シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
観光の秋、行楽の秋。とはいえ、今日は会長さんの家でのんびり、土曜日の過ごし方の定番です。紅葉見物にはまだ早いですし、行きたいスポットも現時点ではありません。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が作るお菓子と美味しい食事が一番とばかり、朝から居座っているのですけど。
「こんにちはーっ!」
誰だ、と一斉に声が聞こえた方へと視線を向ければ、リビングに見慣れた人物が。言わずと知れた会長さんのそっくりさんで、紫のマントじゃなくって私服で。
「なんだ、君たちは出掛けてないんだ?」
秋はお出掛けにピッタリなのに、と近付いて来たソルジャー、ソファにストンと腰掛けると。
「ぶるぅ、ぼくにもおやつはある?」
「ちょっと待ってね、すぐ用意するねーっ!」
パタパタと駆けて行った「そるじゃぁ・ぶるぅ」はパン・デピス風だとかいうケーキをお皿に乗っけて来ました。シナモンたっぷり、蜂蜜たっぷり、それにナッツも。どっしりとしたケーキです。それにソルジャーの好きな紅茶も。
「はい、どうぞ! 今日のケーキはスパイシーだよ!」
「ありがとう。ちょうど刺激的なものが食べたくってさ…」
うん、美味しい! と頬張るソルジャー。刺激的なものが食べたかったなら、お昼時に来れば良かったのに…。タンドリー風スパイシーチキンにホウレン草カレー、ナンも食べ放題だったんです。けれどソルジャーはと言えば。
「えっ、お昼? そっちはノルディと食べて来たしね?」
今日も豪華なフルコース、と御満悦。それじゃ刺激的だというのは…。
「決まってるじゃないか、デートコースの中身の方で!」
「退場!」
会長さんがレッドカードを突き付けました。イエローカードをすっ飛ばして。
「なんだい、これは?」
「出て行ってくれ、と言ってるんだよ!」
どうせこの先はレッドカードだ、と会長さんが素っ気なく。
「ぶるぅ、ケーキの残りを包んであげて! お客様のお帰りだから!」
「かみお~ん♪ それじゃ、ぶるぅたちにお土産もだね!」
「そうだね、しっかり箱に詰めてあげてよ」
そして帰って貰おうじゃないか、という指示で「そるじゃぁ・ぶるぅ」がキッチンへ走ろうとしたのですけれど…。
「ちょっと待った!」
誰が帰るか、とソルジャーが紅茶をコクリと一口。
「ケーキのお土産は嬉しいけどねえ、イエローカードもレッドカードも出されるようなことはしていないから!」
「これからするだろ、デートコースの中身とやらで!」
よくもノルディとデートなんぞを、と会長さんはレッドカードでテーブルをピタピタ。
「ノルディの魂胆は分かってるくせに、君ときたら…。おまけに刺激的だって?」
「そうだけど? 今日のデートは実に楽しくて面白かったよ」
「さっさと帰る! もう喋らずに!」
刺激的なデートの話なんかは聞きたくもない、という点は私たちにしても同じでした。どうせロクでもない内容で、意味が不明に決まっています。そういったことをやらかしたのか、単に会話をしただけなのかは謎ですが…。
「えっ、デートだよ? そりゃあ、もちろん話もしたけど…」
「いいから、出て行く! ケーキのお土産が足りないんだったら追加するから!」
一人一切れの所を二切れ、と会長さんが言ったのですけど。
「…君たちは何か勘違いってヤツをしてないかい?」
ぼくが行ったのは植物園だよ、と予想外の行き先が飛び出しました。植物園って……あのぅ、温室とかがある植物園? 花が一杯の、花壇だらけの…。
「そうだけど? ノルディと二人で植物園をゆっくり散歩!」
そろそろ秋薔薇の季節だってね、とソルジャーは笑顔。えっと、本気で植物園ですか?
「植物園だよ、アルテメシアの。ノルディに聞いたけど、桜の季節は穴場だってね?」
色々な種類の桜が一杯、なのに見物客が少なめ、と語られる植物園情報。なんだって植物園なんかでデートをしていたのやら…。
「あっ、それはね…。ノルディが薀蓄を披露したくなったみたいでさ!」
「もういいから!」
その薀蓄がヤバそうだから、と会長さんが止めに入ったのに。
「いいんだってば、あの植物園では無理だから! それっぽい場所が全く無いから!」
「「「は?」」」
「なんかね、お城なんかの大きな庭だと植え込みで作った迷路とかが沢山あるんだってねえ!」
そういう所がデートスポットらしいのだ、という話ですが。それがエロドクターから聞いた薀蓄なんですか?
