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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

武者修行の春

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




お花見シーズンが終わると暫くは静か。桜だ、屋台だと押しかけて来ていたソルジャー夫妻と「ぶるぅ」が来なくなるからです。ようやっと今年も終わってくれた、と思う一方、気が抜けたような寂しさも少し…。
「次の波乱はいつだと思う?」
ジョミー君の問いに「要らないから!」と、みんなで即答。放課後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋は平和でなんぼで、別の世界からのお客様が起こす波乱なんかは要りません。
「お前な…。こないだまで迷惑だと言ってたくせに」
喉元過ぎれば忘れるのか、とキース君。
「俺たちだけでの平和な花見は今年も不可能だったんだぞ!」
「そうでしたねえ…」
今年もですね、とシロエ君が深い溜息を。
「ぼくたちだけでのお花見っていうのは、もう永遠に不可能だって気がしてきましたよ」
「おいおい、弱気になるんじゃねえよ!」
言霊って言うぜ、とサム君が割って入りました。
「口に出したら負けなんだよ。こう、勝つんだっていう気持ちでいかねえと!」
「そうでしょうか…」
「仏の道だって同じなんだぜ、挫けてちゃ前に進めねえんだよ」
いくらお経が長ったらしくても覚えなければ、とサム君ならではの前向きな台詞。
「こんなの覚えられるかよ、って思ってたのも頑張れば覚えられるしよ…。要はやる気だぜ」
「でも…。お花見と仏道修行は別物ですよ」
お花見はレジャーで仏道修行は修行なんです、とシロエ君。
「修行は遊びじゃ出来ませんしね? ぼくたちはお花見をレジャーと捉えているわけで」
「だよね、修行は要らないよね!」
ジョミー君が乗っかったので、「お前が言うか!」とキース君が軽くゴツンと。
「お前が次の波乱と言うから、こういう話題になったんだぞ!」
「そうだっけ?」
「そうですよ!」
お前だ、お前だ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋は今日も賑やか。ソルジャーたちがいなくても充分賑やかだよね、と思っていたら…。



「こんにちは」
いきなり背後で聞こえた声。バッと振り返ると、フワリと翻る紫のマント。
「やあ。こないだのお花見以来だねえ」
ソルジャーが立っているものですから、会長さんが不機嫌な声で。
「何しに来たのさ?」
「ん? ちょっと…。ぶるぅ、今日のおやつは?」
「かみお~ん♪ イチゴとピスタチオのムースケーキだよ!」
上がイチゴで下がピスタチオ、と二層になったムースケーキを指差す「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「美味しそうだね、じゃあ、それと…」
「いつもの紅茶? ちょっと待っててねー!」
用意するね、とササッと出て来たケーキのお皿と紅茶のカップ。ソルジャーは空いていたソファにドッカリと座り、早速ケーキを頬張って。
「うん、美味しい! イチゴのムースもピスタチオもいいね」
「でしょ、でしょ? 色もとっても綺麗なの~!」
褒めて貰った「そるじゃぁ・ぶるぅ」は跳ねてますけど、会長さんが。
「ケーキはともかく…。君の用事は?」
「ああ、用ね! ちょうどタイミングがピッタリかな、と」
「「「タイミング?」」」
「そう! 修行がどうとか、レジャーがどうとか」
まさにそういう話をしたかったのだ、と言われて飛び交う『?』マーク。
「修行だって?」
「それにレジャーですか?」
レジャーはともかく、修行の方。ソルジャーが修行に興味があるとは思えませんけど…。
「あ、やっぱり? ぼくは修行は嫌いに見える?」
「当たり前だよ!」
コツコツ地道な努力というのは嫌いだろう、と会長さん。
「結果はパパッと出る方が好きで、努力の成果も直ぐに出ないと文句たらたらかと」
「まあね」
否定はしない、という答え。だったら何処から修行なんかが…?



