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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

封じたい喋り

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




海に、山にとお出掛け三昧、遊び三昧の夏休みが近くなって来ました。期末テストも終わってカウントダウンな日々ですけれども、ある日の放課後、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋でジョミー君がボソリと零した一言。
「…ソルジャー除けって無いのかなあ…」
「「「は?」」」
なんだそれは、とジョミー君に視線が集中。ソルジャー除けって、どういう代物?
「うーん…。イノシシ除けみたいな感じで、こう」
「イノシシ除けだと? 俺に喧嘩を売っているのか!?」
キース君の瞳が一気に険しく。
「俺の家では大概、苦労をしているんだが! イノシシで!」
「そうだったっけ?」
「ヤツらのお蔭で墓地の管理が大変なんだ! 知らんのか、貴様!」
「えーっと…?」
そんな話があったっけ、というジョミー君の疑問は私たちにも共通でした。元老寺にイノシシという話自体が初耳だという気がします。それに墓地の管理が大変って…何?
「どいつもこいつも平和な顔をしやがって…。墓地はヤツらとの戦場なんだ!」
最前線だ、とキース君。
「俺の家は裏山が墓地だからな。ヤツらのテリトリーと隣接していると言ってもいい。そしてヤツらは越境して来る。裏山との境の生垣を鼻と身体で押し通るんだ!」
通って来て墓地のお供え物を食いまくるのだ、という話。でもでも、それはお供え物。お下げして食べようと思う人なら、自分で持って帰るでしょう。それをしないで置いてあるなら、今の季節は炎天下に放置、キース君たちがお下げしたって食中毒の危機だと思うんですが…?
「誰が自分で食いたいと言った! 檀家さんがお供えなさった物には手は出さん!」
法事のお供え物ならともかく…、という説明。本堂で法事を希望の場合は、御本尊様などにもお供え物が。それはキース君たちが後でお下げして食べるのだそうで、限定品のお菓子とかだと万々歳。けれど墓地に置かれたお菓子の場合は撤去して捨てる決まりだとか。
「「「捨てる!?」」」
「ああ。いくら珍しい菓子が供えてあっても、仏様の物には手を出すな、とな」
ガキの頃から親父に厳しく躾けられた、というキース君。だったらイノシシと戦わなくても、笑顔で譲ればいいのでは? どのみち捨てるお菓子だったら、イノシシに喜んで貰いましょうよ~。



撤去して捨てるというお約束の、元老寺の墓地のお供え物。イノシシがそれを食べまくっていても、無駄にならないからいいだろう、と私たちは考えたのですが…。
「甘い、お前たちは甘すぎるぞ!」
イノシシの怖さを知らんのか、とキース君は眉を吊り上げて。
「ただ黙々と食って帰るなら何も言わんが、ヤツらは暴力的なんだ! わざとかどうかは俺も知らんが、食ったついでに墓石を倒して行きやがる!」
「「「ええっ!?」」」
「たまたま身体が当たった結果か、デカいイノシシが墓石の間を押し通ったのかは謎だがな…。倒壊するんだ、墓石が! そうなった時の修理費用はウチの負担だ!」
檀家さんには何の責任も無いからな、と言われてみればそうなのかも。檀家さんが倒したわけじゃないなら、維持管理は元老寺の仕事ですから、当然、費用も…。
「その費用が馬鹿にならんのだ! だから墓地には「お供え物を置かないで下さい」と看板や張り紙をしてあるんだが…。こればっかりは檀家さんに強制出来んしなあ…」
昔は置くのが当たり前だったし、と深い溜息。
「特に御高齢の方がお参りなさって、心をこめて作った菓子や弁当をお供えなさっていた場合はなあ…。気付けば「持って帰って下さい」と注意も出来るが、そうでない時は…」
善意で置かれたお供え物だけに文句を言えん、という話。墓地の管理は係の人がしていますから、パトロールなどもあるそうですけど、なにしろ広いのが元老寺の墓地。見落とし多数で、食べにやって来るイノシシたちとの攻防戦が激しく続いているらしくって。
「イノシシが来ないよう、イノシシ除けが出来ないものか、とあちこち相談してみたんだが…」
「駄目だったわけ?」
ジョミー君が訊くと、「そういうことだ」と肩を落としているキース君。
「農業をやってる檀家さんが一番詳しいからなあ、親父が何人もに話を聞いた。しかし「これだ」という手が無い。電柵もイマイチ効かないらしいし…」
「「「電柵?」」」
「電流攻撃というヤツだ。田んぼや畑の周りに電線を張って、軽い電流を流すわけだが…。ヤツらは面の皮どころか全身の皮が厚い上にだ、毛皮も纏っていやがるからな」
触れてビリビリと感電どころか、「ピリッとしたかな?」という程度だとか。それで気にせず畑に侵入、作物をボリボリ食い漁るそうで。
「肝心のイノシシに全く効かないどころか、子供が触って感電したと苦情が来るそうだ」
「「「あー…」」」
それはマズイ、と理解しました。電柵に「触るな」と注意書きはしてあるらしいですけど、字が読めないような小さな子供だとビリビリですよね…。



