレーもあるよね?」
「うんっ! ちょっと待っててねー!」
お客様だぁ~! と飛び跳ねていった「そるじゃぁ・ぶるぅ」は直ぐにソルジャーの分のお皿を運んで来ました。そこで改めて「いただきます」となったわけですが。
「…君はいったい何しに来たわけ?」
会長さんの険しい目つきに、ソルジャーはトムヤムクンをスプーンで掬いながら。
「何って…。お昼御飯だけれど? 今日の食事はイマイチだったし」
断然こっちの方がいい、と言うソルジャーの世界のシャングリラ号も昼食はカレーだったらしいです。けれどいわゆる普通のカレーで、スープも定番のものだったとかで。
「同じカレーなら素敵な方を食べたいじゃないか。…というわけで、こっちで昼食」
「………。それだけかい?」
「それだけだけど?」
まだ何か、と返すソルジャー。
「ハーレイとの仲は至極円満だし、夜の生活にも不満は無いし…。何か理由が欲しいんだったら、作ろうか?」
「い、要らない! ゆっくり食べてってくれればいいから!」
お代わりも遠慮なく食べてくれ、と顔色を変える会長さん。ソルジャーが来るとロクな展開にならない事例が多数なだけに、警戒する気持ちは分かります。とはいえ、何も起こらない時の方が割合としては大きいですから、今日も平穏な日なのでしょう。
「ぶるぅのカレーは美味しいねえ…。来て良かったよ」
トムヤムクンも絶品だし、とソルジャーは食欲旺盛です。私たちの方もホッと一息、ソルジャーも交えてお喋りタイム~。



話題は昼食前と同じであちらこちらと飛びまくり。今年の夏も暑そうだとか、夏といえばそろそろお盆だとか。中身も無ければ脈絡も無い会話に花が咲きまくりな中。
「…そうだ、馬って高かったんだねえ…」
ジョミー君の唐突な台詞に、誰もが「はぁ?」と。
「馬ってアレかよ、乗って走るヤツ?」
サム君が訊くと「うん」という答え。
「マツカの山の別荘に行ったら乗ってるからさ、あんなに高いとは思わなくって」
「…何が高いんだ? 馬の背丈か?」
馬の種類によるだろう、とキース君が返しましたが。
「違うよ、馬の値段だよ! 家より高いとは思わなかったな」
「そっちも色々ありますよ」
マツカ君が控えめな声で。
「血統とかで決まるんです。いい馬だったら凄い値段がつきますけれども、そういう馬でもレースで結果が出せなかったら値が下がることもありますしね」
「そうだったわけ? だったら、ぼくたちが乗ってる馬は?」
「あそこの馬も色々ですね。競走馬だった馬もいますし、ごく普通のも。…乗馬クラブですから、元競走馬と言ってもそこそこですけど…」
いい成績を出していた馬は繁殖用に回されますし、とマツカ君が説明した所で。
「そう、それ、それ! なんかそういう牧場だった!」
「「「は?」」」
またしても『?』マークの乱舞ですけど、ジョミー君は。
「何処だったかなぁ、外国のニュースだったんだけど…。レース用の馬を育ててる牧場で事故があってさ、下手すると凄い損害らしいよ」
「「「事故?」」」
「うん。なんか世界でも指折りの血統の親から生まれた馬をさ、預かって育ててたみたいなんだ。とっくの昔に買い手がついてて、持ち主はオイルダラーだったかな? そういう馬が蜘蛛に噛まれて重体だって」
「「「蜘蛛?」」」
なんじゃそりゃ、と誰もが思いましたが、蜘蛛は蜘蛛でも毒蜘蛛らしく。
「きちんと治れば問題無いけど、死んじゃったりしたら大損害、ってそういうニュース」
「…そりゃそうだろうねえ…」
大損害だ、と会長さん。ジョミー君曰く、重体の馬は豪邸が楽々買えるお値段だそうで、牧場の人も馬の持ち主も、これはもう御愁傷様としか…。



