シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
シャングリラ学園番外編は 「毎月第3月曜更新」 です。
第1月曜に「おまけ更新」をして2回更新の時は、前月に予告いたします。
お話の後の御挨拶などをチェックなさって下さいませv
季節は春、ゴールデンウィークはシャングリラ号で過ごした私たち。今年は特に会長さんの悪戯も無くて、宇宙の旅を堪能出来ました。地球からは見ることの出来ない瞬かない星が煌めく宇宙空間は貴重な眺め。夜空とはやっぱり違うわけで…。
「真っ暗なんだよなあ、宇宙ってヤツはよ」
太陽も星も無かったらよ、と放課後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋でサム君が。
「それなのにワープ中には緑だよなあ、なんでだろうな?」
「宇宙じゃなくって時空間だからじゃないですか?」
シロエ君が「時間も空間も飛び越えますしね」と見解を述べれば、会長さんが「うんうん」と。
「それで合ってる。ブルーの世界へ飛ぶ時なんかも似た感じだよ」
「「「へ?」」」
「あっちのブルー! ぼくは案内無しでは出掛けられないし、数えるほどしか飛び越えたことはないけれど…。途中で通る空間はワープ空間と似ているかな、うん」
一瞬だけどね、という断りつきでしたが、そういえばソルジャーの世界から私たちの世界へ来るには空間移動が必要です。幸か不幸か時間の流れ方が全く同じなせいで何とも思っていなかったものの、時間も飛び越えているかもで…。
「時間かい? 飛び越えて移動するんだと思うよ、科学技術が違いすぎ! おまけにあっちは既に西暦が終わってしまっているしね」
会長さんの言葉に「あー…」と誰もが納得。ソルジャーの世界は地球が汚染されて滅びてしまった後に制定されたSD体制時代の暦です。西暦で三千何百年だったか、そのくらい経ってから始まったのがSD体制。ということは、空間だけじゃなくて時間も飛び越えるんですか…。
「俺の感覚ではなんとなく暗闇だったんだが…」
キース君がボソリと口を挟みました。
「いや、完全な闇ではないな。向こうに光が見える感じで、そこへ向かって飛んで行けば俺たちの世界に出て来られたり、あいつの世界へ行けるというか…」
「漠然と目標を定めずに飛ぶなら、それもアリかもしれないけどねえ…」
それは嫌だ、と会長さん。
「ぼくはきちんと出掛けて行って、元の世界に戻りたいしね? いい加減に飛ぶのは御免だよ」
「そういうものか?」
「そんなものだよ!」
いい加減に飛びたがるのは「ぶるぅ」くらいだ、とソルジャーの世界の悪戯小僧の名前が出ました。「そるじゃぁ・ぶるぅ」のそっくりさんの「ぶるぅ」。そういえば、私たちの世界に一番最初にやって来たのって、「ぶるぅ」でしたよね?
「思い出したぞ、俺が持って来た掛軸の中から出やがったんだ!」
キース君が「あれが全ての始まりだったか…」と頭を抱えて。
「適当に空間を飛んでる最中に引き寄せられたとか言いやがったな、あの野郎」
「そうなんだよねえ…。でもって、此処が地球だったのが運の尽きだよ」
ブルーにしっかり目を付けられた、と会長さんも額を押さえています。
「自分そっくりなぼくが居る上に、ブルーの憧れの青い地球! あれ以来、此処を目指して一直線に飛んで来るからねえ…。たまには他所にも行けばいいのに」
「無駄なんじゃない?」
言うだけ無駄、とジョミー君。
「完全にリピーターになっちゃってるもの、別の所は行きそうにないよ」
「「「リピーター…」」」
なんという絶望的な響きでしょうか。私たちはこれまでも、これから先もソルジャーとソルジャーのパートナーなキャプテン、プラス「ぶるぅ」に振り回されるしかないようです。「ぶるぅ」の方も新境地開拓はすっかりサボッているようですし…。
「たまーに、変なシャングリラに落ちるらしいね?」
忘れた頃に、というジョミー君の言葉に、シロエ君が。
「それこそ何年かに一度あるか無いかの突発事故みたいなモノですよねえ…。そして其処には地球もグルメも無かったとかで、二度と出掛けて行かないんですよ」
「俺たちの世界で間に合っているというわけか…」
すまん、とキース君が頭を深々と。
「あの時、俺が掛軸を持ち込まなかったら…。そしたら平和が続いた筈だ」