農業のプロでも防げないイノシシ、使えないと評判の電柵とやら。元老寺で導入したってコストが無駄にかかるというだけ、墓石の倒壊は防げそうになく。
「親父が聞いて来て、生垣の裏に丈夫な金網を張ってはみたが…。ヤツらは前にしか進まんと言うから、これで来ないかとやってみたんだが…」
「どうなりました?」
シロエ君の問いに「駄目だったな」という返事。
「最初の間は無駄に金網に突撃しててな、派手にへこみがついていたから、勝ったと思った。だが甘かったな、ヤツらは金網を破って来たんだ」
「「「破った!?」」」
そんなパワーがありますか! 金網に穴を開けるだなんて…。
「正確に言えば、支柱の部分を突破された。支柱と金網との接合部分が弱かったらしくて、其処を壊して侵入した、と」
一度やったら学習された、と頭を抱えるキース君。突破されて以来、修理する度に同じ箇所を攻撃されるのだとか。そして侵入、お供え物をボリボリ、墓石を倒しまくっているのだそうで。
「そういうわけでな、イノシシ除けは効かんのだ! 俺のイノシシとの戦いを承知でイノシシ除けだと言ったのか、貴様!?」
よくも、とジョミー君の所に戻った話題。キース君にギロリと睨まれ、ジョミー君は「わざとじゃないよ!」と慌てて首をブンブンと。
「イノシシで苦労しているなんて話は初耳だったし…。ぼくが考えたのはソルジャー除けでさ、イノシシ除けっていうのは例え話で!」
「ソルジャー除けというのは何だ!?」
それを聞かせて貰おうか、とキース君は事情聴取をする警察官よろしく怖い顔。ジョミー君の方は肩を竦めて「ホントにイノシシは例えだってば…」とぼやきながら。
「ソルジャー除けだよ、いつもやって来るあのソルジャーだよ!」
「それは分かるが、どう除けるんだ!」
あんなものを、とキース君。
「除けられるんなら誰も苦労はしないぞ、イノシシ以上に迷惑をかけてくるヤツなんだからな!」
「丸ごと除けるのは無理だろうけど、ちょっとくらいなら出来るかなあ、と…」
出来たらいいなと思ったんだけど、とジョミー君は言っていますけど。イノシシですらも除けられないのに、あのソルジャーなんか除けられますか?



何かと言えば空間を超えて乱入して来るお客様。それがソルジャー、蒙った迷惑は星の数ほど、イノシシどころではないトラブルメーカー。ソルジャー除けがあるんだったら使いたいですが、まず無理だろうと思いますけどね?
「だから丸ごとは無理そうだし…。こう、限定で」
「「「限定?」」」
「うん。迷惑の中身は色々あるけど、一番多いの、レッドカードが出るヤツだよね」
ブルーがベシッと出しているアレ、とジョミー君は会長さんに同意を求めて。
「そうだね、それが一番多いか…。ぼくも迷惑してはいるけど、あれが何か?」
「レッドカードを出さなきゃいけないような話だけ、させない方向で除けられないかな?」
「「「へ?」」」
「その手の話だけを除けるってこと!」
喋ったら派手にペナルティーとか…、とジョミー君。
「夏休みになったら確実に増えるよ、そういう話を引っ提げて乱入して来る日がさ…。乱入自体は避けられなくても、アヤシイ話を聞かずに済んだらかなり楽だと思うんだけど」
「それはそうかもしれませんねえ…」
アレが諸悪の根源ですしね、とシロエ君が大きく頷きました。
「あの手の話さえ封じられたら、迷惑度数がグンと減ります。会長、なんとか出来ませんか?」
「なんとかって…。それが出来たら苦労はしないよ」
それこそ元老寺のイノシシと同じ、と会長さんは言ったのですけど。
「本当に無理? 御祈祷とかで何とかならない?」
ジョミー君が食い下がって。
「ソルジャー、そっち方面の能力、皆無なんだよね? 御祈祷だとか、法力だとか」
「それは無かった筈だけど…。そもそもそういう御祈祷の方が…」
無いね、と会長さんは即答。アヤシイ話を封じられる呪文やお経の類は存在しないという話ですが、横で聞いていたキース君が。
「待てよ、その辺は実は何とかなるんじゃないか?」
「無い袖は振れないって言うんだけどねえ?」
「しかしだ、璃慕恩院でも今では護摩焚きで御祈祷なんだぞ? 俺たちの宗派は本来、護摩焚きはしなかったよな?」
それが護摩焚きで合格祈願に必勝祈願、とキース君。えーっと、それってアヤシイ話への対策とやらにも有効ですか?



