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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

人力車で走れ

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。

 シャングリラ学園番外編は 「毎月第3月曜更新」 です。
 第1月曜に「おまけ更新」をして2回更新の時は、前月に予告いたします。
 お話の後の御挨拶などをチェックなさって下さいませv




除夜の鐘と初詣も済み、冬休みも残り数日ですが。とは言うものの、お正月の方は実は三日目、いわゆる三が日というヤツです。今年の冬は寒さ厳しめになりそうだ、などと話しつつ皆でゾロゾロ会長さんのマンションへと。昨日は初詣で屋台グルメでしたし、今日は普通に…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
おせち沢山揃っているよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお出迎え。ワイワイ上がり込めば和洋中と素晴らしいおせちがドッサリ、これは食べねば!
「キースにはすっげえ悪いけどよお、やっぱ、おせちはこうでなくっちゃっな!」
サム君が取り皿にドッサリ取り分け、キース君が。
「ウチでも和洋中と揃えたんだが…」
「いや、だから悪いって言ったじゃねえかよ。味とか種類とかじゃなくてよ、おせちは普通に食いてえからなあ…」
衣抜きで、とサム君、パクパク。衣とは天麩羅の衣ではなく、いわゆる法衣。除夜の鐘の後、元老寺で迎えるお正月はサム君とジョミー君も墨染の衣で初詣のお手伝いコースです。豪華おせちが食べられるとはいえ、衣つき。抹香臭いのは御免蒙る、という意味で。
「ぼくも衣は御免だよ! なんで毎年!」
ジョミー君がぼやけば、会長さんが。
「一年の計は元旦にあり、と言うだろう? お正月からビシッと墨染、それでこそ坊主への覚悟も出来るというもので…。君もサムも今年も断ったしねえ、専修コース」
「そりゃそうだけど…」
そうなんだけど、とジョミー君がブツブツ、サム君はボソボソ。
「やっぱ覚悟が決まらねえよ…。全寮制だろ、しかも二年で。一年コースはまだなのかよ?」
「もうすぐだったと思ったが?」
キース君が指折り数えて。
「学寮の建設場所はもう決まったし、土地も買ったと聞いている。あと数年で出来ると思うが、そしたら入学するわけか?」
「えっ、数年? ちょ、ちょっとそいつは早すぎだって!」
せめて十年考えさせろ、とサム君が慌てて、ジョミー君も。
「ぼくは二十年ほど欲しいってば! ううん、三十年でもいいかも!」
行かないからね、と二人揃ってお断り中の専修コースとは、キース君の母校の大学に併設された僧侶養成コースです。ひたすらお坊さんの勉強のみで他の学問はしなくていいため、二年で卒業。それを更に濃縮した一年コースも出来ると噂で、サム君とジョミー君に坊主な未来が着々と…。



「とにかく絶対、行かないからね!」
ジョミー君が喚いた所でいきなり鳴り響く電話の呼び出し音。会長さんはソルジャーなだけに、たまに電話もかかります。三が日でも忙しいのだな、と思っていれば。
「かみお~ん♪ えっ? うん、あけましておめでとうございまぁーす!」
電話を取った「そるじゃぁ・ぶるぅ」が元気に年賀の御挨拶。やはり仲間の誰かでしょう。ん?
「えとえと、えとね…。おせちはみんなで食べてるんだけど…。うん、うん…」
はて、おせちとは面妖な話題。誰と話しているのでしょう?
「えーっと…。分かった、ブルーに代わるね。…ブルー、ハーレイから電話!」
「切っといて!」
会長さんは見事な脊髄反射でしたが、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は。
「でもでも、ハーレイ、おせち用意して待ってるって…」
「いつものことだろ、勝手に一人で空回り! 孤独に食べろって返事しといて!」
「うんっ! あのね、ハーレイ、ブルーがね…。あ、聞こえてた?」
うんうん、それで? と切れない電話。どうなるのだろう、と皆が注目していれば…。
「はぁーい、了解! 待ってるねーっ!」
チンッ! と受話器が置かれたクラシックスタイルのレトロな電話。「そるじゃぁ・ぶるぅ」がクルリとこちらに向き直って。
「あのね、ハーレイがおせちを届けに来てくれるって!」
「「「えぇっ!?」」」
「みんなの分も買ってあるから無駄にしないで是非食べてくれって、出前でお届け!」
豪華版らしいよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はウキウキと。
「和洋中だけど、どれも専門のお店に頼んだヤツなんだって! 今年は特に気合を入れたから、他の人たちに御馳走するのは勿体ないって!」
「「「他の人?」」」
「なんか毎年、三が日が済んだらお客さん呼んでたみたいだね、うん」
教頭先生が私たちの年始回りに備えてドッサリ買うと聞いていたおせち。教頭先生が冷凍でもして孤独にコツコツ食べているのかと思っていれば、さに非ず。シャングリラ号での部下たちを招き、三が日明けにドカンと振舞っていたようです。
「それって、賞味期限はどうなんでしょう?」
シロエ君が心配そうですが、会長さんは平然として。
「問題無いだろ、三が日のラストにぼくたちが来るかもって想定しているわけだしね? 絶対、長めにしているさ。四日か五日まで楽勝だよ、うん」
それが来るのか、と教頭先生の家の方角を見ている会長さん。おせちのお届け、もうすぐかな?



