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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

異世界の美酒

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




毎夏恒例、マツカ君の海の別荘行き。今年もみんなでやって来ました、お天気も良くて最高です。お盆を乗り切ったキース君はのびのびと羽を伸ばしていますし、棚経のお供をこなしたサム君とジョミー君もホッと一息、海を満喫しているのですが。
「…あのバカップルはどうにかならない?」
もう嫌だ、とジョミー君が指差す先にバカップル。ビーチへ出て来てもイチャイチャベタベタ、そうでなければ部屋にお籠りというソルジャー夫妻が。
「どうにか出来たら困りませんよ」
あんなモノ、とシロエ君が毒づき、キース君も。
「もういい加減、諦めろ。あいつが日程を仕切り始めた時から全ては終わっているんだ」
「だよなあ、結婚記念日にぶつけて来やがるんだよなあ…」
毎年、毎年…、とサム君の口から嘆き節。
「此処で結婚したんだから、って譲らねえしよ、結婚記念日が絡んでいちゃなあ…」
「どう転んだってバカップルですよ…」
諦めましょう、とシロエ君。
「それより泳いできませんか? あんなのはビーチに放っておいて」
「いいな、教頭先生のご指導で遠泳といくか」
キース君が「お願い出来ますか?」と教頭先生に訊けば、「もちろんだ」という返事が返ったものの、その目はバカップルの方に向いていて。
「…実に羨ましい雰囲気なんだが…。ブルー、お前も一緒に来ないか?」
泳ぎに行こう、と会長さんにお誘いが。けれど…。
「なんで行かなきゃいけないのさ!」
ぼくはビーチでお留守番、と会長さんは一蹴しました。
「ビーチでのんびりがぼくの基本で、体力馬鹿な遠泳なんかはしない主義だよ。ねえ、ぶるぅ?」
「かみお~ん♪ ちょっと泳いでバーベキューとかが楽しいもんね!」
アワビにサザエ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。海の別荘はプライベートビーチでバーベキューをするのもお楽しみの内で、男の子たちが獲った獲物やトウモロコシなんかを「そるじゃぁ・ぶるぅ」が焼いてくれます。悪戯小僧で大食漢な「ぶるぅ」もこれさえあれば御機嫌麗しく。
「ぼくも断然、バーベキュー!」
泳がないも~ん、と「ぶるぅ」までが。かくして教頭先生は男の子たちだけを引き連れ、遠泳に出掛けてゆかれました。目の毒なバカップルは無視するのが吉、バーベキューに混ざって「あ~ん♪」とやられても無視するのが吉…。



そういう海の別荘ライフ。今日はソルジャー夫妻の結婚記念日、夕食は別荘のシェフが腕を奮った豪華フルコースに舌鼓。お相伴すること自体はゴージャスなメニューだけに文句など無く、デザートが済んだら部屋に引っ込むソルジャー夫妻をお見送りするのが常なのですが。
「えーっと…。君たちは今夜も大広間かな?」
ソルジャーに訊かれ、キース君が。
「まあ、そうだが…。それがどうかしたか?」
「うん、せっかくの結婚記念日だしねえ…。毎年こもってばかりもアレかな、と賑やかにパーティーでもしようかと」
「「「パーティー?」」」
「そう! ぼくはパーティーが大好きなんだよ」
なのにシャングリラでは滅多にチャンスが無くて…、とぼやくソルジャー。
「お祝い事が少ない上に、食料だってそうそう揃えられないし…。たまには結婚記念日パーティーなんかもいいんじゃないかと思ったわけで」
「パーティーだったら、今、済んだけど?」
会長さんがテーブルに置かれたメニューを指でチョンチョンと。「結婚記念日祝賀会」という文字が刷られています。お料理の名前も「結婚記念日の海の幸」とか、それっぽい名前が並んでいますし、どう考えてもパーティーっぽく…。
「違うね、これは晩餐会!」
パーティーではない、とソルジャーは否定。テーブルに着いて食事するだけのものはパーティーなどではなくって、晩餐会だという解釈で。
「それじゃイマイチ、賑やかさってヤツに欠けるんだよねえ…」
「今、賑やかに食べたじゃないか」
「だから晩餐会だってば!」
ぼくの理想のパーティーじゃない、と言うソルジャー。曰く、パーティーとは決まった席から動かないという代物ではなく、自由に歩き回ってこそなのだそうで。
「ああ、なるほど…。立食形式が良かったんだ?」
「そうでもないけど…。こういう豪華な地球の食事も好きなんだけど!」
たまにはパーティー! とソルジャーは拳を突き上げて。
「実はね、昼の間にちょっとお願いしておいたんだよ、夜にパーティーしたいから、って!」
「「「ええっ!?」」」
いつの間に決まっていたんでしょうか。別荘の主のマツカ君まで驚いてますよ…。