「もちろんさ! ノルディは実に知識が豊かだよねえ、まさにインテリ!」
ぼくの世界のノルディじゃああいうわけにはいきやしない、とソルジャーは残念そうな顔。同じノルディでああも違うかと、ぼくの世界のノルディの方は仕事の鬼で面白くないと。
「そっちの方が理想的だから!」
遊び好きな医者は最低だから、と会長さんが文句をつけていますが、エロドクターの場合は腕だけは確か。ゆえに病院は繁盛していて、リッチに暮らしているわけで…。
「遊び好きなノルディ、ぼくは大いに歓迎だけどね? それでさ、迷路の話だけどさ…」
「デートスポットなんだろう! もうその先は言わなくていい!」
「君は知ってるみたいだけれどさ、他の面子はどうなのかな?」
知っていた? と訊かれて、首を左右に。お城の庭のデートスポットなんかは知りません。マツカ君なら他の国のお城が別荘なだけに、知っているかもしれませんが…。
「マツカのお城は…。どうなんだろう? 大勢の人が集まるお城の定番らしいしね?」
いわゆる宮殿、という台詞にマツカ君が。
「…そのレベルのお城は流石に無いですよ。ぼくの家のはごく普通ですし」
「ああ、そう? それじゃ迷路も無かったりする?」
「一応、無いこともないですが…。デートスポットではないですね」
そもそも公開していませんから、と真っ当な意見。プライベートな空間だったらデートスポットにはならないでしょう。観光地の類じゃないんだから、と納得していれば。
「違うよ、観光客じゃなくって、お城に住んでる人とかのためのデートスポット!」
ちょっと迷路の奥とかに入れば大きなベンチなんかがあって…、と説明が。
「そこで語り合って、ムードが高まればその場で一発!」
「退場!!」
レッドカードが炸裂したのに、ソルジャーの喋りは止まらなくって。
「本来、そういう場所らしいんだよ、迷路とか、それっぽい植え込みだとか! だからカップルがそこに入って行ったら、もう暗黙の了解で!」
他の人は入るのを遠慮するのだ、とエロドクター仕込みの薀蓄が。なるほど、そういう話をしたくて植物園でデートをしてた、と…。
「そうなんだよ! あそこの庭は広いからねえ、こういう所に植え込みがあれば、とか、迷路があれば、とノルディが色々語ってくれてね…」
有意義なデートだったのだ、と満ち足りた表情ですけれど。刺激的な話がどうとか言ってましたし、シャングリラに迷路を導入するとか…?
「違うよ、刺激的だった方はオマケなんだよ」
植物園デートの単なるオマケ、と意外な言葉が。それじゃシャングリラに迷路を作るとか、エロドクターと迷路でデートごっこをしていたわけではないんですね?
「うん。せっかくの植物園デートだからねえ、あれこれ見なくちゃ損じゃないか」
「それで?」
お気に召すものでもあったのかい、と会長さんはまだ警戒を解いていません。レッドカードをいつでも出せるように構えていますが、ソルジャーは。
「ちょっとね、面白いものを見たものだから…。なんて言ったかな、ハエ取り草?」
「「「ハエ取り草?」」」
「それからモウセンゴケだっけ? ウツボカズラは凄かったねえ…!」
どれも餌やり体験をさせて貰ったのだ、と誇らしげなソルジャー。
「普通は餌やり、やらせて貰えないらしいんだけど…。そこはノルディの顔ってことで!」
ハエとかを食べさせて遊んで来た、と楽しそう。ということは、ハエ取り草だのモウセンゴケだのって、やっぱり食虫植物ですか?
「そうだよ、ぼくも実物を見たのは初めてでさ…! まさか植物が餌を食べるなんて!」
最高に刺激的な見世物だった、とソルジャーは食虫植物の餌やりを満喫して来たらしく。
「あんなのを楽しく見て来た後はさ、食べ物も刺激的なのがいいよね!」
「なんだ、そういうことだったのか…」
レッドカードを出すタイミングを間違えた、と会長さんが深い溜息。
「あんまり早くに出し過ぎちゃって、肝心の所で外しちゃった、と…」
「らしいね、慌てる乞食は貰いが少ないって言うんだろ? こっちの世界じゃ」
フライングすると失敗するのもお約束、とソルジャーはケーキをパクパクと。
「というわけでさ、ぼくは退場しなくていいから、ケーキのおかわり!」
「オッケー!」
どんどん食べてね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がソルジャーのお皿におかわりを。このケーキ、けっこうお腹にたまるような気がするんですけど…。おかわりまでして平気かな?
「平気、平気! 甘いお菓子は別腹だから!」
このケーキだってホールでいける、と言われてビックリ、ソルジャーの胃袋。あちらの世界の「ぶるぅ」の胃袋が底抜けなことは知ってましたが、ソルジャーも負けていませんでしたか…。フルコースを食べて来た上にケーキも二切れ、まだまだ居座りそうですねえ?