「どうでしょう?」
その前から充分に波乱でした、とシロエ君。
「会長だけしかいない時代でも色々あったと思うんですけど、ぼくの勘違いですか?」
「「「…うーん…」」」
会長さんしかいなかった時代。今となっては遠い昔ですが、私たちが普通の高校一年生だった時代です。入学式の日に全員が「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋に呼ばれて、それから後は…。
「言われてみれば既に色々あったか、俺が元老寺の跡取りだったのもバレたんだった」
「教頭先生もとっくにオモチャだったよ」
キース君とジョミー君の台詞に続いて思い出話がズラズラと。なんだ、会長さんしかいなかった頃からメチャクチャだったんじゃないですか! ソルジャーたちが現れなくても、どうせドタバタで波乱ですってば…。
「…随分と失礼な言い草だねえ? 歩く迷惑と言えばブルーだろ?」
ぼくは違うよ、と会長さんに主張されても「さあ?」としか答えられない私たち。この人も充分迷惑です。ソルジャーが絡めば更に破壊力が増しますけれども、単独でも大概な破壊兵器で。
「あんたが歩く迷惑でないなら、座る迷惑と言ったところか」
キース君が斬新な表現を。
「あいつはアクティブに動き回るが、あんたは自分から空間を超えては行かんし、坊主は座ることが多い職業だしな? 座る迷惑でいいだろう、うん」
「なにさ、それ!」
「座っているだけで迷惑なんだ、と言っている。俺たちの通路にドッカリ座って、道を譲りもしないんだ。最悪、闇夜の石かもしれん」
真っ暗な中を歩いて行けばゴッツンなのだ、とキース君。
「落ちている石のデカさにもよるが、小さな石でも躓けば転ぶ。あんたの場合は等身大で、狭い道幅を塞ぐ勢いで座っているんだ、もれなくゴツンだ」
そして迷惑なことになる、とキース君は滔々と。
「ぶつかっただけなら「はい、すみません」で終わりだろう。相手が石なら「痛かった」と呻いて済む話だがな、あんたは違う。自分で道に座り込んでおいて文句たらたら、因縁をつけて、ああだのこうだの!」
ヌリカベどころの騒ぎではない、と妖怪の名前まで飛び出しました。
「俺たちは毎回、あんたに巻き込まれてはババを引くんだ。これが座る迷惑でなければ、いったい何だと!」
「なるほど、座る迷惑ですか…」
分かる気がします、とシロエ君が相槌を。
「歩く迷惑な人ほどの破壊力は無いにしたって、会長単独でも相当ですしね」
「そうだろう? 俺はこいつも迷惑の内に認定するぞ」
でもって闇夜の石なのだ、とキース君は勢いに乗って一気に決め付け。
「しっかりドッカリ道を塞いで、俺たちがぶつかるのを黙って待っていやがるんだ。ぶつかったら最後、悪戯だの何だのと片棒を担がされるんだ!」
「…酷い言われようだと思うんだけど?」
会長さんが不服を申し立てても、キース君は「どの辺がだ!」と突っぱねて。
「まだ闇夜の牛糞だと言われないだけマシだと思え!」
「「「牛糞?」」」
そんな諺だか故事成語だかがありましたっけ? 牛糞と言えば牛糞ですよね?
「…牛糞だって?」
聞き捨てならぬ、と会長さんが眉を吊り上げましたが、キース君は「やかましい!」と一喝。
「あんただって無駄に年を食ってはいない筈だと思うがな? 聞いたことはないか、何処とは言わんがアルテメシアに近い教区で牛糞と言えば…」
「…もしかしてアレかい?」
アレとは酷い、と二人だけで成立しそうな話。置き去りにされてはたまらないとばかりに、シロエ君が話の端を捉えて。
「それで牛糞がどうしたんです、キース先輩?」
「牛糞か? …俺たちの周りにも出身者がいるとマズイからなあ、地名は伏せるが」
「「「地名?」」」
「いわゆるアレだ、お国柄と言うか、その地域の人の気質を指すと言うべきか…」
今の若い者は知らんと思うが、と副住職ならではの渋いお言葉。アドス和尚から聞いて来たのか、はたまた御高齢の檀家さんから聞いたのか。ともあれ牛糞、何なのでしょう?
「こう、そこの地域の人を指して言う言葉が入ってだ、「どこそこの人と牛の糞」と」
「「「牛の糞?」」」
ますますもって意味が分かりません。会長さんが酷いと言うからには酷いのでしょうが、牛糞だけでも酷いわけですし…。そもそも牛糞に何の意味があると?