「…ずいぶん前に聞いた話を思い出してね」
修行と聞いて、とソルジャーは紅茶を一口飲んで。
「ノルディとランチに行った時かな、それともディナーだったかな? ちょっと変わった修行が話題になったんだよ」
「滝行かい?」
会長さんの問いに「ううん」とソルジャー。
「滝に打たれるのは普通なんだろ、こっちの世界じゃ」
「…普通じゃないけど、まあ、スタンダード?」
「修行と聞いたらすぐに頭に浮かぶ図ではあるな」
俺はやらんが、とキース君が頭を振って、会長さんが。
「璃慕恩院ではやらないからねえ…。ぼくが一時期、行ってた恵須出井寺ではやるんだけどね」
「あんたもやっていたんだったな…」
でもってサイオンでズルだったな、と言われて蘇る会長さんの修行時代。滝行だの水垢離だのはサイオンシールドでズルをしていたと聞いています。それでも修行はしたんですから、伝説の高僧、銀青様が存在しているわけですが…。
「なるほど、ブルーも滝行をねえ…。でもね、ノルディの話はそんなんじゃなくて、武者修行だって言ってたよ?」
「「「武者修行!?」」」
それは武道の道だろうか、と思ったのですが。
「なんてったかなあ、何処かの会社の新人研修みたいなもの?」
「「「は?」」」
新人研修で武者修行。やはり武道か、と考えたのに。
「違う、違う! いきなり外国に放り出されて、この国の言葉は一切禁止! 喋ったらそこで研修終了、強制的に帰国させられた上、出世の道も断たれるらしいよ」
「「「えーーーっ!!!」」」
なんと恐ろしい会社なのだ、と震え上がった私たちですが。
「その研修でさ、逞しく生き残る方法は個人の自由なんだな。現地溶け込みでバックパッカーな生活も良しで、住み込みで料理修行とかもアリ」
そうやって楽しく自分を鍛えて修行を積むのだ、という話を聞いたら「面白そうだ」とも思えてきました。そっか、楽しい修行もあるんだ…。



ソルジャーがエロドクターから教えられたらしい、何処かの会社の新人研修。期間中に得て来た体験を元に、後に会社の企画を立てたりする人もあるのだそうです。一見トンデモな修行に見えても楽しい上に役に立つのか、と皆で感心していたら。
「それでね、前からちょっと考えていたことがあるんだよねえ…」
武者修行の話がヒントになって、と微笑むソルジャー。
「楽しく修行って素敵じゃないかい? しかも無事に終えたら御褒美だしね?」
出世への道が開けるのだ、とソルジャーは例の会社を挙げました。途中で投げたら出世コースはオジャンですけど、無事に終えれば誰でも漏れなく出世コースへのスタート地点に立てるとか。それまでの経歴も何も関係なくって出世への道。
「…それは美味しい話かもしれんな」
特に俺には羨ましいな、とキース君。
「坊主の道で出世するのは大変なんだ。スタート地点は出た学校で多少変わるが、後は一切、裏道無しだ。努力以外に方法は無いし、ついでに楽しい方法でもない」
「だろうね、本物の修行じゃねえ…」
「外国の仏教寺院で頑張ってみました、と言った所で何の評価もされないからなあ…」
坊主の階級とは無関係だ、というキース君の嘆き。
「ある程度の階級に達してからやれば、同じ外国の寺院行きでもググンと評価が上がるんだが…。上手く行ったら璃慕恩院でのお役目もつくが、ヒラの坊主ではどうにもならん」
出世のためには修行を積んで、ある程度階級を上げるしかないのだ、という厳しい世界。修行イコールお念仏とか、璃慕恩院とかの「本山」とつくお寺で開催される研修道場。中には住職の資格を取る時の道場と同じくらいにキツイ修行もあるのだそうで…。
「そいつを何回も繰り返すという猛者もいるがな、それでも階級は上がらない。あくまで積んだ修行の年数だ。年功序列の世界なんだ」
出世へのコースを楽しく開く方法は無い、と残念そうなキース君。お坊さんだから仕方ないんじゃあ、とも思いますけど…。
「まあな。坊主が楽して出世していたら、それこそアレだ」
「うんうん、坊主丸儲けってね。こっちの世界じゃそう言うらしいねえ…」
それで、とソルジャーが話を引っ張り戻して。
「楽しく修行で、終えたら御褒美! それもいいかな、と提案しにやって来たんだけれど」
どう? と訊かれても何が何だか。私たちに何処かで修行をしろと?



どこぞの会社の新人研修の武者修行。楽しそうではありますけれども、私たちには入社予定はありません。今後も多分、一生、シャングリラ学園特別生。会社とは縁が無さそうだよね、と頷き合っていると。
「えっ、君たちにやれって言うわけじゃないんだけれど?」
「じゃあ、誰が?」
ぼくはそこまで暇じゃないしね、と会長さん。
「ぶるぅの部屋で過ごす時間も大切、ぼくの家でのんびり過ごすのも大切。ぼくの女神と過ごす時間はもっと大事で、修行なんかはしてられないね」
楽しくってもお断りだ、と天晴な言葉。ところがソルジャーの方は「そうかなあ?」と首を捻っています。
「ある意味、楽しいと思うけどねえ? 修行をするのは君じゃないけど」
「誰なのさ、それ?」
「こっちのハーレイ!」
もちろん修行はうんと楽しく、とソルジャーは胸を張りました。
「常々、どうにかならないものかと…。あのヘタレっぷり!」
「ちょ、ちょっと…! ヘタレで修行って…!」
「ヘタレ直しに決まってるだろう!」
これぞ本当の修行なのだ、とソルジャー、ニコニコ。
「普通の方法じゃ挫折するのが見えているしね、武者修行コースがお勧めなんだよ」
「「「武者修行コース?」」」
「そう! 楽しく修行を積んでいってね、ゴールインしたら御褒美なわけ!」
楽しい修行と目の前のニンジン、この二つがあれば無事に乗り切れると踏んでいるのだ、とソルジャーは唱え始めました。
「ぼくの考えとしては、こっちの世界のラジオ体操? あれがいいかと」
「「「ラジオ体操?」」」
どう楽しくて修行なのだ、とサッパリ意味が不明でしたが、ソルジャー曰く、修行の過程を記録するのがラジオ体操方式だとか。
「こっちじゃアレだろ、夏休みとかに子供が参加した時はカードにスタンプが貰えるんだろ?」
「それはそうだが…」
「要はスタンプカードなんだよ、修行一回につきスタンプが一個!」
カードが埋まれば御褒美なのだ、という解説でやっと納得。なるほど、スタンプカードですか…。