パーティー大好きらしいソルジャー、準備の方は抜かりなく。私たちが毎晩集まっては騒ぐ大広間の方に軽食などが用意されることになっているとか。是非来てくれ、と何故か招待されてしまって、お風呂にも入ってゆっくりした後、いつもの広間へと出掛けてゆけば。
「かみお~ん♪ いらっしゃーい!」
パーティーの用意が出来てるの! と悪戯小僧の「ぶるぅ」がニコニコお出迎え。
「えっとね、お料理もお菓子も一杯! ご自由にやって下さい、って!」
上手く言えたかなあ? と訊かれてコクコク、けっこうサマになってます。まるで「そるじゃぁ・ぶるぅ」みたいで、悪戯小僧とは思えない感じ。
「やったあー! ゆっくりしていってねー!」
今夜はパーティー! と飛び跳ねている「ぶるぅ」の向こうには浴衣姿のソルジャー夫妻が。別荘に備え付けの浴衣で、サイズはきちんと合っています。
「やあ、いらっしゃい。パーティー、楽しんで行ってよね」
「私たちの結婚記念日ですから、どうぞごゆっくり」
ソルジャーとキャプテンに言われましたが、マツカ君の別荘が舞台なだけに、費用の方はマツカ君の負担になるのだろうな、と思っていたら。
「違うよ、今夜のパーティーは別! ぼくが払うわけ!」
ノルディに貰ったお小遣いもかなり貯まったから、と実に気前がいいソルジャー。
「だからどんどん食べて騒いで、遠慮なくパーティーしてくれれば…」
「そうなのかい? じゃあ、お言葉に甘えて御馳走になるよ」
会長さんが先頭に立って、みんな揃って大広間へと。パーティーとあって、浴衣姿の教頭先生も御一緒です。大広間は畳敷きなのですけど、料理や飲み物が揃ったテーブルが壁際にズラリ。
「どれでも自由に取って食べてよ、料理もお菓子も沢山あるから」
減って来たら補充もして貰えるし、とソルジャーが早速、乾杯の音頭を取ろうとしています。私たちは好みのジュースをグラスに注いで、会長さんと教頭先生、「そるじゃぁ・ぶるぅ」はシャンパンのグラス。ソルジャー夫妻もシャンパンで…。
「「「かんぱーい!」」」
結婚記念日を祝して! と始まった本日二度目のパーティー、いえ、ソルジャーに言わせればパーティーはこれが一回目。夕食はただの晩餐会だということですし…。
「そうだよ、パーティーはこうでなくっちゃ!」
賑やかにいこう! と主催者のソルジャーが言うんですから、大いに飲み食いすべきでしょう。料理もお菓子もホントに沢山、これは徹夜で騒げるかもー!



こうして始まったパーティーという名のドンチャン騒ぎ。未成年の私たちがいるだけに飲めや歌えの大宴会とはいきませんけど、ソルジャー夫妻や会長さん、教頭先生なんかはお酒の方も。マツカ君が言うには、別荘の自慢のいいワインとかもバンバン出ているみたいです。
「まさに大盤振る舞いだな…」
俺たちには恩恵が無いようだが、とキース君が残念そうに。大学まで行ったキース君ですけど、お酒の付き合いは最低限に留めたとかで量は殆ど飲めません。ゆえに凄いワインのボトルが開いたと聞いても味見でおしまい、美味しくてもクイッといけないわけで。
「だけど、キースはまだいいよ! 味見で利き酒やってるから!」
他の面子は全然だよ! とジョミー君。
「ぶるぅは普段からチューハイとかも飲んでいるしさ、そこそこ飲んでるみたいだけれど…」
「ぼくたちは飲んだら終わりですしね…」
酔っ払うか寝るかの二択ですよ、とシロエ君も。
「そうなったら料理もお菓子も楽しめませんし、お酒の方は諦めましょう」
「分かっちゃいるけど、なんか見てると羨ましいよなあ…」
美味そうだぜ、とサム君が。お酒を飲める面子は次々に杯を重ね、それは賑やかにやっているだけに羨ましい気もしてきます。食べたり飲んだり楽しそうだな、と思っていると…。
「そ、それはちょっと!」
会長さんの声が上がりました。それに続いてソルジャーが。
「ぼくのお酒が飲めないとでも?」
「そ、そうは言わないけど、もっと別ので! そのお酒はちょっと…」
遠慮したい、と逃げ腰になっている会長さん。どんなボトルが開いたんだか、と一斉に注目したんですけど、ブランデーだかウイスキーだか、そういう感じのお酒ですねえ…。
「これは高級品なんだよ」
ぼくでも滅多に飲めないお酒、とソルジャーがボトルを示せば、キャプテンも。
「ええ、そうです。シャングリラでは酒は合成なのですが…。これは合成の酒の中でも一番手間暇がかかるものでしてね、大量生産は出来ないのですよ」
ですからパーティーの時くらいしか…、と説明が。
「ブルーが是非ともパーティー用に、と言うものですから、データを誤魔化して参りました」
「そうなんだよ! ハーレイがキャプテン権限でやってくれてね!」
だからこんなに持ち出せちゃって、とボトルが沢山ドッカンと。ソルジャーの世界のお酒だというのは分かりましたが、会長さんは何故に逃げ腰…?