一噛みで高額の損害を与えそうだという毒蜘蛛。とんでもないモノがいるものだ、と話題は馬から毒蜘蛛の方へ。
「この国に居なくてよかったよなぁ、そういうヤツがよ」
平和で良かった! とサム君が言えば、シロエ君が。
「一撃必殺まではいかないですけど、最近、いるじゃないですか。外国から入って来たとかで」
「いたな、そういう物騒なのも」
寺にとっては悩みの種で、とキース君。
「側溝とかによく居るらしくて、暖かい地方の寺なんかだと墓地の掃除に来た檀家さんが見付けて大騒ぎってこともあるそうだ。駆除するのは寺の仕事になるから大変なんだぞ」
「それ、元老寺にもいるのかしら?」
スウェナちゃんの問いに、キース君は即答で。
「居られてたまるか! アルテメシアでも出たというニュースは聞いているしな、業者さんに定期的に調べて貰っているんだが…。その分、管理費が少々高めに」
「でも馬よりは安いよねえ?」
その管理費、とジョミー君。
「当然だ! そんな巨額の出費になったら赤字どころか倒産だ!」
「良かったですねえ、キース先輩。とんでもない毒蜘蛛の居る国じゃなくて」
「まったくだ。そんな毒蜘蛛に檀家さんが噛まれたとなれば大惨事だしな。…まあ、この国にも毒蛇なんかはいるわけだが」
「南の島のは強烈ですよね」
キース君とシロエ君が毒蛇談議に突入しました。南の島の蛇はヤバイとか、この辺りでも普通に棲んでるヤマカガシが実はヤバイとか。危険視されているマムシなんかよりヤバイらしいのがヤマカガシで。
「ヤマカガシの本気は怖いそうですよ、普通に噛まれても毒は出さないらしいんですけど…。本気を出すと人間も殺せるレベルの毒を繰り出すみたいで」
「「「えーっ…」」」
本気と普通を使い分けるな、と言いたいです。そのせいで長い間、毒の無い蛇だと思われていたという豆知識が更に恐ろしく。
「…そういうのって勘弁して欲しいよね」
毒があるなら最初からそれっぽくしておいてよ、というジョミー君の意見に、私たちは全面的に賛成でした。毒が無いように見えて実は有毒ってヤツ、キノコなんかにありがちですけど、キノコは噛んだりしませんものね。



有毒の生き物は毒を持っている件について申告すべし。そうあるべき、と私たちはブチ上げました。毒蜘蛛なんかは見るからにヤバイ外見です。ジョミー君が見たニュースの馬は不幸な事故に遭ったようですが、私たちならまず触ったりはしないかと…。
「…そうかなあ?」
会長さんが首を捻って。
「ヤマカガシってヤツは置いといてもさ、毒のある生き物は侮れないよ?」
「あ、分かる、分かる! ぼくも色々試されちゃったし」
人体実験時代にね、とソルジャーが割って入りました。
「生物由来の毒ってヤツはけっこうキツイよ。…でもねえ、ぼくの世界は地球自体が一度滅亡しかけてるだけに、自然といえども人工的に作られたヤツで…。わざわざ人間に害のある生き物を放しはしないし、遭遇することはまずないね」
「そういう意味では安全な世界なんですね?」
SD体制と聞けば物騒ですけど、とシロエ君。
「まあね。それにSD体制ってヤツも、ミュウでなければ安全で安心な世界じゃないかな。ちょっと色々歪んでるけどさ」
「ぼくたちもミュウには違いないから、SD体制は願い下げだね」
そんな世界には絶対しない! と会長さんが決意表明しましたけれども、それで話が高尚な方へ行くかと思えばさに非ず。
「…ところで、無人島に流れ着いたら何を選ぶ?」
「「「はぁ?」」」
なんでいきなり無人島? SD体制に放り込まれた時の脱出用のシナリオか何か?
「あ、違う、違う! そうじゃなくって毒の続きで…。遭難して無人島に着いたとするだろ? 食べ物を調達しなきゃいけないけど、有毒だったら一巻の終わり!」
「そうだろうな」
解毒剤も病院も無いからな、とキース君が答えれば、会長さんは。
「そこでコレなら安全、っていう動物性のタンパク質を選ぶんだったらどれにする? 海では魚が獲り放題で、陸にはトカゲとか大きな蛇とか。ついでに警戒心が皆無の鳥もいるんだけれど」
「「「うーん…」」」
どれだろう、と考え込んで、それから顔を見合わせて皆で意見交換。ソルジャーも交えて討論の末に出した結論は…。
「「「鳥!」」」
これっきゃないでしょ、魚はフグとか色々いますし、蛇もトカゲもヤバイですってば…。