「スタンプカードってヤツは全部埋まると色々あるよね?」
割引だとか粗品を進呈だとか、とソルジャーはなかなかに詳しい様子。エロドクターからせしめたお小遣いで買い物をしたりしていますから、スタンプカードも貰ったことがあるのでしょう。いい加減な性格をしているだけに、せっかくのカードも行方不明になりそうですけど。
「あっ、分かる? 何度も作って貰うんだけどねえ、埋まらないねえ…」
その前に青の間で埋まっちゃってね、と舌をペロリと。片付かない青の間のゴミに埋もれて消えるそうです、スタンプカード。
「だけどハーレイは律儀だからねえ、ぼくと違ってキッチリ管理! その辺はこっちの世界のハーレイも同じ性格だと見た!」
「うん、まあ…。そうではあるけど」
真面目にスタンプを集めているよ、と会長さん。教頭先生がお持ちのスタンプカードの代表は家の近所のパン屋さんだそうで、食パンなどを買えば金額に応じてスタンプがポンッ! と。
「全部埋まると金券になるんだ、頑張ってコツコツ集めているよ」
持って行くのを忘れた時にはレシートに印を付けて貰って次回にスタンプ、という話。
「へえ…! そこまで律儀なら武者修行コースも頑張れそうだね」
「その前に一つ訊きたいんだけど…」
どういう修行? と会長さんは正面から疑問をぶつけました。
「ヘタレ直しだとか言い出した以上、普通じゃないよね、その修行」
「だから楽しく!」
楽しく頑張ってヘタレ直し、とソルジャーは人差し指をピシッと立てて。
「いつかは君との結婚だよねえ、こっちのハーレイの未来の目標! それに備えてヘタレ直しで、スタンプが無事に埋まった時には君とのキスとか、一晩一緒に過ごすとか…」
「却下!」
なんでそういうことになるのだ、と会長さんは叫びましたが、ソルジャーが何かを思い付いたら一直線が毎度のコース。
「ぼくは素敵だと思うんだよ」
是非ハーレイに武者修行を! とグッと拳を握るソルジャー。
「修行の中身は楽しく覗き! ぼくとハーレイとの大人の時間!」
ガッツリ覗けばスタンプ一個、と飛び出した台詞に誰もが目が点。そりゃあ覗きは素敵でしょうけど、鼻血大王な教頭先生には無理なんじゃあ…?



「…ぼくも正直、難しいだろうとは思うけどさ」
思うんだけどさ、とソルジャーはニヤリと笑みを浮かべて。
「場数を踏むのも大切だしねえ、たとえ鼻血でも覗きに来たならスタンプでいいと思うわけ」
「…ぼくは手伝わないからね!」
そんな修行は手伝わない、と仏頂面の会長さん。
「ハーレイを覗きツアーに送り出すようなサイオンは持っていないから! 瞬間移動も空間移動もお断りだし、鼻血のフォローもお断りだよ!」
「ああ、その点なら問題ないから!」
ちゃんと話はつけてきたから、と笑顔のソルジャー。
「送り迎えは任せて安心、ついでにスタンプも押すってさ」
「「「誰が!?」」」
そんな協力者が何処にいるのだ、と驚きましたが。
「ぶるぅに決まっているだろう!」
ソルジャーは自信たっぷりに言い放つと。
「趣味と実益とを兼ねてるんだよ、ぶるぅにとっては。普段は何かと叱られがちな覗きを堂々と出来るわけだし、一緒に覗いてくれる仲間も出来るわけだし」
「「「………」」」
あの「ぶるぅ」か、と大食漢の悪戯小僧を思い浮かべて誰もが溜息。おませな「ぶるぅ」は大人の時間の覗きが大好き、いくらソルジャーに叱られようとも懲りずに覗くと聞いています。
「ぶるぅはホントに好きだからねえ、覗きってヤツが…。ぼくのハーレイは見られていると意気消沈なタイプだけにさ、ぼくも色々と気を遣うんだよ」
ぶるぅがいるな、と気付いた時にはシールドだとか、と語るソルジャー。
「とにかくハーレイに気付かれないよう、覗きの存在を隠さないとね? ずうっと昔は叱ってたけど、ぼくがぶるぅを叱った時点でハーレイはガックリ意気消沈だから…」
そのまま朝まで元気にならないことも多くて、と嘆き節。
「それでは話にならないからねえ、ぶるぅの存在を隠しておく方がマシだと気付いた。ぼくは見られていても平気で挙動不審にはならないからさ」
見られていると燃えるタイプでなくて良かった、と言われましても。見られていると承知で大人の時間を続行出来る神経、タフとしか言いようがないのでは…?