植物園で見た食虫植物が最高だった、と喜ぶソルジャーは、エロドクターが薀蓄を披露したかった迷路だか植え込みだかのデートスポットはどうでも良かったみたいです。エロドクターも御愁傷様、と思っていたら。
「それでね、ぼくは考えたんだよ」
ケーキのおかわりを頬張りながら、ソルジャーの瞳がキラキラと。
「…何を?」
会長さんがレッドカードを持って身構え、ソルジャーは。
「食虫植物は餌をおびき寄せるのに色々と工夫をするって聞いてさ…」
「するだろうねえ、でないと飢えてしまうしね?」
「そういうアイテム、こっちの世界じゃ色々と売られているみたいだよね」
「「「は?」」」
食虫植物が売られているなら分かりますけど、アイテムって…なに?
「アイテムだよ! 美味しそうな匂いとかで獲物を引き寄せて、逃げないようにガッチリ捕獲!」
「…そんな物は売られていないと思うが」
食虫植物の方ならともかく、とキース君が言うと。
「ああ、君の家には無いかもねえ! お坊さんやお寺は生き物を殺しては駄目だと聞くし」
「あんたにしてはよく知ってるな?」
「君に何度も聞かされたからね、戒律がどうとかこうとかって」
「生き物を殺さないのは基本だな。あれは殺生戒と言って、だ」
時ならぬ法話が始まりそうだったのを、ソルジャーが「そこまででいいよ」と遮って。
「とにかく、君の家にはそういう決まりがあるっていうから、アレも無いかも…」
「アレではサッパリ分からんのだが?」
「ほら、アレだってば、えーっと…。なんていう名前だったかなあ…」
思い出せない、とソルジャーは何度か頭を振ると。
「アレだよ、粘着シートだよ! こう、ゴキブリだとかネズミだとかを退治するための!」
「「「あー…」」」
アレか、と一気に理解しました。会長さんの家では見かけませんけど、いわゆるゴキブリホイホイとかです。組み立ててから餌をセットし、粘着シートで有害動物をくっつけて捕獲、ゴミ箱へポイと捨てるアレ…。
「分かってくれた? アレをね、使えないかとね…」
食虫植物で閃いたんだ、と言ってますけど、ゴキブリホイホイで何をすると…?
ソルジャーの閃きとやらはサッパリ分からず、ゴキブリホイホイ以上の謎。食虫植物からどう繋がるのだ、と悩んでいれば。
「餌だよ、餌! それでフラフラとおびき寄せられて、そのまま捕まっちゃう所!」
これを使って遊ぼうじゃないか、と妙な発言。ゴキブリだかネズミだかを捕りたいんですか?
「遊ぶも何も、ぼくの家にはそういったモノはいないから!」
ゴキブリもネズミも住み着いていない、と会長さんが床をビシィッ! と指して。
「君がおやつを食べ散らかしても、ぶるぅがきちんと掃除するから! ゴキブリもネズミも出てこないから!」
「それはそうかもしれないけれど…。ゴキブリを捕るとは言っていないよ?」
ネズミでもないし、とソルジャーはニヤリ。
「もっと大きくて凄いものだよ、ぼくが捕ろうと思っているのは」
「ドブネズミだって出ないから!」
会長さんが怒鳴って、キース君が。
「ドブネズミは流石にアレでは捕れんぞ、ドブネズミを捕るなら罠が要るな」
「ふうん…。殺生は駄目だと言ってる割には詳しくないかい?」
君の家でも捕るのかな、とソルジャーに訊かれたキース君は苦悶の表情で。
「俺の家にはドブネズミは出ないが、住職がいなくて普段は閉めてあるような寺なら出るんだ! そしてそういうケースはやむなく…」
「捕獲するのかい?」
「業者に頼むか、檀家さんが有志を募ってやるんだがな」
それであんたは何を捕るんだ、という質問。
「くどいようだが、俺の家にもドブネズミは出ない。その手のヤツを捕りたいと言うなら、ドブネズミ対策で難儀をしている寺をいくらでも紹介するが」
「それが、ドブネズミでもないんだな」
もっと大きくて素敵なものだ、とソルジャーは壁の方へと人差し指を。
「あの辺りに居る筈なんだけど…」
「ぼくの家にはネズミはいないと言ってるだろう!」
アライグマも住み着いてはいない、と会長さん。そういえばアライグマも害獣でしたか、屋根裏とかに住むんでしたっけ。後はイタチとか、そういったモノ。でも、どれも…。会長さんの家の壁の中なんかに住んでいるとは思えませんが…?
