シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
シャングリラ学園番外編は 「毎月第3月曜更新」 です。
第1月曜に「おまけ更新」をして2回更新の時は、前月に予告いたします。
お話の後の御挨拶などをチェックなさって下さいませv
シャングリラ学園はもうすぐ夏休み。期末試験は昨日で終了、私たちの1年A組は例によって会長さんを迎えて誰もが百点満点の筈で、他のクラスの生徒も「とにかく終わった!」と打ち上げへ。もちろん私たちも教頭先生から費用を毟ってお出掛けで…。
「うーん、昨日は食った、食った!」
サム君が大きく伸びをし、ジョミー君も。
「美味しかったよねえ、いつもの焼肉! 次も絶対あそこがいいって!」
「俺たちもすっかり馴染みだしな。テストの打ち上げくらいでしか行けないが」
高いからな、とキース君。そう、それが残念な所です。会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」はたまに出掛けているようですけど、高校生にはお値段高すぎ。実年齢はともかく高校一年生ばかりを繰り返している私たちのお小遣いの額は普通の高校生並みで…。
「キース先輩、たまには奢って下さいよ。一応、社会人ですよね?」
シロエ君のナイスな突っ込みに早速ジョミー君が飛び付きました。
「そうだっけ! キースは大学、出てたんだっけ!」
「ついでに元老寺の副住職もやってんだよなあ、金はあるよな?」
奢ってくれよ、とサム君までが。
「坊主の道だと俺もジョミーも後輩なんだし、たまにはいいだろ」
「俺は給料は貰ってないっ! あの親父が小遣い以外に金をくれると思うのか!」
大学の学費でチャラだそうだ、とブツブツと零すキース君。
「おまけに「今も小遣いをやってるだろう」と来たもんだ。俺は一生、タダ働きの副住職だ」
「先輩、そこまで悲惨な懐事情だったんですか?」
「寺の関係で出掛ける時には費用を出してくれるんだが…。坊主だらけのツアーの費用と小遣いを貰っても嬉しくはないな」
もっと普通の人生がいい、とキース君が嘆く夏の放課後。授業は今日も含めて数日間あり、それが終わると夏休みです。夏休みといえばマツカ君の海の別荘に山の別荘、お盆で忙しいお坊さん組を除けば楽しさ満載のシーズンで…。
「キース、今年も卒塔婆を書いてるわけ?」
「もちろんだ。早くお前も手伝えるようになってくれ」
「お断りだよ!」
お坊さんだけは絶対嫌だ、とジョミー君。でも夏休みは璃慕恩院での修行体験ツアーとお盆の棚経がもれなくセットになってます。何かと抹香臭くなるのも今や夏休みの風物詩でした。その夏休みがもうすぐだ、とワクワクしながら「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋に入ると。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
ピョーンと飛び跳ねた「そるじゃぁ・ぶるぅ」が「見て、見て!」とホップ、ステップ、ジャンプで部屋を一周。ピョンピョンと跳ねて歩いた後には…。
「「「わわっ?!」」」
小さな足が踏んだ場所からポンッ! と可愛いガーベラの花。赤、黄、白など色とりどりの花が足跡のようにパパパパパッ…と咲いていくではありませんか。
「な、なにこれ!?」
花が、とジョミー君が叫べば、マツカ君も。
「花ですね…。本物ですか?」
「えっへへ~! お花、凄いでしょ?」
「うん、スゲエ」
本物かよ? とサム君が手を伸ばして触ると花はパッと消え失せてしまいました。
「あれ? 消えた…」
「すぐに咲くも~ん!」
ピョンッ! と跳ねればガーベラの花。しかし触ると花は端から消えてしまって、どうやら本物の花ではない様子。
「何ですか、これ?」
シロエ君の問いに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」はエッヘンと。
「歩いた場所にお花が咲く靴~♪」
「「「靴!?」」」
「うんっ!」
魔法の靴なの、と再びピョンピョン。今度はチューリップやカーネーションなど花の種類も様々なもので、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飛び跳ねた後に次から次へと…。何なんですか、あの靴は?
「ぶるぅの靴かい?」
分からないかな、と会長さんがソファから立ってやって来ました。
「一種のサイオニック・ドリームだよ。童話で読んだ靴が気に入ったとかで」
「だって素敵だもん! 歩いたらお花が咲くんだもん!」
「というわけでね、使えないかと実験中! どうせなら派手にやりたいし」
「「「は?」」」
派手に…って、何を?
「ぶるぅの魔法の靴をだよ! 夏休み前のお楽しみ!」
学校中で披露したいし、と会長さん。えーっと、お花の咲く靴を…ですか?