キャプテンとの時間を覗き見されても平気だと言い切るソルジャーのクソ度胸。「ぶるぅ」に教頭先生の世話を任せて、ついでに送り迎えもさせて。覗き一回でスタンプが一個、たまれば会長さんとのキスだか素敵な時間だか。
「ナイスアイデアだと思うんだよ!」
是非やりたい、とソルジャーは赤い瞳を煌めかせました。
「ちょうど新人研修の春! 春といえばヤバイ意味もあるしさ、この季節に是非!」
「「「…ヤバイ?」」」
春の何処がどうヤバイのだ、と頭の中を探ってみれども、答えは無し。入学式の季節で桜の季節。ピカピカのランドセルとか新入生とか、どの辺がヤバイということに…?
「分からないかな、人類最古の職業って説もあるんだけれど?」
「退場!!」
会長さんが突き付けているレッドカードも意味がサッパリ。人類最古の職業の何処がヤバイか、謎は深まる一方です。ソルジャーは「有名なんだよ」と笑みを深くして。
「いわゆる売春! 春をひさぐとか言わないかい?」
「「「………!!!」」」
ソレか、と流石に知っていた言葉。そうか、人類最古の職業なんだ…?
「そうらしい、って説が流れてるだけで裏付けは全く無いらしいけどね? 実際は他にあったんじゃないかと思うけどねえ、春を買えなくても死にはしないし」
同じ春なら食生活に直結している種イモだとか種の類を売るべきだろう、というのも一理。どうやら売春が人類最古の職業という説はただの俗説、事実じゃないな、とは思ったものの。
「ともあれ、春はそういう意味も持ってる言葉で最高の季節! ヘタレ直しの武者修行をするなら春がピッタリ!」
やっていいよね、と決め付けの世界。
「こっちのハーレイにはぼくから話を通すし、君たちは何もしなくていいよ。…とはいえ、それも退屈かなあ?」
「退屈じゃないし!」
どうでもいいし、と会長さんは怒鳴りましたが。
「そうだ、サイオン中継はどう? ぶるぅは喜んで中継係もすると思うよ、自分の腕前を自慢しまくるチャンスだからね」
ぼくの恥ずかしい写真を何度も撮影してきた熟練、と言われて頭を抱える私たち。「ぶるぅ」が覗きを中継だなんて、迷惑としか言いようがないですってば…。



絶対に嫌だ、お断りだと皆で断りまくって遠慮して。中継不要で一切関与はしないコースで、と切望どころか哀願したのに、頼むだけ無駄だった馬耳東風が基本のソルジャー。
「それじゃ、話はつけておくから! お楽しみにねー!」
週末から早速、武者修行! とソルジャーの姿がパッと消え失せ、会長さんが真っ青な顔で。
「…どうしよう…」
スタンプが埋まったらエライことに、と瞳に浮かんだ絶望の色。ソルジャーは御褒美まで勝手に決めてしまったのです。会長さんのキスでは押しが足りない、と素敵な一夜。会長さんと過ごす一夜をプレゼントする、と超特大のニンジンを用意。
「…なんとか逃げようはあるだろうが!」
サイオニック・ドリームを見させておくとか、とキース君。
「その辺はあいつも充分に承知してると思うが? あんたが真面目に相手をしないということくらいは計算済みかと」
「…それはそうだけど、そんなプレゼントはしたくない…」
ハーレイに美味しい思いをさせるのは嫌だ、と言いたい気持ちは分かるかも。でも…。スタンプカードが全部埋まったら特典がつくのが世の常で…。
「うーん…」
この際、特典を勝手に変えるのもいいだろうかと会長さんは言い出しましたが、それはソルジャーに筒抜けになると思います。「話が違う」と怒鳴り込まれるとか、無理やり教頭先生のベッドに送られるだとか、如何にもありそう…。
「やっぱりそうかな?」
「…そう思います…」
沈痛な顔のシロエ君。私たちもコクコク頷き、会長さんは。
「……仕方ない、スタンプが集まらないことを祈ろう」
スタンプカードが埋まらなかったら特典は貰えないのだし、と出ました、正論。
「そうか、その手があったのか!」
目から鱗だ、とキース君がポンと手を打ったものの。
「…でもねえ…。スタンプを押すのがぶるぅだからねえ…」
評価が思い切り甘いかもね、という見解。
「「「あー…」」」
甘いかもなあ、と悪戯小僧の大食漢を頭に思い描いて「駄目か」とガックリ。始まってみないことには分かりませんけど、覗き仲間が出来た嬉しさで気前よくポンポン押しそうですよ…。