「なるほど、璃慕恩院の護摩焚きと来たか…」
そういうイベントがあったっけ、と会長さんが顎に手を当てています。璃慕恩院の護摩焚きというのは何でしょう? 護摩焚きと言ったら火を燃やして祈祷する方法のことでしょうけど…。
「ああ、それはね…。ぼくやキースが属する宗派は護摩焚きとは縁が薄いんだ。元々そっちをやってた宗派のお寺だったのが宗派を変えた、って所くらいにしか無かったんだけど…」
今ではそうでもなくなってきて…、と会長さん。
「ぼくたちの宗派は何をするにも南無阿弥陀仏。合格祈願も縁結びでも、何でもかんでも南無阿弥陀仏でやるというのが鉄則だけれど…。檀家さんにはイマイチ通用しなくてねえ…」
もっと有難味のある御祈祷をして貰えないか、という要望が高まったとかで。
「ぼくたちも一応、護摩焚きで唱えるお経は読める。それで璃慕恩院が始めたんだな、護摩焚きをね。御本尊様の前でやるのはあんまりだから、と境内の神社で」
「「「神社!?」」」
「お寺の境内に神社があるのは珍しくないよ? 璃慕恩院の中にも昔から伝わる御縁の深い神社があってさ…。其処でやるならいいだろう、と護摩焚きの御祈祷、受付開始」
そしたらこれが大評判で、と会長さんは教えてくれました。大々的に宣伝をしたというわけでもないのに、口コミで次々に依頼が舞い込み、今では定番。南無阿弥陀仏よりも効きそうだ、と色々なお願い事が日々、持ち込まれているらしくって。
「キースの言う通り、これは使えるかもしれない。お願い事なら何でもオッケー、それが璃慕恩院の護摩焚きの人気の理由だしね?」
「それでソルジャー除けになるわけ?」
護摩焚きに其処までのパワーがあるの、とジョミー君が尋ねると。
「どうだろう? これだ、という呪文やお経は無い。だけどそういうことを言ったら、合格祈願のお経なんかも無いわけで…。それを叶えるのが護摩焚きとなれば、ブルー除けだって!」
やってやれないことはない! と会長さんはグッと拳を握りました。
「ぼくの法力というヤツが勝つか、煩悩まみれのブルーが勝つか。この際、勝負をしてみるのもいい。ぼくが勝ったら、思い切り平和な夏休みだから!」
上手く行ったら夏休みどころか永遠に平和な日々をゲットだ、と会長さんの背中に護摩の炎が見えそうな感じ。やるんですか、本気でソルジャー除けを?
「思い付いたら実行あるのみ! ジョミーにしては最高のアイデアだったよ、ブルー除け!」
やってみせる、と言い出しましたが、護摩焚きの祈祷でソルジャー除け。それで平和な夏休みとかがゲット出来たらいいですけどねえ…?



護摩焚きの祈祷は夏休みの初日と決まりました。会長さんは着々と準備を進めて、ついにその日が。私たちが朝から会長さんのマンションにお邪魔してみると…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
護摩焚きの会場はリビングなの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「「「リビング!?」」」
それって家の中ではないですか! 火災報知器が鳴っちゃいませんか、いえ、それよりも前にホントに天井、焦げちゃいませんか?
「平気、平気! ちゃんとシールドするんだも~ん!」
こっち、こっち! とピョンピョン跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。リビングに着くと絨毯や家具が撤去され、フローリングの床のド真ん中にドドーン! と護摩焚き用の壇が出来ていて。
「やあ、来たね。これからブルー除けの御祈祷をね…」
全身全霊でやらせて貰う、と会長さんが緋色の法衣で立っていました。立派な袈裟まで着けています。護摩壇の側には仏具もきちんと揃っていて。
「あんた、本格的にやる気だな?」
キース君が仏具などを視線でチェック。
「これはアレだろう、俺たちの宗派の方ではなくてだ、恵須出井寺の方の…」
「ぼくはそっちの方の修行も一応きちんとやってるからね? 護摩焚きの腕もプロ級ってね」
部屋の中で護摩焚きも向こうじゃ普通、と会長さん。
「部屋じゃなくってお堂だけどさ…。中でガンガン護摩を焚くのが恵須出井寺流!」
だからリビングでやればいいのだ、と会長さんは自信たっぷりです。
「この暑い中で、屋上はねえ…。夏はクーラーが欠かせないんだよ、護摩焚きにはね」
「本当か?」
「嘘に決まっているだろう! 汗ダラダラで護摩を焚くから御利益もね」
とはいえ汗をかかないスキルがあるなら無問題、と涼しい顔の会長さん。護摩焚き専用のお堂じゃなくても天井を焦がさず、クーラーを効かせて祈祷が出来るのも能力の内、という話。
「君たちだって暑い屋上より、断然、リビングがいいだろう?」
「それはまあ…」
否定はせんが、とキース君。私たちもコクコク首を縦に。ウッカリ御機嫌を損ねてしまって屋上行きにされてしまったら暑いですしね、真夏の護摩焚き…。



