シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
今年も夏がやって来ました。夏休みに向かってカウントダウンで暑さも加速してるんですけど、それに加えて日々増えてゆくセミの声。鳴き始めたな、と思った日には一匹だったのが次の日には数匹、今では既にうるさいほどで。
「くっそお…。こいつらはなんとかならんのか!」
やかましい! と中庭で顔を顰めるキース君。周りの木ではセミが合唱しています。
「こうすりゃ静かになるんでねえの?」
サム君が木の幹をドカッと蹴飛ばし、ピタリと一瞬、止んだものの。それに釣られてか、他の木のセミも黙り込んだものの、静かだった時間はほんの僅かで。
再び始まるセミの合唱、どうにもこうにも止まる勢いではありません。
「無駄だよ、サム。蹴って回る方が疲れるよ、それ」
放っておこうよ、とジョミー君が軽くお手上げのポーズ。私たちも「そうだ、そうだ」と頷き合いながら「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へと向かったのですが…。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
授業、お疲れ様! と迎えられた部屋は実に快適な空間でした。クーラーが効いててセミの声も聞こえず、別天地といった感じです。サッと出て来たチョコレートパフェも美味しいですから、もう文句なし。セミのことなど忘れ果てていたら。
「…やはり防音が必要なのか…」
「「「は?」」」
キース君の口から出て来た謎の台詞。防音がどうかしたんですか?
「ああ、すまん。…この部屋はとても静かでいいな、と思ってな。…いや、賑やかではあるんだが…。みんな好き放題に騒いでいるしな」
「どう静かなわけ?」
どの辺が、とジョミー君がキョロキョロ、みんなもキョロキョロ。さっきから来たるべき夏休みに向けてワイワイガヤガヤ、静かどころか逆だったんじゃあ、と思うんですけど…。
「雑音が無いという意味だ。集中できると言うべきか…。気を散らすものが無いからな」
「それ、楽しい時には定番じゃないの?」
盛り上がっていればそういうものじゃあ、とジョミー君が返してみれば。
「そうかもしれんが…。ここに大量のセミがいたとしてもだ、同じ台詞を吐けるか、ジョミー?」
「セミ?」
「そうだ、中庭で鳴いていたようなアレだ。アレを虫籠に詰めて四方八方に吊るしてあっても、ここで大いに盛り上がれるか?」
どうなんだ、と訊かれて悩んだ私たち。この部屋に大量のセミですか…。
「んとんと…。こんな感じかなあ?」
どう? と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が言ったかと思うと、たちまちセミの大合唱。天井に壁に、おまけに床までミーンミーンと凄まじい音が。
「「「うわー…」」」
これは嫌だ、と耳を塞ぐと、「やっぱりコレ?」と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「キースが言うのってコレのことかな、セミがいっぱい」
「もういい、分かった!」
セミは要らん、とキース君が叫んで、シーンと静まり返った空間。あれ、セミは?
「えとえと…。セミは最初からいないんだけど…」
ねえ? と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が視線を向けた先には会長さん。
「そうだね、セミなんかはいなかったねえ…」
一匹も、という話ですけど。それじゃさっきの大合唱は…?
セミがいないのにセミ時雨ならぬセミ暴風雨とは、これ如何に。何だったのか、と目をパチクリとさせていると。
「ぶるぅもタイプ・ブルーだよ? サイオニック・ドリームはお手の物ってね」
さっきのセミもそういうヤツ、と会長さんがニッコリと。
「リクエストにお応えしてってトコじゃないかな、そうだよね、ぶるぅ?」
「うんっ! キースが注文してたから…。ちょっとサービス!」
「俺は注文していないんだが!」
セミだけはもう沢山なんだ、とキース君は頭を振りました。
「俺の家が何処かは知ってるんだろう、セミは充分間に合っている! 朝から晩まで!」
夜明けと共にミンミンなのだ、と言われて浮かぶ元老寺。広い境内には大きな木が沢山、裏山だって木が一杯です。多分、学校の中庭どころのレベルではなくて…。
「そうだ、あいつらは騒音だ! もう測りたくなるくらいに!」
交差点のド真ん中よりうるさい筈だ、とキース君。
「それが朝からミンミン鳴いてだ、夜も明かりの届く辺りでいきなり鳴くんだ、景気よく!」
もうキレそうだ、と頭を抱えてますけど、たかがセミでは…?
「キース先輩、セミは夏の風物詩だと思うんですけど」
あれが消えたら異常気象じゃないですか、とシロエ君が冷静に指摘しましたが。
「そう言えるのはな、お前がセミで困ってないからだ!」
「どう困るんです?」
「卒塔婆書きに影響するんだ、アレが! とにかくうるさい!」
毎年のことだが耐え難い、と苦悶の表情。
「お盆に向けて卒塔婆を書かねば、と早起きをすればミーンミーンで、夜に書いてもいきなりミーンだ、もう耐えられん!」
書き損なってしまいそうだ、という話。卒塔婆を書くのに失敗した時は後が大変だと聞いています。消しゴムってわけにはいきませんから、削って書き直すんでしたっけ?