そうこうする内に迎えた週末。ソルジャーが武者修行を始める日だと指定した土曜日です。自分の家でサイオン中継を食らうのだけは勘弁ですから、会長さんの家に泊めて貰うべく、みんなでお出掛け。お泊まり用の荷物を手にして訪ねてみれば。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
入って、入って! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお出迎え。
「ブルーも来てるよ、お昼御飯はフカヒレ丼とシューマイ色々なの!」
「…そうか…」
そのメニューならアイツが湧くな、とキース君。特にイベントというものが無くても、豪華メニューや美味しそうな食べ物でソルジャーは湧いて出て来るもの。今日は中継初日なだけに湧くだろうとは思ってましたが、こんなに早くから湧かなくっても…。
肩を落としてトボトボとリビングへ入ってゆくと、噂のソルジャーが腰掛けていて。
「やあ。こんなのも作ってみたんだよ」
「「「………」」」
何なのだ、と訊くまでもなく答えはちゃんと分かっていました。これを一目見て分からなければ馬鹿だろうとも思いますけど…。
「なんなの、これ」
ジョミー君の問いに、ソルジャーは「見て分からない?」と呆れた顔。
「何処から見たって土鍋だろうと思うけどねえ?」
「「「……やっぱり……」」」
土鍋だったか、と見下ろす土鍋。冬場の鍋には欠かせないもので、「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」のお気に入りの寝床でもある土鍋ですけど、なんと言おうか…。
「……超特大?」
スウェナちゃんが呟き、マツカ君が。
「そうとしか言えない大きさですね…」
「何の料理をするんだ、これで?」
何人前を作るつもりだ、とキース君が尋ねると、返った答えは。
「うーん…。あえて言うならハーレイ鍋かな?」
「「「ハーレイ鍋!?」」」
どんな料理だ、と想像もつかないハーレイ鍋。こんな大きな土鍋を使ってハーレイ鍋って、それはどういう料理でしょうか…?



「…料理じゃないけど?」
ハーレイ鍋と言ったらハーレイ鍋だ、とソルジャーは超特大の土鍋へと顎をしゃくって。
「これはぶるぅの土鍋と同じ仕様になってるんだよ、冷暖房完備の防音土鍋」
「「「…まさか…」」」
「そう、こっちのハーレイ専用の土鍋!」
避難場所として用意したのだ、とソルジャーは威張り返りました。
「スタンプを押しての武者修行の件、ハーレイは乗り気なんだけど…。ぶるぅと違って慣れないからねえ、覗くタイミングが難しい」
「それで?」
会長さんの不機嫌な声に、「それで土鍋の出番なわけだよ」とソルジャーがパチンとウインクを。
「ぶるぅに連れられて空間を超えたら、まずは土鍋でスタンバイ! ぶるぅが蓋を開けて呼ぶまで中で待つのさ、呼ばれたら出て来て覗きをする、と」
「そんな目的のために君は土鍋を!?」
「うん。急ぎの注文だけにクルーには迷惑かけちゃったねえ…」
不眠不休で土鍋作りになっちゃって、と全く悪いとも思っていない様子のソルジャー。迷惑をかけたと言うのだったら、お礼はきちんとしたんでしょうね?
「えっ、お礼? なんか要らないって慌ててたけど?」
「「「へ?」」」
不眠不休で作業したのに、お礼は要らないとはこれ如何に。ソルジャーは一番偉い立場なだけに「お礼をくれ」とは言い出せないとか? でも、それなら慌てる必要は…。
「お礼を貰ったら祟られると思っているんだろうねえ、土鍋だけに」
「「「はあ?」」」
ますます謎だ、と首を捻れば、「土鍋だから!」という返事。
「ぼくのシャングリラで大きな土鍋を使っているのはぶるぅだけ! その何倍も大きな土鍋を作らせたんだよ、ぶるぅの注文でなければ何だと!」
「「「ぶ、ぶるぅ…」」」
「そう! ちょっと訊くけど、ぶるぅからお礼を欲しいかい?」
「「「そ、それは……」」」
要らない! と叫んだ私たち。悪戯小僧の大食漢からお礼となったら何が来るやら分かりません。最悪、御礼参りもありそうです。ソルジャーの世界で超特大の土鍋を作った人たちの気持ちが飲み込めました。それは慌てて断りますってば、不眠不休の作業のお礼…。