お酒には強い会長さん。酔っ払った姿はまだ見たことがありません。ソルジャーの世界のお酒くらいは平気だろうと思うんですけど…。
「甘いよ、君たちの考え方は! キースならきっと分かると思う!」
分かってくれ、という会長さんの悲鳴にも似た声に、キース君が。
「…チャンポンか?」
「そう、それだってば!」
「「「チャンポン?」」」
それはラーメンに似た麺の一種では…、と顔を見合わせる私たち。麺の類は伸びちゃいますから、パーティー料理には向きません。出すんだったら屋台が必要、取りに来た人に調理して渡す形式でないと不味くなるだけに、今夜のパーティーには麺などは無くて。
「…チャンポンって何処にありましたっけ?」
シロエ君が見回し、サム君も。
「気が付かねえけど…。注文したら厨房から来るとか、そういうのかよ?」
「そうじゃなくって! 頼むよ、キース!」
説明よろしく、と会長さんが叫んで、キース君が。
「俺が言うのは麺のチャンポンではなくてだな…。いわゆる酒の用語なんだが、何種類もの酒を一度に飲むことをチャンポンと言う。こいつが実に厄介で…」
組み合わせがマズイと悪酔いするのだ、とキース君は教えてくれました。会長さんたちはワインもウイスキーも飲んでいますが、其処に出て来たソルジャーの世界の合成酒。どんな代物だか分からないだけに、飲まないのが賢明な選択らしく。
「迂闊に飲んだら真面目に終わりだ、そういう理由で逃げてるわけだな」
「「「あー…」」」
悪酔いコースは避けたいだろう、と全く飲めない私たちでも理解出来ます。二日酔いはキツイと聞いてますから、妙なお酒は飲まないのが吉。
「妙なお酒と言うのかい、これを!?」
ホントに高級品なのに、とソルジャーはボトルを一つ掴んで。
「ここのラベルをちゃんと見てよね、最高級の印がきちんと!」
「そうなのです。このお酒にしか付かないマークで、ラベル自体が限られた数しか作られないという逸品ですよ」
もう本当に高級品です、とキャプテンも保証していますけれど。なんと言っても相手は異世界のお酒、なおかつ合成品ですよ…?



「そのお酒…! そもそも原料は何なのさ!」
書いてないし! と会長さんが限定ラベルを指差して怒鳴ると、キャプテンが。
「書かないようにしているのですよ、合成ですから。書いてしまうと合成だと分かって興ざめですしね、そういう仕様になっております」
「そうなんだよねえ、雰囲気重視! あえて聞きたいと言うんだったら、メインはクリサリス星系由来の…」
ソルジャーがズラズラと挙げた原料は意味不明でした。クリサリス星系とやらはソルジャーの世界のシャングリラがある惑星アルテメシアを含む星系らしいのですが…。
「そんな説明だと分からないから! こっちの世界の成分とかに置き換えてよ!」
会長さんの注文ですけど、ソルジャーは。
「うーん…。一部は置き換え可能だけれども、メインの方がねえ…」
似たようなものを思い付かなくて、とトンデモな話。つまりは原材料が不明のお酒が出て来たわけで、飲んだら最後、チャンポンなのかもしれないわけで…。
「ああ、その点なら大丈夫! ぼくもハーレイも平気だからね!」
「かみお~ん♪ ぼくだって酔っ払わないもーん!」
美味しく飲むもん! と「ぶるぅ」も証言。けれども、ソルジャーもキャプテンも「ぶるぅ」も、元から合成のお酒に慣れた人種で、会長さんは今回が初の出会いで。
「…で、でも、ぼくはちょっと…」
「ぼくたちの結婚記念日を祝うお酒が飲めないと!?」
こんなに沢山持って来たのに、と凄むソルジャー。
「これだけの量をちょろまかすのはね、ホントに大変なんだから! もしもバレたら、ぶるぅが飲んだと言っておくけど、ホントのホントに高級品で!」
「シャングリラでは自慢の酒なのですが…」
駄目でしょうか、とキャプテンもかなりガッカリしています。でもでも、飲んだらチャンポンの危機で、大丈夫という保証は何処にも無くて…。
「と、とにかく、ぼくには無理だから…!」
「そう言わずに!」
「いくら美味しくても、ヤバすぎるから…!」
泥酔するのも二日酔いコースもお断りだ、と必死に逃げを打つ会長さんと、是非にと勧めるソルジャーと。結婚記念日のパーティーなだけに、あんまり断り続けているのもマズイと思うんですけれど…。失礼だろうと思うんですけど、どうすれば…?