「そういう仕組みになってるな…。今年もそういうシーズンなんだが、あのセミが…!」
誰かセミどもを止めてくれ、という訴えで分かりました。中庭でセミがうるさいと文句をつけていたわけが。でもでも、セミって止められませんよ?
「うーん…。木を蹴飛ばしても一瞬しか黙らねえからなあ…」
「だよねえ、バイトで木を蹴るんだったら行ってもいいけど、疲れそうだし…」
バイト料をはずんで貰わないと、とジョミー君。時給じゃなくって木を一本蹴る度に加算って、そのアルバイトはボロすぎでは…?
「そんな金があったら防音の部屋を作りたいが!」
しかし親父が許してくれん、とブツブツブツ。
「坊主たるもの、心頭滅却して火もまた涼しだとぬかすんだ! セミくらいで集中力を切らすなど話にならんと!」
「…その辺はぼくもアドス和尚に同感だねえ…」
銀青としてはそう思うよ、と会長さん。
「プロの坊主なら頑張りたまえ。セミがどうのと言っていないで、ひたすら集中!」
「分かってはいる! そうやって毎年乗り越えて来たが、たまには贅沢を言いたくなるんだ!」
こういう静かな部屋が欲しい、と愚痴をこぼされても、私たちにはどうすることも出来ません。それとも此処で卒塔婆を書くとか…?
「いいじゃねえか、それ!」
此処で書けよ、とサム君が乗っかってくれました。
「静かだし、おやつ付きだしよ…。はかどると思うぜ、卒塔婆書きも」
「お前たちが楽しくやってる横でか? それはそれで空しくなるだろうが!」
「「「うーん…」」」
名案だろうと思ったんですが、此処で書くのも駄目ですか…。じゃあ、せめて…。
「癒しを提供すればいいのかな、セミでイラつく君のために?」
何か心が癒えるものを、と会長さん。
「そうすれば落ち着いて集中できるし、何か考えてあげようか?」
「癒しグッズか…。お香の類は駄目だぞ、あれは」
俺の家には通用しない、とアロマグッズは却下されました。抹香臭いお寺に住んでいるだけに、どんな香りも染み付いた香りに敗北するとか。
「おふくろが薔薇の花束を貰って来た時にもだ、薔薇の香りは線香に負けた」
「「「………」」」
そこまでなのか、と驚くと同時にアロマグッズの使えなささを実感です。他に何か…。
「モノがセミだし、騒音となると…。やっぱり癒しの音なのかなあ?」
お寺の場合は水琴窟とか、と会長さんが言ってますけど、水琴窟って…?
「ああ、それはね…。地面の中に甕とか壺を埋めておいてね、上から水をかけるんだな」
そうすれば地面の中で水が滴る綺麗な音が、というのが水琴窟。ピチョーンと響く音が癒しになるそうです。庭に設置してあるお寺も多いらしいんですけど。
「俺はそこまで暇じゃない!」
水琴窟まで行く暇があったら卒塔婆を書かねば、とキース君。水琴窟も駄目ですか…。
「余裕が無いねえ、副住職」
もっと心を広く持ちたまえ、と会長さんは諭したものの。
「ん? 音と言ったら、アレがあったか…」
「「「アレ?」」」
「百聞は一見に如かず、ってね。…こういうモノがあるんだよ。ちょっと借りてみた」
ほら、と会長さんの手のひらの上に直径二センチくらいの銀色の玉が。吊るすための紐がくっついています。会長さんは紐をつまんで玉を空中で揺らしてみて。
「…どう?」
「会長、それって鈴ですか?」
それにしては頼りない音ですが、とシロエ君が訊くと。
「一種の鈴だね、ハーモニーボールとかオルゴールボールって言うんだけれど…。元々は瞑想用だったって話もあるんだ、癒しの音だね」
こんな感じで、と玉が揺れるとシャラシャラ、シャラーン…、と涼しげな音が。大きな音ではないんですけど、癒されるといえばそんな感じかも…。
「これを鳴らせば心が落ち着くってコトで、一時期は人気だったかな。これはフィシスに贈ったんだよ、流行ってた頃に」
純銀製の高級品で…、と始まりました、フィシスさんへの愛情自慢。フィシスさんは今でもハーモニーボールを大切に引き出しに仕舞っているそうですが…。
「こういうので良ければプレゼントするよ、副住職。高級品じゃなくて量産品でも良ければね」
ぶるぅに買いに行かせよう、という会長さんの提案にキース君は飛び付きました。
「是非、頼む! 銀青様からのプレゼントならば俺も集中できそうだ!」
「それじゃ、一個…。ぶるぅ、頼むよ」
「かみお~ん♪ ハーモニーボールを一個、プレゼント用に包装だね!」
行ってくるねー! と瞬間移動でパッと消え失せた「そるじゃぁ・ぶるぅ」。十分ほど経って戻って来ました、リボンがかかった小さな箱をお店の紙袋に入れて貰って。