「俺も実際に体験したわけじゃないからな…。親父も経験は無いそうなんだが、牛の糞というヤツは犬だの猫だのの糞と違ってしつこいらしい」
「「「しつこい?」」」
「踏んだら最後、そう簡単には取れないというか…。その辺を絡めて、なんだかんだと絡んでくる迷惑な気質を指してだ、牛の糞だと」
「「「へえ…」」」
うんうん、分かった気がします。それが牛糞なら、闇夜の牛糞は更に迷惑。ただでも見えない闇に落ちていて、踏んづけたら延々と絡まれるわけで。会長さんの場合は闇夜の石より牛糞の方が相応しいかもしれません。
「ぼくが闇夜の牛糞だって!?」
会長さんの怒声に私は首を竦めましたが、見れば全員が似たようなポーズ。考えることは同じなのか、とホッとしていたら。
「…闇夜の石で牛糞な上に、座る迷惑なんだって?」
よくも言ったな、と地を這うような低い声。腕組みをして足を組み直している会長さんは充分すぎるほど怖すぎでした。よからぬ考えを練っている時のお決まりの仕種に似ていますけれど、まさか、まさか……ね……。
会長さんの長い沈黙にガクガクブルブル、話が変な方向へと行きませんように、と祈るような気持ちの私たち。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飲み物のおかわりを淹れてくれ、ロイヤルミルクティー風味のシフォンケーキもおかわりがお皿に乗っかりましたが…。
「よし、決めた!」
決めた、とコーティングの生クリームもロイヤルミルクティー味のシフォンケーキをフォークで切って口へと運ぶ会長さん。おかわりの紅茶はとっくにカップに入ってますから、飲み物のおかわりを決めたわけではなさそうです。これは思い切りヤバイかも…。
「闇夜の石で牛糞とまで言われちゃうとねえ、そこは活用しないとね?」
おまけに座る迷惑らしいし、と会長さんはシフォンケーキをモグモグと。
「こうなった以上、闇と迷惑を最大限に! それでチャレンジ!」
「……オバケ屋敷か?」
キース君が言い出しっぺの責任を取って確認しましたが、会長さんは「ううん」と首を左右に。
「別に怖いってわけじゃないしね? 単に暗いだけで」
「「「暗いだけ?」」」
「そう、中が真っ暗というだけで!」
だけど此処だとちょっと狭すぎ、と周りをキョロキョロ。
「やっぱりアレかな、やるならぼくの家でかな?」
「「「家?」」」
何をする気だ、と突っ込みたくても怖くて訊けませんでした。家だか部屋だかを真っ暗にするのに、オバケ屋敷ではないらしいモノ。ついでに迷惑を最大限に、って…。
「一時期、流行ったんだよねえ…。暗闇体験」
知らないかな、と尋ねられても私にとっては謎のそれ。けれどキース君とシロエ君は知っていたらしく。
「あれか、ダイアログ・イン・ザ・ダークとかいうヤツか?」
「確かグループを組んで入るんですよね、真っ暗な中に」
「へえ? そういうイベントがあるのかよ?」
知らねえなあ、とサム君が言えば、スウェナちゃんが。
「…そういえば昔、チラッと新聞で読んだわね。完全に真っ暗な中で助け合って過ごして、食事とかもして、知らない人同士でも昔からの知り合いみたいに仲良くなるとか」
「ああ、ありましたね」
思い出しました、とマツカ君も。真っ暗闇の家やスペースに入って、助け合わないと何も出来ないのだとか。会長さん、それをどうするつもり…?
ワイワイガヤガヤ、暗闇体験とやらについての知識が披露された後、会長さんはスッと右手の人差し指を立てて。
「だいたい分かってくれたかな? その暗闇でうんと迷惑をかけてみようかと」
「「「ひいぃっ!!!」」」
死んだ、と悲鳴や嘆く声やら。私も泣きたい気持ちです。キース君が座る迷惑だの闇夜の石だの、挙句の果てに牛糞とまで言ったばかりにこの始末。闇の中で食事とくればシャングリラ学園名物の闇鍋イベントも真っ青じゃないかと思うのですが…! しかし。
「誰が君たち相手にやるって言った?」
「じゃ、じゃあ、まさか…」
ジョミー君の声が震えて、キース君が。
「頼む、それだけはやめてくれ! 歩く迷惑にそれだけは!」
「そうです、絶対に返り討ちですよ! もう確実に殺されますって!」
ソルジャー相手はやめて下さい、とシロエ君が叫び、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋の中は阿鼻叫喚の地獄と化しました。いくら会長さんが「座る迷惑」でも、「歩く迷惑」と称されるソルジャーなんかに太刀打ち出来る筈がありません。かけた迷惑は倍返しどころか…。
「百倍返しでも済まないよ!」
ぼくたちだって殺されちゃうよ、と泣きの涙のジョミー君。
「頼むから考え直してよ! まだ死にたくはないんだってば!」
「俺もお浄土を目指してはいるが、それとこれとは別件だ! まだまだ副住職として寺を盛り立てんといかんのだ! まだ死ねん!」
死んでたまるか、とキース君。
「座る迷惑の件は謝る! 闇夜の石も牛糞の件も全て謝るから、この通りだ!」
あいつをターゲットに据えるのだけはやめてくれ、とガバッと土下座。私たちも土下座まではしなかったものの、頭をペコペコ必死に下げたり、縋る瞳で訴えたり。ソルジャー相手に迷惑だなんて、命知らずでは済みません。命は確実に無くなるでしょうし、極楽どころか地獄行きで。
「「「お願いします!」」」
もう本当によろしくなんです、とキース君の土下座に合わせてペコペコ、懇願、嘆願。このままでは間違いなく死ぬと分かっているのですから、恥も外聞も宇宙に捨てる覚悟でないと…。
「…うーん、お願いされてもねえ…」
あんなものは最初から想定してはいない、と会長さんがのんびりと。
「「「へ?」」」
「論外なんだよ、ブルーなんかは」
え。うんと迷惑をかけたい相手って、ソルジャーじゃなかったんですか?