ソルジャー持参の怪しげなお酒。シャングリラで作った自慢の高級品だと力説されてもヤバイものはヤバく、さりとて断り続けていたなら座が白けます。どうなるんだろう、と私たちだって戦々恐々、おっかなびっくり見守っていれば。
「…その杯。よろしかったら、私が頂きます」
ブルーの代わりに、と教頭先生が名乗りを上げました。
「これでも一応、シャングリラ学園の教頭ですから…。生徒の保護者的な立場になるかと」
「ふうん…? 君がブルーの代わりに飲む、と」
いいけどね、とソルジャーは納得した風で。
「君もいずれはブルーと結婚するんだろうから、夫婦となったら一心同体! ちょっと早いけど未来の夫婦ってことでブルーの代理にしておこうかな、うん」
「こ、光栄です…!」
ブルーと夫婦と認定だとは…、と教頭先生は感無量。いつもだったらこんな時には会長さんが怒り狂うのが定番ですけど、今日はチャンポン回避のためだとグッと我慢をしているらしく。
「…じゃあ、ハーレイ。ぼくの代わりに飲んでおいてよ」
「うむ、任せておけ!」
頂戴します、と教頭先生がグラスを差し出し、ソルジャーがやおらボトルを開けて。
「はい、どうぞ。高級品だよ、それなりにいける味なんだ」
トクトクトク…、と注がれたお酒を教頭先生はグイと一気に飲み干して。
「これは…! 言われなければ合成品とは分かりませんねえ…!」
「そうだろう? だから今回、持って来たんだよ。他の合成酒はサッパリだけど…」
これだけは自信を持ってお勧め出来るのだ、とソルジャーはそれは誇らしげに。
「ぼくのシャングリラの自慢の味だよ、どんどんやってよ」
「ええ、喜んで…!」
こういう酒もいいものですね、と応じる教頭先生の舌にはソルジャーの世界の合成酒とやらが合ったようです。お世辞ではなくて本当に美味しいと感じるらしくて、勧められるままにクイクイ、グイグイ。
「うんうん、なかなかいける口だねえ! ぼくのシャングリラでも生きて行けるよ」
「これほどのお酒を作れる技術は凄いですねえ…」
実に美味いです、と教頭先生。キャプテンもシャングリラの技術を褒められて嬉しそうに。
「そう言って頂けると、キャプテン冥利に尽きますよ。今夜は大いに飲んで下さい」
どうぞ、とキャプテンからも注がれるお酒。うーん、あれって美味しいんだ…。



別の世界から持ち込まれて来た、ソルジャーのシャングリラ自慢の高級酒。何で出来ているのかサッパリ不明な合成酒ですが、教頭先生はお気に召した模様。ソルジャー夫妻と差しつ差されつ、宴たけなわ。会長さんはチッと舌打ちをして。
「…てっきりチャンポンかと思ったけれども、あれだけ飲めるなら大丈夫なのかな?」
「かみお~ん♪ ブルーも飲んでみる?」
持ってくるよ、と「ぶるぅ」が取って来ようとしましたが。
「いいよ、次のチャンスがあったら、ってことで…。一度断っておいて飲むのもねえ…」
申し訳ないし、と会長さんが言った所へ、地獄耳だったらしいソルジャーが。
「ううん、ぼくは全然気にしないから! 良かったら君も一緒に飲もうよ!」
「でも…」
「気にしない、気にしない!」
ぼくたちの結婚記念日を是非祝ってくれ、とソルジャーは至極御機嫌です。会長さんも「それなら、ぼくも少しだけ…」と腰を上げかけたのですけれど。
「暑いですねえ…」
教頭先生がグラスを置いて、浴衣の襟元をグイとはだけて手でパタパタと。
「冷房の効きが悪くなったんですかね、どうも暑くて…」
「そうですか? 私の方はそれほどでも…」
特に暑いとも思いませんが、とキャプテンが教頭先生にボトルを。
「まあ飲んで下さい、酒はまだまだありますから」
「遠慮なく頂戴いたします」
いや美味い、とゴクゴク、グイグイ。そして「暑い」と浴衣の前をはだけてしまった教頭先生。会長さんはそれをチラリと眺めて。
「…飲もうと思ったけど遠慮しとくよ、あんなハーレイと一緒ではねえ…」
「おや、駄目かい?」
ソルジャーが訊くと、会長さんの冷たい瞳が教頭先生をジロジロと。
「なんと言うかね…。こういう席で脱ぐっていうのはデリカシーに欠けているっていうか…。でなければマナー違反と言うか」
みっともない、と軽蔑の眼差し。
「浴衣はキチンと着てこそなんだよ、ああいう男と飲みたくはないね」
「そうかなあ? ぼくには素敵に見えるけどねえ?」
あの胸板が素晴らしいよ、とソルジャーの方はウットリと。えーっと、教頭先生なんですが?