「ただいまーっ! はい、キースのハーモニーボールだよ!」
「銀青から君へのプレゼント。今日から有効活用したまえ」
「有難い。恩に着る!」
これでセミ地獄も乗り切れそうだ、と嬉しそうですが、ハーモニーボールの音はとっても微かなものです。会長さんがフィシスさんのを鳴らしてますけど、少し離れたら聞こえません。こんな小さな音で集中できるんでしょうか、キース君…。
会長さんからキース君への贈り物。ハーモニーボールで心を癒して卒塔婆に集中、と私たちもエールを送ったのですが、やがて訪れた夏休み。キース君の卒塔婆書きはといえば…。
「進んでるかい、副住職? もう終わりそうな勢いかな?」
合宿の後は遊べそうかな、と会長さんが尋ねると。
「進んでいるわけがないだろう! 今年も地獄だ、これからが本気で追い込みの時期で!」
「あれっ、効かなかったのかい、ハーモニーボールは?」
癒しの音でセミを撃退じゃなかったのかい、と会長さん。
「てっきり卒塔婆書きもはかどってるものと…。あれじゃ駄目かい?」
「…貰っておいてアレなんだが…。なんとも小さな音だからなあ、セミ攻撃の前にはなあ…」
ロクに聞こえてくれんのだ、とキース君は深い溜息をつきました。
「仕方ないから、音繋がりで風鈴を吊るしてみたんだが…。あれも風が無いと鳴らないし…」
「「「あー…」」」
やっぱりハーモニーボールは効かなかったか、と同情すれども、卒塔婆書きは代わってあげられません。明日から始まる柔道部の合宿が終わった後はまた地獄ですね、今年の夏も…。
かくしてキース君たち柔道部三人組は合宿、ジョミー君とサム君は璃慕恩院の修行体験ツアーへと。その間、スウェナちゃんと私は、会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」、フィシスさんも一緒に遊び回って過ごして、合宿が終わり…。会長さんの家で打ち上げパーティー開催です。
「また明日からは卒塔婆書きか…」
今日の打ち上げが終わればな、とキース君が情けなさそうな顔。セミの合唱はますますパワーアップで、ハーモニーボールの音は聞こえもしないそうです。
「せめてあの音が風鈴くらいに響いてくれれば…」
「そこまで大きなハーモニーボールは知らないねえ…」
聞いたこともない、と会長さん。
「せっかく癒しグッズをあげたというのに、何の役にも立たなかったなんて…」
没収かな、と会長さんの手の中に銀色の玉が。元老寺から瞬間移動で回収しちゃったみたいです。
「キースの役には立たないとなれば、此処で癒しのアイテムとしてね」
こんな風に、とシャラーンと音が。クーラーの効いたリビングで耳にする涼しげな音は、ホントに癒しの音色です。個人的に貰ってしまうのもいいな、と思っていたら。
「こんにちはーっ!」
遊びに来たよ、と紫のマントのソルジャーが。アッと言う間に私服に着替えて打ち上げパーティーの席に乱入、早速、焼き肉を頬張りながら。
「うん、美味しい! 今日もいい肉を使っているねえ!」
「かみお~ん♪ マザー農場から沢山貰って来たんだよ!」
どんどん食べてね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。言われなくてもソルジャーは食べると思うんですけど…。タレだって勝手に何種類もお皿に入れて並べてますし。
「来ちゃったか…。こういう時には癒しってね」
君の出現でイラッと来たのをコレで解消、と会長さんがハーモニーボールを鳴らしました。シャラーンと微かな音が広がり、ちょっぴりソルジャーを許せた気分。これが癒し効果というものか、と銀色の玉を見ていたら…。
「あっ、それ、それ! それが前から気になっててさ!」
キースが貰った癒しグッズとかいうヤツだよね、とソルジャーが。
「それって、どういう効果があるんだい? 癒しっていう話だったけど…」
「君には関係なさそうだけど? 何か癒しが必要なのかい、そのタフすぎる神経に!」
およそ出番が無さそうだ、と会長さんがバッサリと。
「こういうのはねえ、もっとデリケートな人向けなんだよ、ハーモニーボール!」
君が持っても猫に小判、と酷い言いように聞こえますけど、その通りかも…。
繊細だとかデリケートだとか、そういった言葉とは真逆のソルジャー。そのソルジャーに癒しグッズなど必要無かろう、と私たちだって思いました。ところが、当のソルジャーは。
「そういうものでもないんだよ。ぼくにも癒しは必要でさ…」
「どういう癒し?」
会長さんが訊くと、即座に答えが。