超特大の土鍋の効能をソルジャーは得々と語ってゆきます。
覗きのタイミングを待つまでの間、防音だから何も聞こえなくて鼻血の心配が無用だとか。覗きをしていて鼻血が出たって、一旦退避してまた戻れるとか。
「なにしろ防音は完璧だしね? 鼻血が治まる頃にはクライマックスに突入してるって可能性もあるし、そこでもう一度覗けるといいよね」
「…覗いたら最後、即死じゃないかと思うけど?」
会長さんの冷たい一言。
「それで死んだらスタンプは無しって結果になるんだよねえ?」
「なんで? その辺はぶるぅが決めることだよ」
スタンプ係はぶるぅなんだし、とソルジャーはニコリ。
「こっちのハーレイがどのタイミングで鼻血を噴いたか、ぼくはそこまで感知してない。ぶるぅに任せたからには全てお任せ、ハーレイとの時間を楽しむのみ!」
キッチリ隠れろと言っておいた、と自信も満々。
「普段のぶるぅはシールドなんかは張りもしないで覗きをやらかしに出て来るけどねえ、こっちのハーレイの武者修行となればシールドなんかも必要だよ、うん」
「ぶるぅが言いつけを聞くのかい?」
「それはもう!」
報酬は毎日支払われるから、と斜め上な台詞。
「「「報酬?」」」
「ぼくが払うつもりでいたんだけどねえ、ダメ元でこっちのハーレイに訊いた。そしたら「武者修行をさせて頂けるのですし」と二つ返事でオッケーだったよ、ぶるぅの報酬!」
「……どんな報酬?」
会長さんがおっかなびっくり口にしたのですけど、ソルジャーは「普通!」と明快に。
「ぶるぅにお礼をするんだったら基本は胃袋! グルメな報酬!」
要は食べ歩きの費用を出せばいいのだ、とは至言で正論。教頭先生は「ぶるぅ」の食べ歩きのためにお小遣いを支払い、「ぶるぅ」は前払いで受け取った報酬でグルメ三昧をするそうです。
「今日の分を払って貰ったからねえ、どの店に行こうかとワクワクしてるよ。こっちの世界には美味しい食べ物が山のように揃っているものだから」
「「「あー…」」」
フカヒレ丼とかシューマイとかか、と「ぶるぅ」の行きそうな店が頭にポポン! と。今日は一日中華三昧とか、きっとそういうコースですよ…。



教頭先生の覗きに備えて、超特大の土鍋まで用意したソルジャー。会長さんの家に夕食時まで居座り、「ガーリック臭いキスでもいいよね?」などと言いつつ焼き肉パーティー。私たちがスタミナをつけるつもりで「そるじゃぁ・ぶるぅ」に頼んでいたのに…。
「あいつがスタミナをつけてどうする!」
火に油だ、とキース君が怒鳴った、ソルジャーが帰った後のダイニング。教頭先生が初の覗きにお出掛けなのに、大人の時間が派手に繰り広げられそうな気が…。
「教頭先生よりも前にだ、俺たちの方が問題なんだが!」
一部始終を中継されてしまうんだぞ、と言われて背中に冷たいものが。スタミナたっぷりでキャプテンと大人の時間なソルジャー。そんなものを延々と見せられましても…。
「断れないわけ?」
遮断するとか、とジョミー君が案を出しましたけれど、会長さんは。
「……ぼくの恥を晒すことになるけど、実はぶるぅにも勝てないんだ、ぼくは」
「「「えぇっ!?」」」
「…ぶるぅはブルーに丸投げされてシャングリラの面倒を見ていることもあるしね。サイオン全開だと三分間しか持たないだなんて言われているけど、経験値が高すぎなんだってば」
ゆえに中継の遮断は無理だ、と聞いて全員が仰ぐ天井。
「……見るしかないのか……」
キース君が呻いて、シロエ君が。
「…そうみたいですね…」
しかもこれから当分の間、という死刑宣告にも等しい言葉。スタンプカードは三十個押せる仕様なのだ、とソルジャーが自慢してましたっけ…。
「…スタンプを三十個ってコトになればよ…」
一ヶ月かかるってコトなんだよな、と嘆くサム君。
「それもぶるぅがバンバン押したら一ヶ月ってだけでよ、簡単に押してはくれなかったら…」
「…一ヶ月どころか半年になっても仕方ないのか…」
そこまでなのか、とキース君が唱える南無阿弥陀仏のお念仏。
「バンバン押して欲しいよ、スタンプ…」
ジョミー君の意見に賛成ですけど、バンバン押されて三十個目のが押されたならば。
「やめてくれよ、俺のブルーの立場が最悪なことにーーーっ!」
それだけは嫌だ、と頭を抱えるサム君は今も会長さんとは公認カップルな仲でした。朝のお勤めがデート代わりな健全極まりないお付き合いだけに、その展開は嫌でしょうねえ…。



