シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
シャングリラ学園の秋は学園祭の季節です。とはいえ、まだまだ準備に入らないのが私たち特別生七人グループと会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」。何をやるかが決まっているため、直前の三週間があれば充分というのが例年ですが。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
柔道部は今日も焼きそば指導? と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。放課後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋はキース君たち柔道部三人組が後から来ることが多いのです。今日もそのパターン。焼きそば指導は学園祭での模擬店に向けての年中行事で…。
「まあな。週に一度はやっておかんと、あいつらは一向に覚えてくれんし」
溜息をつくキース君。
「そるじゃぁ・ぶるぅ秘伝と銘打つからには失敗出来んし、口伝だからレシピも渡せんし…」
「誰だい、最初に口伝にしたのは」
会長さんが突っ込みました。
「その愚痴、毎年定番だけどさ…。有難味は凄く出るだろうけど、君たちは毎年、焼きそば指導で嘆いてるじゃないか」
「仕方ないだろう、あの頃の俺は先輩に逆らえなかったんだからな!」
本当に本物の先輩がいたのだ、とキース君は完全にお手上げのポーズ。
「俺たちの最初の同級生が三年生で主将だった年だしなあ…。俺たちとぶるぅの仲を見込んで焼きそば屋台を任せられた。それがそもそもの始まりで…」
「そうなんです。卒業して直ぐの間は先輩たちも学園祭に遊びに来ますしね」
其処であの味を褒められたんです、とシロエ君が。
「この味はいいと、柔道部の秘伝にしておけばいい、と。レシピを書いて残すんじゃない、と」
「ええ…。あれが全ての始まりでしたね」
マツカ君も相槌を打ちました。
「あの年に決まってしまったんです、レシピは口伝と」
「ついでに毎年、俺たちが指導するのもな」
そうして今に至るわけだ、という締めくくり。本当に本物の先輩さんの命令とあらば、カラスも白いのが体育会系の部活というもの。あんな頃からの伝統でしたか、毎年毎年、ご苦労様です、キース君たち…。
こんな感じでクラブやクラスごとの準備はとっくに始まっています。けれども私たちはサイオニック・ドリームを使ったバーチャル旅行が売りの喫茶店、『ぶるぅの空飛ぶ絨毯』が定番の催し物。直前に値段などを決めればいいだけ、この時期は特に用事もなくて。
「ぼくたちの方は暇だよねえ…」
ジョミー君がのんびりとカボチャのシフォンケーキを頬張り、サム君も。
「うんうん、旬の観光地とかはブルーが楽勝で押さえてるしよ」
「ですよね、会長、大抵の場所はぶるぅと遊びに行ってますもんねえ…」
瞬間移動って便利ですよね、とシロエ君。
「思い立ったが吉日って感じで、時差だけ考えればいいんでしょう? 何処へ行くにしても」
「そうなるねえ…。今の時間だとカフェとかに行くにはちょっと早いね」
お洒落な国のは、と会長さんが幾つか挙げて。
「近い所でエスニック料理ならお昼時かな、パッと出掛けて食べられるってね」
「かみお~ん♪ いつでもパパッと行けちゃうの!」
そして食べるの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「レストランも屋台も食べ放題だよ、美味しい匂いが一杯なの!」
「そう、あの匂いが魅力の一つでねえ…」
今年はやろうかと思っているのだ、と会長さんの妙な発言。
「「「匂い?」」」
「そうだよ、ぶるぅの空飛ぶ絨毯! オプションで色々つけるだろ? それの一つで匂いつきっていうのもいいな、と」
其処に漂う匂いを再現、と会長さんは人差し指を立てました。
「何処にだって独特の匂いというのはあるものさ。砂漠だろうが、街だろうが…。似たような匂いを嗅いだ途端に蘇る記憶ってあるだろう?」
「ありますね…」
確かにあります、とシロエ君が頷き、キース君も。
「俺の場合は特に顕著だな、特に抹香臭いのが…。仏具屋に入ると大抵、それだ」
「ね? だから今年はやってみようかと」
特に難しい技術ではない、と会長さん。サイオニック・ドリームで匂いつきって、ホントに観光地まで出掛けて行った気分になれるかも~!