自信満々で鳥を選んだ私たち。しかし会長さんは両手で大きくバツ印を。
「はい、死亡」
「「「えぇっ!?」」」
なんで鳥なんかで死ぬ羽目に? まさか寄生虫? 毒が無くてもそっちはアリかも…。
「違うね、実は世界で三番目に強い猛毒の生き物は鳥なんだよねえ…」
「「「へ?」」」
そんな話は初耳でした。鳥が毒だなんて、怪獣とかじゃあるまいし…。
「この国には棲んでいないんだけどね、南の島にズグロモリモズってヤツがいる。毒があるのは皮膚と羽根でさ、バトラコトキシンっていう神経毒。地元じゃ鳥から抽出した毒で毒矢を作っていたらしい」
「ど、毒矢って…」
死ぬじゃないですか! とシロエ君が叫び、私たちもブルブルです。それにしたって猛毒の鳥とは凄すぎ、他にも色々いるのでしょうか?
「いや、レアケースらしいけど? 少なくとも猛毒ってヤツはこれだけだしね」
「物騒だな…」
南無阿弥陀仏、とキース君がお念仏を。
「分かった、南の島に流れ着いても鳥は食わないことにする。しかしだ、掟破りな鳥だな」
「まあね。どうやら餌によるんじゃないかって話らしいよ、猛毒の元は」
フグと同じで、と会長さん。
「養殖のフグには毒が無いっていう話があるだろ、あれと同じさ。ジャングルの中で食べている餌に毒の成分があるんじゃないかと言われているね。羽根と皮膚だから触るとアウトさ、なんとも危険な鳥なんだってば」
「…触るとアウトって、死ぬのかい?」
ソルジャーが尋ね、会長さんが。
「そこまでは行かないんじゃないのかな? 酷くかぶれるとか、腫れるとか…。触ってる時間が長かったり、手に傷があったりしたら死ぬかもだけど」
「なるほどねえ…。触るとアウトで、一見して毒とは思えないモノか」
面白い、とソルジャーの唇が笑みの形に。
「しかも毒性は餌由来だって? これって使いようによっては凄いのが出来そう」
「……まさか生物兵器とか?」
会長さんが怖々といった風情で口を開けば、ソルジャーは。
「そんなトコかな。お昼御飯を食べに出掛けて来た甲斐があったよ、うん」
「「「…………」」」
南無阿弥陀仏、と最初に唱えたのが誰だったのかは分かりません。SD体制の世界で命を懸けて戦うソルジャー、生物兵器を開発しますか、そうですか…。



お昼御飯を美味しく食べたソルジャーはウキウキと帰ってゆきました。午後のおやつに予定されていたレモンババロアのケーキをお土産に詰めて貰って、御礼を言って。
「えーっと…。ぼくが振った話、マズかったかな?」
毒蜘蛛事件、とジョミー君が首を傾げれば、キース君が。
「いや、それを言うならブルーだろう。猛毒の鳥の話はあいつだぞ」
「…その前にヤマカガシを出したの、ぼくです」
悪いことをしたでしょうか、とシロエ君も反省しきり。
「まさか生物兵器に繋がるなんて…。大丈夫でしょうか、あっちの世界」
「その大丈夫は難しいよ」
ブルーたちの方か人類側か、と会長さん。
「ブルーが生物兵器を開発したことで犠牲が出るのは人類側だ。だけど人類側ってヤツはさ、ブルーたちの仲間を見付け次第抹殺するみたいだし…。生物兵器でブルーが勝利したなら、それはそれで平和になる……かもしれない」
「…ほどほどにしておいてくれるといいんだが…」
キース君が左手首の数珠レットの球を数えながら南無阿弥陀仏を何回か。
「無益な殺生は良くないからな。…生物兵器を送り込むにしても、要人だけに留めておくとか、良識ってヤツに期待をしたい。無差別攻撃は惨すぎる。いくら相手がそうだとしてもな」
「そうだよねえ…」
会長さんも合掌しています。
「女子供はやめて欲しいよ、ついでに大量殺人もね。…ブルーにしてみれば恨みは山ほどあるんだろうけど」
「「「………」」」
惑星ごと抹殺されかけたというアルタミラ事変の話はソルジャーから何度も聞いていました。その時の仕返しとばかりにシャングリラ号が潜んでいる惑星、アルテメシアを生物兵器で攻撃とかは酷すぎです。しかも元ネタは私たちが振った話となると…。
「ど、どうしよう…。ぼくも地獄に落ちたりして…」
ジョミー君が青ざめ、キース君が。
「そういう時にはお念仏だ! 南無阿弥陀仏で救われるんだ、その一言でお浄土だぞ!」
「そ、それで地獄は大丈夫なわけ?」
「南無阿弥陀仏と唱えれば阿弥陀様が来て下さるんだ!」
「…そ、そうなんだ? じゃ、じゃあ…。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
地獄は勘弁して下さい、と懸命にお念仏を唱えるジョミー君。日頃あれほど嫌がっている南無阿弥陀仏を自分からとは、よほど反省してるんですねえ、自分が言い出した毒蜘蛛の件…。