やがてピンポーン♪ と玄関チャイムの音が。キャプテンである教頭先生、このマンションは顔パスです。管理人さんからの問い合わせもなく、直接入って来られるわけで…。
「わぁーい、おせちー!」
玄関へ飛び跳ねて行った「そるじゃぁ・ぶるぅ」が戻って来ると、その後ろには大量の重箱が詰まったらしい荷物を背負った教頭先生。
「あけましておめでとう。どうやら全員揃っているな」
「残念ながらね」
それでおせちは、と会長さんがツンケンと。
「置いたらサッサと回れ右する! 君を呼んではいないから!」
「し、しかしだな…、これは私の愛なわけで!」
荷物を降ろした教頭先生、あれこれと説明しながら重箱を並べ始めました。
「和風はパルテノンでも評判の店に注文したんだ。洋風はお前とぶるぅも気に入りのレストランに発注したし、中華もそういう専門店に頼んでおいたのだが…」
どれも気に入ると思うのだが、とズラリ重箱。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が蓋を取るなり大歓声。
「うっわー、すっごーい! ホントに豪華!」
「…無駄に豪華としか言いようがないね」
会長さんはあくまで素っ気なく。
「ぼくへの愛だか何か知らないけど、愛があるなら耐え忍べば? こんな風に嫌味たらしく……未練たらしくと言った方がいいかな、押し付けがましく持ってくるよりは自分で食べる!」
「いや、それは…。それはあまりに勿体ないから、お前たちが来なかった年は…」
「知ってるよ、キャプテンの立場で大盤振る舞い! 人気らしいね、君の家のおせち」
今年もそうすれば良かったのに、と会長さん。
「でなきゃアレだね、君が一人で完食するとか…。耐えてこそだよ、愛というのは」
「…そうなのだろうか?」
「うん。幾歳月もの風雪を耐えて忍べばいつか花咲く時もある……かもしれない。だけど今年は持って来ちゃったし、耐えてる内にはカウントされない」
おせちは皆で美味しく頂く、とニッコリと。
「というわけでね、君の用事は済んだってね。はい、回れ右!」
「…ま、回れ右して帰れば耐えたとカウントして貰えそうなのだろうか?」
「は?」
「幾歳月を耐えろと言うなら耐えてみせるから、カウントしてくれ!」
耐えた内に、と教頭先生、頼み込み。えーっと、耐えても全く無駄だと思いますけどね?



耐えればいずれは会長さんの愛が、と妙な勘違いスイッチが入ったらしい教頭先生。おせちのお届けをしてしまったことで今年は耐えたことにはならないと言われてしまって、なんとかカウントして貰おうと懇願中。
「おせちを届けたことは謝る! しかし皆で食ってくれれば無駄にはならんし、私としてもその方が…。いやいや、それで耐えたと数えて貰えないなら、いっそ背負って帰るから!」
「あー、それはお断り」
もう貰った、と会長さん。
「ぼくの目と舌を喜ばせてくれそうなのも多いしね? 今更持って帰られてもさ」
「しかし、私は耐えたいわけで!」
耐えて愛の花を咲かせたいのだ、と妄想スイッチもオンらしき模様。
「幾歳月が何年先だか分からないのだが、耐えれば花が咲くのだろう? 耐えさせてくれ!」
頼む、と早くも土下座モードで、絨毯に額を擦り付け、耐えたいとの仰せ。
「…うーん…。たかがおせちで耐えられてもねえ?」
「だったら何に耐えればいいのだ、私は耐えて耐え抜きたいのだ!」
土下座ペコペコ、傍から見ればバッタかカエルか。こんな姿で会長さんに頼みごとをしたら墓穴じゃないかという気もしますが、相手はたかがおせちのお届け。大したことにはならないだろう、と私たちは踏んでいました。せいぜい座禅か、三日間ほど肉料理抜きか。しかし…。
「君はそんなに耐えたいわけ?」
「もちろんだ!」
「ぼくへの愛で耐えるんだね?」
「当然だろう! 何か思い付いてくれたんだな!?」
是非言ってくれ、と教頭先生の顔が輝いたものの。
「……じゃあ、八耐」
「…はちたい?」
「知らないかなあ、バイクの八時間耐久レース」
略して八耐、と会長さんは指を一本立てました。
「二人一組で八時間バイクを走らせるんだよ、その間にコースを何周したかで勝者が決まる。君の場合は組む人もいないし、一人で走らせることになるかな?」
それともゼルと組んで走るか、とズズイと迫る会長さん。
「耐えると言ったら八耐が花だね、本物に出ろとは言ってない。ただ八時間を走り抜くだけ! ぼくへの愛があるんだったら孤独な走りも楽勝だろう?」
八時間ほど走ってこい、と言ってますけど、八耐って…。あの有名なバイクレースを教頭先生がたった一人で…?