間もなく「そるじゃぁ・ぶるぅ」が奥から運んで来た香炉。会長さんがそれを手にしてリビング中を清めて回って、私たちも真面目にお焼香を。いよいよ護摩焚きの始まりです。護摩壇の前に座った会長さんが朗々とお経や呪文を唱えて点火で。
「「「うわー…」」」
スゴイ、としか言いようのない屋内護摩焚き。炎はぐんぐん大きく燃え上がり、護摩木が投げ込まれる度に飛び散る火の粉。もちろん煙も。けれども天井を舐める炎は焦げ跡を作らず、火災報知器も鳴りません。
「これって御利益、ありそうかも…」
ジョミー君が呟くと、キース君が。
「当たり前だろう、銀青様の護摩焚きだぞ? これで効かない筈が無い」
「でもよ、ブルー除けとか唱えていねえぜ?」
それで効くのかよ、とサム君が訊けば。
「いや、ハッキリそうとは言っていないが、災難を除ける御祈祷を応用しているようだ。降りかかる災難を除けて下さい、という感じだな。それと願い事は護摩木に書くのが王道だ」
あれに細かく書いたのだろう、と言われて見てみれば投げ入れられる護摩木には墨で何やら書かれています。なるほど、あれがソルジャー除けの…。
「効くといいわね、ソルジャー除け」
スウェナちゃんが護摩の炎に手を合わせ、私たちも合掌して深く頭を下げました。炎の熱さすら感じませんけど、護摩焚きの御祈祷、実行中。これでソルジャーのアヤシイ話を封じられたら、この夏休みは極楽ですよ~!



会長さん渾身の護摩焚き祈祷は無事に終わって、後は祭壇などのお片付け。どうするのかな、と眺めていたら、会長さんが灰を袋に詰め込んでいます。大袋に詰め、次は小袋。お守り袋くらいのサイズに縫われた小さな布の袋ですけど…。
「ああ、これかい? 護摩の灰は効き目があるからねえ…」
これが文字通りのブルー除け、と小さな袋がドッサリと。大袋に詰めた灰を使えばまだまだ沢山作れそうです。お守りみたいなものだろうか、と見ている間に祭壇はすっかり片付いてしまい、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が絨毯や家具を瞬間移動で運び込んで…。
「お疲れ様ぁ~! お昼御飯にする?」
「そうだね、急いで着替えて来るよ」
会長さんが奥の寝室へ引っ込み、戻って来た時には普通の半袖、ズボンといった見慣れた私服。私たちは揃ってダイニングに移動し、会長さんの慰労会も兼ねてスパイスたっぷりエスニック料理の昼食です。鯛のココナッツ煮込みにカニの香草炒め、ピリッと甘辛いチキンの串焼きエトセトラ。
「かみお~ん♪ 夏はやっぱりスパイシー!」
スパイスで暑さをふっ飛ばさなくちゃ! とトムヤムクンも作ってあります。どれも美味しい、と喜んでいたら…。
「こんにちは」
「「「!!?」」」
振り返った先でフワリと翻る紫のマント。さっき御祈祷をしていた相手が立っているではありませんか! ソルジャーは空いていた椅子にちゃっかり座って。
「ぶるぅ、昼御飯、ぼくのもあるよね?」
「うんっ! どれも沢山作ってあるから!」
「嬉しいな。夏はこういうのも美味しいよね」
夏バテ防止にしっかり食べる! などと言ってるソルジャーですけど、ソルジャーが暮らすシャングリラの中、空調の方は完璧なのでは? 夏バテなんか聞いてませんよ?
「それはもちろん! 一応、四季は作ってあるけど、公園限定!」
他の区域は関係ないのだ、とソルジャーは胸を張りました。
「二十四時間、いつでも快適! だけど公園でそれをやるとね、ぼくの大好きな桜が咲かなくなっちゃうからねえ…。公園だけは夏があるんだ。でもブリッジには影響なし!」
公園と隣り合わせだけれども影響は皆無、という話。私たちの世界のシャングリラ号は四季にこだわってはいない筈ですが、多分、似たような構造でしょうねえ…。