ソルジャーが開発に取り掛かりそうな生物兵器。私たちがネタ元だけに、どんな結果が待っているかは考えたくもありませんでした。大量虐殺になったりしたら悲惨です。その時は会長さんとキース君に頼んで供養のための法要を、ということに決めて忘れておこうと決心したのに。
「どうかな、コレ?」
可愛いだろう、とソルジャーが写真を見せてくれたのは夏休みに入ったとある日のこと。恒例の柔道部の合宿とサム君とジョミー君の璃慕恩院行きが終わり、今日からマツカ君の山の別荘。ソルジャーは参加していないくせに、夜に大広間で遊んでいたら突然フラリと現れて。
「こっちの世界には居ないよね、コレは」
「…いないね」
君の世界にしかいないだろう、と会長さん。
「ナキネズミだっけ? 確か思念波を使えるとか」
「そうなんだよ! 意思の疎通が出来るってトコがポイント高いし、おまけに見た目も可愛いし…。これなら誰でも油断するかと」
「「「油断?」」」
「そう! コレがトコトコ近付いてきても、誰も絶対、警戒しない!」
そして撫でたい気持ちになる、と言われて思い出しました。例の生物兵器です。鳥に毒があるとは思わなかった私たち。まさかソルジャー、この生き物を使う気では…?
「あっ、分かった? あれから色々考えたんだけど、これがいいかな、と思ってね」
「…まさか開発中ですか?」
それともこれから? と尋ねたシロエ君に、ソルジャーは。
「只今、絶賛開発中! 餌に色々と混ぜ込んで…。最初の間は大変だったよ、これマズイとか美味しくないとか、拒否られちゃってさ。幸い、いいモノが見付かって」
コレに混ぜれば大喜びで、とソルジャーが取り出したものはパイ菓子でした。何処かで似たようなモノを見た気がします。えーっと、この手のヤツは色々と…。
「うなぎパイだよ、夜のお菓子で有名だよね。いつも思うけど、凄いネーミング」
そのものズバリ、とソルジャーがニヤリ。
「食べると気分が盛り上がるしねえ、夜のおやつの定番なんだ。時々買いに来ているんだけど、それをコイツが盗み食い! しょっちゅう盗られるし、もしかして…、とコレに混ぜたら大喜びで」
「「「………」」」
生物兵器の開発に着手されていたことも衝撃でしたが、うなぎパイもダメージ大でした。物騒なモノを作り出すために夜のお菓子を使うだなんて…。せめてもうちょっとマシなチョイスを、と言いたいですけど、好物だったら仕方ないかな…。



うなぎパイに恐ろしい毒を混ぜ込み、ナキネズミに食べさせているというソルジャー。パイ菓子にどうやって練り込むのだろう、と思ったのですが、表面に塗って乾かすだけでOKらしく。
「流石は夜のお菓子だねえ…。毒をもって毒を制すというか、木の葉を隠すなら森の中というか。似たような効果のある代物を混ぜてやっても味は落ちないみたいだよ」
「「「は?」」」
似たような効果って、うなぎパイですか? うなぎパイはあくまで夜のお菓子で、生物兵器とは似ても似つかぬ効果を誇る食べ物かと…。
「だから生物兵器だってば、対ハーレイとか、そういう系の!」
「「「えっ!?」」」
思考が一瞬、停止しました。今、対ハーレイとか聞こえましたか? 生物兵器が?
「そう! ハーレイに使おうと思ってるけど、自分に使うのもアリかもね。撫でるだけで催淫作用があるんだ、このナキネズミ。皮膚と毛皮にそういう成分、蓄積中!」
触るとジンとくるんだよ、とソルジャーは片目をパッチンと。
「何度も撫でるとジワジワくるねえ、もうハーレイとヤるしかないって気分になるよ。ぼくは薬には耐性が高い方なんだけれど、それでもジワジワ! それをハーレイが撫でたら気分は獣さ、もう最高の生物兵器!」
いずれは夜のベッドのお供に、とソルジャーはニコニコしています。
「人懐っこいから、人間がいればスリスリと寄って来るんだよ。ベッドの上に放しておけばさ、ぼくかハーレイかに擦り寄るし…。そうすれば媚薬成分バッチリ、もう何発でも」
「退場!!」
会長さんが叫びましたが、ソルジャーに効き目がある筈もなく。
「もちろん催淫作用だけでなく、精力剤の方も仕込んであるよ。ナキネズミに触ればパワー充填、猛毒ならぬ絶倫作用! そういう成分を皮膚と毛皮にたっぷりと」
まだハーレイには試してないけど、と語るソルジャー。
「せっかくだからね、使い始めは結婚記念日! 夫婦円満のための生物兵器の使い初めにはピッタリの日だと思うんだよね」
マツカの海の別荘行き、と聞いて仰天、唖然呆然。海の別荘はソルジャーとキャプテンが結婚した場所だけに、毎年、結婚記念日と重ねてお出掛けすることに決まっています。そこへ怪しげな毒性を持ったナキネズミとやらを持ち込むと…?
「別にいいだろ、検疫はキチンとしてあるし! こっちの世界に居ない生き物でも、ぼくは上手に誤魔化せるしね」
猫が居るとでも思わせとくさ、と言われましても。そのナキネズミ、アヤシイ作用があると聞いたら何だかとっても心配です~!