どうやらソルジャーではなかったらしいターゲット。では誰が、と顔を見合わせれば。
「ブルーだとねえ、暗闇なんかは意味が無いしね?」
あれは暗闇のプロフェッショナルだ、と会長さん。
「ぼくもサイオンで周囲を探れるけれども、ブルーの能力はそれよりも高い。暗闇体験をさせるためにはサイオンを封じないと無理なんだけどさ、封じられると思うかい?」
「…それはまあ…」
無理だろうな、とキース君。土下座から立ち直ってソファに座り直して、コーヒーをコクリ。
「だったら誰を相手にするんだ、あいつでないなら」
「普通に考えて一人だけだと思うけど?」
ぼくが迷惑をかけたい相手、と会長さんはフフンと鼻を鳴らして。
「減るもんじゃないから喋っちゃうとさ、シャングリラ学園教頭、ウィリアム・ハーレイ」
「「「教頭先生!?」」」
直球すぎて浮かばなかったその名前。てっきりソルジャー狙いだとばかり思ってましたが、冷静になって考えてみれば一番狙われそうな人です。何かといえば会長さんのオモチャにされる教頭先生、迷惑をかけてみたいとなったらターゲットになって当然で…。
「それしかないだろ、迷惑をかけて楽しい相手! ハーレイだったらサイオンも簡単に封じられるし、そういう遊びだと言ってやれば素直に引っ掛かるし……ね」
「引っ掛けるだと?」
キース君が聞き咎めると、「うん」と即答。
「暗闇体験はグループで共有するのが売りなんだよ。そして協力し合うわけ! ハーレイも多分、知ってると思う。だけど暗闇を共有する筈の仲間が非協力的だったら…?」
「「「非協力的?」」」
「そう、ミスリードと言ってもいい。一緒に暗闇に入る仲間は暗闇の中には居ないんだよ。ちゃんとサイオンで周りが見えてて、間違った方向にリードするんだな」
実に面白いと思わないかい、と言われるまでもなく「面白そうだ」とピンと来ました。教頭先生にとっては真の暗闇で何も見えてはいないのでしょうが、仲間とやらはどう考えても私たち。その私たちにはバッチリ見えてて、教頭先生に嘘八百を…。
「いいじゃねえか、それ」
ぶつかるんだな、とサム君が親指を立てて、シロエ君が。
「文字通り、闇夜の石なわけですね? いえ、牛糞と言うべきでしょうか、ミスリードなら」
「牛糞な勢いで頑張ってほしいね、ハーレイに絡んでなんぼだしね?」
是非やってくれ、と会長さん。なんと暗闇に教頭先生を放り込みますか! それを嘲笑って遊べるだなんて、面白くもあり、意地悪くもあり…。
「実にいいねえ…」
パチパチパチ、と拍手の音が。誰だ、とバッと振り返った先に歩く迷惑、ソルジャー登場。紫のマントを優雅に翻して部屋を横切り、空いていたソファにストンと座って。
「ぶるぅ、ぼくにもシフォンケーキ! 紅茶はロイヤルミルクティーがいいな」
「オッケー! ちょっと待っててねー!」
いそいそと飛び跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。直ぐにシフォンケーキを載せたお皿とロイヤルミルクティーが出て来ました。ソルジャーは紅茶の香り高いシフォンケーキを頬張り、ロイヤルミルクティーのカップを傾けながら。
「なんだか派手に揉めていたねえ、ぼくを狙うと後が無いとか」
「誰も狙っていないから!」
会長さんが即座に反論。
「ぼくはそこまで間抜けじゃないから、君なんか絶対、狙わないし!」
「それが正解。返り討ち程度で済めばいいけど、場合によってはぼくのシャングリラに御招待だよ。そして当分監禁ってね」
闇の世界に、とニコニコニコ。
「君はぼくのサイオンを封じられないみたいだけれども、ぼくなら君を真っ暗闇に閉じ込めるくらいのことは出来るよ? たかが青の間でも真っ暗になると困るだろうねえ…」
スロープから足を踏み外したが最後、ドボンだから、と笑顔のソルジャー。
「ドボンした後も、まるで光が見えないとなると…。どうやって水から上がるんだろうね、上も下も無い世界だからねえ? まあ、その内に勝手に浮くだろうけど」
浮いても上がれる場所が見えない、と恐ろしげな台詞がズラズラと。
「もちろん瞬間移動で脱出なんかは出来ないし? うんと楽しんでいってよ、青の間」
「お断りだから! そんな体験、要らないから!」