「もちろん、大人の時間だよ! ぼくのハーレイとの熱い時間で心の底から癒されるねえ!」
「退場!!」
サッサと出てゆけ、と会長さんがレッドカードを叩き付けたのに。
「待ってよ、そのハーレイとの時間のためには癒しが必要! これは本当!」
「誰に癒しが必要だって?」
要らないだろう、と会長さんがツンケンと。
「君はノルディとデートもしてるし、癒しには不自由してない筈だよ。何かと言ったらこっちで息抜き、何処に癒しが要ると言うのさ!」
「ぼくじゃなくって、ハーレイだってば! あっちは年中無休なんだよ、基本的に!」
ソルジャーのぼくより多忙な職業、と名前が挙がったキャプテンの職場。ブリッジは年中無休なのだとは聞いています。ついでにキャプテン、船長なだけに雑務も多いと。
「そうなんだよ! 最悪、食堂のメニューに不足が出たって場合もハーレイに話が来ちゃうくらいで、本当にハードな毎日なんだよ!」
おまけにぶるぅもいるものだから、と悪戯小僧の名前までが。
「ぶるぅが悪戯をやった時には尻拭い! それだけじゃなくて、ぶるぅは覗くし!」
ぼくたちのベッドを覗きに来るから…、と大きな溜息。
「ハーレイは心が休まる暇が無いんだ、思い切り運の悪い時はね。…そうなってくると、ぼくとの時間に影響が出て来るんだよ。こう、元気が無いと言うか、イマイチと言うか…」
そういう時のために癒しが欲しい、とソルジャーの視線がハーモニーボールに。
「あれをシャランと揺すってやればさ、ハーレイは癒されるんだろう?」
「さあ、どうだか…。確かに君よりはデリケートなのかもしれないけれど…」
どうなんだか、と会長さんが首を捻れば。
「そりゃあ、もちろんデリケートだよ! なにしろハーレイは見られていると意気消沈だし!」
ぶるぅが覗きをしていると気付けば一気に駄目で、と言うソルジャー。
「ぼくはぶるぅが覗いていたって平気だし…。これって、ハーレイの方がデリケートだという証明だよねえ、違うのかい?」
「うーん…」
そう言われれば、と唸る会長さん。はてさて、これからどうなるんでしょう…?
ソルジャーはせっせと癒しの必要性を語り始めました。自分が癒されるためにはキャプテンとの大人の時間が必要、そのためにはキャプテンに癒しが必要。
「これからの時期こそ必要なんだよ、ハーレイに癒し!」
夏休みは海の別荘だから、とソルジャーの主張。
「結婚記念日に合わせて貰っての滞在だからね、あそこは絶対、特別休暇を取らなくちゃ! だけど休暇を取りたかったら、その前に仕事が山積みなんだよ!」
例年、とても忙しいのだ、とソルジャーはキース君を指差して。
「あそこのキースじゃないけどさ…。卒塔婆書きと同じでリーチなんだよ、今の時期!」
そんなハードな生活を送るハーレイに癒しを与えて欲しい、とハーモニーボールの方をチラリと。
「キースの役には立たなかったし、没収なんだろ? 要らないんだったら欲しいな、それ」
「欲しいって…。これで君のハーレイを癒すのかい?」
効くんだろうか、と会長さんは疑いの眼差しですけれど。
「何を言うかな、ハーレイだって立派に人間だから! きっと効くって!」
そして効いたらぼくにも癒しのお裾分けが、とウットリと。
「もうすぐ海の別荘ですから、と宥められて我慢ってケースも多いんだけどね、ハーレイを癒すことさえ出来れば、その我慢だって、もう要らないし!」
ガンガンとヤッてヤリまくるのみだ、とソルジャーは拳を握り締めて。
「そうすればぼくの癒しもバッチリ、非常事態が連続したって平気だってね! だから譲って欲しいな、それ!」
「…そういう良からぬ目的のための癒し用に…?」
会長さんの嫌そうな顔に、ソルジャーの方は。
「良からぬ目的って…。そりゃあ、最終的には大人の時間かもしれないけどねえ、ぼくとハーレイとが癒されることに何か文句があるのかい? 言っておくけど、ぼくの世界は!」
SD体制で毎日が苦労の日々なのだ、と出ました、ソルジャーの必殺技が。これを持ち出されると断れないのが定番と言うか、お約束。マザー・システムとやらに支配されている世界の怖さは何度も聞かされているだけに…。
「…分かったよ、ソルジャーとしての君に癒しが必要である、と」
そう言うんだね、と会長さんが確認すれば。
「その通り! ぼくがソルジャーとして守らなければ、シャングリラだって危ういし!」
「…分かったってば、そこまで言うならプレゼントするけど…」
効くかどうかは知らないよ、と会長さんが渡したハーモニーボールをソルジャーは嬉々として受け取りました。でも、本当に効くんですかねえ…?