ソルジャーが着手していた生物兵器はナキネズミ。私たちの世界にはいない生き物で、耳が大きくてリスみたいな感じの可愛さですけど…。
「…大丈夫なのか、あのネズミは?」
ソルジャーが広間のおやつを大量にゲットして帰って行った後、キース君がボソリ。
「うーん…。検疫は大丈夫みたいだけどねえ?」
会長さんの答えに、キース君は。
「そっちじゃなくてだ、アヤシイ効果が気になるんだが…。まさか逃げたりしないだろうな?」
「「「…え?」」」
「逃げないだろうな、と言っているんだ。アイツは自分たちで使うつもりで連れて来る気だが、なにしろ相手は生き物だ。逃げないという保証は無いぞ」
「あー…」
それは確かに、と会長さん。
「でもさ、ブルーはサイオンのエキスパートだし! 脱走したってすぐにお縄だよ、でもってブルーの部屋にガッチリ監禁!」
そして本来の目的のために使用される、と会長さんは断言しました。
「何と言っても、ブルーのアヤシイ目的のために開発しているみたいだし…。まして大切な結婚記念日に使い初めをすると言っているんだ、逃走させるわけがない」
「なるほどな…。逃がしたらアイツが損をするだけか」
「そうだと思うよ、肝心の時に使えないだけ! そして生物兵器としての怖さは既に分かっているんだし…。万一、逃走中に出会っても触らなければ大丈夫!」
そしてブルーに通報すべし、と会長さん。
「きっと慌てて引き取りに来るよ、自分たちのためのナキネズミだし! まだまだパワーアップさせる予定とも言ってたんだし、大事なネズミが逃げたままなんて有り得ないってば」
「…それもそうだな、慌てず騒がず通報なんだな」
決して触らず、とキース君が重々しく付け加え、私たちは揃って頷きました。アヤシイ効き目だか毒性だかを帯びている上、今よりも更にパワーアップするというナキネズミ。可愛い見た目に騙されたが最後、何が起こるか分かりません。
「…ハーレイにも言っておかないとねえ…」
海の別荘には来るからね、と会長さんが溜息をついて。
「ぶるぅ、お前もアレには触っちゃダメだよ、可愛いけれど」
「うんっ! 毒があるんなら触らないよ!」
怖いもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は良い子の返事。ナキネズミが本物の猛毒でなかったことは嬉しいですけど、海の別荘、大丈夫かな…。



山の別荘から戻ってくれば、キース君が忙殺される恒例のお盆。ジョミー君とサム君も棚経のお手伝いに出掛けて汗だく、キース君は他にも墓回向やら施餓鬼法要やらと走り回って…。
「「「海だーっ!!!」」」
今年も来たぞ! と男の子たちが拳を突き上げ、スウェナちゃんと私もワクワクです。教頭先生にソルジャー夫妻、「ぶるぅ」なんかも一緒とはいえ、海の別荘はやっぱり格別。海で泳いで、美味しい料理を御馳走になって…。
「ハーレイ、地球の海は何度見てもいいねえ…」
いつか必ず地球に行こうね、とソルジャー夫妻は別荘に入る前から熱いキス。そのソルジャーの足元にはペット用のキャリーケースが置かれ、「ぶるぅ」が中を覗いています。ケースの中身は言わずと知れたナキネズミで。
「あっ、ぶるぅ! 開けちゃダメだよ、そのケースは!」
キスを終えたソルジャーが珍しく注意。普段なら「ぶるぅ」が何をしていようと放置のくせに、ナキネズミのケースに触る前からこの調子ならば、恐らくは…。
「…大丈夫だよね?」
ジョミー君が見回し、シロエ君が。
「大丈夫でしょう!」
私たちのやり取りに気付いたソルジャーも。
「ああ、コレかい? コイツは大事なナキネズミだし、ぼくがキチンと管理するってば!」
餌もこんなに持って来たんだ、と開けた旅行用バッグの中にはギッシリと…。
「ブルー、奮発しましたねえ…。こんなに買ってやったのですか?」
うなぎパイを、と覗き込むキャプテンに、ソルジャーは。
「それはもう! ほら、言っただろ? コイツに頑張って貰わなきゃ、って!」
「パワーアップ用だと伺いましたね、楽しみです」
どんな効果があるのでしょうか、と頬を赤らめるキャプテンはナキネズミの正体を一応は把握しているようです。教頭先生もキャリーケースが気になる様子で。
「…おい、ブルー。あの生き物は怖いと聞いたが」
「そうだよ、ウッカリ触ると最悪! ブルーたちには素敵な生き物らしいんだけどさ、他の人間には迷惑なだけの生物兵器ってヤツだからね」
命が惜しければ触るんじゃない、と会長さんが真顔で告げて、教頭先生も「うむ」と真面目に。
「別の世界の生き物らしいし、私も重々気を付ける。お前も注意するんだぞ?」
「勿論さ。ぼくも命は惜しいから」
あんなので命を落としたくない、と震えてみせる会長さんが教頭先生にナキネズミの正体を何処まで明かしたのかは謎ですねえ…。