ぼくが陥れたいのはハーレイなのだ、と会長さんは必死の形相。
「だから君には関係ないだろ、そもそも君を狙ってないから!」
「そうらしいねえ? 命が惜しいというのは分かる。もしも狙われたら青の間に閉じ込めておくのもいいな、と思ってたのに…。でもまあ、ものは考えようだよ」
君を閉じ込めるよりもこっちのハーレイ! と、ソルジャーはいとも楽しげに。
「ハーレイだけ暗闇に放り込んでおいて、周りのみんなでミスリードだって? そっちの方が面白そうだし、ぼくも面子に加えて欲しいな」
サイオン封じならドンとお任せ! と胸を叩いていますけれども、座る迷惑ならぬ歩く迷惑。面子に加えて大丈夫でしょうか、その前に申し出を断れるかどうかが謎ですが…。
教頭先生だけを暗闇に閉じ込め、暗闇の中で助け合うふりをしてミスリード。会長さんのそんな計画を聞き付けたソルジャー、やりたくて仕方ない様子。下手に断ると会長さんがソルジャーの世界に拉致されてしまい、暗闇と化した青の間に監禁されそうな勢いで。
「やりたいんだってば、ぼくも一緒に! 絶対、迷惑はかけないから!」
「迷惑をかけてなんぼなんだよ、この計画は!」
ただし相手はハーレイだから、と会長さん。
「ハーレイを真っ暗闇の中で困らせてなんぼ、間違った方向に行かせてなんぼ! でもねえ、君の場合は迷惑が何か間違っていそうで」
「えっ? 君だと思わせておいて色々とやったらいけないのかい?」
お触りだとか、と首を傾げるソルジャー。
「いくらハーレイでも闇の中では君とぼくとの区別はつかないと思うんだ。それで君だと勘違いさせて、あちこち触ってあげるとかね」
「ど、何処を…?」
会長さんの顔が青ざめ、ソルジャーは。
「それはもう! デリケートな場所とか、あのガッシリしたお尻とか!」
「そういうのは痴漢行為だから!」
「別にいいだろ、痴漢は夜に出るものなんだろ?」
ぼくの世界には出ないけどさ、と語るソルジャー。
「なにしろSD体制だしねえ? マザー・システムってヤツはミュウはもちろん、犯罪者にだって優しくない。痴漢をするなら命懸けだし、そこまでする馬鹿は何処にもいないよ」
その点、こっちの世界は合格! と言うのですけど、痴漢が居ればどう合格なんだか…。
「えっ、痴漢? そりゃあやっぱり、スリリングだしね? こっちのノルディもお触りは好きで上手だけれどさ、思いもかけない所で全く知らない人から触ってこられたら素敵かと…」
「そう考えるのは君だけだから!」
「君はトコトン、ノーマルだしねえ? 痴漢の良さも分からないなんて…」
「その考えが分かるようなら、痴漢は犯罪にならないから!」
なんとも不毛な言い争い。ともあれ、ソルジャーが痴漢に遭ってみたいことと、教頭先生に痴漢行為を働きたいことは分かりました。暗闇で石にゴッツンどころか、ソルジャーという名の痴漢が出そうな暗闇体験。会長さんはどうするのだろう、と固唾を飲んで見守りましたが…、
「……分かった。君はどうあっても痴漢をしたい、と」
「せっかくだしね? 断るんなら、ぼくの青の間に御招待して…」
「もういいから!」
君を面子に加えるから、と決断を下した会長さん。ソルジャーつきでの暗闇体験、教頭先生はどうなるのやら…。
こうしてトントン拍子に決まってしまった、教頭先生に暗闇体験をさせる計画。当の教頭先生には会長さんから招待状が送られました。「一時期流行った暗闇体験をみんなでやろう」というコンセプト。すっかり信じた教頭先生、開催予定日の土曜日の朝に会長さんのマンションへ…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
今日はお外でお出迎え、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。私たちとソルジャー、会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」は会長さんの家がある最上階のエレベーターホールで教頭先生をお出迎えです。なにしろ会長さんの家の中は真っ暗闇で…。
「ハーレイ、おはよう。ご覧の通り、ぼくの家は全部が会場なんでね」
「そうらしいな。…それで、全員で入るのか?」