夏休み前の最後の行事は終業式の日に行われます。式が終わった後、繰り広げられる宿題免除のアイテム探し。校内のあちこちに隠されたアイテムを発見すれば夏休みの全ての宿題免除で、全校生徒が血眼になって探す姿が恒例で…。
「今年もアイテムを売ろうと思うんだけどさ」
その他に、と瞳を煌めかせる会長さんは例年アイテムを探し出しては生徒に販売。ぼったくり価格がつくのですけど、これがまさしく需要と供給のなせる所で文句どころか完売御礼。今年も売る気か、と溜息をつく私たちですが…。
「なんで溜息をついてるわけ? アイテム販売は頼りにしている人もいるしね」
「それはそうだが…。しかしだな、もう少し何とかならんのか?」
値を下げるとか、というキース君の提案を会長さんはバッサリ却下。
「ダメダメ、それじゃ有難味がない。汗水たらして自分で探すか、高い値段を支払うか…。その二択だから値打ちがあるんだ、宿題免除のアイテムは。…でもね」
たまには出血大サービス! と人差し指を立てる会長さん。
「ぶるぅは魔法の靴を披露したいし、ちょうど夏休みが目の前だから…。ぶるぅが歩いた後に咲いた花を頑張って摘めばアイテムへの道が開くとか」
「「「え???」」」
「サイオニック・ドリームだと言った筈だよ、花とセットでサイオニック・ドリームの核を撒くわけ。さっきの花は触ったら消えてしまったけれども、こんな感じで。ぶるぅ、やってみて」
「かみお~ん♪ みんなでお花、摘んでね!」
ピョンピョン跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」の足が触れるとお花がポンッ! 次々に咲く花を摘もうとしたら、花はドロンと消えてしまって……あらっ?
「キャンデーだ…」
「ぼくのは御煎餅ですよ?」
「俺はハズレか? ふりかけなんだが」
こんなヤツだ、とキース君が掲げた一人前サイズのふりかけの袋に大爆笑。飴やクッキー、チョコレートなどのお菓子三昧な中で七味ふりかけは浮いています。
「それがハズレでもないんだな」
むしろ当たり、と会長さん。
「当たりクジの方がレアというのは常識だろう? 今みたいな調子で当たりを仕込めば誰もがぶるぅを追いかける。魔法の靴で歩き放題、跳ね放題で大人気ってね」
「えとえと、ぼくの手形を入れるの! それとアイテムの引換券も!」
なんと、何でも満点になる「そるじゃぁ・ぶるぅ」の手形と宿題免除アイテムの引換券! これは大人気は間違いなしかも…。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」が読んだ童話に出て来たという魔法の靴。歩いた場所に花が咲くとかで、その可愛さがお気に入り。自分でもやってみたくなってしまい、そこへ会長さんの思惑が重なった結果、終業式の前日に披露が決まりました。
「例の靴って今日だよな?」
サム君が確認をすれば、キース君が。
「その筈だが…。ブルーも来ないし、どういう形で披露する気だ?」
「さあ…」
どうなるのかしら、とスウェナちゃん。私たちは会長さんが1年A組に来ているものだと思っていたのに、登校してみたら教室の一番後ろが定位置である机は増えていませんでした。授業が始まっても会長さんは来ず、昼休みも済んで午後の授業も終わってしまって…。
「諸君!」
ガラリと教室の扉が開いてグレイブ先生が入って来ました。
「授業は今日で終わったわけだが、我が校は終業式の日にも重きを置いている。この日にサボると後悔するぞ。…私は未だに賛成する気になれないのだが、宿題免除の制度が存在するのだ」
「「「知ってまーす!!」」」
クラスメイトたちも既に噂で知っているだけに元気一杯の返事が返り、グレイブ先生はツイと眼鏡を押し上げて。
「…よろしい。不本意ながら、明日はそのアイテムが出現する。我こそは、と思う者は頑張って捜したまえ。見付け出したら…」
グレイブ先生がそこまで話した時、校舎の外からワッと歓声が。
「なんだ、あれ!?」
「花だ、花が次々咲いてるぞ!」
騒ぐ声に釣られて窓際の生徒が下を見下ろし、「わあっ!」と声を。
「下、下! 下に、そるじゃぁ・ぶるぅが!」
「えっ、なに、なに?!」
グレイブ先生が止める暇もなくクラスメイトは窓辺に殺到。私たちもドサクサに紛れて一緒に見下ろし、校舎と校舎の間を跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」を発見しました。
「ぶるぅだ…」