ソルジャーの世界のシャングリラの構造をパクッたらしい、私たちの世界のシャングリラ号。今の時代に作れる筈がないワープドライブ付きの宇宙船、会長さんがソルジャーから設計図を貰ったのだという話です。無意識の内に。そういう意味では大恩人のソルジャーですけど…。
「美味しかったー! 御馳走様!」
これで今夜もパワフルに…、と笑顔のソルジャー。
「夏は気分が開放的になるって言うしさ、これからが素敵なシーズンだよね!」
「その先、禁止!」
会長さんが止めに入りましたが、ソルジャーは。
「何を言うのさ、夏こそセックス! 裸で寝たって風邪を引かない素晴らしい季節!」
ぼくたちの結婚記念日も夏! と嬉しそうに。
「今年の海の別荘行きだって楽しみなんだよ、只今、休暇の根回し中! ハーレイとぼくと、ぶるぅと纏めて留守にするから、きちんと準備をしておかないと!」
「はいはい、分かった」
根回しのためにもサッサと帰る! と会長さんがダイニングの扉を指差しましたけれど。
「あっ、食後の飲み物はリビングだっけね! 今日は何かな、ラッシーかな?」
「スムージーだよ、トロピカルフルーツたっぷりなの!」
「いいねえ、来た甲斐があったよ、今日も!」
ぼくの分のスムージーもよろしく、と先頭に立ってリビングに移ってしまったソルジャー。ソファに陣取り、スムージーが届くと話の続きをベラベラと。
「今日はしっかりお昼を食べたし、ハーレイにも文句を言わせない、ってね! ぼくが真っ当な食事をしないから、って顔を顰めてセックス控えめ、これは良くない!」
壊れるほどにヤってなんぼだ、とアヤシイ方向へ突っ走る中身。会長さんの御祈祷、効いていないじゃないですか!
「退場!!!」
会長さんがレッドカードを突き付け、ソルジャーは。
「ダメダメ、夏は猥談の季節!」
「それを言うなら怪談だってば!」
「どっちも似たようなものなんだってば、盛り上がれば良し!」
猥談で大いに盛り上がろう! とソルジャーが拳を突き上げた瞬間、会長さんの右手がサッと閃き、何かが宙を。ソルジャー目掛けて飛んで行ったそれがバッと弾けて…。



「クシャン!」
ソルジャーの口から飛び出したクシャミ。それは立て続けに続き、ソルジャーの周りに煙のような灰がもうもうと。もしや、今のは…。
「何するのさ!」
ゲホゲホと派手に咳き込みながらソルジャーが叫ぶと、会長さんは。
「帰れと言ったのに帰らない上、レッドカードにも従わない。…だからこの際、最終兵器」
「最終兵器?」
どの辺が、とまだゴホゴホと噎せているソルジャー。
「人体実験の経験者のぼくを舐めないで欲しいね、この程度でぼくが逃げるとでも? …ゴホッ、これが胡椒爆弾だったとしてもさ、ぼくは全然平気だけどねえ? …って、ハークションッ!」
ぼくのマントが灰だらけに…、とバサバサバサ。戦闘に特化して作られたというソルジャーの衣装、灰まみれになっても叩けば綺麗になるようです。しかし…。
「その灰、ただの灰だと思ってる?」
会長さんがスムージーを飲みながら言って、ソルジャーが。
「えっ? 灰だろ、最終兵器とかって名前だけはやたら立派だけれどさ」
「それが最終兵器なんだな、今の、まともに被っただろう?」
「被ったけど? だからクシャミに咳なんだよ! …ックション!」
油断した、とゲホゲホやっているソルジャー。会長さんは悠然と笑みを浮かべると。
「その様子だと君は知らないわけだね、ぼくがやってた御祈祷も意味も」
「御祈祷?」
「そう、御祈祷。朝からこの部屋で華々しくやっていたんだけどねえ、火を燃やしてさ」
「知らないよ!」
今日は朝から会議だったのだ、とソルジャーは唇を尖らせました。朝一番から会議室に行って、こっちへやって来る少し前まで会議三昧、覗き見どころではなかったとか。
「ついでに、ここ暫くは何かと忙しくってさ…。ろくに覗き見する暇が無くて、おやつも食事もどれほど逃してしまったことか…!」
「なるほど、ホントに何も知らない、と。…君除けの祈祷をしていたことも」
「えっ?」
「君のいわゆる猥談攻撃。それを除けるための祈祷をやっていたのさ、朝からね」
それの成果が最終兵器、と会長さん。やっぱりさっきの灰の正体、護摩木を燃やした灰でしたか!