会長さん曰く、「愛があるなら八耐くらい」。その八耐は夏のものだったと記憶しています。おまけに場所はサーキット。冬の最中に孤独に八耐、ゼル先生と組むにしたって一組だけでサーキットなんて借りられるのでしょうか?
「え、八耐のサーキットかい? この時期、空いてると思うんだけどな」
どう? と会長さんの視線がマツカ君に。
「今ですか? レースに不向きなシーズンですから空いてますけど、使うんですか?」
「「「え?」」」
「あのサーキットは父の会社が持ってるんです」
「「「さ、サーキット…」」」
そんなモノまで持っていたのか、という衝撃の事実。マツカ君も何処まで奥が深いのでしょうか、自家用ジェットだの外国にお城だのと聞いてましたが、サーキット…。
「マツカのお父さんの持ち物だしねえ、八耐用のサーキット。今の時期だと積雪だとか凍結だとかと悪条件が揃ってるけど、どうかな、ハーレイ?」
ぼくへの愛で走ってみる? と会長さんはニコニコと。
「何周できたかは無関係なんだよ、要は八時間を耐えて走ったかどうかでさ…。君がやるならマツカに頼んでサーキットを借りる。さあ、決めたまえ。八耐をやるか、やるなら一人かゼルと組むのか。八耐をやれば耐えた度数はググンとアップする……かもしれない」
「…は、八耐…」
バイクレースか、と青ざめてらっしゃる教頭先生。そういえばスピードが苦手でらっしゃったんでしたっけ。バイク野郎で『過激なる爆撃手』の異名を取っているゼル先生のサイドカーに乗せられての爆走の末に気絶なさったこともあったかと…。
「ん? バイクレースは無理そうだって?」
自分で走らせてもスピードは無理? と尋ねる会長さん。
「君はママチャリが限界だったかもしれないねえ…。二輪車の類」
「…そ、そうなのだ……」
実は原付もキツイものが、と教頭先生、涙の告白。
「八耐は非常に魅力的だが……。体力的には一人八耐も充分いけるという気がするのだが、如何せん、バイクのスピードが…」
無理だ、と泣き顔の教頭先生。
「サーキットまで提供しようと言ってくれるお前の愛は嬉しい。嬉しいのだが、私には…」
「応える術が無いってわけだね、よく分かった」
じゃあ回れ右、と言うのだろうと私たちは疑いもしませんでした。ところが会長さんの口から飛び出した次の言葉は。
「だったら、人力八耐でいこう!」
「「「ジンリキハチタイ?」」」
なんですか、それは? ジンリキハチタイって、何ものですか…?



「人力車で走るレースがあるんだよ、うん」
会長さんは得意げに知識を披露しました。人力車と言っても観光地で走っているアレではなくって、三輪車だとか自作の二輪車とか。二歳から参加可能なレースで、基本は二人で一チーム。正式名称、人力車レース。
「一応、八耐と同じく世界選手権って形になってる。より正式な名前でいくとね、ワールド・エコロジカルカー・チャンピオンシップ、五時間耐久人力車世界選手権!」
「「「じ、人力車世界選手権…」」」
そんなレースが存在したのか、と唖然呆然。けれど会長さんが立ち上げた端末でアクセスした先に公式サイトがしっかりとあって、八耐と並ぶ有名なサーキットが会場で…。
「ね? このとおり人力車レースは存在する。八時間じゃなくて五時間だけど…。これを参考に五時間の所を八時間! マツカのお父さんのサーキットで!」
愛があるなら人力車で走れ、と会長さんはブチ上げました。
「君の自慢のママチャリもいいし、大人には乗りにくい三輪車でもいい。孤独に八時間走り抜いたら、愛の花の蕾が少しくらいは膨らむかもね?」
「…じ、人力八耐……」
教頭先生はグッと拳を握り締めて。
「よし! 私も男だ、やってみせよう!」
「「「おおっ!?」」」
凄い、と息を飲んだ途端に背後でパチパチと拍手の音が。誰だ、と一斉に振り返れば。
「こんにちは。…いや、あけましておめでとうだね、お正月だしね?」
フワリと翻る紫のマント。会長さんのそっくりさんがにこやかな顔で立っています。
「凄いね、豪華おせちが沢山! ぼくのシャングリラのニューイヤーパーティーも今日までだけどさ、流石に三日目ともなると食べ飽きちゃってねえ…」
たまには地球のおせちがいいのだ、と招かれざる客はスタスタと部屋を横切って空いていた席にドッカリ座ってしまいました。
「おまけに何だか楽しそうな話をしてるじゃないか。人力車でサーキットを走るんだって?」
「いや、人力車じゃなくて、エコカーってヤツで…。要は人力で走る車で」
人力車であって人力車じゃない、と会長さんは勘違いをしていそうなソルジャーに解説を。
「君が考えてる人力車は観光客を乗せて走っているヤツだろう? アレじゃなくてね」
「その人力車でいいじゃないか」
そっちの方が絶対にいい、とソルジャーは会長さんに向かって得々と。
「だって、あの人力車なら乗れるんだよ? 君を乗せた車を引っ張って八時間走り抜いてこその愛じゃないかな、耐えるんならね」
どう? と笑顔で言われましても。それの答えは会長さんの心次第では…?