冷房の効きがイマイチだから、と教頭先生、はだけた浴衣から胸板が丸出し。帯で締めてるすぐ上くらいまで露出していて、会長さんには見るに堪えない光景らしく。
「日頃、うるさく言ってるくせにね、柔道部員に」
柔道着はキッチリ着込んでおけと、と会長さんが罵りましたが、ソルジャーはと言えば。
「男らしいと思うけど? こう、さりげなく筋肉をアピール!」
ちょっと触ってみたくなるよね、と言うなり教頭先生たちの方へと戻って行って。
「えーっと…。ハーレイ?」
「はい?」
キャプテンが即座に応えましたが、「違う!」と一言。
「こっちのハーレイに用事なんだよ。…君の筋肉、なかなか凄いね」
「あ、ありがとうございます…」
日頃から鍛えておりますので、と返した教頭先生の前にストンと座ったソルジャー、右手を伸ばして教頭先生の胸板を指でツツツツツーッと。
「うん、固くっていい感じ! これぞ筋肉!」
「そう言われると嬉しいですねえ…」
鍛えた甲斐がありますよ、と教頭先生は浴衣の袖をまくって右腕をググッと。たちまち盛り上がる腕の筋肉、ソルジャーはもう惚れ惚れとして。
「いいねえ、腕も筋肉モリモリ! これじゃさぞかし…」
「それはもう! よろしかったら御覧になりますか?」
肩の方はこんな感じですよ、と右袖を抜いた教頭先生、上半身の右側がモロ出しに。逞しい筋肉はいいんですけど、こんな調子で披露しちゃうようなタイプでしたっけ?
「…なんか変じゃねえ?」
サム君が首を捻って、シロエ君も。
「教頭先生らしくないですね? いつもだったら赤くなるとか…」
「だよねえ、なんだかおかしい気がする」
変だ、とジョミー君が頷き、キース君だって。
「筋肉自慢をなさるタイプではない筈だが…。どうも妙だな」
そういう言葉を交わす間にも、教頭先生はソルジャーのリクエストに応じてポージングを。筋肉ムキムキ、挙句の果てに。
「もっと御覧になりたいですか?」
脱ぎましょうか、と帯に手を。やっぱりホントに変ですってば~!



筋骨隆々の上半身を披露しただけでは飽き足りなくなった教頭先生、浴衣を脱いで全身の筋肉を見せたくなったようですが。此処はソルジャー夫妻の結婚記念日を祝うパーティーの席で、ソルジャーもようやく思い出したらしく。
「んーと…。普段だったら見たいんだけどね、今日はちょっとね…」
「どうかなさいましたか?」
何か不都合でも、と教頭先生。
「不都合と言うか…。ぼくには一応パートナーがいるし、今日は結婚記念日だし…。そっちの裸も拝まない内に、君の裸というのはねえ…」
「そうでした! 今日はおめでたい日でしたねえ!」
ウッカリ忘れておりました、と教頭先生はペコリと頭を。
「誠に申し訳ございません。結婚記念日ともなれば、もうやることは一つですよね!」
「もちろんだよ! パーティーが済んだら、記念に一発! ううん、六発は欲しいよね!」
今夜のベッドが楽しみで…、とソルジャーが言うと、「そう仰らずに」と教頭先生。
「後ほどだなどと仰らずに…。こうしてパーティーもしているのですし、こちらでなさればよろしいのでは?」
「えっ、こちらって…。此処のことかい?」
「そうですが?」
スペースは充分にございますし、と教頭先生は満面の笑顔。
「お幸せな結婚生活をご披露なさるのもいいと思いますよ。私もあやかりたいですし…」
「あやかりたいって…。それに披露って、此処でヤれと?」
「ええ。ギャラリーも大勢おりますからねえ、結婚記念日に相応しいかと」
披露なさってなんぼですよ、と教頭先生が拳でトントンと叩く大広間の床。畳敷きながらも絨毯だって敷かれていますし、その絨毯がまた上等で。
「如何でしょうか? この絨毯は肌触りもいいと思うのですが」
「…ふうん?」
ソルジャーの手が毛足の長い絨毯を撫でて、「いいね」と頬を擦り付けてみて。
「なるほどねえ…。結婚記念日のセックスは披露してなんぼ、と」
此処でヤるのもいい感じかも、と絨毯の上に仰向けにパタリ。浴衣姿で足をパタパタ、そんなソルジャーに教頭先生が。
「絨毯の上もお似合いですよ? 是非とも拝見したいものですねえ…」
結婚記念日の熱い一発! と仰ってますけど、これってホントに教頭先生…?