美味しそうな匂いや、スパイシーな匂い。いろんな匂いがついていたなら、ぼったくり価格でもバカ売れすること間違いなし。今年は早くから方針が決まった、と皆で喜んでいると。
「奇遇だねえ…」
「「「は?」」」
誰だ、と振り返った先に紫のマントがふうわりと。別の世界からのお客様です。
「こんにちは。ぶるぅ、ぼくの分のケーキも残ってる?」
「あるよ、座って待っててねー!」
ケーキと紅茶~! と飛び跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。注文の品はすぐに揃って、ソルジャーは空いていたソファに腰を下ろして御機嫌で。
「ぶるぅのケーキは美味しいねえ…。ぼくのシャングリラにも料理上手がいればいいのに。カボチャでお菓子を作るにしてもさ、なんだか定番ばっかりでねえ…」
なんだ、カボチャのお菓子の話でしたか。奇遇と言うから匂いの方かと思ったんですが…。
「えっ? ぼくが言うのは匂いだよ?」
そっち、とケーキを口へと運ぶソルジャー。
「最近、匂いに凝っているんだ。…匂いと言うか、香水と言うか」
「「「香水?」」」
「うん。今日はほんのり薔薇の香りで、とっても魅惑的な筈なんだけどね」
「「「…薔薇…?」」」
何処が、と誰もが考えたに違いありません。カボチャのシフォンケーキはカボチャの色をしてますけれども、そんなに強い匂いは無い筈。紅茶やコーヒーも薔薇の香水には負けるであろう、という気がするのに、全く匂いがしない薔薇。
「使い方を間違えていないかい?」
香水ってヤツにはつけ方があって、と会長さんがシャングリラ・ジゴロ・ブルーならではの薀蓄を披露し始めました。
「香水は体温で香るものだし、基本の場所なら今、言った通り。服につけるなら君の場合はマントにするか、上着の裾の裏につけておくか…。とにかく動きのある所だね」
その辺を間違えてつけてるだろう、という指摘。
「薔薇の香りが全然しないよ、それじゃ宝の持ち腐れってね」
「いいんだってば、匂わない方がいいんだからさ」
「「「え?」」」
香水をつけて、匂わない方がいいとはこれ如何に。それって意味が全然ないんじゃあ…?
つける所を間違えるどころか、香水の使い方を勘違いしていそうな目の前のソルジャー。ほんのり薔薇の香りとやらも分からない筈で、それで「凝ってる」と言われても…。
「凝ってるんだよ、実際の所」
日替わりメニューでつけているのだ、とソルジャーは胸を張りました。
「もうね、毎日、ブリッジの視察が楽しみで…。普段のぼくは面倒だから滅多に行かないんだけれど、この二週間ほどは皆勤賞! エラやブラウも喜んでいるよ」
ソルジャーがとても真面目になった、と非常に評判がいいのだとか。
「ただねえ…。ハーレイの評価が微妙なトコだね、ぼくの代わりに下がり気味でさ」
「そりゃまあ…。普段は行かない君が皆勤賞なら、キャプテンはもっと頑張れってことになるだろうしね」
気の毒に…、と会長さん。
「元々真面目にやってるだろうし、それ以上何を頑張れと、って気がするけどねえ?」
「…元々はね」
でも今は違う、とソルジャーから返った奇妙な答え。キャプテンに何かあったんでしょうか?
「ん? ぼくが現れると注意散漫、ミスが多発といった感じで」
「ソルジャーの視察中にかい!?」
「そうだけど? それで評価が下がらない方がどうかしてるよ、あの有様じゃあ」
「もしかして…」
会長さんがソルジャーの方をまじまじと。
「その原因、君じゃないだろうね?」
「決まってるだろう、ぼくが行くから注意散漫!」
魅惑的な恋人がブリッジをウロウロするんだから、とソルジャーは至極得意げに。
「今日だとほんのり薔薇の香りで、昨日はムスクの香りなんだよ。その前の日はジャスミンだったかなあ…。こう、色々とホントに日替わり」
「だから、全然香りがしないんだけど? 君のハーレイの注意散漫とかミスの原因、香水じゃなくって君の悪戯か何かだろう!」
「違うよ、ホントに香水だってば!」
分かる人には分かるのだ、と威張るソルジャー。キャプテンは鼻がいいのでしょうかね、香水を作る調香師って人は凄い嗅覚を持つと聞きますが…。
「ぼくのハーレイ? 普通だけど?」
見ての通りの鼻なんだけど、ということは…。香水はやはり意味無しなのでは…?