「ホントに本物の人力車かあ…」
ちょっといいかも、と会長さんの心が動いた様子。
「ハーレイが孤独に走るママチャリも良さそうだけれど、負荷をかけるのも楽しそうだね」
「そうだろう? しかも座席に乗っかるのは君! ハーレイの愛を確かめながらね」
ぼくも乗りたくなってきたかも、とソルジャーの思考がズレ始めて。
「ハーレイが引っ張る人力車もいいね、それに乗っかってサーキットをねえ…。でもって、こっちのハーレイと勝負! どっちがより深くパートナーのことを愛しているか!」
「ちょ、ちょっと…! ぼくはハーレイのパートナーじゃないし!」
「ああ、ごめん。予定だったね、君の場合は」
「予定でもないっ!」
そんな予定は全然無い、と会長さんは不快そうですが、レースには興味があるようで。
「君のハーレイも人力車で八耐にチャレンジするのかい?」
「それもいいな、と思ってね。…だけどさ、最初からぼくが乗っていたんじゃハーレイに負荷がかかりすぎだし、ぶるぅを代わりに乗せようかと」
「ぶるぅって…。あの悪戯小僧の大食漢の」
「人力車に乗れるなら大人しいと思うよ、それ自体が悪戯みたいなものだし」
乗っかっているだけでハーレイに負荷が、とソルジャーは「ぶるぅ」の悪戯心をお見通し。
「汗水たらして人力車を引くハーレイを高みの見物だしねえ、きっと喜んで乗ってくれるさ」
「なるほどねえ…。ぶるぅが乗るのか…」
それも良さそう、と会長さんの心は既に人力車へと傾いています。エコカーならぬお客を乗せて走る人力車。教頭先生の負担が余計に増えそうですけど…。
「えっ、そこがポイント高いんだよ! 同じ八耐なら耐えてなんぼで、ただ走るよりは余計な負荷だね。ぶるぅもいいけど、ぼくが乗るのも良さそうだ」
「あっ、君もハーレイへの愛に目覚めた?」
「そうじゃなくって、ぼくの方がぶるぅより重いしね?」
でもハーレイは喜びそうだ、と悪魔の微笑み。
「こういう趣向はどうだろう? 八耐だとマシンの調整だの乗員交代だのでピットインする。これは人力車レースでも同じ。ましてや一人八耐ともなればトイレ休憩や食事が必須で、ピットインしないわけがない」
「それで?」
「ピットインした時にとある条件をクリアしたなら、ぶるぅの代わりにぼくが乗る!」
そして次のピットインまで乗ってゆくのだ、という話ですが。とある条件ってどんなのですか?