翌日からはキース君は再び卒塔婆書きの日々。セミの大合唱と戦いつつも書いて書きまくって、マツカ君の山の別荘へと出掛ける頃には大体のめどはついたようです。
「…後はなんとか…。親父も今年は真面目にやってるようだしな」
俺に押し付けて来るとしたって三十本くらいか、と山の別荘へ向かう電車の中で一息、別荘に着いたら卒塔婆は忘れて充実の休日。山や湖で遊びまくって、アルテメシアに戻って来て。
それから卒塔婆をまた書きまくって、お盆の準備もぬかりなく。ジョミー君とサム君も駆り出される棚経が今年も近付いてくる中、たまには休みもあるわけで。
「明後日はいよいよ棚経か…。今日は戦士の休日だな」
明日には戦闘準備だからな、とキース君がジョミー君とサム君に喝を入れる光景もお馴染み。今日は会長さんの家で壮行会よろしくカレーパーティー、いろんなカレーをナンや御飯をお供に食べまくるパーティーです。なんでカレーかって、それは…。
「いいか、しっかり食っとけよ? お前たちも明日はカレーは禁止だからな!」
「分かってるってば…!」
「そうだぜ、毎年、言われているんだからよ」
母さんだって間違えねえよ、とサム君は至って不満そう。お坊さんコースを避けまくっているジョミー君とは違って真面目に取り組んでいるだけに、注意をされるとムッと来るようです。
お坊さんとしての役目がある時はカレーは禁止が元老寺の鉄則、アドス和尚の掟の一つ。カレーは匂いが強く残るだけに、イライザさんは「確実にお寺の出番が無い」と分かっている時しかカレーを作らないのです。ゆえにお盆もカレーは厳禁。
それの巻き添えを食らっているのがサム君とジョミー君、自分の家はお寺じゃないんですからカレーを食べても問題無いのに、お盆の前には付き合わされるというわけで…。
「かみお~ん♪ 暫くカレーは要らない、っていうほど食べておいてね!」
グリーンカレーもココナッツカレーも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。バラエティー豊かなカレーが沢山、ナンにつけて良し、御飯も良し。ワイワイ賑やかにやっていると。
「こんにちはーっ! ぼくにもカレー!」
夏はやっぱりカレーだよね、と出ました、ソルジャー。海の別荘行きも近いんですけど、ソルジャーは暇なようですねえ?
特別休暇の取得に備えて、キャプテンは超のつく多忙な日々を送っている筈。でもソルジャーには遊ぶ余裕があるんだな、と皆でジロジロ眺めていれば。
「当たり前だろ、ぼくの出番はハーレイより遥かに少ないからね!」
シャングリラのことにはノータッチが基本、と私服に着替えてカレーをパクついているソルジャー。会長さんの家に服が預けてあるのです。自分の世界の青の間にもエロドクターとのデートに備えて何着も置いてあるみたいですが…。
「ぼくの服がどうかしたのかい? カレーパーティーなら私服だと思うんだけど!」
より寛いで食べられるしね、とパクパクと。
「しっかりと食べておかないと…。夜に備えてエネルギー充填!」
「「「は?」」」
海の別荘も近いとはいえ、間にお盆が挟まります。今頃から夜に備えてどうするんだ、とソルジャーの顔を見詰めたら。
「えっ? 夜って言ったら今夜だけど? 体力をつけて大人の時間!」
「ちょ、ちょっと…。君のハーレイ、それどころじゃないって言わなかったかい?」
この時期はとても忙しいんじゃあ…、と会長さん。
「癒しが必要なほどの生活だと聞いたよ、いくら癒されても限度ってものが…」
「一発くらいが限界だろう、って言いたいのかい?」
「…そ、そうハッキリとは言わないけれど…」
「言ったのも同じ!」
そしてあながち間違いではない、とソルジャーは至極真面目な顔で。
「もちろんハーレイも疲れてるから、限界ってヤツは当然、あるよ? でもねえ…。同じ一発でも濃いめの一発と、渋々一発とは違うもので!」
「「「へ?」」」
「要は中身の問題なんだな、うんと充実した時間だったら一発だけでもぼくは満足!」
いわゆる濃いめの大人の時間、と真剣な顔で言われましても。それってどういう意味なんでしょうか、濃いめの時間がどうしたと…?
