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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

捨てたい芸術

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




今年も暑い季節の到来、夏真っ盛りで口を開けば「暑い」な毎日。やっと一学期も終わったから、と夏休みの初日は会長さんの家へ。クーラーの効いた部屋で夏休みの計画を練るわけですけど、パターンは定着しつつあります。
まずは明日から始まる合宿、これは柔道部の三人組。そっちの合宿期間に合わせてジョミー君とサム君が璃慕恩院行き、子供向けの修行体験ツアー。本来は二泊三日の所を会長さんの顔で延長戦。帰って来たら愚痴祭りになるのが恒例行事。それが終われば大抵は山の別荘行きですが…。
「…くっそお、今年は俺は地獄だ…」
地獄なんだ、とキース君がカレンダーを見てブツブツと。今の時期にはお盆に向けての卒塔婆書きの筈、大量の卒塔婆の注文が舞い込みましたか?
「いや、そうじゃなくて…。卒塔婆の数は例年とさほど変わらんのだが…」
「お父さんの分まで回って来たとか?」
ありがちだよね、とジョミー君。元老寺の住職なアドス和尚はサボリがお好き。キース君が副住職になって卒塔婆を書くようになると、あれやこれやと理由をつけては自分のノルマを押し付ける傾向があるわけで…。
「親父か? ある意味、親父絡みではあるんだが…。卒塔婆も絡んで来るんだが!」
「…だったら、お父さんの分が全部来たとか?」
旅行とかで逃げられちゃって、とジョミー君が重ねて訊くと。
「その方がまだマシな気がする…」
「「「は?」」」
卒塔婆のノルマは半端な数ではないと毎年聞かされています。アドス和尚の分を丸ごと押し付けられたら何本なんだか、ちょっと見当もつきません。凄い労力が要りそうですけど、そっちの方がマシって何事…?
「書くだけだったら、さほど暑くはないからな。少なくとも炎天下で書くことはないし」
「…だろうね、卒塔婆は普通は外で書かないし」
例外も無いことはないんだけれど、と会長さん。
「小さいタイプの卒塔婆とかなら、お彼岸やお盆も外で書いて渡したりするけれど…」
それにしたって仮設テントがあるものだよね、という話。それじゃキース君が言う地獄とやらは仮設テントの卒塔婆書きでしょうか、でも…。
「元老寺のソレ、中で受け付けだと思うんだけど」
春のお彼岸にタダ働きで書かされてる、とジョミー君が。そういう光景を目にした年もありました。
キース君が仮設テントで卒塔婆書きにはなりそうもないのが元老寺。キーワードは炎天下というヤツなんでしょうか、今年の夏は猛暑の予報ですしね?



「…墓回向を一人でやるのかよ?」
もしかして…、とサム君がブルッと震えて、私たちも。
「「「うわー…」」」
それはキツそうだ、と思い浮かべた元老寺の墓地。裏山にあって、だだっ広くて、墓地だけに木陰も殆ど無くて。それを一手に引き受けとなると、どう考えても地獄です。
「…強く生きろな、いつかは俺も手伝いに行ってやるからよ」
まだ無理だけどよ、と人のいいサム君。
「坊主養成コースに入っちまったら、墓回向、出来る筈だしよ」
「そうだな、大いに期待しているが…。生憎と俺の地獄は墓回向じゃない」
「いったいどうい地獄なんです、キース先輩」
ぼくたちは素人集団ですからお寺のことは分かりません、とシロエ君が正面からアタック。キース君は「火焔地獄だ」と答えましたが。
「「「火焔地獄?」」」
それは聞くだに暑そうです。とはいえ、まさか本物の地獄に出掛けるわけではないでしょうし…。
「文字通り、火との戦いなんだ! この暑い中で!」
壮絶なバトルが待っているのだ、と言われても…。キース君の宗派、護摩焚きはしないと何度も耳にしています。それなのに火とのバトルって…なに?
「お焚き上げだ!」
「あー、裏山でやってるよねえ…。アドス和尚が」
たまに見るよね、とジョミー君。キース君の家の裏山には何度か入ったことがあります。そういう時にアドス和尚が焼却炉で何か燃やしているのがお焚き上げですが、それが地獄?
「普段のお焚き上げなら大したことではないんだが…。俺も時々、やってるんだが!」
「グレードアップしたのかよ?」
焼却炉がデカくなったとか…、とサム君が言うと。
「そのコースなら、むしろ歓迎だ! 同じ地獄でも時間が短縮できるからな」
「「「え?」」」
「焼却炉のサイズは変わっていない。そいつで卒塔婆を山ほど焼くんだ、今年の俺は!」
書いた卒塔婆よりも多い卒塔婆を…、と嘆いてますけど、なんでそんなことに?
「分からないのか、お盆と言えば卒塔婆だぞ? 檀家さんが墓まで持って行くんだぞ?」
そして墓のスペースには限りがある、とキース君。
「新しい卒塔婆を置くとなったら、空きスペースが必要なんだ! つまりは古い卒塔婆を撤去しないと、持って行っても置けんのだ!」
新しい卒塔婆を置きたかったら、卒塔婆の整理。古い卒塔婆にサヨナラなわけで…。