「ぶるぅですね? おまけに例の靴ですよ」
ほら、とシロエ君に言われなくても下の騒ぎで分かります。ピョンピョン跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」と、その後ろに咲く幾つもの花と。どうなるのだろう、と思っていたら…。
ピンポンパンポーン♪ と校内放送のチャイムが鳴り響きました。続いて嫌というほど聞き覚えのある声がスピーカーから。
「全校生の諸君、ぼくはシャングリラ学園生徒会長のブルー。今からみんなにお知らせがある」
「こらっ、ブルー!」
乗っ取るな、とスピーカーの向こうで怒鳴る声はゼル先生のものですけれど。
「別にいいだろ、放送予定は無いんだからさ」
「だからといって私物化することは許されんわい!」
「そうかなあ? 生徒会長からの放送ってヤツは公共性があると思うんだけど」
「黙らんかいっ!」
ブツン、と切れたマイクのスイッチはアッと言う間に再びオンに。
「ごめん、ごめん、聞き苦しいことになっちゃって…。ゼルは放置でお願いするよ。それでね、校舎の外をぶるぅが歩いているんだけれど」
歩いてるよな、という声があちこちから。他のクラスも窓の外を眺めているようです。
「ぶるぅが履いている靴は魔法の靴でね、歩いた場所に花が咲くんだ。しかも普通の花じゃない。魔法の花でさ、摘むとお菓子やキャンデーになる」
「「「へえ…」」」
なるほど、と納得の生徒たちですが、魔法の靴の真の値打ちはこれからで…。
「でもね、お菓子やキャンデーはハズレ! 当たりを摘んだら宿題免除アイテムの無料引換券になる…かもしれない」
「「「えぇっ?!」」」
「他にもテストが一回満点になると噂のぶるぅの手形が何枚か! 当たりはランダムに入っているから、どの花がそれかはお楽しみ! 欲しい人はぶるぅを追いかけて花を摘んでみてよね」
それじゃ、とマイクのスイッチが切られ、放送終了のピンポンパンポーン♪ のチャイム。聞き終えたクラスメイトたちは血相を変えて立ち上がりました。
「聞いたか、ぶるぅの後を追うんだ!」
「他のヤツらに取られる前に貰うが勝ちだな!」
宿題免除アイテム、貰ったあ! という叫びが上がってダッと駆け出すクラス中の生徒。気付けば教室には私たち七人グループとアルトちゃん、rちゃんの特別生しか残っておらず。
「……諸君。あの騒ぎはいったい何なのだね!?」
キレそうな顔のグレイブ先生を相手にシロエ君が必死のフォロー。
「知りません! でも終礼は九人もいれば出来る筈です!」
「むむっ…。いつも何かと騒がせてくれるお前たちが今日は模範生だというわけか…」
止むを得ん、とグレイブ先生は終礼続行。起立、礼をしてお見送りした後は私たちも外へとレッツゴーですよ~!
校舎の外は上を下への大騒ぎ。気まぐれに跳ね歩く「そるじゃぁ・ぶるぅ」を全校生徒が追い掛けています。
「かみお~ん♪ 魔法の靴でお花いっぱい、楽しいな~!」
ピョンピョン、ピョピョン。小さな足が地面につく度、ポポンッ! と開く色とりどりの花。形も種類も様々な花を生徒の群れが血相を変えて摘むわけで。
「くっそ~、今度もキャンデーだった!」
「あらっ、このクッキー、手作りみたいよ?」
もしかして、という女生徒の声に「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「ぼくが作ったお菓子も混じっているからね! 食べてみてね~♪」
「マジかよ、あいつ、料理が上手いんだよな?」
「ハズレでも価値があるってことか!」
目指せ手作り! と全校生徒は更にヒートアップ。手作り菓子ゲットで一休みとばかりに食べた生徒の「美味しい~!」な感想で拍車がかかって、魔法の靴は大人気です。
「…すげえな、宿題免除のアイテムじゃなくても欲しいらしいな?」
菓子でもかまわねえみたいだぜ、とサム君が首を竦めてみせると、ジョミー君が。
「人気があるならいいんじゃない? ぶるぅも嬉しいみたいだし」
「そうね、ぶるぅは靴の自慢をしたいだけだものね」
他はどうでもいいんだわ、とスウェナちゃん。
「お花が咲くのを見せたいんでしょ? アイテムとかお菓子は後付けだもの」
「うんうん、子供ってそんなんだよな」
分かる、分かる、とサム君も。
「おっ? なんか当たりが出たみたいだぜ!」
「本当ですね! 宿題免除アイテムの無料引換券なら一等ですよ!」
シロエ君の言葉通りにそれこそが今日の一等賞。当たりクジは何枚でしたっけ?