「分かってないねえ、壁の中ではなくって、向こう!」
壁の向こうだ、と言われた会長さんはキッと柳眉を吊り上げて。
「何もいないってば、この家にはペットも住んでないしね!」
「…ある意味、ペットに似ていないこともないけれど? 君のお気に入りの」
「どんなペットさ!」
ぼくはペットを飼ったこともない、と会長さん。けれど、ソルジャーは「そうかなあ?」と。
「いつも楽しそうに遊んでいると思ったけどねえ、アレと一緒に」
「アレって言われても分からないよ!」
「あの方角に住んでるアレのことだけど? …アレはアレだよ」
デカくてチョコレート色をしているのだ、という発言に嫌な予感が。さっきソルジャーが示した方角、教頭先生の家がある方では…?
「ピンポーン!」
それで正解、と明るい声が。まさかホントに教頭先生のことなんですか、アレとやらは?
「他に何があると? ブルーもお気に入りのペットで、デカくてチョコレート色をしたモノ!」
アレを捕ろう、とソルジャーは膝を乗り出しました。
「巨大ゴキブリホイホイと言うか、ハーレイホイホイと言うべきか…。餌を仕掛けて、おびき寄せてさ…。粘着シートで捕まえるんだよ!」
「ちょ、ちょっと…!」
あんなモノを捕ってどうするのだ、という会長さんの問いに、ソルジャーは。
「もちろん、食虫植物だってば! 食べるんだよ!」
「「「ええっ!?」」」
食べるって…。それはソルジャーが教頭先生を美味しく食べるという意味ですか?
「それ以外にどういう食べ方があると言うんだい? ハーレイを捕ったら、食べるのみだよ!」
「無理だから!」
君が食べたくても相手はヘタレ、と会長さんが反論を。
「ハーレイホイホイで捕まえたってね、ヘタレなんかは直らないから!」
「さあねえ、その辺はぼくにも謎で…。でもねえ、捕るのが面白いような気がしないかい?」
餌におびき寄せられてフラフラと…、と指を一本立てるソルジャー。
「そのままベッドにダイブしたなら、粘着シートっていうオチなんだけど!」
真っ裸なハーレイが粘着シートならぬ粘着ベッドにベッタリくっつく! という恐ろしいアイデアが飛び出しました。本気で教頭先生ホイホイ…?
「素っ裸で粘着シートにベッタリかあ…」
しかもベッドか、と会長さんが顎に手を当て、ソルジャーが。
「ベッタリくっついているわけだしね? ハーレイからは何も出来ない所がミソかな」
ぼくが食べようが、君があれこれ悪戯しようが…、と酷い台詞が。
「ほら、ぼくたちはサイオンで粘着シートを避けられるしね?」
「なるほどね! だったら、ぼくたちが餌になってもいいわけか…」
「そう、そこなんだよ、ぼくの狙いは!」
ベッドの上で餌になるのだ、とソルジャーは我が意を得たりという表情。
「ベッドまで来るように餌は撒くけど、最終的には本物の餌がベッドの上に! これでベッドにダイブしなけりゃ、どうすると!」
「…ダイブするだろうね、ハーレイならね」
「そしてベッタリくっつくんだよ! もう全身で!」
くっついたら最後、もう取れないのだ、と強烈すぎる教頭先生ホイホイとやら。ソルジャーが言うには、好みの部分に悪戯出来るよう、粘着液はデローンと伸びる仕様だそうですが…。
「ほら、水飴って言ったっけ? あんな感じで」
でも、くっついた獲物は逃さない! とソルジャーがブチ上げ、会長さんも。
「それはいいねえ、君の世界にそういうヤツがあるのかい?」
「あるねえ、ハーレイホイホイを作るんだったら持ってくるよ、アレ!」
ぼくのシャングリラの倉庫にたっぷりあるから、と頼もしいんだか、酷すぎるんだか分からない提案がソルジャーの口から。
「いい話だねえ…。わざわざ買ったり工夫したりって手間が要らないのは」
「そう思うだろ? 作ったらいいと思うんだけどね、ハーレイホイホイ!」
しかして、その実態は食虫植物! とグッと拳を握るソルジャー。
「ゴキブリホイホイとかに捕まったら、後は駆除されるだけなんだけど…。ハーレイホイホイは食べられる方で、運が良ければ天国に行ける仕組みなんだよ!」
死ぬ方じゃない天国だから、と注釈が。
「ぼくに食べられて見事に昇天、男冥利に尽きるってね!」
「…そうでなければヘタレで鼻血で失神なんだ?」
「君が思う存分、悪戯するのもアリなんだけどね!」
素っ裸な上に動けないから何をするのも自由なのだ、とソルジャーに煽られた会長さんは大いに心を揺さぶられた様子。教頭先生ホイホイなアイデア、どうなるんでしょう?