ソルジャーの世界に住むキャプテンと、私たちの世界の教頭先生は瓜二つ。鼻は確かに立派ですけど、鼻の大きさと嗅覚ってヤツは比例しないと思います。それにソルジャーもキャプテンの嗅覚は普通だと答えましたから…。
「分かるも何も…。君の香水、ぼくにはサッパリ分からないから!」
「俺にも全く分からんな」
職業柄、敏感な方なんだが…、とキース君。お寺ではお線香の他にも色々とお香を使いますから、嗅ぎ分けられると便利だそうです。上等のお香を使っているのかそうでないのか、そういったことも重要だとか。
「こう、知り合いの偉いお坊さんとかがウチの寺を訪ねたりして下さるだろう? そんな時にな、「御本尊様にご挨拶を」とお参りなさって、袂から自前の香を出したりなさるんでな」
アッと驚く高価なお香を焚いて下さる方もあるらしくって…。そうした時にはおもてなしも当然ランクアップで、お客様の方もそれで当然だという感じ。
その辺りの加減を見誤ったら大失敗かつ失礼というもの、同じ人でも「今日は普通の御飯でいいよ」な場合はお香の種類が違ったりする、と聞いてブルブル、実に恐ろしいディープな世界。
「お香の嗅ぎ分けも必須なのかよ、坊主には!」
サム君の引き攣った声に、キース君は。
「必須ではないぞ? ただ、分からないと恥をかくだけだ」
「それって必須ってことじゃねえかよ!」
また勉強が増えてしまった、と頭を抱えているサム君。一方、騒ぎの原因をもたらしたソルジャーはと言えば…。
「嗅ぎ分けねえ…。ぼくのハーレイにはその手の心得は無さそうだねえ…」
薔薇くらいは分かるだろうけれど、とノホホンと。
「薔薇と百合との区別がつくかな、それくらいは判別可能なのかな? …だけどライラックとか、チュベローズだとか…。漠然と花だと思う程度じゃないのかなあ…」
ムスクも花じゃないと分かってるんだかどうなんだか…、という話。そんなレベルのキャプテン相手に香水を毎日取っかえ引っかえ、注意散漫に陥らせるほどだと威張られても…。
「それはいわゆる自己満足だね」
まるで匂いがしないから、と会長さんは言い切りました。
「ぼくもキースと同業だからね、匂いについては敏感な方。そのぼくが全く分からない上、キースにも分からないと来た。君の香水はつけるだけ無駄、君のハーレイも全く反応しないね」
注意散漫は君の存在のせいだ、という意見。私たちも賛成、賛成です~!
「…分かってないねえ…」
分かってないのは君の方だ、とソルジャーが只今話題の鼻先でフフンと。
「この香水はね、特別製! 君たちにも嗅がせてあげたいんだけど、そうすると少しマズイかもねえ、ただの薔薇ではないからね?」
「「「は?」」」
「香り自体は薔薇なんだけどさ、他に色々と入っているから…」
万年十八歳未満お断りでも害が無いとは断言出来ない、とは何事でしょう。その香水って、何かヤバイ成分でも入ってますか…?
「フェロモン剤って言えば分かるかなあ? こっちの世界にもあるよね、そういうの」
「「「フェロモン剤!?」」」
そんな効能を謳った香水の広告だったら何度か見かけたことがあります。男性がつければ女性にモテモテ、女性がつければ男性が寄ってくるというヤツ。あんなのはどうせ紛い物だと、効くわけないのに騙されて買う人がいるというのが面白い、と話題にしたことも過去に何度か。
けれど相手はソルジャーです。SD体制が敷かれた別の世界に住んでいる人で、宇宙船もワープも当たり前。私たちの世界では「効かなくて当然」のフェロモン剤でも、「効いて当然」だったりしますか…?
「もちろん、効いて当然だねえ…」
でなきゃ売れない、と微笑むソルジャー。
「男性向けのも女性向けのも色々あるよ? ちなみに、ぼくのは女性向けでね」
男性を惹き付ける魅惑の香り、とソルジャーはうなじの辺りの髪をかき上げ…。
「この辺りにつけるのがオススメです、と書いてあったし、ソルジャーの衣装で肌が見える部分は限られてるしね? 此処にしっかり」
そして香りは朝につければ夜までバッチリ、という説明。
「トップノートがどうとかこうとか、ラストがどうとか…。つけてからの時間で同じ薔薇でも香りが変わっていくらしいけどね、そういったことはどうでもいいんだ」
要は男性をグイグイ惹き付け、その気にさせるのが目的だから…、とソルジャーは自分のうなじを指差して。
「そんな香りを振り撒きながら、ぼくがブリッジに登場するわけ! 注意散漫にならない方がどうかしてるし、ぼくが消えた後もハーレイは悶々と夜を待つんだな」
勤務終了と共に青の間にダッシュで、凄い勢いでベッドに押し倒しに来るのだ、と得意げなソルジャーですけれど。その香水の匂い、ホントのホントに分かりませんよ…?
男性を惹き付けるというソルジャーの香水。キャプテンがミスを多発するほどのアヤシイ効能があるそうですけど、匂いません。まさかシールドしてるとか?
「ピンポーン!」
大正解! とソルジャーは笑顔。
「ぼくはハーレイさえ釣れれば満足なんだし、他の男にモテても仕方ないだろう?」
シャングリラの中で浮気だなんて…、と例に挙がったゼル機関長だとかヒルマン教授。
「ブリッジにも男性クルーはいるから、ブロックしないと危険だよね? つまりはハーレイ限定で香りを提供してるわけ! 君たちが目指す学園祭のオプションみたいなものだよ」
お一人様限定プランなのだ、と言われて納得、匂わないのも理解出来ましたが…。そんな香水、つけてて毎日が楽しいんですか?