「え? 聞いてないよ?」
ジョミー君が首を傾げて、キース君が。
「聞いていないな…。つまりはアレか、ぶるぅが花を咲かせて回る間は当たりの可能性があるってことか」
「どうなんだろうね? ブルーだしねえ…」
でもいいか、とジョミー君。たとえ一等賞が一枚だけでも他にも手形や手作りお菓子。「そるじゃぁ・ぶるぅ」の魔法の靴は熱狂する生徒の群れを引き連れ、学校中に花を咲かせて回るんでしょうねえ…。
学校中が大騒ぎだった「そるじゃぁ・ぶるぅ」の魔法の靴。一等賞は三枚でしたが、テストの満点を呼べる手形の方は五十枚。手作りお菓子はもっと多くて、ハズレでも市販のお菓子だっただけに誰もが納得、大満足なお楽しみイベントとなりました。
翌日の終業式の日にもまだまだ話題で、宿題免除のアイテム探しが終わった後にもまだ話題。来年もやってくれたらいいな、とか、学園祭のイベントにどうか、などなど賑やかで…。
「良かったね、ぶるぅ。魔法の靴が大評判で」
またやろうか? と会長さん。此処は生徒が下校した後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋です。外は夏真っ盛りの日射しが眩しく、暑さの方も厳しいですけど、クーラーが効いたお部屋は天国。
「かみお~ん♪ 楽しかったし、またやりたいな!」
でも暫くは出来ないね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は残念そう。
「明日から夏休みになっちゃうし…。みんな学校に来ないんだもん」
「部活のヤツらしかいないな、確かに」
その部活の方も夏休みとなれば合宿で、とキース君。
「俺たちももれなく合宿だしな? 俺とシロエとマツカが柔道部、サムとジョミーは璃慕恩院だ」
「あれは合宿なんかじゃないし!」
拷問だよ、とジョミー君が苦情を申し立てました。
「毎年参加しているせいでバッチリ目を付けられてるし…。他の参加者は二泊三日なのに、ぼくとサムだけ延長戦だし!」
「お前、有難いと思わんか! 璃慕恩院で特別扱いなんだぞ、ブルーのお蔭で」
「要らないってば!」
アレの免除のアイテムが欲しい、と無茶を言い出したジョミー君。
「ぶるぅの魔法の靴で出ないかな、璃慕恩院へ行かずに済むチケットとか」
「出るわけねえだろ、元からそんなのねえんだし!」
サム君がジョミー君の背中をどやしつけ、私たちだって「うん、うん」と。
「存在するモノしか出せませんよね、そもそも魔法じゃないですから」
無理でしょうね、とシロエ君が笑えば、マツカ君も。
「作って貰えば別でしょうけど、無理そうですよね」
「有り得ねえよな、ブルーかぶるぅが「うん」と言わなきゃ出ねえって!」
諦めろよ、と諭すサム君。
「無い袖は振れねえって昔からよく言うじゃねえかよ、無いモノねだりは見苦しいぜ」
「…でもさあ……」
魔法なのに、と諦めの悪いジョミー君。本物の魔法だって魔法使いが望んだことしか起こらない気がするんですけど、気持ちは分からないでもないかな…。
魔法の靴で夢や憧れのアイテムをゲット。それが出来たら素敵かも、という点については私たちも異論はありませんでした。「そるじゃぁ・ぶるぅ」がお昼御飯にと作ってくれたピラフのパイナップル詰めを食べつつ、そんな話題が賑やかに。
「ジョミーが璃慕恩院から逃げたいと言うんだったら、俺はお盆がなくなるアイテム希望だ」
「ちょ、キースがそれ言ってとうするよ!」
副住職だろ、とサム君が呆れ顔で。
「俺、住職の資格が貰えるアイテムって言おうと思っていたのによ」
「サム先輩が住職希望なら、ぼくはキース先輩から一本取れる魔法でしょうか…」
未だに全く勝てませんし、とシロエ君。
「マツカ先輩は何かありますか? 希望のアイテム」
「そうですね…。柔道が強くなるアイテムだったら欲しいです」
「私は特にコレっていうのは無いけど…。貰うなら美味しいものかしらね?」
スウェナちゃんの意見に私も賛成。「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお料理もお菓子も美味しいですけど、もっと美味しいものって無いかな?
「うーん…。ぶるぅの腕前はプロ級だしね」
一度食べれば再現可能、と会長さん。「そるじゃぁ・ぶるぅ」も「うんっ!」とコックリ。
「美味しいものを食べたら作ってみたいと思うし、後は材料の問題かなあ…」
「そうだよね、ぶるぅ? 魔法の靴だって出来ちゃったしね」
「お料理じゃないけど、出来ちゃったもんね♪」
盛り上がっている会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」。美味しいものなら魔法でなくても出てきそうですが、キース君やシロエ君たちの夢のアイテムは無理そうです。
「…夢はやっぱり夢ってことだな」
現実的に前を見るか、とキース君が溜息をついた所へ。
「それはどうかな?」
「「「!!?」」」
あらぬ方から声が聞こえて、フワリと翻る紫のマント。
「こんにちは。面白そうな話をしているねえ? ぶるぅ、ぼくにもピラフはあるかな?」
「ちょっと待ってね、ピラフは多めに炊いてあったし、パイナップルも半分残ってるから!」
作ってくるねー! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がキッチンに駆けてゆき、ソルジャーが空いていたソファに腰を下ろすと。
「魔法の靴で夢のアイテムをゲットだってね、楽しいじゃないか」
胸がときめく思い付きだ、と微笑むソルジャー。ソルジャーの夢って何なのでしょう?