泣けど叫べど、来るものは来る。それがこの世の習いというもの、避けて通れない道もあるもの。私たちが右往左往している間に「準備オッケー!?」と元気な思念が。
『えとえと、中継、始めていーい?』
「「「来たーーーっ!!!」」」
ぶるぅだ、ぶるぅだ、と走り回っても逃げ場は無し。それどころか無邪気なお子様、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が「ぶるぅだぁーっ!」と躍り上がって飛び跳ねて。
「んーとね、中継画面は何処でもいいよーっ!」
『分かったぁー!』
おっきいのがいいね、と思念が返って、ババーン! とリビングの壁一面に青の間が。
「「「あああ……」」」
もう駄目だ、と床に突っ伏しながらも好奇心で画面にチラリと視線。周りを見回せば誰もがチラチラ、なんだ、やっぱり気になるんじゃない! でも…。
「土鍋だね…」
「土鍋ですね…」
私たちの世界のシャングリラ号の青の間にそっくりなソルジャーの青の間。天蓋つきの大きなベッドが据えられた空間、其処の床にドドーン! と巨大な土鍋。あの中に教頭先生が、と思う間もなく「こんな感じーっ!」と透視で映された土鍋の中身。
「「「きょ、教頭先生…」」」
なんて姿に、としか言いようがありませんでした。「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」の寝姿でお馴染みのコロンと丸くなっての猫もどきな土鍋の中での姿勢。教頭先生はそれを取っておられ、窮屈そうに身体を丸めておられます。
おまけに誰がそうしろと言ったか、スーツでもラフな服でもなくってキャプテンの制服。マントまで着けて丸まった姿は「ハーレイ鍋」以外の何物でもなく。
「…あの服、実は伸縮性がバッチリでねえ…」
あの姿勢で土鍋に入るんだったら最適だろう、と会長さん。
「カッチリした服に見えるんだけどね、なにしろ仕事がキャプテンだから…。場合によってはシャングリラの舵を握るわけだから、スーツみたいに動きにくくちゃ話にならない」
「…柔道着でも良かったんじゃあ?」
ジョミー君が訊けば、会長さんは。
「そりゃあ柔道着の方が動きやすいし丸まりやすいよ? だけどブルーの好みじゃなさそう」
ハーレイ鍋だと言ったからにはアレなんだろう、という会長さんの読み。そっか、ハーレイ鍋ですもんねえ…。



そんな会話をしている間に、青の間のベッドに現れた人影。奥のバスルームから仲良く出て来たソルジャー夫妻というヤツです。バスローブ姿で髪の毛が濡れているようですが…。
『えっとね、第一ラウンドはもう済んでるのーっ!』
バスルームで一発ヤった後なの、と「ぶるぅ」の思念波。
『だから余裕の第二ラウンドなの、覗きをするにはピッタリなのーっ!!』
二人の気分が盛り上がってるからいい感じなの、と「ぶるぅ」の解説。普段は見られないプレイを見られるかもとか、うんと濃厚な中身になるとか。
「…おい、耳を塞いでもいいと思うか?」
キース君が両手を耳にやり、シロエ君が。
「目を瞑ってもいいんでしょうか…」
こう、と目を閉じて両手で耳を押さえたシロエ君ですが。
「え? ええっ?」
「どうした、シロエ!」
「無駄みたいです、キース先輩!」
ぶるぅの力を舐めてました、という悲鳴で私も試してみました。目を瞑って両手で耳をギュウッと…。あれ? あれれ、全然関係ない!?
「見えるんですけど…」
マツカ君が呆然と呟き、スウェナちゃんも。
「聞こえてくるのよ、耳を塞いでも…」
「「「つ、つまり…」」」
どうしようもないということかーーーっ! と響き渡った大絶叫。「ぶるぅ」はモザイクをかけるサービスはしてくれましたが、止まらないのが口での解説。ああだこうだと専門用語を連発しまくり、それに被さるソルジャー夫妻の大人な時間の声の数々。
「…し、死にそう…」
「寝るな、ジョミー! 眠ると死ぬぞ!」
確実に死ぬぞ、と言われなくても容易に想像出来ました。ウッカリ眠ったら思念中継がダイレクトに脳に来るわけですから、本当に永眠しかねません。私たちは鼻血も出さない万年十八歳未満お断りですが、オーバーヒートはするんですってば…。