「…ぼくの猥談除けだって? 今の灰が?」
どういう意味で、とソルジャーは赤い瞳を丸くしてから。
「猥談、普通に出来そうだけどね? 続きをやるなら、盛り上がろうって所から! この夏もハーレイと大いにヤリまくるつもりでいるんだ、もちろん薬もしっかりと買って!」
スッポンにオットセイ、その他もろもろ…、とソルジャーは指を折りました。
「夜のお菓子のウナギパイだって欠かせないしね、それで今夜もパワフルに!」
「「「………」」」
全然効いていないじゃないか、と会長さんを睨む私たち。ソルジャーの猥談を除けるどころか、逆に呼び込んでいませんか?
けれど…。
「うん、充分に喋りまくったってね」
これでオッケー! と会長さんの唇に勝ち誇った笑みが。
「…え?」
何が、と怪訝そうなソルジャーに向かって、会長さんはニッコリと。
「君の猥談! ぼくが投げ付けた最終兵器が発動するための条件は揃った!」
「条件だって?」
「そう! 何かと猥談をやりたがる君を黙らせるには、方法は一つ! 君が猥談をやらかした場合、君のお相手はもれなく出来なくなるっていうわけ!」
お疲れ気味だかEDだか…、と会長さんの指がビシィッ! とソルジャーに。
「ぼくはそういう祈祷をしたんだ、君がヤリたくてもどうにもならない方向で! 君のハーレイ、少なくとも今夜は使い物にはならないからね!」
「ちょ、ちょっと…! 君に其処までの力は無いだろう!」
空間を超えて能力を振るうことなど不可能な筈だ、とソルジャーは反論したのですが。
「だからこそ君に御祈祷で出来た灰をぶつけた。君自身がぼくの力の媒介になるのさ、君のハーレイを封じるための祈祷のパワーを君が運んで帰るわけ!」
その身体でね、と会長さん。
「もっとも、ぼくのサイオンの力が君に負けるのは本当だし? 祈祷の力も君には及ばないかもしれない。ただ、サイオンと法力とはねえ、性質が全く違うしね?」
効く可能性も大いにある、と会長さんはクスクスと。
「今夜、帰ったらヤッてみたまえ。君のハーレイが役に立たなかったら、ぼくの勝ちだよ」
「…そういう意味か…」
それで最終兵器なのか、とソルジャーは灰が残っていないかパタパタと服や頭を払ってから。
「どうせ無理だろ、勝てやしないよ」
たかが法力、知れたものだ、と余裕で構えていたのですけど…。



ソルジャーは夜までドッカリ居座り、夕食も食べて帰りました。明日からは柔道部三人組は合宿、ジョミー君とサム君は恒例の璃慕恩院での修行体験ツアーです。栄養をつけて挑んで貰わなければ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が分厚いステーキを焼き、シーフードたっぷりのピラフなども。
誰もが満腹、大満足での散会となって、翌日からは男子もいなければ、ソルジャーも抜きで。
「平和よねえ…」
ソルジャーの方はどうなったかしら、とスウェナちゃんがのんびりと。私たちは会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」、フィシスさんの三人と一緒にホテルのプールサイドで休憩中。ひと泳ぎしてから飲み物や軽食、パラソルの下で優雅な時間。
「ブルーかい? どうしてるのかは謎だね、うん」
ぼくには覗く力があんまり無くて…、と会長さんがサンドイッチをつまみながら。
「でもねえ、朝っぱらから殴り込みにも来なかったしね? 勝ったと威張りにもやって来ないし、もしかすると祈祷が効いたのかもねえ…」
「かみお~ん♪ ブルーの御祈祷、よく効くもんね!」
「それは私も保証しますわ。それにしても考えましたわねえ…」
その方法なら向こうの世界に法力を届けられますわね、とフィシスさん。うわー、やっぱり、あの御祈祷って思いっ切り効果アリですか!
「分からないけど、効いていたなら当分は平和が続くと思うよ」
護摩の灰はまだまだ沢山あるから、と会長さん。小袋入りのが五十発近く、大袋の灰を小分けにしていけば何百発という数になるらしく。
「小袋はぶるぅが作ったんだよ、ぼくが御祈祷した布を使ってね。縫い上がった袋にまた御祈祷して、パワーアップの梵字もキッチリ書いてあるから効果はバッチリ!」
効くと分かったらどんどん作る、と会長さんが言えば、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
「ぼく、頑張って縫うよ、あの袋! みんなのためになるんだったら、何百個でも!」
「あらあら、頼もしい助っ人ですわね」
頑張ってね、とフィシスさんが「そるじゃぁ・ぶるぅ」の頬っぺたにキスを。褒めて貰った「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「わぁーい!」と躍り上がっています。
「袋、沢山作らなくっちゃ! 最終兵器ーっ!」
「そうだね、平和を目指さなくっちゃね」
頑張ろう! と会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」がガッチリ握手。最終兵器で平和を目指すとは間違っているような気もしますけれど、これも一種の抑止力かも…?