間もなく出来てきたソルジャー御注文の品。スパイシーなピラフのパイナップル詰めはお気に召したらしく、ソルジャーは御機嫌で頬張りながら。
「夢はやっぱり夢だとキースは言ったけれどさ、叶えば嬉しいものだしねえ? ぼくが魔法に頼るんだったら自力じゃどうにもならないことかな、今すぐに地球へ行けるとか」
ぼくの世界の本物の地球、と付け加えるのをソルジャーは忘れませんでした。
「でなきゃミュウと人類との和解かな。…どっちもいつかはと思っているけど、直ぐには叶いそうもない。そして魔法も全くアテにはならないし…。叶う夢しか叶わないなら」
「あんた、それはどうかな、とか言わなかったか?」
そう聞こえたぞ、とキース君が指摘し、私たちも頷きましたが、ソルジャーの方は。
「ぼくやキースの夢に関してはそうなんだけどさ。この世の中には叶う可能性があるのに夢だと思っている人もいるわけで…。ああ、夢だとは思っていないのかな?」
「何の話だ?」
「こっちのハーレイ」
「「「!!!」」」
その先は言われなくても分かったような気がします。けれど素敵なことを思い付いたら最後、もう喋らずにはいられないのがソルジャーで…。
「いつかはブルーと結婚したい、と目一杯に夢を見てるだろ? あの夢が叶うチケットを出したら喜ぶと思うよ、ゲットすればブルーと結婚なんだし」
「却下!!」
そんなチケットを誰が出すか、と睨み付けている会長さん。
「なんでハーレイの妄想なんかを叶えなくっちゃいけないのさ! 悉くハズレで行くならともかく、当たりクジなんて絶対嫌だし!」
「だから其処だよ、当たりとハズレの配分だってば。…当たりが出ないクジっていうのもあるんだってね、こっちの世界は」
お祭りの屋台なんかのクジ引き、とソルジャー、ニヤニヤ。
「あれってお約束だろう? 実は当たりは無いんです、ってヤツ」
「まあね。たまに訴えられてるけれど……って、当たり無しのクジを作れって?」
「当たりを引いたらぼくと、っていうクジなら作ってもいいよ?」
結婚は無理だけど一夜のお相手くらいなら、とソルジャーはパチンとウインクを。
「ぼくはノルディでも気にしないほどに心が広いし、こっちのハーレイくらいはねえ? どうかな、そういう魔法の靴! どうせだったら君が履くとか!」
余計にハーレイがときめく筈! とソルジャーは力説しています。歩けば花が咲く魔法の靴を会長さんが履いて、当たりが出たら結婚だなんて、教頭先生は間違いなく喜んで飛び付きますよ…。
「当たりクジ無しでハーレイをねえ…」
面白いかも、と会長さんは自分の足先を眺めました。
「おまけに魔法の靴をぼくが履くって? 歩けば花が咲く靴を?」
「君が履くのが絶対オススメ! その方が味わい深いと思うよ、ぶるぅじゃ可愛いだけだしさ」
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とか言ったかな…」
文字通り花を咲かせてやるか、と会長さんの唇に笑みが。
「歩いた所に綺麗な花が咲いていく上に、それを摘んだらクジなんだね」
「当たり無しの……ね。でもって、ぼくの当たりクジも混ぜるんだったら、こういうヤツはどうだろう? 夏休みは海の別荘に行くし、そこで一夜のアバンチュールを!」
「……君のハーレイはどうなるわけ? 海の別荘は結婚記念日じゃないか」
「あ、そうだっけ…」
忘れてた、とペロリと舌を出すソルジャー。毎年必ず結婚記念日に重ねてくれと注文をつけてくるくせに、この有様では先が思いやられます。多分、ソルジャーの方も教頭先生と過ごすつもりは無いのでしょうが…。
「えっ、普段だったら過ごしてもいいよ? ただねえ…。結婚記念日の辺りはマズイか」
「当たり前だよ、君は結婚しているんだろ!」
結婚記念日とセットの旅行で踏み外すな、と会長さんが叱り付ければ、ソルジャーは。
「…うーん…。踏み外さないようにハーレイに止めて貰おうかな?」
「「「は?」」」
「ぼくのハーレイだよ、当たりのクジをこっちのハーレイに渡さないよう全力で戦って貰うとか! 咲いた花を必死に奪い合うんだ、ぼくのためにね。…それもいいねえ…」
ウットリとして呟くソルジャー。
「そうだ、ぼくも一緒に魔法の靴で歩いてみようかな? 二人分の花なら集める手間も二人分! ハーレイ同士で奪い合うにも熱が入るよ、どっちの靴から当たりが出るのか謎だしさ!」
「君もやるわけ?」
ポカンとしている会長さんですが、ソルジャーはやる気満々で。
「サイオニック・ドリームの応用だろう? 面白そうだし、ぼくもやりたい! 歩く姿は百合の花だっけ、ぶるぅよりもゴージャスな花を次から次へと!」