「楽しいねえ…。他のクルーの目があるから、と必死に冷静なふりをするハーレイを見るのも楽しいものだよ、ミスをする度に「どうしたんだい?」と覗き込んでやれば効果倍増!」
香りの源がグッと近くに…、とソルジャーの悪戯心は今がMAXみたいです。その内に飽きてやめるでしょうけど…。
「そうだねえ、わざわざ香水を奪いに出掛けようとも思わないしね?」
「「「えっ?」」」
「偶然の産物なんだよ、この香水は。ぼくも昔は人類の船から色々と物資を奪っていたな、と懐かしくなって、シャングリラの近くを通った船から荷物を失敬してみたら…」
それが香水だったのだ、とソルジャーはクスクス笑っています。瞬間移動で青の間に直送してしまったため、誰も知らないソルジャーの秘密の略奪品。
「ぼくとしてはね、お菓子とかが良かったんだけど…。来てしまったものは有効活用! ぼくのハーレイだってミスはともかく、夜の時間は張り切ってるしね」
だから当分やめる気はない、と語るソルジャーの部屋にはまだ香水がたっぷり揃っているそうです。日替わりメニューでガンガン使って半年くらいはいけるであろう、というほどの量。
「そうだ、君も使ってみないかい?」
よかったら、とソルジャーの視線が会長さんに。
「ぼくだけが使うんじゃもったいない。君も是非!」
「その香水、女性用だろう!」
男なんかはお呼びじゃない、と会長さんは即答ですが。
「だからさ、君もこっちのハーレイ限定!」
魅力をアピールしに行きたまえ、とソルジャーはウキウキしています。それって会長さんにとっては一番やりたくないことなんじゃあ…?
男性を惹き付ける香水をつけて、教頭先生に魅力をアピール。会長さんが絶対にやらないことは容易に想像出来ました。けれどソルジャーの方はキャプテンと結婚しているだけに、会長さんには教頭先生がお似合いなのだと信じて疑わないタイプ。
「ぼくの香水、分けてあげるよ。きっとこっちのハーレイも喜ぶってば!」
「喜ばせる趣味はぼくには無いから!」
お断りだ、と即座に却下。
「そんな香水、欲しくもないし!」
「ハーレイ限定ってトコが売りだよ、ゼルとかは寄って来ないんだよ?」
お目当ての人にだけ魅惑の香りをお届け、とソルジャーは諦め切れないようで。
「絶対、いいって! オススメだってば、ハーレイ限定で誘惑の日々!」
オモチャにするのでも別にいいから…、と少し譲歩を。
「こっちのハーレイ、見事な鼻血体質だしねえ…。学校の中でも君に会ったら鼻血を噴くとか、そんな風にも使えるよ?」
「…うーん…。ぼくに会ったらその場で鼻血かあ…」
「ちょっと素敵だと思わないかい? それにハーレイの目には君が一層、魅力的に映るわけだしねえ…」
熱烈なプロポーズというのもアリかも、とソルジャーの魂胆はそっちでした。会長さんの悪戯に加担しつつも、あわよくば教頭先生とのウェディングベルを、というのが見え見え。
「ぼくはプロポーズは要らないんだよ!」
「そう言わずにさ…。まずは鼻血で悪戯からだよ、何の香りがいい?」
薔薇にも色々、とソルジャーは種類をズラズラと。いったいどれだけ略奪したのか、考えるだけで頭が痛いです。しかも会長さん用にお裾分けだなんて、よっぽど会長さんを教頭先生と結婚させたいのでしょうが…。
「あっ、分かる? ぼくはね、こっちのハーレイを応援してるんだよね」
いつも報われないのを見ているだけに、機会があったら応援を…、とグッと拳を握るソルジャー。
「ハーレイ限定で魅惑の香り! ぼくのコレクションを幾らでも分けてあげるから!」
「要らないってば!」
鼻血コースは面白そうでもその後が…、と会長さん。
「プロポーズまで突っ走られたら迷惑なんだよ、それくらいなら最初から寄って来ない方がよっぽどマシだね!」
犬猫忌避剤ならぬハーレイ忌避剤が欲しいくらいだ、と凄い一言。そこまで言うほど要らないんですか、教頭先生のプロポーズ…。
家の周りに振り撒いておけば、犬や猫が寄らない犬猫忌避剤。会長さんなら教頭先生にでも使いかねない気がします。そういう代物が無くて良かった…、と思ったのですが。
「そうか、ハーレイ忌避剤か!」
これは使える、とポンと手を打つ会長さん。
「ぼくとしては非常に不本意だけれど、使いようによっては面白そうだ」
「「「は?」」」
「ハーレイ限定で魅惑の香りの逆バージョンだよ、サイオニック・ドリームを使ってね」
それなら身につける必要も無いし、と会長さんはクスクスと。
「いいアイデアをありがとう、ブルー。早速使うよ、ハーレイ忌避剤」