「その話、乗った!」
会長さんが叫ぶまでには五分とかかりませんでした。ハーレイホイホイ、もしくは教頭先生ホイホイなるもの、ソルジャーの世界の接着剤の力を借りて作られるそうで。
「…ゴールは粘着ベッドなんだね?」
それはこの家ではやりたくないな、と会長さん。
「面白いけど、ぼくの家のベッドの一つをハーレイなんかに提供したくはないからねえ…」
「えっ、でも…。クリスマスパーティーの時には泊まってないかい?」
ゲストルームに、とソルジャーが返すと、会長さんは。
「普通のゲストと、エロい目的でやって来るモノとは違うんだよ! だからベッドが問題で…」
何処かのホテルの部屋でも借りようかな、という呟きに、ソルジャーが。
「ぼくとしては、君の家を使うつもりでいたんだけれど…。ハーレイの家でもいいんじゃないかな、出掛けてる間に細工をすればね」
「そうか、ハーレイの家があったっけ!」
無駄にデカイ家と無駄に広いベッド、と会長さんがポンと手を打って。
「ハーレイのベッドも充分デカイし、あれなら迷惑を蒙るわけでもないからねえ…」
「ついでに、そのまま放置したって平気だよ、うん」
家の住人はハーレイだから、とソルジャーも大きく頷きました。
「君の家だと遊んだ後には剥がさなくっちゃいけないけどねえ、ハーレイの家なら放置もオッケーということになるし、よりゴージャスに!」
「遊べそうだねえ、思いっ切りね!」
あの家をハーレイホイホイにしよう、と結託してしまった悪人が二人。そうと決まればガンガン出て来るハーレイホイホイを巡るアイデア、ああだこうだと盛り上がった末に。
「うん、ノルディとのデートは実に有意義だったよ、食虫植物!」
「植物園デートのついでだろ、それ?」
「ノルディはそういう気なんだろうけど、ぼくの魂はアレに魅入られちゃったんだよ!」
素敵な餌やりタイムに乾杯! とソルジャーは自分に酔っ払っています。
「しっかり観察させて貰った甲斐があったよ、ハーレイホイホイを作れるなんてね!」
「ぼくの方こそ、いい思い付きに混ぜて貰えそうで嬉しいねえ…。それで、明日なんだね?」
「そう、こういうのは思い立ったが吉日だからね!」
誘引用の餌もたっぷり用意しよう、とソルジャーが言えば、会長さんが「接着剤の方も頼むよ」と声を。教頭先生の家が丸ごとハーレイホイホイとやらに化ける日、明日らしいですよ?
翌日は青空が高く広がる日曜日。会長さんのマンションから近いバス停に集まり、歩き始めた私たちの足は非常に重たいものでした。
「…教頭先生ホイホイだよね?」
本気だよね、とジョミー君が嘆けば、キース君が。
「あいつらだけでやってくれればいいものを…。なんで俺たちまで呼ばれるんだ!」
「ギャラリーだと言っていましたよ?」
いなければ張り合いが無いだとか…、とシロエ君。
「とりあえず、ぼくたちにお役目はついていないというのが救いですよ」
「そうなんだけれど…。相手は教頭先生ホイホイなのよ?」
どうせいつものモザイクコースよ、とスウェナちゃんが溜息をついて、私もフウと。教頭先生が真っ裸でベッドにダイブとなったら、スウェナちゃんと私はモザイクの世界。男の子たちはモザイクなんかは要らないでしょうが…。
「モザイク無しっていうのもキツイぜ、俺に言わせればよ」
パンツくらいは履いてて欲しいと思っちまうな、とサム君は言っていますけど。
「サム…。教頭先生のパンツ、アレだよ?」
例の紅白、とジョミー君が指摘し、サム君は青空を仰ぎました。
「あちゃー…。そうか、どう転んだって変な方にしかいかねえんだよな、こういうのはよ」
「そういうことだ。諦めるしかないんだが…」
だがキツイ、とキース君。
「そして、あいつら。とっくに準備を始めてやがるといった所か?」
「どうなんでしょう? まだ早いですし、これからなのかも…」
出来れば済んでて欲しいんですが、とシロエ君がぼやいて、マツカ君も。
「終わった後だと思いたいですね…」
なにしろアイデアがアレですから…、と遠い目を。そうする間にも会長さんの家との距離はどんどん縮まり、マンションの前に着いてしまって、管理人さんにドアを開けて貰って…。
エレベーターで上った最上階。キース君が玄関の横のチャイムを鳴らすと。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
入って、入って! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお出迎え。
「ブルーも来てるの、みんなが来るのを待ってるよ!」
「「「………」」」
教頭先生ホイホイの制作、終わっているのか、これからか。それがとっても気になります~!