教頭先生と言えばヘタレが売り。何かと言えばツツーッと鼻血で、倒れてらっしゃることもしばしばです。その教頭先生が覗きどころか見る気満々、大広間での大人の時間をソルジャーに勧めていらっしゃるなど、どう考えても変ですが…?
「…教頭先生、変なスイッチ入っちゃってる?」
有り得ないことになってるけれど、とジョミー君が怖々といった顔つきで尋ね、サム君が。
「酒じゃねえのか、もしかしたら?」
あのナントカいう合成酒、という指摘。成分不明の合成酒だけに会長さんが逃げてしまって、教頭先生が代わりに飲んでらっしゃいましたけど…。あれがスイッチ入れたんですか?
「うーん、チャンポンでスイッチなのか…」
そう来たか、と呻く会長さん。
「てっきり悪酔いコースなのかと思ったんだけど、信じられない方向に向かって酔っちゃうとはねえ…。ヘタレ返上だか、クソ度胸だか」
そしてブルーが悪乗りしそうだ、という会長さんの読みは当たりました。絨毯の寝心地を確かめたソルジャー、ガバリと起き上がるなりキャプテンにパチンとウインクを。
「ハーレイ、こっちのハーレイの素晴らしいお勧めを聞いたかい? 此処でヤれって!」
結婚記念日の一発を熱く披露しようよ、とソルジャーは最早すっかり乗り気。
「シャングリラ学園の教頭先生の御提案だし、生徒も見学してくれるんだよ! 此処でヤらなきゃ男が廃るというものだろう!」
君も男でぼくも男、とキャプテンの側ににじり寄るなり、両腕を首にグイと回して熱いキス。
(((………)))
バカップルのキスは見慣れているものの、そこから先はあずかり知らない世界です。披露されても困るんですけど、ソルジャーはその気、教頭先生も見学する気。ソルジャーの方は浴衣の裾が乱れるのも構わず、キャプテンの背中に片足を絡めて体重をかけて引き倒し…。
「ほら、ハーレイ! 此処で一発!」
「で、ですが、ブルー…!」
「結婚記念日だよ、パーティーの席で披露するのもいいものだよ!」
大勢の人が見てくれてるし、と言われたキャプテン、顔面蒼白。
「わ、私は見られていると駄目な方でして…!」
「気にしない、気にしない! ぶるぅが増えただけだと思えば!」
遠慮しないで大いにヤろう、とソルジャーが足でグイグイとキャプテンの腰を引き寄せ、キャプテンは引っ張られまいと踏ん張ってますが。私たち、これからどうすれば…?



ソルジャーの世界の合成酒で酔っ払ってしまった教頭先生、ヘタレ返上、覗き根性大爆発。このまま行ったらソルジャーとキャプテンが結婚記念日の記念に一発披露しそうで、私たちはコッソリ逃げるべきかと後ずさりを始めたのですけれど。
「そこのギャラリー! 逃げちゃ駄目だから!」
せっかくの記念の一発だから! とソルジャーの一喝。
「教頭先生も許可してるんだよ、大いに覗きをするべきだってね! そうだよね、ハーレイ?」
「ええ、こんなチャンスは年に一度しかありませんしね、記念日だけに」
結婚記念日の熱い時間をお楽しみ下さい、と教頭先生はキョロキョロと部屋を見回して。
「…残念です。カメラの用意が無いようですねえ、あれば撮ろうと思うのですが…」
「君がカメラマンをしてくれるのかい? 録画とかも?」
それは素晴らしい! とソルジャーが大きく頷いて。
「ぶるぅ、カメラを調達して来て! 別荘の人に頼めばあるだろ?」
「かみお~ん♪ 大人の時間を録画するんだね!」
行ってくるーっ! と姿を消した悪戯小僧はアッと言う間に戻って来ました。別荘へ来たお客様が使えるように、と用意されていたらしいプロ仕様のカメラ。教頭先生は「ぶるぅ」の手からカメラを受け取り、「いいカメラだ」と微笑んで。
「これで録画もバッチリですよ。お任せ下さい、記念日に相応しいのを撮りますから」
「ありがとう! 聞いたかい、ハーレイ、録画もお任せ出来るってさ!」
それじゃヤろうか、とソルジャーがキャプテンの浴衣の前をはだけて、指でツツーッと。
「こっちのハーレイはこれでスイッチが入ったけれど…。君はどうかな?」
「む、無理です! …ぶ、ぶるぅだけでも無理なのですが…!」
ぶるぅどころかこんなに大勢、とキャプテンは懸命に足腰を踏ん張り、ソルジャーの上へ倒れ込まないように頑張っています。倒れたら最後、録画開始で、ソルジャーのペースに巻き込まれてしまってヤる羽目に陥りそうですし…。
「ブルー、お願いですから離して下さい…!」
「ダメダメ、結婚記念日だからね! 熱い一発、録画つき!」
こんなチャンスを逃す手は無い、とソルジャーの方も足でキャプテンの腰をグイグイ、早くヤろうと焦れている様子。教頭先生はカメラを構えて今か今かと待っておられます。
「ハーレイ、早く! 後は君だけ!」
君だけ用意が出来てないんだ、とソルジャーが足でグイグイグイ。用意も何も、この状況でヤる気になれたら、それはキャプテンではないような…?