「君たちには理解出来ないだろうと思うから…。分かりやすく言うなら、ハーレイが凄くスケベなわけだよ! 普段以上に!」
「「「スケベ?」」」
「そう、スケベ! もうムラムラとしちゃっていてねえ、ぼくにも無茶を強いるんだな!」
それがとっても素敵な時間で…、とソルジャーは極上の笑みを浮かべてますけど、忙しい筈のキャプテンが何故にスケベで無茶を強いると…?
謎としか言いようのないソルジャーの話。キャプテンが使い物にならなくなった、と言い出したのならまだ分かりますが、その逆だなんて何が起こったのでしょう?
「あっ、知りたい? もう君たちの世界に感謝!」
とてもいいアイテムが手に入ったから、とソルジャーがヒョイと宙に取り出したものは銀色のハーモニーボールでした。それは癒しのグッズじゃなかったですか?
「まあね! そして実際、効いたんだけどさ…。ぶるぅの覗きでショックを受けてたハーレイに聴かせたら、普段よりも早く落ち着いちゃって…!」
お蔭であの日も一発ヤれた、と笑顔のソルジャー。
「いつもだったら、この時期にぶるぅが覗いちゃったら、もう駄目なのがお決まりのコースなんだけど…。これのお蔭で素敵に一発!」
そしてぼくにもたっぷり癒しが…、とソルジャーはそれは御機嫌で。
「ぼくが聴いてもただの綺麗な音なんだけどね、ぼくのハーレイには効果大! そうなってくると次の段階へと進んでみたいと思わないかい?」
「「「次の段階?」」」
「もっと癒しが欲しくなるじゃないか!」
今の時期は不足しがちな癒し、という言葉が指している癒し、元々の意味ではなさそうです。ソルジャー好みの癒しとやらで、大人の時間のことなんじゃあ…?
「ピンポーン♪」
大当たり! とソルジャーがニコリ。
「まさに大人のための癒しで、大人の時間を呼び込む癒し! ズバリ、コレでね!」
ジャジャーン! と効果音つきで出て来たハーモニーボール。あれっ、どうして二つあるの? 会長さんがプレゼントしていたハーモニーボールは一個だったと思うんですけど…。
「こっちのは、ぼくのオリジナル! ぼくが作ったわけじゃないけど!」
アイデアは出した、とソルジャーの両手にハーモニーボールが一個ずつ。見た目はどっちもそっくりですが…。
「まあ、見てよ! ブルーに貰った方がコレでさ…」
シャララーン、と鳴った音には覚えがありました。癒しの音色というヤツです。それじゃ、もう一つのハーモニーボールは?
「こっちかい? こっちはこういう音なんだな!」
シャリーン、シャラーン、と聞こえた音はオリジナルとさほど変わりません。言われなければ別物だなんて気付きそうにないと思いますけれど、このハーモニーボールに何か特別な効果でも?
みんなの目が釘付け、二つ目のハーモニーボールらしきもの。けれども音色も似たようなもので、見た目はそっくりと来たものです。どう違うんだ、と突っ込みたいのを抑えていれば。
「これだけじゃ分からないんだよ。…ちょっとお客さんを呼んでもいいかな?」
「ぶるぅだったらお断りだよ!?」
会長さんが慌てて制止。お盆の棚経を控えての壮行会だけに、大食漢の悪戯小僧は困ります。「ぶるぅ」が来たなら、カレーなんかは食い散らかされておしまいで…。
「違うよ、ぶるぅは呼ばないよ! こっちの世界のハーレイだけど!」
「「「教頭先生?」」」
何故に、と私たちの声がハモッて、会長さんは。
「ハーレイって…。ハーレイで何をするつもり?」
「見れば分かるよ、呼んでいいかな?」
「駄目だと言っても呼ぶんだろう!」
「話が早くて助かるよ。…うん、ちょうど暇そうにしてるってね!」
ちょっと失礼、とソルジャーのサイオンがキラッと光って、教頭先生が瞬間移動でご登場。こちらも私服でリラックスしていらっしゃったようですが…。
「な、なんだ!? …あ、こ、これは…! ご無沙汰しております…!」
ソルジャーに気付いた教頭先生、慌ててお辞儀。もちろん会長さんにも「邪魔してすまん」と挨拶ですけど、その教頭先生にソルジャーが。
「悪いね、急に呼び出しちゃって。…でもねえ、君に頼みがあるものだから…」
「私にですか?」
「そう! 君なら分かると思うんだ。これの値打ちが!」
癒しの音色が聞こえる筈で…、とソルジャーは会長さんから貰った方のハーモニーボールを揺らしました。シャラーンと涼しい音が聞こえて、教頭先生が。
「ハーモニーボールというヤツですか…。一時期、こちらで流行りましたね」
「うん、ブルーから貰ったんだけど…。こっちがぼくのオリジナルでさ」
まあ聞いてみて、とシャリーン、シャラーン、とソルジャーが作らせた方が鳴らされると。
「これは…。なかなかに深くていい音ですねえ…」
「君の耳にもそう聞こえるかい? じっくりと聞いてくれればいいよ」
こんな感じで…、とソルジャーが揺すって鳴らす音色に、教頭先生は目を閉じて聞き入っておられましたが、その顔がなんだか次第に赤く…なってきたように見えませんか…? それに身体もモジモジしてます、教頭先生、どうかなさいましたか?