「何をやらかすつもりなわけ!?」
「君の逆だよ、ハーレイが逃げたくなる香り!」
ぼくが近付いたらそういう香りが立ち昇るのだ、と悪魔の微笑み。
「もう嗅いだだけで逃げたいと言うか、ぼくに触れたいとも思わないレベルと言うか…。そんな悪臭をさせるぼくでも、逃げたら全てがおしまいだしね?」
結婚どころか何もかもがパア、と会長さんは両手を広げました。
「少しでも嫌な顔をしようものなら、そこを突っ込む! ぼくへの愛はその程度かと!」
「ちょ、ちょっと…! ぼくのオススメは魅惑の香りで…!」
「閃いたんだよ、その話から! ちょうどサイオニック・ドリームの話もしてたし、まさに天啓! これを実行しない手はない!」
何にしようか、と鼻歌混じりの会長さんの笑みは実に楽しげ。
「悪臭だしねえ…。この世の中には色々あるよね、それを日替わりメニューで提供!」
「なんでそっちの方に行くわけ!?」
「君とぼくとは違うから!」
全く逆の人間だから、と会長さんは自信満々。
「君がハーレイを惹き付けるんなら、ぼくは寄せ付けないタイプ! ハーレイ忌避剤!」
凄い香りを纏ってやる、と決意のオーラが見える気がします。ソルジャーはウッと息を飲み込み、珍しく腰が引け気味で…。
「いいのかい? …それをやると君が臭いんだよ?」
「あくまでハーレイ限定でね」
身に纏う必要も全く無いから気分爽快、と言ってますけど。いくら自分は臭くなくても、悪臭を放つ姿を演出しようとは天晴としか…。
ソルジャーがキャプテン限定で纏う魅惑の香水。薔薇だの百合だのジャスミンだのと日替わりで纏っているというのに、会長さんが纏いたいものは教頭先生も逃げ出す悪臭。本気だろうか、と疑う気持ちと、やりかねないと思う気持ちが半々。
香水の話の言い出しっぺのソルジャーは「悪臭だなんて…」と頭を振り振り帰ってしまって、私たちも「そろそろ家に帰らないと」と解散で。次の日の放課後、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋を訪ねてみれば。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
「やあ。どうかな? 今のこの部屋の匂い」
「「「匂い…?」」」
鼻をクンクンさせてみましたが、甘い香りしかしませんでした。ケーキか、パイか、そういった匂い。皆で答えると、会長さんは満足そうに。
「よし。やっぱりハーレイ限定でしか使えないってね!」
仕掛けは完璧、と会長さんが指を鳴らして、「そるじゃぁ・ぶるぅ」がイチジクのタルトを運んで来ました。飲み物も揃って、美味しく食べる間も会長さんはニコニコと。
「タルトの匂いしかしないよね?」
「俺の場合はコーヒーの匂いもするんだが…」
しかし、と言葉を切ったキース君。
「あんた、本気で何かやったな?」
「やったと言うか、やってると言うか…。ぼくの特定のサイオンの波長を拾うと、ハーレイ忌避剤の香りがね」
サイオニック・ドリームの応用だよね、と会長さんは唇の端を吊り上げました。
「ぼくがその匂いを知らないことには再現不可能、だから不本意だと言った。だけどやるだけの価値はあるんだ、匂いはキッチリ仕入れて来たから!」
「「「仕入れた!?」」」
「そう。ちょっと野菜の…。いや、この先はやめておこう」
今はおやつの真っ最中だし、と匂いの仕入れ先は伏せられたものの。
「食べ終わったら、お出掛けだよ? とりあえず今日は教頭室まで」
用事は特に無いんだけどね、と言われなくても分かります。用事ではなく、教頭先生に会いにお出掛け。魅惑の香りとは真逆なタイプの、ハーレイ忌避剤とやらを纏って…。
タルトのおかわりもキッチリ食べた後、会長さんは「もういいかな」とうなじの辺りの銀色の髪をかき上げながら。
「ブルーのお勧めってわけじゃないけど、この辺りから香るのがいいかと思ってねえ…」
それと鎖骨の辺りに少し、と指差し。
「ぼくが前を向こうが後ろを向こうが、香りが自然と立ち昇るわけ! ハーレイ限定で!」
「…訊きたくもないが、何の匂いだ?」
キース君の問いに、私たちも揃ってコクコクと。おやつの最中には話せないほどで、仕入れ先は野菜に関係した何処か。会長さんが纏う香りは何なのでしょう?
「ああ、これかい? ぶるぅとも相談したんだけどねえ、タマネギが一番いいんじゃないかと」
「「「タマネギ?!」」」
「タマネギは腐ると臭いんだよ、うん」
ぶるぅは腐らせないけれど、という解説。なるほど、それで野菜の…卸売市場へでも?