「そうだよ、みんなで助け合わないとどうにもならない。もちろんサイオンはしっかり封じてある状態だし、ぼくもブルーも闇しか見えない」
君も頑張ってくれたまえ、と会長さんは教頭先生に激励を。
「聞いた話じゃ、付き合っている男性が信頼に値するかどうかを暗闇体験で試す女性もいたそうだ。君がどれだけ株を上げるか、ぼくも楽しみにしてるから」
「そ、そうか…。お前をきちんとリード出来れば株が上がるのだな?」
「リードもそうだし、間違っても暗いからといって痴漢行為をしないことだね」
「ち、痴漢……」
教頭先生、それは全く考えてらっしゃらなかったみたいです。逆に意識してしまったらしくて、会長さんの身体をチラチラ、頬がほんのり赤いですけど。
「ふうん? その顔つきだと触る気かな?」
「い、いや、私は!」
「知らずに触ってしまう分にはいいんだよ、うん」
それは不幸な事故だから、と涼しい顔の会長さん。
「だけど故意だと認定した時は、遠慮なく叫ばせて貰うから! 痴漢です、って!」
でもって逮捕、とニヤニヤと。
「もっとも暗闇の中だしねえ? 痴漢の君を逮捕するつもりで間違えてキースを逮捕したとか、その手のミスも起こり得る。流石にガッチリ縛り上げたら体格の違いで分かるだろうけど、捕まえる段階では取り違えも充分ありそうだしね?」
運が良ければ逃げおおせることも可能かもねえ、と煽っているんだか、いないんだか。ともあれ、暗闇体験は闇の中での食事も含めてお昼まで。会長さんとソルジャーが教頭先生のサイオンをガッチリ封じて準備オッケー、いよいよ真っ暗闇な世界へ出発です~!
会長さんの家の玄関ドアの周囲には光を遮るための黒くて分厚いシートが。それを順にくぐって会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」に「入って、入って」と促されるままに家の中へと。私たちはサイオンを封じられていませんが、それでもしっかり暗いです。
「ふう…。これでは見えんな…」
キース君が「何も見えん」とお芝居をしながら靴を脱いで暗い家に上がり込み、私たちも次々と。靴は端の方へと順に揃えて、それぞれ壁に張り付いて待てば。
「はい、ハーレイ。最後はぼくたちってことになるから」
「かみお~ん♪ お昼御飯まで頑張ろうね!」
会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」、それにソルジャーが教頭先生を取り囲むようにして入って来て玄関ドアがパタンと閉まって…。教頭先生はこれで完全に暗闇に閉じ込められた筈。案の定、動けないようです。その手を会長さんが掴んでクイと引っ張って。
「とりあえず、此処に玄関の段差。あ、靴は適当に脱いでいいけど、他の人のを踏まないように」
「あ、ああ…。しかし、他のは…」
何処だ、と屈み込む教頭先生。本当に見えていないみたいです。手探りで他の人の靴を探す間に、先に玄関に上がっていた会長さんの足首をウッカリ触ってしまって…。
「ちょ、ハーレイ! それ、ぼくの足!」
「す、すまん…!」
「今の、故意とは違うんだろうね? 撫でられたような気がしたけれど?」
「いや、違う! 断じて違う!」
間違えたのだ、と冷汗ダラダラの教頭先生は気の毒なほどに竦んでおられましたが、知ったことではありません。私たちの任務はミスリード。教頭先生が失敗すればするほど作戦成功、どんな失敗でも大歓迎で。
「教頭先生、とりあえずリビングに移動しますか?」
この暗闇では遠そうですが、とキース君。
「そ、そうだな、皆で移動しようか。…リビングに行けば何があるのだ?」
「お茶くらいは飲めるようですよ。もっとも紅茶もコーヒーも淹れるのが難しそうですが…」
手探りですし、と溜息をついているキース君には紅茶の缶もコーヒー豆もお見通し。私たちにとっては常夜灯が灯った程度の暗さですけど、教頭先生は漆黒の闇にお住まいですから、さぞかし心細いかと…。とはいえ、会長さんにいい所を見せねばとも思っておられるわけで。
「よし、行くか。ブルー、この廊下を真っ直ぐ行くんだったな」
頑張ろう、と先頭に立たれた教頭先生は手探り、足探りでの前進だけに屁っ放り腰。会長さんとソルジャーが懸命に笑いを堪えています。これだけでも暗闇体験の価値はあるかも~!