耐久レースに欠かせないピットイン。其処で条件をクリア出来たら、人力車のお客が「そるじゃぁ・ぶるぅ」から会長さんに交代になるらしいですけど…。
「どういう条件を出すつもりなわけ?」
ソルジャーの問いに、会長さんは。
「ズバリ、キスだね」
「「「キス!?」」」
「ただし、手の甲! ハードな人力車耐久レースで身体がガタガタになってくる中、いわゆる騎士のキスってヤツかな、あれをビシッと決められた時はぼくが乗っかる!」
おおっ、と広がるどよめきの中、教頭先生が嬉しそうに。
「お、お前が乗ってくれるのか? 人力車に?」
「ちゃんと映画のワンシーンみたいに手の甲にキスを決められたら……ね」
「努力しよう! 帰ったら早速練習だ!」
それでレースはいつになるのだ、と教頭先生、やる気満々。
「私は明日でも明後日でもいいぞ? 冬休みはまだあるからな」
「ふうん? だったら君と一緒にレースをしてくれそうな人の都合を訊かないとねえ?」
「ぼくのハーレイ? ニューイヤーのパーティーの後は比較的平和な日が続くからさ、七日まで休暇を取ってあるんだ。だからいつでもかまわないけど?」
それこそ明日でも明後日でも、とソルジャーがドンと請け合い、会長さんが。
「えーっと、サーキットの手配と人力車と…。マツカ、明日でもいけそうかい?」
「明日ですか? 訊いてみますね」
マツカ君が携帯端末を取り出し、お父さんに電話しています。いつもは執事さん相手が多いんですけど、お父さんもお正月で暇なのかな?
「そう、明日…。かまわない? えっ、人力車も? じゃあ、お願い」
電話を終えたマツカ君は「大丈夫です」と柔らかな笑顔。
「サーキットは好きに使っていいそうです。人力車も用意しておくと言ってましたね、サーキットまでの移動はどうしますか? 父がバスの手配もしておこうかと訊いてましたが…」
「そっちはいいよ、瞬間移動でパパッと行こう」
少し遠いし、と会長さん。
「車だと二時間ではとても着かない。その点、瞬間移動なら直ぐ!」
「分かりました。あっ、サーキット自体は閉まってますけど、設備などは使えるようにしておくそうです。トイレもシャワーもOKですよ」
「ありがとう、マツカ。それじゃ、明日は人力車で八耐レースってことで」
ここは一発、壮行会! と会長さんが拳を突き上げ、ソルジャーの世界からキャプテンと「ぶるぅ」も招いての大宴会が始まりました。教頭先生の豪華おせちは無駄になるどころかゲストを迎えて大いに役立ち、私たちも美味しく頂きましたよ~!



そして翌日。会長さんのマンションへの集合時刻はなんと早朝、六時半。家を出る頃はまだ暗いという有様でしたが、なにしろ相手は八耐です。スタートから八時間走らなくてはいけないのですし、冬の日暮れの早さを思えば八時に始めるのがいいであろう、と会長さんが。
「うう、眠い…」
まだ眠い、とジョミー君が眠い目を擦り、キース君が。
「やかましい! 俺なんかはもっと早起きだったぞ、家を出る前に朝のお勤めがあるんだからな」
早く出掛けると言ったらサボれるかと思ったらしいのですが。アドス和尚に「なら、先にやれ」と命令された上、「俺の分までやっておけ」だったそうで、普段以上にキツかったとか。
「…いつもだったら俺が本堂の掃除をしてだな、お勤めのメインは親父なのに…。なんで一人で全部やらねばならんのだ!」
「でもよ、住職が一人の寺なら普通だぜ、それ」
サム君の指摘はもっともなもので、グウの音も出ないキース君。そんなやり取りをしながら辿り着いた会長さんのマンションでは…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
みんな来てるよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。案内されたリビングには教頭先生にソルジャー、キャプテン、「ぶるぅ」が勢ぞろいしています。
「やあ、来たね。じゃあ、サーキットへ出発しようか」
「そうだね、早い方がコースの下見も出来るしね」
行こう、と会長さんの言葉にソルジャーが応じ、パアアッと迸る青いサイオン。「ぶるぅ」も入って今日はタイプ・ブルーが四人前での瞬間移動で、身体がフワリと浮き上がって…。
「「「うわあ…」」」
広い、としか言葉が出ませんでした。朝日に照らされたサーキット。木立に囲まれていますけれども、F1レースにも使われる其処は本格的なコースが広がり、観客席だって凄いのが…。
「えとえと、此処がスタートする場所?」
一段と幅の広い直線コースのド真ん中。私たちが降り立った場所がスタート地点らしいです。やたら広いと思ったのも当然、この直線コースだけで八百メートルあるのだとか。
「「「は、八百メートル…」」」
その距離は体育の授業の持久走で走らされる距離に二百メートル足りないだけ。学校だとグラウンドを何周も走って叩き出す距離ですが、それに近い距離を直線だとは…。
「この程度で驚いていてはいけないよ? コースの下見はやめといた方がいいかもねえ?」
なにしろ五千八百メートル、と聞かされて絶句。そんな下見は結構ですとも、走る人だけで行って下さいです~!