ヤる、ヤらないでソルジャーとキャプテンがもめている中、教頭先生は「まだですか?」と欠伸をしながら自分のグラスに例のお酒をトクトクと。手酌で呷ってはまたトクトクトク、私たちはもう気が気ではなくて。
「あ、あれってスイッチ入らないわけ?」
ジョミー君が肘でキース君をつつけば、つつかれた方も。
「俺が知るか! そういうのは常識で考えてくれ!」
「さ、さっき酔っ払ってスイッチ入ったんだし、もっと酔ったらどうなるんだか…」
考えたくない、とジョミー君が肩を震わせ、シロエ君が。
「スイッチだけに、ブレーカーが落ちるってコトもありますけどね?」
「「「そうか、ブレーカー!」」」
落ちてしまえば何も起こらない、と一筋の光明が見えた気がしました。ソルジャー夫妻がヤるのヤらないのと騒いでいる間に、教頭先生が更に酔ってしまってブレーカーが落ちれば閉幕です。私たちはギャラリーなんかはさせられないで無事に逃走出来ますし…。
「教頭先生、早くブレーカーが落ちないかしらね?」
もっと早いペースで飲ませたいけど、とスウェナちゃんが呟き、それを聞いていた悪戯小僧の「ぶるぅ」が「やる!」と飛び跳ねて。
「ブレーカーって何か分かんないけど、面白そうーっ!」
今より楽しいことになるんだ! と「ぶるぅ」は見事に勘違い。ブレーカーが落ちたら教頭先生はもう動かないと思うんですけど、勘違い小僧はボトルを抱えて教頭先生の前にチョコンと。
「はい、飲んで、飲んでーっ!」
「おや。注いで下さるのですか、お忙しいのに」
「えっとね、覗きは大人の時間が始まるまでは暇なの、だから始まるのを待ってるの!」
ハーレイも始まるのを待ってるんだよね、と悪戯小僧。
「んとんと…。出待ち、入り待ちだったっけ? そんな感じで待ち時間だよね!」
「そうですね。入れるのを待っているのですから、入れ待ちでしょうか」
「じゃあ、入れ待ちで、仲良くしようよ!」
飲んで、飲んで! と「ぶるぅ」がトクトク、教頭先生がグイグイと。
「いい酒ですねえ、何杯飲んでも」
「そうでしょ、そうでしょーっ! それでね、ブルーとハーレイの大人の時間も凄いの!」
入れ待ちをする価値はバッチリだから、と勧め上手な「ぶるぅ」のお蔭で教頭先生、ハイペース。ソルジャー夫妻がもめてる間に、ブレーカー落ちて下さいです~!



ソルジャー夫妻の「入れ待ち」とやらで「ぶるぅ」と盛り上がっている教頭先生。どんどん杯を重ね続けて、ソルジャー夫妻に「まだですか?」と催促をして。
「まだなんだよねえ、君からも何とか言ってやってよ!」
このヘタレに、とソルジャーがキャプテンの腰を絡み付かせた足でグイと引けば。
「そうですねえ…。如何でしょうか、この際、私も混ざるというのは」
「「「は?」」」
教頭先生は何を言ったのか、とキョトンとしていれば、ソルジャーが。
「素晴らしいねえ、三人でって?」
「はい! 入れ待ちをしている間に、そういう気分になってきまして…。結婚記念日の一発だとは重々承知しておりますが、私も混ざっていいですか?」
「大歓迎だよ!」
それでこそ記念の一発と言える、とソルジャーは歓喜の表情で。
「ハーレイ、混ざってくれるって! 君も二人なら怖くないだろ、ギャラリーくらい!」
「な、なんですって!?」
「だ・か・ら! こっちのハーレイも一緒なんだよ、いわゆる3P!」
これぞ記念日の熱い一発! とソルジャーはキャプテンの腰を引っ張っていた足を離して、代わりに腕をガッシリ掴んで。
「逃げちゃ駄目だよ、こっちのハーレイが来てくれるまで…ね。ぶるぅ、こっちのハーレイの代わりにカメラをお願い!」
「オッケー! もう撮ってもいい?」
「うん! 記念すべき時間はたっぷり撮らなきゃ!」
夢の3P! とソルジャーが教頭先生を手招き、逃げそうなキャプテンを捕獲中。教頭先生は入れ待ちの間に更に緩んだ浴衣を帯だけで腰に引っ掛け、いそいそと。
「では、始めてもいいでしょうか?」
「そうだね、ぼくのハーレイと息が合ったらいいんだけれど…」
「無理です、私にはとても無理ですーっ!」
ただヤるだけでも無理なんですが、とキャプテンは泣きの涙でした。なのに教頭先生乱入、ソルジャー言う所の3Pとやら。会長さんは頭を抱えてうずくまっていますし、「ぶるぅ」はカメラを回していますし…。
「ブレーカーどころか、スイッチに段階があったわけ?」
ジョミー君の問いに答えられる人はいませんでした。こんなの想定外ですよう~!