こうして私たちの世界に連れて来られた生物兵器のナキネズミ。海の別荘での初日がソルジャー夫妻の結婚記念日に重ねてあったため、その夜は盛大なお祝いでした。御馳走にケーキと盛りだくさんで、宴会が終わるとソルジャー夫妻は二人きりで部屋に引き揚げて…。
「かみお~ん♪ ぶるぅ、今日からよろしくー!」
「うんっ! ぼくと一緒のお部屋で寝ようね!」
悪戯小僧の「ぶるぅ」が良い子の「そるじゃぁ・ぶるぅ」とガッチリ握手。「ぶるぅ」は遊び相手がいれば悪戯しないのが基本ですから、海の別荘は毎年、極めて平和。今年は怪しげなナキネズミが持ち込まれていますけれども、アレだって…。
「ぶるぅ、あのナキネズミを勝手に出しちゃダメだよ?」
会長さんが念を押すと、「ぶるぅ」は「触らないよ」と良い子な返事。
「なんかブルーが大事にしてるし、色々食べさせているみたいだし…。前は遊ばせてくれていたのに、この頃、全然ダメだしね。ウッカリ触ったら危ないから、って…。もう遊んだり出来ないのかなぁ、とっても残念」
振り回すのが好きだったのに、と肩を落としている「ぶるぅ」。
「…振り回すって?」
会長さんの問いに、「ぶるぅ」は「尻尾!」と答えました。
「あのね、尻尾を掴んでグルグル回すの! こんな感じでブンブンと!」
「「「………」」」
それはイジメと言うのでは、と腕を目いっぱい振り回している「ぶるぅ」を眺める私たち。尻尾を掴んで振り回されるのがナキネズミの日常だったとしたら、「ぶるぅ」がケースを開けたとしても出て来る心配は無いでしょう。出て来たが最後、尻尾を掴まれてグルングルンですし…。
「…ぶるぅの悪戯も心配することは無さそうですね?」
安心しました、とシロエ君が言い、マツカ君も。
「そうですね。別荘の人たちにも触らないように言っておきましたし、万一の時には責任を持って捕まえて貰えばいいと思いますよ」
「そういうこと! アレを持ち込んだのはブルーだしね」
逃げ出さないとは思うけど、と会長さん。ソルジャー夫妻の夜の生活を盛り上げるために開発されたナキネズミだけに、バカップルの部屋から一歩も出ないで過ごすんでしょうね…。