「まさか。卸売市場じゃ腐っちゃいないよ、新鮮さが売り!」
「かみお~ん♪ 野菜の直売所の近所に行ったの、悪くなった野菜を捨ててるから!」
タマネギ専門、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「えとえと、ちょっと近付いただけでも凄かったよ? ぼくはシールドを張っちゃったけれど、ブルーはそのまま行っちゃったあ!」
「虎穴に入らずんば虎子を得ず、とも言うからねえ…。タマネギの腐った匂いが怖くてハーレイ忌避剤が作れるか、ってね」
とはいえ死んだ、と鼻をつまんでみせる会長さん。
「覚えなければ、と頑張ったけれど、多分、一分も嗅いではいない。そんなに嗅いだら確実に死ぬね、臭くてね」
それを纏った自分が行くのだ、と実行する気満々の会長さんは既にタマネギの腐った匂いを装着中と言うか、再現中。教頭先生に向けて振り撒くために教頭室まで出掛けるつもりで、そうなればきっと教頭室は…。
「臭いだろうねえ、部屋中に満ちる悪臭ってね。早く出て行けと言いたいだろうけど、それを言ったらおしまいだしね?」
今日はゆっくり滞在しよう、とソファから立ち上がる会長さん。
「君たちも御馳走になるといい。ハーレイ、ぼくに御馳走しようと思って紅茶を買っているんだからさ。たまには味わってあげないとねえ…」
「「「………」」」
鬼だ、と言いたい気持ちを私たちはグッと飲み込みました。下手に言ったら墓穴です。タマネギの腐った匂いとやらを食らいたいとは思いませんよ~!
「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋を後にして、中庭を抜けて本館へ。教頭室の重厚な扉を会長さんがノックして…。
「教頭先生、お邪魔します」
ガチャリと扉を開けて入れば、教頭先生の喜びの笑顔。しかし…。
「あれっ、ハーレイ、どうかした?」
一瞬で歪んだ教頭先生の顔に、会長さんが首を傾げて。
「たまには君とお茶でもしようと思ったんだけど…。今日は忙しかった?」
「い、いや…。お、お茶というのは…?」
「みんなで御馳走になろうかと思って。ぼくのために紅茶、買ってるよねえ?」
「あ、ああ…。あれな」
あれだな、と教頭先生は椅子から立ち上がって戸棚の方へ。会長さんはススス…と教頭先生に近付き、隣に並んで戸棚を覗き込みました。
「ふうん…。一種類だけじゃなかったんだ?」
「ま、まあ…。そうだが」
教頭先生が微妙に距離を開けたがっていることが分かる立ち方。上半身が少し傾いています。もちろん会長さんが立っているのとは逆の側に。会長さんはそれを承知で同じ方へと身体を傾け、棚の紅茶を品定めして。
「ぶるぅの部屋でも飲んできたから、軽めのがいいな。これでお願い」
「わ、分かった! すぐに淹れるから!」
あっちに座って待っていてくれ、と応接セットが示されました。全員が座るには足りませんけど、ジョミー君曰く、肘掛けなどにも座ればオッケー。
「なるほどね! じゃあ、君たちは先に座っててよ」
ぼくとハーレイの分を空けておいて、と会長さん。
「せっかく来たから、二人並んで座るのもオツなものだしね? ぼくは紅茶の淹れ方をちょっと指導してくる、ハーレイは基本がコーヒー党だし」
美味しい淹れ方を教えてあげる、と教頭先生の腕を引っ張り、備え付けのキッチンの方へと向かう会長さん。紅茶の缶を抱えた教頭先生の顔には途惑いの色がありあり、香水ならぬハーレイ忌避剤が効果を発揮しているものと思われます。
「ほら、ハーレイってば!」
「う、うむ…。よ、喜んで教えて貰うことにしよう」
漂っているだろう腐ったタマネギの壮絶な匂い。それを纏った会長さんに笑みを返せる教頭先生、只者ではないと言うか、御立派と言うか…。
会長さんが身体を張って仕入れて来たという凄い悪臭。恐らく紅茶の香りも吹っ飛ぶのでしょうが、教頭先生が会長さんの指導で淹れた紅茶は流石の香り高さでした。会長さんは教頭先生と並んでソファに座って、極上の笑みで。
「美味しいねえ…。うん、この香りがたまらないよ。ハーレイ、いいのを買ってるんだね」
「お前のためならケチらないぞ」