そろりそろりと廊下を歩いた教頭先生がリビングに着かれるまでには、普段の倍以上の時間がかかりました。やっとのことでドアノブを探り当て、「先に入れ」と言って下さったため、私たちは見えないふりをして我先に。そして…。
「教頭先生、あと少しでソファがありますから」
多分、とシロエ君の声。一番最後に入って来た教頭先生への心遣いですけれど、ソファに着く前にゴツンと鈍い音が響いて「うっ!」と蹲る教頭先生。
「す、すみません、テーブルがありましたか!?」
「…い、いや、ちゃんと探って歩くべきだった…」
大丈夫だ、と呻く教頭先生の足には恐らく青アザが出来たことでしょう。なんとか立ち上がって「皆は何処だ?」と訊かれたものですから。
「ソファに座ってまーす!」
ジョミー君が元気よく答え、サム君も。
「テーブルを回り込んだらソファがありますよ、教頭先生!」
「うんうん、ハーレイ、気を付けて」
そう、その辺り…、という会長さんの指図を信じて教頭先生が腰を下ろした場所にはソファなどありませんでした。会長さんが誘導した場所はソファの直ぐ脇、絨毯のみ。ドスンとお尻から絨毯に落ちた教頭先生、尾てい骨を強打なさった模様。これは相当、痛いですってば…。
「う、うう…」
「ごめん、ハーレイ。大丈夫かい?」
会長さんが手を差し伸べて。
「やっぱりきちんと誘導しないと駄目なようだね、はい、此処。ぼくの隣にどうぞ」
「す、すまん…」
教頭先生をソファで隣に座らせておきながら、「その手!」と会長さんの怒りの声が。
「ぼくの太ももに触ってるんだよ、知っててやってる!?」
「ち、違う…! さっき打った腰を擦りたくて、だな…」
「ああ、腰ねえ…。重傷かい?」
「分からんが…。まあ、痛むのは確かだな」
ソファに座っていても痛い、という教頭先生の台詞を受けてソルジャーが。
「早めの手当てが要るんじゃないかな、腰は男の命だよ?」
「真っ暗闇の中でかい? 湿布薬を貼るのも無理じゃないかと思うけど…」
無理そうだけど、と会長さん。実際の所は見えていますけど、真の暗闇にいるふりをするなら湿布薬は無理。薬の置き場所を探し出せても、どれが湿布か分かりませんよ…。
「ああ、そうか…。湿布は無理か」
でも冷やさなきゃ、とソルジャーの声。
「この際、普通に水で絞ったおしぼりでも無いよりマシじゃないかと」
「おしぼりねえ…」
それをハーレイのお尻に乗せるのか、と会長さんは乗り気ではなさそうでしたが、ソルジャーは冷やすべきだと主張。教頭先生のお尻は痛んでいるようですし…。
「仕方ない、暗いからみっともないお尻は見えないし…。冷やすことにしようか」
「あ、有難い。実に痛くて…」
よろしく頼む、と教頭先生の声に安堵の色が滲んでいます。しかしリビングでお尻におしぼりとは凄い話で、せめて教頭先生だけゲストルームに放り込むとか…。どうなるんだろう、と暗がりで視線を交差させていると。
「ハーレイ、お尻を冷やすんだったら、此処ではちょっと…ね」
会長さんが言葉を濁して、ソルジャーが。
「女の子もいるのに、真っ暗闇の中でお尻を露出というのはねえ…。流石にマズイね」
「や、やはりそうか…。しかし…」
何処へ行けばいいのだ、と困惑する教頭先生に向かって、会長さんが。
「ゲストルームとか、ぼくの寝室とか…。ベッドのある部屋は幾つもあるけど、どれがいい?」
「選べるのなら、お前の部屋だ!」
教頭先生、見事な即答。会長さんは怒り狂うかと思ったのですけど、「了解」と。
「ぼくの寝室のベッドね、了解。…だったら行こうか、立てるかな?」
「…ほ、本当にかまわないのか?」
「暗闇の中では助け合わないとね? 君のお尻の手当てもしないと」
さあ行こう、と教頭先生を支えて立ち上がらせている会長さん。まさか本気で寝室へ案内する気では…、と焦る私たちに、会長さんがパチンとウインク。
「じゃあ、行ってくるね。君たちはお茶を楽しんでいてよ」
「かみお~ん♪ 紅茶の缶がこれかな、こっちがポット~!」
頑張るもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が答えていますが、手探りどころかスイスイスイ。暗いとはいえ見えているのですから至極当然、ティーカップの用意も任せて安心。えっ、コーヒーも淹れますか? まあ、見えてるんだし、なんでもいいかな…。
教頭先生にはソルジャーも付き添って出掛けました。お触りがどうの、痴漢がどうのと言っていた人だけに、どうなったやら…。
「ごめん、ごめん。ぼくも紅茶を貰えるかな?」
かなり経ってから会長さんだけが戻って来たからビックリです。教頭先生はベッドで寝ているとしても、ソルジャーは?