次の日、太陽が高く昇ってから起き出して来たソルジャー夫妻は御機嫌でした。結婚記念日の夜を熱く過ごしたとかで大満足で、ビーチでも熱々バカップル。ナキネズミの効果は抜群だったに違いありません。その日の夜も凄かったらしく、翌日はビーチでイチャイチャ、ベタベタ。
「…目の毒だな…」
キース君が呻き、サム君が。
「仕方ねえだろ、毎年こうだし…。今年はちょーっと割増だけどな」
「ちょっとどころじゃないですよ! 五割どころか十割増しです、二十割かも!」
何かもアレのせいですよ、とシロエ君が浜辺で絶叫してから時は過ぎ去り、夜も更けた頃。
「「「えーーーっ?!」」」
なんてこった、と私たちは天井を仰ぎました。夕食をとっくに済ませて二階の広間で騒いでいたら、ソルジャーが顔を出したのです。
「…本当にごめん。悪いけど、どうにもならなくて…」
まさかサイオンに引っ掛からないとは思わなかった、とソルジャーは深く頭を下げました。
「与えた餌が悪かったのかな、いわゆる透明ナキネズミ? 目には見えるけどサイオン透視に引っ掛からない状態なんだ。ぼくも今まで知らなかったんだよ、知っていたなら閉じ込めてたよ」
部屋にガッチリ鍵を掛けて…、と平謝りのソルジャー夫妻が夕食後に部屋でイチャついている間にナキネズミが脱走したのです。幸い、建物から出るなという暗示は与えてあったのだそうで、別荘内の何処かに居ることは確か。けれど居場所は全く謎で。
「とにかく、見付けたら教えて欲しい。でもねえ…。回収することも難しくって」
「「「は?」」」
「餌のせいだと思うんだけどね、サイオンがまるで効かない状態。手で掴むしかないんだよ。でもって掴んだら例の成分をもれなく食らうし、どうやってケースに戻そうかと…」
触ったが最後、ヤリたい気分しか残らないのだ、と聞かされた私たちは顔面蒼白。そこまで強烈な生物兵器になっていたとは…。
「それじゃ君はどうやってアレを連れて来たのさ!」
何か方法があるんだろう、と詰め寄る会長さんに、ソルジャーは。
「…連れて来た時には、まだサイオンが効いたんだ。だから建物から出るなと暗示もかけられた。それが昨日の夜辺りから怪しくなって、今日の分のうなぎパイを与えたらサッパリ駄目に」
「「「うわーーー…」」」
どうしろと、と誰もが頭を抱えましたが、餌の効き目が切れるのを待つか、脱走中のを取り押さえるか。しかし捕まえようと触ればもれなく…。
「……放置しかないね……」
でもってブルーに通報だ、と会長さん。本当にそれしか道は無いですし、こうなった以上、出会わないことを祈るしか…。



何処へ消えたか、ナキネズミ。サイオンに引っ掛からないとなれば目視あるのみ、ソルジャー夫妻が懸命に捜すかと思ったのですが、其処は流石のバカップル。ナキネズミ無しでも夜は大人の時間とばかりに籠もってしまって出ても来ず…。
「仕方ないねえ、部屋の鍵はキッチリかけるんだよ? あ、その前に。部屋の何処かに隠れていないか、各自、キッチリ点検すること!」
会長さんの訓示を受けて解散となった丑三つ時。海で元気に遊ぶためには睡眠時間も大切です。ナキネズミの行方は気になりますけど、たっぷり眠って疲れも取って…。
「バスルームにはいないみたいよ?」
「うん、こっちの部屋も大丈夫みたい」
スウェナちゃんと手分けして部屋をチェックし、パジャマに着替えようとした時のこと。
『で、で、出たぁーーーっ!!!』
会長さんの思念波が部屋を貫き、私たちは一斉に廊下に飛び出しました。ジョミー君たちも走ってゆきます。会長さんは一人部屋。以前は「そるじゃぁ・ぶるぅ」も一緒でしたが、ソルジャー夫妻の結婚以来、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「ぶるぅ」と二人で別の部屋になることも多くなり…。
「おい、大丈夫か!?」
キース君がバアン! と開け放った扉の向こう側、ベッドの上で会長さんがガタガタと震え上がっています。そのすぐ側にはナキネズミが居て、キュウキュウと人懐っこく鳴いていて。
「ど、ど、どうしよう…。ぼ、ぼ、ぼくをブルーと…」
「間違えてるってか?!」
「そ、そうみたいで…。ひいっ!」
来るなぁーっ! と会長さんは後ずさりましたが、ナキネズミはその分、ズズイと前へ。
「部屋中を捜したつもりだったけど、見落としちゃってたらしいんだ…! 布団の上に何か乗ったな、と明かりを点けたらベッドの上に…!」
「落ち付け、騒ぐと懐かれるぞ! ブルーを呼ぶんだ!」
「そ、それが…。お取り込み中か何か知らないけど、返事が無くて…!」
誰か助けてーっ! と会長さんの顔は真っ青、身体は小刻みに震えています。なにしろ相手はナキネズミ、いえ、触ったが最後エライことになるエロネズミ。懐かれてペロリと舐められでもしたら大惨事ですし、かといって…。
「俺たちも触るとヤバイんだよな?」
「う、うん、多分……」
「ゴム手袋とかは効くんでしょうか? 重ねてはめれば大丈夫かも…」
「それは推測の域を出ないぞ」
俺は嫌だ、とキース君の腰が引け、他の男子もお手上げ状態。その間にもナキネズミは会長さんの布団の上を攀じ登り、手か顔を舐めるべく接近中で…。