二人でやろう、とソルジャーの手が会長さんの手をガシッと握りました。
「君とぼくとで魔法の靴! 君はこっちのハーレイをからかえばいいし、ぼくはハーレイの全力の愛を確かめられるし…。これは素敵なイベントだってば、やる価値ありだよ、絶対に!」
会長さんとソルジャーが二人揃って魔法の靴。歩けば開く魔法の花を教頭先生とキャプテンが必死に奪い合いですか、そうですか…。
こうして歩いた場所に花が咲く魔法の靴は妙な方向へと突っ走って行ってしまいました。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が得意げに跳ね回っていたのとは全く別物、当たりクジ無しの阿漕なイベント。いえ、正確には当たりクジはあるのですけれど…。
「当たりが出たらブルーと、だしねえ? ハーレイ的にはハズレかもねえ…」
ぼくじゃないから、とクスクスと笑う会長さん。
「だけど海の別荘でのアバンチュールなら話は別かな? 毎年、涎が出そうな顔でバカップルを眺めているのは事実なんだし、ブルー相手でもオッケーかもね」
「あんた、本当にそれでいいのか? いつも困ると言ってるだろうが!」
キース君の突っ込みに、会長さんは涼しい顔で。
「本当にブルーとアバンチュールってコトになったら困るけどさ。…あっちのハーレイが止めに入るだろ、チケットを奪い取ってでも!だから全然心配してない」
「…それで本気でやらかすんだな?」
「そのつもりだけど? …そうだよね、ブルー?」
「もちろんさ! 君さえその気になってくれたら、こんなイベントを逃す手は無い。でもって、イベントの開催はいつ?」
スケジュールを空けておかないと、と壁のカレンダーに目をやるソルジャー。
「確か噂の合宿が……明後日からだっけ?」
「うん。キースたちもジョミーたちも留守になるから、その後かな。山の別荘行きが済んだらキースはお盆でいつも以上に忙しくなるし、それまでの何処かで…。んーと…。ここは?」
合宿が終わった直後の土曜日を会長さんが指差しました。
「君のシャングリラは基本、土日は暇なんだろう?」
「現時点では何も聞いていないね。じゃあ、其処にしよう」
それまでに色々と打ち合わせを、と赤い瞳を輝かせるソルジャーに会長さんが頷き返しています。クジの内容だの開催場所だの、相談は山ほどあるようで…。
「ハーレイにも話を通しておくよ。ウッカリ予定を入れられちゃったら大変だ」
「ぼくも同じさ。でもさ、こっちのハーレイ、君のためなら予定の十や二十くらいは放り出すんじゃないのかい? ましてや結婚のチャンスとなるとさ」
「結婚のクジは最初から入っていないんだけどね?」
「違いないねえ、でもそのクジで釣って、ぼくとの一夜のアバンチュールでダメ押しだろ?」
悪辣だねえ、とソルジャーは笑っていますけれども、それを言うならどっちもどっち。結婚記念日合わせの旅行に別の人とのアバンチュールを織り込もうだなんて…。しかもそれをネタにキャプテンの本気を試そうだなんて、ソルジャーも同じく悪辣だとしか……。
キース君たちが合宿や璃慕恩院へと出掛けた間に、会長さんとソルジャーは魔法の靴なイベントについて相談を重ねていたようです。昼間はスウェナちゃんと私、会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」にフィシスさんも交えてプールに行ったりしましたけれども、夜はコソコソ打ち合わせ。
「…ふふ、元ネタが童話というのはいいねえ…」
ある日、ポロッと会長さんが漏らした台詞をスウェナちゃんと私は問い詰めたものの。
「内緒だってば、ブルーと二人で相談していて閃いちゃって」
「かみお~ん♪ お伽話のなんだったっけ…?」
「王道だよ、ぶるぅ。はい、ここまで~」
この先は秘密! と言われてしまって謎がもう一つ増えただけ。携帯端末も没収されているサム君とジョミー君は連絡が全くつかないのですが、キース君たちからは毎晩定時連絡が来ます。その日の夜も「そっちはどうだ?」と送られて来たため…。
「元ネタが童話で、お伽話の王道だって。…何だと思う?」とスウェナちゃんと相談の上で返信してみたら「知るか!」と一言。やっぱりキース君たちでも見当がつかないみたいです。
「…どうなるのかしら?」
「さあ……?」
確かなことは魔法の靴と、当たりクジは無いらしい事実だけ。ソルジャーが出すアバンチュールなクジも込みなら当たりは出ますが、それはキャプテンが全力で奪いに来るんですよね?