教頭先生にもっと飲ませろ、と飲ませたばかりにスイッチオン。ヘタレな筈の教頭先生は浴衣を脱ぎ捨て、キャプテンに激を飛ばしていました。
「いいですか、これはチャンスですよ? 結婚記念日ならではですから…!」
「いや、しかし…! 結婚記念日だからこそ、夫婦で静かに…!」
「ハーレイ、まだあ…?」
どっちでもいいから早く来てよね、とソルジャーがキャプテンを脱がせにかかって、教頭先生はソルジャーの浴衣を脱がせるべく手を掛けています。カメラマンの「ぶるぅ」はウキウキと。
「わぁーい、3P! 見るの初めて!」
もっとハーレイにエネルギー! とカメラをサイオンで宙に固定し、例のお酒のボトルを抱えてピョンピョンと。教頭先生にグラスを渡して「飲んで!」とグイッと空けさせましたが…。
「「「…あれ?」」」
教頭先生が暫しフリーズ、それからバタンと仰向けに倒れ、たちまちグオーッと大イビキ。もしやブレーカー、落ちましたか? 今の一杯でバッチンと?



「うーん…」
夢の3Pがパアになった、とソルジャーが浴衣を直しながら文句をブツブツ、キャプテンは「助かりました」と安堵の溜息。
「ブルー、続きは私たちの部屋で致しましょう。結婚記念日ですからね」
「でも…。此処までの映像は貴重だからねえ…」
お宝に取っておきたいのだ、とソルジャーがカメラに手を伸ばせば、横から会長さんが。
「ちょっと待った! お宝だなんてとんでもない!」
この映像をネタにハーレイから毟らずにどうするのだ、という強烈な意見。
「いくら酔っ払ってやったことかは知らないけどねえ、ただエロいだけのオッサンだから! こんなハーレイ、ぼくとしては顔を見たくもないから!」
だけどオモチャは有効に…、と怖い台詞が。
「今後もぼくと付き合いたいなら、この映像を消してやるから金を出せ、ってトコなんだよ」
「消すだなんて…! ダビングして持っておけばいいだろ、脅迫用に!」
ぼくはお宝が欲しいんだ、とソルジャーが喚き、会長さんは「寄越せ」と騒いでいるのですけど。
「んーと…」
どのタイミングで言えばいい? と「ぶるぅ」が真剣に悩んでいました。
「どうかしたわけ?」
ジョミー君が尋ねてみれば、「ぶるぅ」は「殺されそうだよ」と肩を落として。
「…録画に失敗しちゃったみたい…」
「「「ええっ!?」」」
「サイオンでカメラを固定した時、なんか失敗しちゃったみたいで…」
「撮れてない!!?」
しかもその前のも消えたのか! とソルジャーの激しい雷が落ちて、「ぶるぅ」はお尻を百回叩かれるみたいです。教頭先生は大イビキですし、今の間に…。
「逃げた方がいい?」
「うん、多分」
トンズラあるのみ! と私たちは広間から逃走しました。教頭先生に妙なスイッチを入れたと噂の合成酒。キース君が言うには、他のお酒との飲み合わせなんかもあるようですが…。あんなのは二度と御免です。高級品でも次に見かけたら即、廃棄。異世界のお酒はお断り~!




            異世界の美酒・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 ソルジャーが持ち込んだ異世界のお酒で、ヘタレが吹っ飛んだ教頭先生。凄いレベルで。
 もしもブレーカーが落ちなかったら、どうなったのやら…。録画は失敗ですけれど。
 さてシャングリラ学園、11月8日に番外編の連載開始から11周年の記念日を迎えました。
 11年も続けただなんて、自分でもビックリ仰天です。12年までいけるでしょうか…? 
 次回は 「第3月曜」 12月16日の更新となります、よろしくです~! 

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 こちらでの場外編、11月は、キース君が温厚なキャラを目指すらしくて…。
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