「…す、すみません…」
教頭先生がパチリと目を開け、恥ずかしそうに。
「トイレに行ってもよろしいでしょうか、急にもよおして来ましたので…」
「どうぞ、ごゆっくり」
トイレはあちら、とソルジャーが指差し、教頭先生はトイレへと。バタンと扉が閉まったであろう頃に、会長さんが不快そうに。
「…トイレって…。何がトイレさ、ぼくの家のトイレが穢れるんだけど!」
「そう思うんなら送り返せば?」
「当然だよ!」
消えて貰う、と会長さんの声が響いて、教頭先生は強制送還されてしまったみたいです。トイレから自分のお家へと。…でも、どうして…?
「ふふ、それはねえ…。トイレに籠った理由がトイレじゃないからなんだよ!」
「「「は?」」」
ソルジャーの言葉は意味不明でした。トイレに入ってトイレじゃないって……なに?
「簡単なことだよ、ズボンを下ろして始めること! 下ろさなくっちゃ出来ないこと!」
「「「…???」」」
「こっちのハーレイ、ズボンの下には紅白縞だよね? その下には何があるのかな?」
ぼくの大好物があるんだけれど…、とソルジャーは自分の唇をペロリ。大好物って、まさか教頭先生の大事な部分のことですか…?
「それで正解! このハーモニーボールはねえ…。アソコに響く音色なんだな!」
しかも何故だかハーレイ限定、とシャリーンと鳴らされたハーモニーボール。その音がアソコに響くですって…?
「そうなんだよ! 癒しの音色をもっと他にも、ってサイオンで音を弄っていた時、偶然、発見しちゃってねえ! ぼくのハーレイがムラムラする音を!」
それがこの音、とシリーン、シャラーン、と。
「ぼくも記憶力はいい方だからさ、どういう細工をした時だったかは覚えてた! それで、その音を出せるハーモニーボールってヤツを、ぼくのシャングリラで作らせたわけで!」
元のハーモニーボールを参考にして手先の器用なクルーに任せて、とニコニコニッコリ。
「出来上がったヤツをハーレイの耳元で鳴らしてやったら、もうバッチリ! 癒しを飛び越えてムラムラしちゃって、強引に押し倒されちゃって!」
それ以来、これを鳴らして楽しみまくっている日々なのだ、とソルジャーが鳴らすハーモニーボール。もはやハーモニーボールと呼べない代物になっていませんか、その音は…?
ソルジャーが作ったハーモニーボール、キャプテンがムラムラするらしい音色。教頭先生にも効いたらしくてトイレに駆け込み、送り返されてしまわれましたが…。
「き、君は…! そんなモノを作ってどうすると…!」
会長さんの声が裏返って、ソルジャーは。
「使い道は決まっているだろう! ハーレイとの時間の充実だってば、この音色で!」
シャリーンと鳴らせば素敵なハーレイ、と赤い瞳がキラキラと。
「実はね、量産中なんだ! 海の別荘行きを控えて!」
「「「量産中?」」」
「そのまんまの意味だよ、大量生産! 幾つ作れるか、時間との勝負!」
なにしろ繊細な手作業だから…、とソルジャーは胸を張りました。
「少しの狂いであの音が出なくなっちゃうんだよね、だから手作業! ぼくのシャングリラで細かい作業を得意とするクルーを総動員!」
ただし全員時間外作業、とソルジャーお得意の技が炸裂しているようです。正規の仕事とは違う仕事をやらせた上に記憶を操作し、何をやったか忘れさせるという技を。
「また時間外でやらせてるって? 後で視察に出掛けるだけで御礼は無しっていうヤツを?」
会長さんが溜息まじりに言えば、ソルジャーは。
「それでいいんだよ、ぼくのシャングリラは! ソルジャーが視察に出掛けて労う、これが最高の名誉なんだからクルーも喜んでくれるしね!」
問題無し! とブチ上げてますが、その大量のハーモニーボールを何に使うと?