謎が謎を呼び、何が何だか分からない内に精悍な顔つきになった柔道部三人組と、お疲れ気味のジョミー君とサム君が帰って来ました。お疲れ休みを一日挟んだだけでイベント当日となり、私たちは朝から会長さんのマンションへと。
「…そもそもイベントの開催場所は何処になったんだ?」
キース君の問いに「知らない」と首を左右に振るスウェナちゃんと私。
「お伽話の王道ってヤツも謎のまま?」
ジョミー君に訊かれても答えられない留守番部隊は無能でした。ソルジャーが会長さんを訪ねて来る時に居合わせなかったことが敗因です。本当は居ても良かったのですが、教頭先生に話をつけに行くのに同行するなら居てもいい、と言われたら普通は逃げませんか?
「あー…。そいつは痛いよなあ…」
仕方ねえよな、とサム君が言ってくれ、シロエ君も。
「そういう条件なら、ぼくでも逃げます。先輩たちに罪は無いかと」
「まったくだ。…あいつら、つくづく腹黒いんだな」
でもって今日はどうなるんだか、と呻くキース君を先頭に立ててエレベーターに乗り、最上階へ。玄関横のチャイムを鳴らすとガチャリと扉が開けられて…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい! みんな来てるよ!」
ピョンピョン跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。ついてゆくと広いリビングに着いて、会長さんと教頭先生、私服姿のソルジャー夫妻が揃っています。
「こんにちは。一足お先にお邪魔してるよ」
ソルジャーが微笑み、教頭先生やキャプテンとも挨拶を交わして、さて、この先は…?
「会場はぼくの家を全部ってトコかな」
会長さんがニッコリ笑いました。
「ぼくもブルーも魔法の靴を履いて歩くから、放っておいたら家じゅうが花で一杯になる。それもいいけど、花を摘んだら当たりが出るかもしれないわけで」
「ブルーと結婚出来るってヤツが一等賞! ぼくのハーレイが当てた場合はこっちのハーレイに譲るってさ。そして二等がぼくとの一夜のアバンチュール! 海の別荘で一晩、楽しく! …ハーレイ、お前が当てたらこっちのハーレイに気持ちよく…」
「お断りいたします!」
その件は何度も申し上げました、とキャプテンの眉間に深い皺が。
「それを全力で阻止するために私も参加するのです。奪われないよう、努力あるのみです」
「…らしいよ、欲しけりゃ根性で自分でゲットしてよね」
頑張って、とソルジャーに見詰められた教頭先生、耳まで赤くなりつつも。
「いえ、あくまで私は一等賞を狙っておりまして…」
「遠慮はダメだよ、二等賞だってゲットしなくちゃ! 当てたらぼくが手取り足取り」
「…は、はあ…」
教頭先生、鼻の付け根を押さえておられます。早くも鼻血の危機らしいですが、こんな調子で当たりを引いても無駄なんじゃあ? 一等賞は無いとは聞いていますけど…。会長さんがクッと喉を鳴らして。
「二等賞を争う方が熾烈らしいね、面白い。…それじゃ今から歩くから! あ、その前に道具を渡しておかないと…。ぶるぅ!」
「かみお~ん♪ はい、どうぞ! これを持ってね!」
「「……???」」
教頭先生とキャプテンに小型のケージが渡されました。猫とか小型犬とかを運ぶアレです。会長さんが軽く咳払いをして。
「ハズレはぶるぅの時と同じでお菓子なんだけど、大ハズレの時はヒキガエルなんだ」
「「「ヒキガエル!?」」」
「そんなモノが家の中を跳ね回るのはとても困るしねえ? カエルになったらケージに入れてよ」
「「「………」」」
よりにもよってヒキガエル。自分でも困るような代物をクジに入れるな、と言いたいですけど、ソルジャーと相談を続ける間に何処かで悪ノリしたのでしょう。花にお菓子にヒキガエル。当たりなんかは二等賞でも出ないような気がしてきましたよ…。
会長さんとソルジャー、普段は家の中では履かない靴を履き、スタンバイ。反対方向へ歩き出すのかと思っていれば、さに非ず。歩幅や互いの距離を変えつつ、同じ方へと軽く優雅に。床に綺麗な薔薇が咲いたり、瑞々しい百合が花開いたり。
「「「…流石…」」」
可愛い花より美しい花。狙っているのが分かります。教頭先生とキャプテン、暫く見惚れていたものの…。
「い、いかん! 花を摘まねば!」
「二等賞のクジは渡しませんから!」