マツカ君のお父さんが用意してくれた人力車。何処の観光人力車かという立派なものが二台、交換用のタイヤなどもピットに揃っています。八時間も走ればタイヤ交換も必要かもで、そのための工具も置いてあり…。
「教頭先生、人力車の整備なんかが出来るわけ?」
ジョミー君が首を捻って、「さあ?」と同様の私たち。教頭先生はキャプテンと一緒にコースの下見に出掛けていました。会長さんとソルジャー、人力車に乗る「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」も一緒に出掛けましたし、いやはや、皆さん健脚としか…。
「下見だけでも疲れそうだよな?」
サム君がだだっ広いサーキットを眺め、マツカ君が。
「コースは傾斜もありますしね…。ぼくやキースは柔道部で鍛えてますから、走れない距離ではないんですけど」
「マジかよ、こんなの走れるのかよ!?」
「合宿の時は十キロくらいは走ってますよ」
「「「…十キロ…」」」
想像のつかない距離でした。マツカ君でも十キロ走れると言うんだったら、五千八百メートルくらい、と一瞬、考えかけたのですけど。教頭先生とキャプテンが走るコースにゴールは存在しないのでした。レースが終わる八時間後まで同じコースをひたすらグルグル。
「…八時間あったら、どのくらい走れるんだろう?」
ジョミー君の素朴な疑問に答えを返せる人材は皆無。市民マラソンとかなら既定のコースを八時間かかって走り切る人もいるでしょうけど、人力車を引いてのレースだなんて…。
「周回距離を競うんでしたっけ? 教頭先生とキャプテンとで」
シロエ君が確認し、みんなで「うん」と。
「八時間の間に何周出来たか、多かった方が愛が深いとか言ってましたね…」
「うん、言ってた」
確かに言った、とジョミー君。その台詞を吐いていた人は会長さんではなくてソルジャー。昨日の壮行会でキャプテンにそう言って発破をかけてましたっけ…。
「もしもキャプテンが教頭先生に敗北したらさ、どうなるんだろ?」
「怖いこと言うなよ!」
死ぬぜ、とサム君がジョミー君を窘めました。
「俺もよ、体力的には教頭先生の勝ちじゃないかと思うんだけどよ…。有り得ねえだろ、それだけはよ」
バカップルだけに何か秘策がある筈だ、という鋭い読み。あのソルジャーが愛の深さで負けたがるとは思えません。レースに参加を言い出した以上、勝ちに来るかと…。
「ということはさ、教頭先生、負けるんだ?」
「「「うーん…」」」
それこそ会長さんの狙い通りの結末ですけど。ジョミー君の予言は当たるのかな?



私たちがピットで騒いでいる間に下見を終えた教頭先生たちが戻って来ました。人力車レースを始める前にまずは着替えということで。
「…これを着るのか?」
「そして、この笠を被るのですか?」
教頭先生とキャプテンの姿は何処から見ても見事なコスプレ。人力車夫というヤツです。足元だって靴ではなくて地下足袋。慣れない衣装に途惑いながらも人力車がスタート地点に引き出され、「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」が乗車。冬ですから二人とも分厚い膝かけ。
「用意はいいかい? ピットイン出来るのは其処だけだからね、それ以外の場所でクラッシュした時は自力で戻って来られなかったらリタイヤだから!」
会長さんが声を張り上げ、ソルジャーも。
「ハーレイ、期待してるよ、ピットイン! 華麗なキスで決めてよね」
「ええ。あなたを乗せて走れるように頑張ります!」
キャプテン、大いに意気盛ん。乗客としては「ぶるぅ」の方が軽くて遙かにマシな筈なのに、ソルジャーを乗せて走る気です。もちろん教頭先生も…。
「ブルー、私がキスをキメたら、お前が乗ってくれるのだな?」
「そうだよ、次のピットインまで乗って行くから!」
ついでにピットインでもう一度キスを決めたら次もそのまま乗ってるから、と会長さんの艶やかな笑み。教頭先生は頬を赤らめ、「是非乗ってくれ」と照れておられて…。
「はい、二人とも並んで、並んで!」
会長さんが二台の人力車の位置を確かめ、午前八時ちょうどにレース開始の号砲が。八時間後にレース終了のチェッカーフラッグが振られるまでの耐久レースがスタートです。
「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
「うわぁーい、しゅっぱぁ~つ!」
乗客二人の声が重なり、二台の人力車はエッホエッホと掛け声こそはかからないものの、直線コースを軽快に走ってぐんぐん遠ざかってゆき…。間もなく最初のコーナーを曲がり、私たちの視界からすっかり消えてしまったのですが。