「…もしかしなくてもよ、お前、回収した卒塔婆、一人で焼くとか…?」
まさかな、とサム君が尋ねましたが。
「そのまさかだ! 古い卒塔婆を端から回収、そこまでは墓地の管理をしてくれている人に任せられるが、お焚き上げの方は資格が無いと…」
「うん、無資格で焼いたらゴミを焼いてるのと変わらないねえ…」
住職の資格は必須アイテム、と会長さん。お焚き上げってそういうものですか?
「そうだよ、しっかり読経しながら焼いてこそ! でないとホントにただのゴミ処理」
「…ブルーが言ってる通りでな…。例年なら親父と分業なんだが、ウッカリ親父に借りを作ったのがマズかった」
「「「借り?」」」
「…それについては聞かないでくれ。坊主のプライドが粉々になる」
ちょっとしたヘマをしたみたいです。アドス和尚がそれをフォローしたってことでいいですか?
「そういう線だな、その借りを返せと押し付けられた。…お焚き上げを全部!」
「じゃあ、先輩の火焔地獄というヤツは…」
「少なくともお盆までの間の何処かで丸一日は焼却炉との戦いだ!」
この際、一気に片付けてやる、と言ってますけど、日を分けた方がマシなんじゃあ…?
「毎日やるより、一日で済ませた方が気分がマシなんだ!」
まだ残っていると思うよりもマシ、と前向きなんだか、後ろ向きなんだか。とにかく一日はそれで潰れて、遊びに出掛ける暇が無さそうだ、と…。
「そうなるな。…どうせお盆が待っているんだ、火焔地獄もその一つだと思っておけば…!」
お盆は地獄の釜の蓋も開くしな、と絶妙な例え。ふむふむ、一足お先に地獄体験、と…。
「間違えるな! お盆の間は地獄は休みだ、一足先も何も、完全に開店休業なんだ!」
地獄でさえも休みだというのに、なんだって俺が…、と再びブツブツ。卒塔婆って厄介なものだったんですね、書いたら終わりじゃなかったんだ…。
「…例年だったら親父と手分けで、朝の涼しい内とかに少しずつ焼いてたんだがな…」
全部となったら一気に焼く! と根が真面目ゆえの凄い選択。頑張って、としか言えません。卒塔婆はゴミには出せませんしね…。
「そもそもゴミではないからな…。どんなに雨風でくたびれててもな」
「シュレッダーにかけるってわけにもいかないしねえ…」
分かるよ、と会長さんがキース君の肩に手をポンと。
「頑張るんだね、火焔地獄」
「銀青様に激励されたら、やる気も湧いては来るんだがな…」
それでも地獄、と大きな溜息。炎天下で一人でお焚き上げな夏、気の毒としか…。