男の子たちが合宿と璃慕恩院から戻って来たのは一週間後のことでした。それまでの間、ソルジャーは姿を見せませんでしたが、毎度のパターンなだけにどうなったのかは分かりません。とにかく男子が戻ったからには慰労会だ、と真っ昼間から焼き肉パーティーを始めた所へ。
「楽しそうだねえ…」
恨みがましい声が聞こえて、紫のマントのソルジャーが。例によって空いていた席へと陣取ったものの、その顔色は冴えないもので。
「焼き肉ねえ…。マザー農場の肉なのかな?」
「そうだよ! 幻のお肉も貰って来たから、食べてってねー!」
どんどん食べて、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「お肉も野菜もたっぷりあるから! 締めはガーリックライスでスタミナたっぷり!」
「スタミナかあ…。これからの季節、それも大切…。おっと、いけない」
ソルジャーの手が自分の口を押さえました。もしや猥談、飲み込んだとか?
「…この状況だと飲み込む以外に無いだろう!」
此処には例の最終兵器が…、とソルジャーは肩をブルッと震わせ。
「あれをウッカリ投げ付けられたら、とんでもないことになるからねえ…。ぼくのハーレイ、あの夜から…。おっと、危ない」
とにかく困った状況なのだ、と嘆きつつも焼き肉はパクパクと。
「君たちは慰労会かもしれないけれども、ぼくは焼き肉でパワーをつけて、と…。それから頑張って挑まないとね」
「喋ってるけど?」
猥談を、と会長さんの手に灰が詰まった小袋が。
「次の一言でお見舞いするから、気を付けるように!」
「ううん、今のは猥談じゃなくて! ぼくが頑張るのは修行なんだよ!」
「「「修行!?」」」
「そう、修行」
ちょっと璃慕恩院と恵須出井寺に、とソルジャーの口から斜め上な台詞が飛び出しました。それって修行の本場なのでは、何故にソルジャーがそんな所に…?



「…実はノルディに勧められてね…」
ブルーに勝つにはこれしか無いのだ、とソルジャーは焼き肉を頬張って。
「ぼくのハーレイに妙なパワーをお見舞いしないで済む方法はさ、ぼくが影響されないことしか無いらしい。そのためには法力とやらを身に付けるしかないとノルディがね…」
「ぼくに勝とうだなんて百年どころか二百年以上、早いけど?」
「其処を全力で修行すればさ、期間短縮も可能なのかもしれないし…」
これでも場数だけは踏んでいるから、と真顔のソルジャー。
「死ぬか生きるかの地獄を何度も見て来ているんだ、同じ修行でもブルーよりかは多くの力を得られるでしょう、とノルディも言ってくれたから…。それを信じて頑張るしかない!」
まずは璃慕恩院からなのだ、とソルジャーは焼き上がったばかりのお肉をパクリ。
「ノルディの紹介で、明日から二泊三日の修行体験ツアーなんだよ。そっちじゃ精進料理と聞くから、今の間に肉をたっぷり食べないと!」
「君が璃慕恩院だって!?」
会長さんの声が引っくり返りましたが、ソルジャーの方は。
「ぼくの正体ならバレないよ。ノルディの知り合いの息子ってことで押し込んで貰うし、情報操作はきちんとやるし…。ただ、全力での修行はちょっと…」
日程的に無理っぽくて、と溜息が。
「海の別荘行きで休暇を取るから、それ以上の休暇は取りにくい。ちょっと抜け出しては修行をして…、って形になるかな、それで法力を身に付けられればいいんだけどねえ…」
恵須出井寺の方にしてもそう、とソルジャーは肩を落としています。
「厳しいと評判の一般向けの修行道場、ノルディに申し込んでは貰ったけれど…。そっちも何処まで出来るかは謎で、ブルーに勝つまでの道は長そう…」
いつになったら勝てるのやら、と言いつつも修行はするつもりらしく。
「ノルディが言うには、あの手の御祈祷? それのパワーを跳ね返せるようになったら、相手の方に大ダメージが行くんだってね? 倍返しだとか」
「え? あ、ああ…。まあ…」
そう言うね、と会長さん。まさかホントに倍になるとか…?
「うん。跳ね返された力は倍になって返って来るから、それを受け流すだけの力が無ければ下手な祈祷はするな、ってコト」
「そうか、やっぱり倍返しなんだ…」
その日を目指して頑張らねば、と決意のソルジャー。会長さんの最終兵器に対抗するため、修行をしますか、そうですか…。