「…なんだか、意外に速くない?」
キャプテンが、とスウェナちゃん。
「教頭先生が速いというのは分かるわよ? でも、キャプテンは運動は…」
「だよね、あんなに飛ばして行っちゃって大丈夫かな?」
一周だけで五千八百メートルだけど、とジョミー君が呟く側から、妙な言葉が。
「狙い目は第二コーナーとS字カーブで、ヘアピンカーブも充分いける。ストレートは誤魔化しが効かないからダメだね、補助が限界」
「「「は?」」」
怪しい台詞の主はソルジャーでした。私たち全員の注目を浴びたソルジャーは。
「うん? 今の台詞の意味かい? ぼくのハーレイが距離を稼げそうな場所を羅列しただけ」
今は第一コーナーに居る、と微笑むソルジャー。
「こっちのハーレイとの距離は順調に開いているから、第二コーナーで一回目の瞬間移動かな。それで稼いで、何処まで飛ばすか…。やりすぎるとバレるし、ヘアピンカーブを抜けたトコかな」
「「「え?」」」
「だから瞬間移動だってば、人力車ごとコースの先に飛ばすわけ。こっちのハーレイを余裕で引き離すことが出来るんだけれど、速過ぎてもズルがバレるしねえ?」
そこそこの距離を保って飛ばす、とソルジャーは一周目にして既に勝負に出ていました。
「ついでにぼくのハーレイが速く走れる理由もサイオンだから! ぶるぅは重石のつもりで乗っかってるけど、ハーレイに負荷はかかっていない。人力車の重みもゼロなんだよね」
引いて走るポーズが少々負担になる程度だ、ということは…。キャプテンは普通にジョギングしているような感じで、教頭先生だけが人力車つきの走行ですか?
「そんなトコだね、こっちのハーレイに勝てさえすれば余裕だしねえ?」
一周走って戻って来る度にピットインだ、とソルジャー、ニヤニヤ。
「ゆっくり休んで、こっちのハーレイの姿が見えたらピットアウト! そして直線コースを抜けたら、第一コーナーから瞬間移動で飛ばすのもいいねえ…」
思い切り最終コーナーまで、と恐ろしい言葉が飛び出しました。其処で休憩、教頭先生が見えなくなったら走り始めてピットイン。つまりキャプテン、走り出した最初の一周目だけは何キロか走るかもしれませんけど、それ以降は殆ど走らない…とか?
「決まってるじゃないか! ぼくを乗せての愛の走行も瞬間移動でガンガン稼ぐよ、こっちのハーレイと並走している間を除けば、もうガンガンと!」
「「「………」」」
教頭先生に勝ち目ゼロなのが見え見えなレース。あっ、キャプテンが戻って来ました、早々にピットインですか~!



足取りも軽く人力車を引き、ピットインしてきた余裕のキャプテン。所定の位置に人力車を停めると、出迎えのソルジャーの手の甲に恭しくキスをして…。
「ブルー。これで次はあなたを乗せられますね?」
「もちろんだよ。寒風吹きすさぶサーキットを二人で熱く走ろう」
固く抱き合い、情熱のキスなバカップル。寒風も何も、実はシールドしてるんじゃないか、と疑いの目を向けた私たちに。
「えっ、シールド? 基本の中の基本だろ、それ」
ソルジャーが答え、会長さんが。
「こっちのハーレイはシールドどころじゃないけどねえ? もう汗だくで走っているし…。おっと、そろそろ帰って来るかな」
どれ、と眺めれば最終コーナーを曲がって来る人力車が見えました。ピットインせずにもう一周はキツそうな感じの走りです。ソルジャーはニンマリ、会長さんはニンマリニヤニヤ。
「さてと、こっちのハーレイがピットインしたら出発だよ?」
「ええ、ブルー。愛の人力車で出発ですね!」
どうぞ、とキャプテンが「ぶるぅ」が降りた後の人力車にソルジャーを乗せて膝かけを。バカップルがイチャイチャ語り合う間に教頭先生が必死の形相で走り込んで来て、入れ替わりに出てゆくソルジャーを乗せた人力車。
「…お、遅れを取ってしまったか…!」
だが頑張る、と教頭先生、人力車を停めて会長さんに駆け寄り、片膝をついて白い手の甲に恭しくキスを。
「ブルー、人力車に乗ってくれるな?」
「いいけど…。君の愛はイマイチ足りないようだね、まさかこんなに遅いだなんてね?」
「いや、頑張って取り返す!」
こうしてはいられん、と特製ドリンクをグイと飲み干し、会長さんが乗り込んで一周目よりも重量を増した人力車を引き出す教頭先生。ソルジャー夫妻の人力車はとっくの昔に見えません。恐らくソルジャーが言っていたとおり、直線コースを抜けるなり瞬間移動でズルを…。
「行くぞ、ブルー! あいつらに追い付け、追い越せだ!」
「頼もしいねえ、頑張ってね?」
行って来るね、と軽く手を振って会長さんは人力車に乗って走り去りました。
「かみお~ん♪ 行ってらっしゃ~い!」
遠ざかってゆく人力車。さて、と振り返れば最終コーナーにソルジャー夫妻の人力車が。もはやズルなんてレベルではなく、インチキだとか言いませんか?