「そう? それで、どうかな? 普段よりも香りがいいんじゃないかと思うんだけどねえ?」
どう? と会長さんがティーカップを手に肩を摺り寄せ、ウッと仰け反る教頭先生。
「ハーレイ? 何かあったのかい?」
「い、いや…。いい香りだな、と思ってな…」
「それは紅茶が? それとも、ぼく?」
うわー…。いつもの会長さんが口にしたなら、教頭先生が舞い上がることは必至の台詞。けれども今の会長さんは紅茶どころか腐ったタマネギ、自分でも一分も耐えられないと言っていた悪臭を放っているわけで…。なのに。
「も、もちろんお前に決まってるだろう!」
教頭先生は男でした。男の中の男と言うべきか、惚れた弱みと言うべきか。会長さんは「そう?」と微笑み、更に密着。
「そう言われちゃうと、くっついてあげるくらいはねえ…。これは出血大サービスだよ?」
「う、うむ…。悪い気はせんな」
「もっとサービスしちゃおうか? 良かったら…だけど」
「…もっと…?」
ゴクリと唾を飲み込む教頭先生。腐ったタマネギでも密着されると嬉しいだなんて凄すぎな上に、もっとサービスと聞いて鼻の下が長めになってるなんて…。なんと凄いのだ、と呆れる私たちを他所に、会長さんは。
「君の膝に座ってあげようかなあ…、って。君の膝で紅茶を飲むのもいいよね」
「本当か!?」
是非、と膝をポンと叩いた教頭先生の膝に、会長さんは「よいしょ」と腰掛け、ゆったりと紅茶を楽しんでいます。ええ、本当に香り高い紅茶なんですが…。
「…ハーレイ? 遠慮しないでくっついてくれていいんだよ?」
密着サービスの時間だからね、と会長さん。それに応えて会長さんの腰に腕を回している教頭先生、どれほどの悪臭に耐えているのか、想像したくもないですってば…。
その日から会長さんはソルジャーお勧めの日替わりメニューで頑張りました。魅惑の香りのソルジャーの方は、訪ねて来ては「信じられない…」と絶句しています。私たちよりもサイオン能力が高い分だけ、会長さんが纏う香りも「その気になれば」分かるらしくって。
「…どれだけやったら気が済むんだい? ハーレイの愛はもう充分に確かめただろ?」
「愛だって!?」
あんなドスケベ、と会長さんは吐き捨てるように。
「密着サービスのために耐えてるだけだよ、内心は臭くてたまらないくせに!」
「だけど顔には出さないじゃないか」
初日だけで、と返すソルジャーは毎日覗き見している様子。
「最初の日だけは仰け反ってたけど、あれから後にはやっていないよ。君に「ちゃんと風呂には入っているか?」と訊きもしないし、君の匂いとして受け入れてるよ!」
「らしいね、有り得ない匂いのオンパレードをね!」
このぼくの身体が臭いだなんて、と自分でやっているくせに文句たらたら。ドブの匂いやら、今はレアものの汲み取りトイレの匂いやら…、と日替わりメニューの中身は聞かされてますが、嗅いだ勇者は一人もいません。ソルジャーがたまに嗅いでいる程度。
「…こういう匂いをさせてる君でも好きだと言えるのは愛じゃないかと思うんだけどね…」
「どうなんだか! ホントに恋人が臭いんだったら、匂いを消す方法をさりげなく提案するっていうのが本当の愛だと思うけどね、ぼくは」
この香水をつけてみないか、と消臭剤を兼ねたのをプレゼントとか…、と会長さん。
「ぼくの身体は臭いんだよ? それを指摘しないで放っておくのは、恋人に生き恥をかかせているのと全く同じじゃないのかな?」
「うーん…。本当のことを言ったら傷つく人だっているし…」
「だから、あくまでさりげなく! 傷つけないように悪臭を元から断ってやるのが本物の愛!」
愛が足りない、と主張している会長さん。
「我慢されても困るんだよ! ぼくが本当に恋人ならね! 君だって文句を言うと思うよ、ぼくとおんなじ立場だったら!」
「えーっと…。ぼくが臭くて、だけどハーレイが教えてくれなくて…。臭いだなんて気付かないままでシャングリラ中を歩いていたなら…」
どうだろう、と考え込んだソルジャーの結論は「腹が立つ」でした。恋人同士で夫婦だからこそ、言いにくいことも言って欲しいと思うそうです。妙な所で意見の一致を見たようですけど、それじゃ会長さんは自分自身が納得するまで悪臭を放ち続けると…?