ダッと飛び出す大柄な身体。会長さんたちが軽やかに咲かせて回る花を摘み、舌打ちしてはクッキーやキャンデーがポイと捨てられ、私たちがそれを有難く拾い…。お菓子も貰っておけばいいのに、と笑い合いつつ、広い家の中をあちらへ、こちらへ。そして間もなく…。
「うわぁぁっ!!」
ピョーン! と飛び出すヒキガエル。教頭先生が引っ掴んでケージに押し込み、次のヒキガエルはキャプテンが。そうやって花はお菓子やヒキガエルに変わりまくって、どのくらい歩き回ったでしょうか。
「はい、おしまーい!」
「「「…は?」」」
会長さんが明るく宣言しましたけれども、当たりクジはともかく二等賞は…? 教頭先生がキャプテンに胡乱な視線を向けて。
「…一等賞をお取りになったら譲って下さる筈だったのでは?」
「あなたこそ、二等賞を何処に隠したんです! ブルーを取らないで頂きたい!」
バチバチバチッと火花が飛び散り、一触即発。教頭先生、二等賞を隠すような度胸があったのでしょうか? ソルジャーと一夜のアバンチュールを目指して隠蔽なさったとか…? お互いに掴みかからんばかりのそっくりさん二人をハラハラしながら見守っていると。
「ああ、一等賞と二等賞なら、君たちの愛が試されるからーっ!」
会長さんが声を張り上げ、ソルジャーが。
「カエルの王子様だっけー? ヒキガエルのどれかが当たりなんだよ、キスすればクジに戻るからーっ!」
「「…ひ、ヒキガエル…?」」
これにキスか、と絶句する褐色の肌のお二人様。…そういえば会長さんは何て言いましたっけ? お伽話の王道だとか言っていたヤツはヒキガエル…!
「…ど、どうぞ、あなたから御遠慮なく」
「い、いえ…。そのぅ、当たりが出た時に私に譲って頂ければ…」
キャプテンと教頭先生、先ほどまでの喧嘩騒ぎは何処へやら。清く美しい譲り合いとばかりに、二つのケージに満杯になったヒキガエルを押し付け合っておられます。
「わ、私が順に渡してですね、ハズレのカエルはきちんと管理いたしますから」
「いえいえ、そんな御迷惑はとても…。日頃から何かとお世話になっておりますし」
どうぞ、どうも、とは全くいかずに「どうぞ」「どうぞ」な平行線。ヒキガエルはゲコゲコ鳴きまくってますが、あの中のどれが二等賞…?
「……此処まで醜く押し付け合われると二等賞のカエルも消したくなるねえ…」
「君への愛は絶対だったんじゃないのかい? 二等賞は渡さないって言ってたじゃないか」
「それを言うならこっちのハーレイも同じだろう? 一等賞のためならキスくらい…」
お安い御用だと思ったけどな、とソルジャーが深い溜息を。
「もしかしてアレかな、ヒキガエルが君に変わるんでなくっちゃダメなのかなあ…」
「それでもダメかと思うけどねえ? そう簡単にクリアされたんじゃ、お伽話が成立しない」
魔法の靴には魔法なオチが相応しいんだよ、と会長さん。押し付け合いを続けておられる教頭先生とキャプテンの前のヒキガエルから二等賞のが消えるかどうかはソルジャー次第らしいです。この調子では消えそうですけど……って、消したんですって!?
「うん、呆れたから。…ぼくへの愛の無さはよく分かったし」
ヒキガエルにキスして償ってよね、と冷たく笑うソルジャーの視線の先では、キャプテンと教頭先生がキスへの決意を固めた模様。もはや当たりは無いんですけど、それでもカエルにキスですか! 二つのケージに満杯のヒキガエル相手にブッチューだとは、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…。
歩けば花盛り・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
歩くと花が咲く「そるじゃぁ・ぶるぅ」の魔法の靴なら、とても可愛いですけれど。
同じ花でも、ヒキガエルが出る靴はどうかと思います。普通はこういう結末になるかと。
そして、シャングリラ学園番外編、11月8日に連載開始から8周年を迎えます。
よくも此処まで書いたもんだ、と自分でも呆れる内に9年目へと…。
8周年記念の御挨拶を兼ねまして、11月はオマケ更新つき。月に2回の更新です。
次回は 「第3月曜」 11月21日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、11月は、先月のスッポンタケ狩りが尾を引いているようで…。
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