ソルジャー夫妻のズルい工作に気付きもしない教頭先生は頑張りました。キャプテンが引く人力車に滅多に「ぶるぅ」が乗っていないせいで、負けていられないと更に闘志に火が点いて…。
「ブルー、の、乗ってくれるな、今度も続けて!」
「遅い人力車は嫌いなんだけど、約束だしねえ…」
キスをされたら仕方ないか、とピットインの度に会長さんが乗り込むのですから、人力車の重さは常にMAX。それを「うおおお~っ!」と引いて突っ走る教頭先生、身体にガタが来ないわけがなく、次第次第に屁っ放り腰に…。
「ハーレイ、そろそろヤバくないかい?」
「いや、まだまだ!」
腰を庇いながらタイヤ交換をしている教頭先生に会長さんが話しかけたものの、レースを放棄する気は無いようです。手許が覚束ないタイヤ交換、腰がヤバイとなかなか上手くいかなくて…。
「こんにちは~!」
「おや、ついに周回遅れでらっしゃいますか?」
ソルジャー夫妻がピットイン。タイヤ交換でモタついている教頭先生を他所にイチャイチャベタベタ、食料と愛の栄養補給を済ませて「お先~!」と出て行ってしまい。
「…に、二周遅れなど…。断じて二周遅れなどは…!」
取り戻す! と立ち上がった教頭先生の腰の辺りでグキリという音。「うぐぅっ!」という呻き声と額の脂汗とで、何が起こったかは誰の目にも一目瞭然でしたが。
「…あ、あと残り三時間なのだ…!」
こんな所で倒れてはおれん、と教頭先生は必死の形相で人力車を。
「い、行くぞ、ブルー! 私は八時間走るのだ! 耐え抜いて愛を咲かせるのだ…!」
「はいはい、分かった。寒いけど付き合ってあげるよ、だだっ広いコース」
恩着せがましく言う会長さんが寒風避けにシールドを張っていることも、貼るカイロ多数装備なことも私たちは知っていましたが…。
「…八耐だし、これでいいんだよね?」
ノロノロと去ってゆく人力車をジョミー君が見送り、キース君が。
「どうだかな…。伝説のレッドフラッグを俺たちが振る羽目になるかもな?」
「「「レッドフラッグ?」」」
何ですか、それ?
「知らんのか? 昔、本物の八耐の日に台風が来たと聞いている。それでもレースはスタートしたんだが、六時間の時点で打ち切りになった。しかし勝者は其処で決まった。その時にチェッカーフラッグの代わりに振られた旗がレッドフラッグだったんだ」
一応、用意はしてあるようだぞ、とキース君が指差す先にクルクルと丸められた旗。チェッカーフラッグだとばかり思ってましたが、ホントだ、赤いのも置いてあるんだ…。



「…どうするんだい、レッドフラッグ」
振るのかい? とソルジャーがキャプテンとイチャつきながら尋ねて来ました。
「こっちのハーレイ、どう見ても腰が思い切り終わっているけどねえ?」
「先ほど追い越す時に見て来たのですが、相当に悪化しているようですよ」
心配です、とキャプテンも。
「私の愛はブルーに充分に確かめて貰って満足ですし…。レッドフラッグを振って下さっても」
「うん、ぼくたちは全然かまわないんだけど、こっちのハーレイのプライドがねえ…」
「いえ、腰は男の命です! プライドよりも腰が大切です!」
「こっちのハーレイ、その腰の出番が無いからねえ…」
レッドフラッグでレース打ち切りより、壊れてもいいから八耐だろう、と言うソルジャー。私たちもそれが分かってますから、レッドフラッグを振れないわけで…。
「どうしよう…。今度、教頭先生の人力車が来たら振ることにする?」
「俺は御免だ、恨まれたくない」
「ぼくも嫌ですよ!」
そんな調子でレッドフラッグを振れないままに、教頭先生はクラッシュしました。人力車が壊れたわけではなくて、教頭先生の腰がクラッシュ。一歩も動けなくなったらしい教頭先生をコースに置き去りにして会長さんが瞬間移動で戻って来ると。
「八耐どころかクラッシュねえ…。ぼくのハーレイへの愛もクラッシュってね」
「そんなもの、最初から無いんだろうが!」
噛み付くキース君に、会長さんは悠然と。
「ううん、たっぷりと人力車に乗ってあげたしねえ? 寒風の中でサーキットコースに二人きり! あれが愛でなければ何だと!」
だけどゴールも出来なかった上に、バカップルに負けたからには愛もクラッシュ、と冷たい笑みが。ところで教頭先生は何処でクラッシュなさったんですか? 救護班を出さなきゃですから、それだけは教えて下さいです~!




           人力車で走れ・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 教頭先生がクラッシュなさった、人力車レース。なんともハードなレースでしたけど…。
 伝説のレッドフラッグの話は本当です。振るべきでしたかね、レッドフラッグ?
 今月は月2更新ですから、今回がオマケ更新です。
 次回は 「第3月曜」 6月19日の更新となります、よろしくです~! 

※毎日更新な 『シャングリラ学園生徒会室』 はスマホ・携帯にも対応しております。
 こちらでの場外編、6月は、キース君を御用達にするという話が持ち上がり…。
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