「ブルーかい? ぼくのふりをしてハーレイにしっかり付き添うらしいよ」
おしぼりを絞って腰を冷やして…、と会長さん。
「ハーレイもつくづく間抜けと言うか、馬鹿だと言うか…。案内する途中で何度か方向転換しただけで騙されちゃってね、今はダイニングにいるんだけれど」
「「「ダイニング!?」」」
「シッ、声が高い! ゲストルームからベッドを瞬間移動で運んで据えてある。ぼくの部屋だと信じているから気分は極楽、付き添いはぼくだと思い込んでるから更に天国」
痴漢に遭っても本望であろう、と悪魔の微笑み。
「ブルーは喋らないつもりらしいしねえ? 照れているぼくを演出するとか」
「あんたはそれでかまわないのか?」
とんでもないことになりそうなんだが、とキース君が指摘しましたが。
「大丈夫! その辺はブルーも心得ているよ、お触りタイムはお昼前からなんだ」
「「「お昼前?」」」
「そう、お昼前。昼食はダイニングで食べる予定でテーブルに用意が整っている。冷めても美味しく食べられるように、ぶるぅが豪華サンドイッチとかを作って覆いがしてある」
「そ、それは…」
教頭先生にダイニングだとバレないのか、とキース君が唸って、シロエ君が。
「バレますよ、普通! これだけの人数が食べに行ったら!」
「分かってないねえ、其処が狙い目! ブルーのお触りでいい気分になりかかった所へドヤドヤと大勢入って来るんだ。そして心配になってもお触りは続く」
「「「………」」」
続くんですか! と心で突っ込み。けれど会長さんは全く気にせず。
「暗闇体験は昼食が終わるまでなんだ。其処で明かりがパパッと点いてね、暗闇を共にした仲間と親睦を深める趣向と言った筈だけど?」
「「「…じゃ、じゃあ…」」」
教頭先生がお尻丸出し、痴漢行為を働くソルジャーに付き添われて横たわるベッド。それがダイニングにあるということは、昼食を終えた瞬間、何もかもが明るい光の中へと…。
会長さんの部屋だと信じてダイニングでお尻を冷やすことになった教頭先生。お茶とお喋りを楽しんだ私たちがダイニングに行くと、端の方にベッドが置かれていました。手探りのふりをしながら一人ずつ入った私たちですが、もちろん気配はするわけで。
「…ブルー、大勢入って来たようなのだが…」
教頭先生の声が「ああ、こら!」と中断されて。
「き、気持ちは分かるが、そ、そのう…。人の気配が気になって…。そ、そうか…」
お前は気にしないのか、と納得している教頭先生、痴漢に絶賛遭遇中。一言も発しないソルジャーは自分の気配を殺しているらしく、教頭先生は会長さんだと頭から信じて疑っておらず。
「ブルー、昼飯の匂いがするのだが…。お前は食いに行かなくていいのか? それより私か」
光栄だな、と教頭先生は痴漢行為を働いているソルジャーに感謝の言葉を。会長さんは顔を顰めつつも耐え抜き、その分、昼食をガツガツと食べて…。
「「「ごちそうさまでしたー!!!」」」
みんな揃って叫んだ瞬間、パパパッと点いたダイニングの明かり。教頭先生の丸出しのお尻も、痴漢行為で耳まで真っ赤に染まった顔も、せっせと触りまくったソルジャーの姿も煌々と灯った明かりに鮮やかに照らし出されて…。
「ハーレイ、君って最低だから!!」
よくもダイニングでお尻なんかを丸出しに…、と会長さんが喚き、ソルジャーが。
「まあいいじゃないか、ぼくはたっぷり楽しんだしねえ? どう、ハーレイ? 暗闇だったらブルーかぼくかの区別もつかないみたいだし…。ぼくの青の間で暗闇体験、一発ツアー!」
文字通り一発、いや、二発! とソルジャーは拳を突き上げました。
「よかったらヌカロクも夢じゃないほど指導するから二人でやろうよ、真っ暗闇で!」
「いいかもねえ…。持って帰ってくれてもいいから、其処のハーレイ!」
会長さんが冷たい笑みを浮かべて、教頭先生は顔面蒼白。
「ち、違うのだ! わ、私はお前だと思い込んだだけでだ、暗ければいいというわけでは…!」
私には一生お前だけだ、という教頭先生の決まり文句が今日ほど白々しく聞こえたことは未だかつてありませんでした。暗闇だったらソルジャーの痴漢行為も極楽、天国。いっそソルジャーに拉致されて青の間で暗闇、如何ですか? 監禁されての極楽体験、お勧めさせて頂きます~!
一寸先は暗闇・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
教頭先生が体験なさった暗闇イベント、一時期、流行ったみたいですけど。
親睦がグッと深まる代わりに、とんでもない結末になりました。お気の毒としか…。
シャングリラ学園、来月は普通に更新です。いわゆる月イチ。
次回は 「第3月曜」 7月17日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、6月は、キース君をスッポンタケの御用達にするべく…。
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