「うう……」
朝か、とキース君の呻き声で目が覚めて周りをキョロキョロと。朝日が射し込む会長さんの家のリビングは死屍累々で、亡骸が無い人は会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」だけ。
「…ぼくたち、死んでた?」
「そうらしい…」
やはり死んだか、とキース君が唱えるお念仏。どの辺で自分が討ち死にしたのか、覚えている人はいませんでした。
「…確か、ぶるぅが土鍋の蓋を…」
「開けるからね、って言ってましたね…」
でも、と考え込む私たち。超特大の土鍋の蓋が開く所は誰も目にしていないようです。その前に頭がオーバーヒートで、鼻血の代わりに煙がプシューッ! と。煮えたぎって煙を噴いた脳味噌はブラックアウトし、結果的に「ぶるぅ」の中継を遮断した模様。
「…スタンプが押されたか、そうでねえかも分からねえんだな…」
「俺たちでさえ、この有様だ。無理だったんじゃないかと思うが…」
まず無理だろう、とキース君が口にした時、リビングのドアがバアン! と開いて。
「かみお~ん♪ みんな、目が覚めたーっ!?」
朝御飯~っ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飛び込んで来て、その後ろには会長さんが。
「やあ、おはよう。…地獄の一丁目は終わったってね」
「「「一丁目?」」」
「残り二十九丁って勘定になるかな、三十丁目まで」
「「「じゃ、じゃあ……」」」
その先が出ない私たちに向かって、会長さんは「押されちゃったよ」と額を押さえて。
「ぶるぅはスタンプを押したんだ。ハーレイは土鍋から出るなり鼻血を噴いたわけなんだけれど、ぶるぅにとってはグルメ三昧をさせてくれる大事なスポンサーだしね?」
一個目のスタンプはサービスらしい、と大きな溜息。
「これで一個だから、残りはうんと頑張ってね! と言ってたよ」
「…だったら今後はサービスのスタンプは期待薄だということか?」
キース君の震える声に、会長さんは。
「そうらしい。…グルメ三昧の日々を続けたかったら、ぶるぅはスタンプを出し渋るだろう。地獄の三十丁目が遠ければ遠いほど、グルメな日々が続くんだしねえ…」
一ヶ月どころか一年かも、という怖すぎる話。私たちはいったい、何回死んだら…。



そうやって何度も死んで、死に続けて、それでも貯まらない教頭先生のスタンプカード。押されたスタンプは一個から増えず、教頭先生の武者修行は終わる気配も無いままで。
「…このままだと俺たちが先に死ねるな…」
「本当にお迎えが来そうですよね…」
いつか目が覚めない時が来るかも、というシロエ君の言葉に誰もがブルブル。こんな形で死ぬ日が来るとは夢にも思いませんでした。死んだ時には誰を恨めばいいのでしょう?
「…ぶるぅでしょうか?」
「そうじゃねえだろ、ブルーの方だろ!」
「だけど…。どっちも化けて出るだけ無駄っぽいわよ?」
「「「あー…」」」
うらめしや~、と出てもスルーをされそうな二人。ソルジャーも「ぶるぅ」もどこ吹く風で知らんぷりとか、サイオンでヒョイと散らされるとか…。
「駄目か…」
「あの二人は恨むだけ無駄でしょうねえ…」
「そうだ、教頭先生じゃないの?」
化けて出るなら其処なんだよ、というジョミー君の意見で「おおっ!」とばかりに光を見付けた私たちですが。
「…ちょっと待て。化けて出るより、教頭先生に武者修行をやめて頂くのが筋なんじゃないか?」
そうしたら誰も死なん筈だぞ、とキース君に言われて気付きました。夜な夜な超特大の土鍋へと出掛ける教頭先生をお止めしたなら、もう誰も…。



「…今頃になって気が付いたんだ?」
フワリと翻る紫のマント。現れたソルジャーは「はい」と右手を差し出して。
「これがこっちのハーレイのスタンプカード。君たちが買ったらカードは紛失、再発行は無しってね。大負けに負けて、こんなのでどう?」
「「「………」」」
たったそれだけの値段で買えるもののために死に続けたのか、と叫びたくなるワンコイン。まさに犬死に、教頭先生だけがいい目をなさっていたんじゃあ…?
「さあねえ? ハーレイの鼻血も楽しかったけど、君たちのオーバーヒートもねえ…」
クスクスクス…と笑うソルジャーに弄ばれたか、はたまた「ぶるぅ」とタッグを組んでの悪戯なのか。訊きたいですけど、それを訊いたらカードを売ってはくれないかも…。
「「「買います!」」」
教頭先生には悪いですけど、カードは紛失扱いで! 再発行は二度と無いそうですけど、ワンコイン、払わせて頂きますね~!




             武者修行の春・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 教頭先生が始めてしまった、とても迷惑な武者修行。付き合わされる方が大変。
 終わらせる方法、早く気付けよ、といった感じですよね、本当に…。
 そして相も変わらず使えないのがwindows10 、どんどん酷くなっているとか…。
 次回は 「第3月曜」 2月19日の更新となります、よろしくです~! 

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 こちらでの場外編、2月は、恒例の節分の七福神巡り。今年も、やっぱり…。
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