もうダメだ、と私たちは目を瞑り、あるいは両目を手で覆いました。会長さんがナキネズミの毒だかエロだかを食らう、と思った瞬間。
「ブルーーーっ!!!」
ダッと一陣の風が駆け抜け、教頭先生が凄い勢いで飛び込んで来たではありませんか! 髪はビショ濡れでパジャマもビショビショ。会長さんの悲鳴を聞いた時にはお風呂に入っておられたのでしょう。褐色の手が伸び、会長さんをまさに舐めようとしたナキネズミの尻尾を引っ掴み…。
「…た、助かった……」
危なかった、と荒い息をつく会長さんのベッドの脇に、教頭先生が仰向けに倒れて鼻血を噴いてらっしゃいました。意識はとうに失くした状態、しかし両手はナキネズミをガッシリ掴んだまま。モロに食らったエロ成分が強すぎたらしく、立ち往生の一種です。
「…どうするんです、コレ…」
シロエ君が呟いた所へ「ごめん、ごめん」と声がして。
「あ、捕まえてくれたんだ? ご覧よ、ハーレイ、有難いねえ」
「この状態なら、こちらの私ごと運べますね」
部屋に運んで、それから外して楽しみましょう、と現れたソルジャーとキャプテンと。二人ともバスローブだけを纏って、如何にも大人の時間の合間っぽくて。
「それじゃハーレイを貰って行ってもいいかな、ナキネズミごと」
「…好きにしていいけど、二度と逃げないようにしてよね、迷惑だから!」
ぼくは死ぬかと思ったんだ、と文句を垂れる会長さんは、身を呈して自分を守って戦死した教頭先生にチラリと冷たい一瞥を。
「ハーレイはぼくを守れて本望だろうし、そのナキネズミを剥がした後は適当に部屋に返しておいてよ」
「オッケー! それじゃ、そっちはぶるぅに任せる」
ぼくはナキネズミに触ったが最後、理性の箍が外れちゃうから、とニッコリ笑ったソルジャーはキャプテンと共に教頭先生をサイオンで担ぎ上げて運んで行ってしまいました。瞬間移動だとナキネズミを取りこぼす心配があるからです。そしてその夜も二人の部屋では盛大に…。



「二度と御免だよ、エロネズミは!」
次の日、会長さんがソルジャーにギャーギャーと苦情を述べている頃、教頭先生はエロ成分が抜けずに朦朧としてベッドでうなされ中。妄想ダダ漏れのうわ言が凄いらしくて、それも会長さんの頭痛の種で。
「次から絶対連れて来ないでよ、出入り禁止にするからね!」
「…言われなくっても二度としないよ、危険だからさ」
未練はたっぷりあるんだけどね、とソルジャーが。
「サイオンがまるで効かないとなると、ぼくのシャングリラがどうなるか…。エロ成分をブリッジなんかで撒き散らされたら航行不能に陥るどころか、人類軍に墜とされかねないし」
「私もブルーと同意見です。実に貴重な存在ですが…」
素晴らしい生き物なのですが、と惜しがりつつもキャプテンもエロネズミは排除の方向でした。二度と作られない幻の生き物、エロネズミ。その成分が抜け切るまでは毛皮と皮膚からエロを放って何処までも…。
「でも、ハーレイ。とりあえず、此処に滞在している間は楽しめそうだね?」
「そうですね。せっかく作ったナキネズミですし、残る期間を有効に活用いたしましょう」
ビーチどころではありませんね、とキャプテンがソルジャーの肩を引き寄せ、思いっ切りのディープキス。バカップルはそのまま部屋へと引き揚げてゆき…。
「…あの二人には似合いだけどねえ、エロネズミ…」
ハーレイにはキツすぎたみたいだよね、と会長さんが額を押さえています。教頭先生に注ぎ込まれたエロ成分を中和する方法は無い模様。滞在中に抜けなかったら別荘に捨てて帰るのだそうで…。
「気の毒だよねえ…」
「身体を張って頑張ったのになあ…」
南無阿弥陀仏、とサム君が唱え、ジョミー君も。お念仏でエロ成分は抜けるのでしょうか、だったら私もお念仏。此処はみんなでお唱えしましょう、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…。




         危ない生き物・了

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 猛毒な鳥のお話は嘘じゃないです、気になる方は「ズグロモリモズ」で検索を。
 うなぎパイは管理人も好物、夜のお菓子というネーミングは困りますけど。
 来月は第3月曜更新ですと、今回の更新から1ヶ月以上経ってしまいます。
 よってオマケ更新が入ることになります、9月は月2更新です。
 次回は 「第1月曜」 9月5日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、8月は、お盆の棚経が問題。スッポンタケの卒塔婆はどうなる?
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