飛び跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」の後ろに続いてリビングに行くと、会長さんと私服のソルジャーが待っていました。テーブルの上には封筒があって。
「やあ、おはよう。ブルーが色々持って来てくれてね」
「おはよう! 接着剤も持って来たけど、こっちを見てよ!」
ぼくと「ぶるぅ」のコラボなんだ、と封筒の中から写真がズラズラ。ソルジャーが青の間で「ぶるぅ」に撮らせたのでしょう、紫のマントの正装を順に脱いでゆく写真。
「ハーレイを釣るにはコレだと言っておいたよね、昨日! 思った以上にいい出来で!」
この写真とコレとがセットなのだ、と取り出された矢印のマークが書かれた紙。矢印に従って歩いて行ったら、ソルジャーの写真が次々と服を脱いでゆく仕組み。
「そして終点がハーレイの寝室、其処に粘着ベッドなんだよ!」
接着剤の方は見えないようにサイオニック・ドリームで誤魔化すのだ、と悪辣すぎるソルジャーのアイデア。ダイブしたならベッタリくっつく仕掛けなのに…。
「ぼくもぶるぅと一緒に用意しておいたよ、ベッドの天蓋!」
ムードたっぷりに演出しなきゃね、と会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」がインテリアショップで時間外に調達して来たものは天蓋だとか。青の間のベッドにもありますけれども、あれよりももっとロマンティックにレースたっぷりに出来ているそうで。
「こんな感じに準備は出来たし、後はハーレイを追い出すだけだね」
ハーレイホイホイを作ってる間は立ち入り禁止、と会長さんが宣言すると、ソルジャーが。
「買い出しにでも行かせておけばいいのかな?」
「そんなトコだね、近所の店でいいと思うよ。でなきゃ本屋とか」
「ああ、本屋! そっちの方が時間の調整が便利そうだね」
キリのいいトコで本と意識を切り離してやれば戻って来るし、と頷くソルジャー。
「それじゃ本屋に行かせておくよ。えーっと…」
ハーレイの意識をチョイと弄って…、と独り言が聞こえ、間もなく「よし!」と。
「丁度ハーレイも本屋に行きたい気分だったらしくて、出掛ける用意は整ってたから…。ぼくが思念で合図するまで、立ち読みコースにしておいたよ」
「なるほど、出掛けたみたいだね。…それなら、そろそろ…」
「ぼくたちの方も出掛けなくっちゃね!」
ハーレイホイホイを作りに行こう! とソルジャーが拳を高く突き上げ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も高らかに。
「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
パアアッと迸る青いサイオン。私たちは逃げる暇さえ与えられずに、瞬間移動で教頭先生のお宅に向かって出発です~!
ドサリと放り出されるように着地した教頭先生の家のリビング。会長さんとソルジャーは早速、仕事に取り掛かりました。まずは写真と矢印から。
「玄関を入って直ぐに目に付く所となると…。この辺りかな?」
「ダメダメ、君はハーレイの身長の高さを分かっていない。此処だよ、此処!」
この高さ! とソルジャーが一枚目の写真を壁にペタリと。まだソルジャーの衣装を脱いではいなくて、補聴器だけを外して両手で持っている写真。
「ハーレイがどの辺を見るかも分かっていないだなんて…。君のハーレイへの愛はまだまだ足りていないね、もっと愛してあげないと!」
「そんな気があったら、ぼくはこの企画に乗ってないけど?」
ハーレイホイホイを作るだなんて、と会長さん。
「君はハーレイを食べる気満々かもしれないけどねえ、ぼくは悪戯する方だから!」
「ハーレイもホントに報われないねえ…。まあ、言い出しっぺはぼくなんだけど」
ついでに誘うのもぼくなんだけど、とソルジャーは写真の真下に矢印をペタリ。
「でもって、次の写真がこの辺り、とね」
マントの襟元を外した写真が壁に貼られて、ついでに矢印。そんな調子で写真と矢印がセットで貼られて玄関先から階段へ誘導、二階に上がれば寝室の方へとまっしぐらで。
「うん、いいねえ…! 我ながら惚れ惚れするストリップだよ」
「ぼくはこんなのは御免蒙るけどねえ…」
こんな写真は撮りたくもない、と会長さんがそっぽを向いていますが、ソルジャーは。
「ぼくは好きだな、こういうのもね! ぶるぅも覗きが大好きだからさ、カメラマンとしては最高なんだよ」
どんな恥ずかしい写真でも撮ってくれるし、と寝室の扉に貼られた写真は全裸のソルジャー。辛うじて腰の辺りにマントの端っこが纏わりついているといった感じで。