いったい何処まで続くのだろう、と誰もが恐れた恐怖の悪臭日替わりメニュー。平日は放課後の教頭室で、休日は教頭先生のお宅のリビングで。会長さんは悪臭を纏って密着サービスを展開、教頭先生は悪臭に耐えつつ鼻の下を伸ばし…。
そんな日々への終止符を打つことになった代物は思いがけないものでした。ある土曜日のこと、会長さんは私たちと「そるじゃぁ・ぶるぅ」にソルジャーまで連れて、教頭先生のお宅を訪問。チャイムの音で出て来た教頭先生、初日以上に大きく仰け反り。
「な、なんだ、お前か。…まあ、入ってくれ」
「何かビックリしてたけど…。ああ、今日はブルーも来ているからだね」
一人分余計にお願いするよ、と会長さんは紅茶のリクエスト。例によって指導と称してキッチンへ一緒に行きましたけれど…。
「…今日の匂いは強烈らしいね」
ソルジャーがサイオンで覗き見していて、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「んとんと、今日はハーレイの匂いの筈なんだけど…」
「「「ええっ!?」」」
私たちは驚き、ソルジャーも。
「本当かい? 今日のは異様に臭かったよ?」
「でもでも、ハーレイの匂いなんだよ!」
本当だよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が叫ぶのと同時に、キッチンの方で派手に何かが壊れる物音が。ついでに「臭いんだよ!」と怒鳴る会長さんの声も。間もなく教頭先生がドタドタとリビングに駆け込んで来て。
「ち、違う! ブルー、私はだな…!」
「たまらん、って言うのを確かに聞いたよ、臭かったんだろ、このぼくが!」
ずうっと毎日臭かった筈だ、と追いかけて来た会長さんが教頭先生を激しく詰っています。
「仕掛けていたのはぼくだからねえ、ぼくが一番よく知っている! でもね、今日のが臭いってことは、つまりは君が臭いんだよ!」
自分でも耐えられない匂いを放つ身体で近付くんじゃない、とゲシッと蹴飛ばす会長さん。
「いいかい、今日のぼくの匂いは! 君の靴下の匂いだから!!」
「「「ひええっ!!!」」」
ソレか、と臭い理由も会長さんの怒りの理由も一発で把握出来ました。教頭先生は泣きの涙で謝罪しましたが、会長さんが聞く筈もなくて…。
「密着サービスは終わりだよ、うん」
君の好みは多分こっち、とソルジャーが前へと押し出されて。
「こっちのブルーは凄くいい匂いがするらしいよ? 今日のは何かな?」
「えっ、ぼくかい? フラワーブーケって書いてあったかな、花の香りが何種類か」
「そうだってさ! ついでに男なら誰でももれなく!」
惹かれるらしい、と会長さんにドンと背中を押されたソルジャー。悪戯心が芽生えて来たのか、教頭先生を哀れに思ったのか。
「仕方ないねえ…。臭かったらしいし、じゃあ、口直しに」
どうぞ、と特別サービスで提供されたキャプテン限定の魅惑の香り。教頭先生の身体はフラリとそちらに傾いてしまい、会長さんの「やっぱりね…」という冷たい声が。
「君は結局、より魅力的なものであったら誰でもいい、と。…ついでに自分でも耐えられないような臭さを放って生きてるわけだし、ぼくと釣り合うわけがないよね」
自分の匂いで反省しろ! と怒りの一声、バサバサバサ…と教頭先生の頭上に降り注ぐ靴下の山。どんな悪臭かを知った私たちは、後をも見ずに逃げ出して…。
「…こっちのハーレイ、あんなに靴下を溜めてたのかい?」
逃げ帰った先の会長さんの家で、ソルジャーが呆れ顔で尋ねました。自分も散らかす方だけれども、洗濯物は流石に溜めないと。あれでは愛想を尽かされても仕方ないのでは…、という意見だったのですが、会長さんは。
「まさか。靴下の山は洗濯済みだよ、ぼくが匂いを追加しただけで」
サイオニック・ドリームの応用だよね、と高笑いをする会長さん。
「だけどホントに臭かっただろ? ハーレイは未だにあの匂いの中!」
洗う気力も無いらしい、と嘲笑われている教頭先生のお気持ちは分からないでもありません。悪臭に耐えて、耐えまくったのに自分の靴下の匂いで全てがパアに…。
「報われないねえ、こっちのハーレイ…」
「元々は君が言い出したんだろ!」
「ぼくが勧めたのは香水だってば! こっちのハーレイもフラリと来てしまう魅惑の香り!」
それで出直せ、と言うソルジャーと、「お断りだよ!」な会長さんと。不毛な争いが続いてますけど、会長さんの匂いを操るサイオニック・ドリームが完璧なことは分かりました。学園祭の催し物は安泰、今年は匂いが売り物ですよ~!
香り高き恋人・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
生徒会長が日替わりで纏う悪臭、それに耐えまくった教頭先生。男の中の男かも。
なのに自分の靴下の匂いで、全てがパアに。気の毒すぎる結末ですよね、努力したのに…。
シャングリラ学園は、去る4月2日で連載開始から10周年になりました。ついに10周年。
アニテラは4月7日で放映開始から11周年、此処まで書き続けることになろうとは…。
自分でもビックリ仰天ですけど、windows10 さえ無事に動けば、まだ書けそうです。
次回は 「第3月曜」 5月21日の更新となります、よろしくです~!
※毎日更新な 『シャングリラ学園生徒会室』 はスマホ・携帯にも対応しております。
こちらでの場外編、4月は、キース君から特別手当を毟り取ろうという計画が…。
←シャングリラ学園生徒会室は、こちらからv