猥談をしたら護摩の灰をぶつけられ、キャプテンが使い物にならなくなるらしい立場に追い込まれたソルジャー。会長さんの御祈祷は効いたとみえて、あれ以来、ソルジャーは大人しいもの。例年だったら猥談の夏となりそうな所が全く静かで…。
「実に平和な夏休みだな。俺の家はイノシシとの戦いだがな」
イノシシ除けにもいい方法は無いものか…、とキース君。お盆を控えて卒塔婆書きのバトルも続いているようです。
「ソルジャー除けって言い出した時は怒ったくせに」
そのイノシシで、とジョミー君がブツブツ言ってますけど、今やジョミー君はソルジャー除けの功労者。御祈祷したのは会長さんでも、ジョミー君が思い付かなければソルジャー除けなんかは今も何処にも無かったわけで…。
「かみお~ん♪ 灰を詰めた袋、うんと沢山あるものね!」
「とりあえず、ブルーは効くと信じているようだしね」
「「「は?」」」
あれって効くんじゃないんですか? だからこそソルジャー、倍返しを目指して修行に励んでいるのでは…。修行と言っても一般人向け、会長さんと同レベルにまで到達するには二百年くらいはかかりそうですが…。
「あれねえ…。本当に効いているんだったら、それなりの手応えが来る筈なんだ。いくら別の世界で発動している力でもね。それが全く、何にも無いから」
「お、おい…。それじゃ、あれはハッタリだったのか?」
キース君の問いに、会長さんは。
「効いたらいいな、とは思っていたからハッタリじゃない。だけど効いたというわけでもない。多分、偶然というヤツなんだよ、たまたまあの日は向こうのハーレイが疲れていたとか」
「「「ええっ!?」」」
だったらキャプテン、会長さんの御祈祷で使い物にならなくなったんじゃなくて…。
「そう、偶然。だけどブルーは信じているから、せっせと修行に」
「そ、それってバレたらヤバいんじゃねえか?」
「ヤバくないだろ、勝手に一人で勘違いをしているわけだしさ」
そして最終兵器はこれからも有効に使わせて貰う、と会長さんは言ったのですけど…。



キース君とジョミー君、サム君が棚経に走り回ったお盆も終わって、マツカ君の海の別荘行きが目の前だ、という日の夕方のこと。会長さんの家に集まってエスニックカレーの食べ放題を始めようとしていた私たちの前に、私服のソルジャーが降ってわいて。
「ぼくにもカレー! 修行が限界…」
もう死にそう、とヘロヘロのソルジャー、今日も恵須出井寺で写経に励んで来たのだとか。
「正座を崩したら叱られてしまうし、筆ってヤツも使い慣れないし…。こんな日々がいつまで続くのさ!」
「嫌なら途中で投げればいいだろ、坊主を目指しているわけじゃなし」
素人さんが途中で逃げるなんてことは珍しくない、と会長さん。
「坊主を目指して修行中の人でも場合によっては逃げるんだ。キツすぎる、とね」
「ぼくは修行もキツイけれども、発散出来ないのが何より辛いよ…」
「発散?」
「そう! こう、思いっ切り! エロい話を山ほどしたくて、例えば昨日のプレイだとか! ハーレイが凄くてもうノリノリで…!」
堰を切ったように話し始めたソルジャー。猥談地獄に陥る前に、と会長さんが最終兵器を取り出してぶつけ、ソルジャーは顔面蒼白で。
「や、やっちゃった…」
これで今夜もお預けなのか、とカレーも食べずに意気消沈で姿を消して。
「か、会長…。あの灰、今度も効くんでしょうね?」
「さ、さあ…? 効かなかったら…?」
どうなるんだろう、と会長さんが青ざめた次の日、ソルジャーは見違えるように自信に溢れて登場しました。会長さんの家で午前のティータイム中だった私たちの所へウキウキと。
「いやあ、修行って、してみるものだねえ…!」
まさかこんなに短期間で君に勝てるとは、とソルジャーは歓喜の面持ちで。
「昨夜のハーレイ、凄くってさ! ぼくがブルーに勝てたからだ、って言ったら「では、お祝いに頑張りませんと」って、もう、あれこれと…!」
「退場!」
「嫌だね、勝ったからには倍返しなんだよ、どんどん喋っていいんだってば。今日まで自粛してきた分までガンガンと!」
さあ聞いてくれ、と乗り出すソルジャー。ば、倍返しって会長さんだけじゃなくって私たちまで巻き添えですか? 待って下さい、心の準備が…。倍返しで聞く猥談なんかは勘弁です~!




            封じたい喋り・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 珍しく生徒会長が勝利を収めたように見えた、今回のお話。法力が凄そうでしたけど…。
 単なる偶然の産物だったわけで、最終的には倍返しに。ソルジャーに勝つのは無理そうです。
 次回は 「第3月曜」 8月19日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、7月は、楽しい夏休みな季節。けれど、夏休みと言えば…。
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