「これを見てグッと来なけりゃ男じゃないね! 絶対、扉を開けたくなるって!」
「だろうね、マント無しバージョンの写真を拝みに」
でも寝室の中に入ると…、と会長さんが扉を開けて寝室へと。明かりを点けて部屋をグルリと見回し、チッと舌打ち。
「相変わらずの部屋だね、妄想まみれの…。ぼくの抱き枕まで転がってるし!」
「あの抱き枕も長持ちだねえ…。流石はサイオン・コーティングだよ」
でも本日はコレに用事は無し、とソルジャーがベッドからどけた会長さんの抱き枕。そういう代物もあったんだっけ、と意識を手放したくなる部屋ですよねえ…。
寝室での作業は天蓋をセットすることから始まりました。男の子たちも手伝わされて枠を組み立て、教頭先生の大きなベッドにジャストなサイズの天蓋が。レースひらひら、真っ白なもの。それを天蓋にくっついた紐で持ち上げ、ベッドの中が覗けるように。
「ブルー、入ってみてくれる? ぼくが外から確認するから」
会長さんに声を掛けられ、ソルジャーが「うん」とベッドの上に乗っかって。
「この辺りかな? 君も一緒に座る予定だし、こんな風?」
流石はソルジャー、自分の隣に会長さんの幻影を作り出しました。会長さんは二人分の人影を眺めて「もうちょっとかな…」などと天蓋の開き具合を調整して。
「よし、出来た! これで最後の仕上げだけってね」
「ハーレイホイホイにはコレが無くちゃね!」
任せといて、とソルジャーが宙から取り出したバケツ。それの中身をベッドの上へとバシャリとブチまけ、教頭先生の広いベッドは一瞬の内に粘着ベッドに早変わりで。
「「「…やっちゃった…」」」
どう見てもベタベタ、触ったら最後、私たちもベッドに捕まるのでしょう。ハエ取り草だのモウセンゴケだの、ウツボカズラだのに捕まってしまった虫みたいに。しかも…。
「はい、総仕上げ~!」
種も仕掛けもございません! とソルジャーが何処で聞いて来たやら、見事な口上。粘着ベッドの接着剤はパッと消え失せ、普通のベッドが目の前に。これってサイオニック・ドリームですよね、触ったらベタリと貼り付きますよね?
「その通り! 触っちゃ駄目だよ、ハーレイホイホイに別のがかかっちゃ意味が無いから!」
「別の物体がくっつくって結末、ぼくたちの世界じゃ王道だけどね」
他の虫ならまだしも靴下、と会長さんが笑って、ソルジャーが目を丸くして。
「靴下って…。なんで、そんなのがくっつくわけ?」
「そりゃね、ゴキブリホイホイを置く場所は床だから…。もちろん隅の方に置くけど、ウッカリしてると人間が足を突っ込んじゃってさ」
「それで靴下! 分かった、君たちも靴下にならないように!」
下がって、下がって! と言われなくても、距離を取りたい粘着ベッド。ギャラリーの居場所はこの部屋なんだ、とソルジャーに凄まれてしまいましたし、教頭先生ホイホイなんかの発動現場に居合わせるなら、出来るだけ離れていたいですってば…。
ギャラリーの役目は見物すること。教頭先生が気付いてヘタレてしまわないよう、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が私たちの周りにシールドを張ってくれました。「そるじゃぁ・ぶるぅ」も一緒です。教頭先生の目に入るものは会長さんとソルジャーだけで。
「もうハーレイを戻らせていいよね、本屋から」
「オッケー! ぼくたちは此処でポーズを取るとして…」
会長さんとソルジャーが粘着ベッドの上に上がり込み、お互いにチェックしながら服の襟元などを乱して「誘う」ポーズとやらを取る準備を。
私たちの前には「そるじゃぁ・ぶるぅ」が中継画面を用意してくれ、間もなく教頭先生が玄関を入る姿が映し出されて。
「おおっ!?」
なんだ、と教頭先生の視線が玄関先の写真に釘付け。補聴器を取ったソルジャーです。
「この矢印は…。何の印だ?」
こっちへ行くのか、と進んだ先にはマントを外そうとするソルジャーの写真。「ほほう…」と見惚れて矢印に沿って更に進めばマントが無くなり、教頭先生はゴクリと唾を。
「矢印の通りに歩いて行ったら、ストリップが拝める仕組みなのか?」
これは美味しい、とウキウキ、ドキドキ、階段を上がって寝室の方へとズンズンと。寝室の扉にはマントで辛うじて腰が隠れるソルジャーの写真なわけですから…。
「これを開けたら裸なのだな!」
バアン! と勢いよく扉を開けた教頭先生だったのですが。
「な、なんだ!?」
ベッドの上に真っ白な天蓋、しかもその下に…。
「おかえり、ハーレイ」
「ぼくのストリップはお気に召したかな?」
ゴールは一応、此処なんだけど…、とベッドの上から手招くソルジャー。私服姿の襟元が開いて、白い胸元がチラリチラリと。隣には会長さんが並んで座っていて。