「決まってるじゃないか、ハーレイがムラムラする音を奏でてくれるんだよ? もう別荘のあちこちに吊るして、ちょっとした風とか振動とかでさ、鳴らしまくりで!」
そしていつでも何処でもムラムラ! とソルジャーの発想は斜め上でした。つまりアレですか、海の別荘では至る所でキャプテンがムラムラ、ソルジャーを強引に押し倒すと…?
「そういうこと! あっ、その場ではヤらないようにさせるから! ちゃんとベッドに瞬間移動で連れて行くから!」
でも押し倒すくらいはご愛嬌で許して貰えるよねえ? と期待の表情。
「だってさ、結婚記念日に合わせての滞在なんだしね? ぼくを食堂で押し倒していようが、別荘の玄関で押し倒そうが、感極まっての行動ってことで、そこはよろしく!」
ぼくのハーレイもとても楽しみにしているから、とソルジャーの顔に満面の笑みが。
「ぼくはね、これをムラムラボールと呼んでるんだよ、幾つも吊るして鳴らしてムラムラ!」
もう最高の別荘ライフ! とソルジャーがシャリーン、シャラーン、と鳴らす怪しいハーモニーボール、いえ、ムラムラボール。今年の海の別荘ライフは最悪ですか…?
ソルジャーは上機嫌で帰って行ったのですけど、私たちの方はそれどころではありませんでした。海の別荘、教頭先生もいらっしゃることになっています。そんな所へ大量のムラムラボールとやらを仕掛けられたら…。
「…ヤバくないですか?」
シロエ君が青ざめ、ジョミー君も。
「ヤバイなんていうレベルじゃなくって…! あれって、教頭先生にだって…」
「影響、モロに出てたよなあ…?」
ブルーが危ねえ、とサム君、真っ青。会長さんに惚れているだけに、教頭先生がムラムラしてしまうアイテムに対する危機感の方も人一倍で。
「なんとか出来ねえのかよ、あの計画!」
「出来たら誰も苦労しないよ」
ついでにハーレイを呼ばないのも無理、と会長さん。
「呼ばないと言ってもブルーが呼ぶに決まっているしさ…。ぼくは安全のために部屋から一歩も出ないというのがいいんだろうか…」
食事とかはルームサービスで…、と会長さんが立てこもりを決意しかけた時。
「いや、いける! セミさえあればな!」
セミだ、とキース君が叫びました。
「そもそも俺がだ、セミの大合唱に負けてだ、ハーモニーボールを手放したのが始まりだった筈なんだ! あの手の音はセミで消せるぞ、間違いない!」
「そうか、セミ…!」
その手があったか、と会長さんは手を打ったものの。
「…駄目だ、サイオンでセミの鳴き声を再現したって、ブルーなら軽く消してしまえるし…」
「そこで本物の出番だろうが!」
本物のセミが鳴きまくっていれば無問題だ、とキース君。絶対にそれでいける筈だ、と自信を持ってのお勧めでしたが…。
「…うるさくない?」
「うるさいが…。もう、どうしようもなくうるさいんだが…!」
だが、あの声が止まったら…、と海の別荘で私たちは耳を押さえていました。ミーンミーンの大合唱があちこちに置かれた虫籠からワンワンと響き渡っています。夜も煌々とライトを点けてのセミ対策だけはバッチリでしたが、もう神経が参りそうで。
「…でも、教頭先生もセミがうるさいと部屋に引きこもってらっしゃいますし…」
そういう意味では安心ですよ、とシロエ君。ソルジャーが仕掛けたムラムラボールは別荘内だけ、ビーチに行くには何の問題も無いですし…。
「でもよ、なんであいつらには効かねえんだ?」
セミ攻撃、とサム君が嘆く通りに、ソルジャー夫妻はムラムラボールの効果を満喫していました。食堂でムラムラ、廊下でムラムラ、まるでセミなどいないかのように。
「…ブルーだからだよ、あの音だけをサイオンでシャットアウトが可能」
ぼくには真似が出来ないけどね、という会長さんの言葉に肩を落とした私たち。別荘ライフはセミ狩りに始まり、セミ狩りに終わってしまいそうです。その上、セミでノイローゼ気味で…。
「…俺の気分が分かってくれたか、卒塔婆書きの?」
「分かったけどさあ…」
もうこれ以上は分かりたくない! というジョミー君の悲鳴は誰もの心に共通でした。教頭先生のムラムラ防止にセミの声。あのミンミンがここまで神経に障るものとは、なんとも悲劇。早く別荘から解放されたい気分ですけど、残りの日程、何日でしたっけ、マツカ君~!
セミには癒し・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
キース君の癒し用に導入されたハーモニーボールが、とんでもない方向へ行ったお話。
ムラムラボールも迷惑ですけど、セミのうるささも半端ないわけで…。気の毒すぎ。
次回は 「第3月曜」 4月20日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、3月といえば春のお彼岸。なんとか避けたい法要ですけど…。
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