「ブルーが提案したんだよねえ、たまにはこういう誘いもいいよね、って。それでね…」
ぼくもその気になっちゃって、と思わせぶりな視線を投げ掛ける会長さんも襟元のボタンが外れて鎖骨がチラリ。教頭先生の喉仏がゴクンと上下して。
「で、では…。そのぅ、このベッドは…」
「素敵な時間を過ごすためにと、天蓋まで用意したんだけどね?」
脱いでくれるなら来てもいいよ? という会長さんの誘い文句に、教頭先生はガッツポーズで。
「うおおおーーーっ!!!」
パパパパパーッ! と擬音が聞こえそうな勢いで服を脱ぎ捨て、紅白縞のトランクスをも脱いでしまった教頭先生、マッハの速さでベッドへとダイブ。その勢いで会長さんとソルジャーを二人纏めて食べる気だったか、会長さんだけのつもりだったかは知りませんが…。
「「「ひいいっ!!」」」
やった、と私たちが上げた悲鳴はシールドに覆われて部屋には響かず、代わりにベチャーン! と間抜けな音が。教頭先生、粘着ベッドに頭からダイブ、大の字でへばりついておられて。
「ううううう~~~」
うつ伏せに貼り付いておられますから、言葉はくぐもって聞こえません。思念波を使うことさえ頭に無いらしく、ひたすらパニック、もがけばもがくほど貼り付くベッド。
「どうかな、ハーレイホイホイの味は?」
会長さんが教頭先生の背中をチョンチョンとつつけば、ソルジャーが。
「こういう時にはお尻だってば! せっかく剥き出しなんだからねえ、触ってなんぼ!」
いい手触り! と、ソルジャーの手が教頭先生のお尻を撫で回しています。
「うー! むむむ~~~!」
「あっ、感じちゃった? それじゃ早速、ぼくからサービス!」
この接着剤は伸びが良くって、とソルジャーは教頭先生をサイオンでゴロンと転がし、仰向けに。スウェナちゃんと私の視界にはモザイクが入りましたが、教頭先生の身体の前面は接着剤にベッタリ包まれていて…。
「ふふっ、大事な所も接着剤まみれになっちゃってるけど…。ご心配なく、ぼくは御奉仕のプロだから! この状態でもプロ魂で!」
天国にイカせてあげるから、とソルジャーが教頭先生の身体に被さり、会長さんの方は。
「ブルーが天国を目指すんだったら、ぼくは悪戯を極めようかな? まずは足の裏!」
笑いながら天国に行きたまえ、とコチョコチョ、コチョコチョ、くすぐるのですから、教頭先生はどうにもこうにもならない状態。
「むむむむむ~~~っ!」
笑ってるんだか、鼻血なんだか、歪んだ顔では分からない境地。そうこうする内、声がしなくなって、ソルジャーが。
「…昇天しちゃったみたいだねえ?」
「笑い死にだと思うけど?」
どっちにしたってハーレイホイホイの役目は果たした、と会長さん。
「この手のヤツはさ、駆除してなんぼのアイテムだしね?」
「うん。食虫植物も食べてなんぼで、虫を殺してなんぼなんだよ」
これで完璧! と手を打ち合わせるそっくりさんたちは、教頭先生を放置で帰る気らしいです。この接着剤、三日は取れないらしいんですけど、えっと、明日からの学校は? 教頭先生、無断欠勤な上にゼル先生とかに見付かっちゃったら…。
「…ヤバくないか?」
キース君が青ざめ、ジョミー君が。
「ヤバイってば!」
助けなくちゃ、と思いましたが、助けに行ったら私たちまで貼り付く結末。ゴキブリホイホイにくっついた靴下みたいな末路は避けたいですし…。
「そこの君たち! ハーレイは放っておいて帰るよ、そろそろお昼の時間だろう?」
ソルジャーの声に「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「かみお~ん♪ お昼御飯、みんな、何が食べたい?」
「「「………」」」
もういいか、と教頭先生をチラリ眺めて、お昼御飯のリクエスト。教頭先生、悪いですけど失礼させて頂きます。ハーレイホイホイからのご無事の脱出、心からお祈り申し上げます~!
捕まれば最後・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
ソルジャーが食虫植物から思い付いたのが、ハーレイホイホイ。ゴキブリホイホイと同じ。
そして実行されてしまって、教頭先生、捕まってベッドにベッタリと。脱出不可能…?
これが2019年ラストの更新ですけど、「ぶるぅ」お誕生日記念創作もUPしています。
来年も続けられますように、どうぞよろしくお願いします。それでは皆様、良いお年を。
次回は 「第3月曜」 1月20日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、12月は、キース君が疫病仏だと評価されてしまって…。
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