「お焚き上げかあ…」
卒塔婆ってエコじゃなさそうだね、とジョミー君が妙な発言を。エコって、いったい…?
「エコだよ、エコ! えーっと…エコロジーだっけ?」
地球に優しいっていうエコのこと、と言われてみれば。
「…エコじゃねえなあ、確かにな。思いっ切り燃やしちまうんだしよ…」
お寺でなければ文句が来るよな、とサム君が言う通り、煙がモクモクなあの焼却炉は住宅街では使えません。家の落ち葉を焼いていたって文句が出るのが今の御時世。
「燃やすっていうのもマズイですけど、リサイクルだって出来ませんしね…」
シロエ君が頷き、ジョミー君が。
「うん、そこなんだよ! 燃やすしかなくって、リサイクル不可ってエコじゃないな、と」
「お前な…。卒塔婆を捕まえてエコも何も!」
しかし…、とキース君も腕組みをして。
「お盆の迎え火も近所迷惑で出来ない昨今、いずれは卒塔婆も変わるかもなあ…」
エコな方へ、と考え中の副住職。エコな卒塔婆って、リサイクルですか?
「変わるとしたなら、その方向だな。古い卒塔婆を燃やす代わりにリサイクルだろう」
今の素材では無理なんだが…、というのは間違いない話。卒塔婆の素材は木材なだけに、リサイクルしても卒塔婆の形で戻って来てはくれないでしょう。素材から変えるしかないんですね…。
「そういうことだが、どんな卒塔婆になるのやら…」
俺には全く見当がつかん、とキース君。でもでも、世の中、エコな方へと進む風潮、いずれは卒塔婆のお焚き上げだって出来なくなるかもしれませんし…。
「お焚き上げが出来なくなる時代ねえ…」
来るかもね、と会長さん。
「もしも卒塔婆もエコでリサイクルな時代が来たって、ぼくが処分をしたいブツはさ、どうにもならないわけなんだけどさ…」
「「「は?」」」
不燃ゴミでも抱えてましたか、会長さん? それなら早めに連絡して回収を頼むとか、分別可能な代物だったらきちんと分けてゴミに出すとか…。
「そうしたいのは山々だけどさ、ゴミに出したら犯罪者だしさ…」
「「「犯罪者!?」」」
どんなゴミを家に置いているのだ、と驚きましたが、考えてみれば会長さんはソルジャーです。ワープまで出来るシャングリラ号が存在するだけに、有り得ないゴミを持っているかも…。
「…まあね」
有り得ないゴミには違いないね、という返事。やっぱり、そういうゴミですか~!



会長さんが溜め込んだらしい、ゴミにも出せないゴミとやら。シャングリラ号の仕組みは私たちにはサッパリですけど、あれと通信するための設備、壊れてもゴミに出せないとか…?
「うん、出せない。…そのままでは無理」
出すんだったら専門の仲間に頼まないと…、と会長さん。元が何だったか分からないように分解した上でゴミだか、リサイクルだか。希少な金属などは仲間がリサイクルしているらしいですけど、そういうシステムがあるんだったら、有り得ないゴミもそっちに出せば?
「ダメダメ、頼まれた方も犯罪者になってしまうから!」
あれは共同正犯になるんだろうか、と法律用語が飛び出すからには、そのゴミとやらを処分した場合、裁ける法律があるわけですね?
「あるねえ、いわゆる刑法ってヤツが」
「「「刑法…」」」
法律の方はサッパリですから、刑法自体がイマイチ分かっていないんですけど…。
「刑法の中のどれなんだ?」
キース君が質問を。法律を勉強したかったのだ、と普通の学生だった頃に聞いた覚えがあります。お坊さんになるんじゃなくって、法律家。夢は捨てたとかで、今は副住職ですけれど。こういう話になって来たなら、俄然、興味が出て来るのでしょう。
「…どれと言われたら、ズバリ、百九十九条になるね」
「「「百九十九?」」」
はて…、とオウム返しな私たちでしたが、キース君だけが顔色を変えて。
「まさか、あんたがゴミに出したいのは人間なのか!?」
「「「人間!?」」」
何処からそういう発想に…、と顔を見合わせれば、キース君が。
「刑法で百九十九と言ったら、殺人罪だ!」
「「「ええっ!?」」」
殺人って…。それじゃ、会長さんがゴミに出したいものって、ホントに人間なんですか?
「…残念なことに人間なんだよ」
宇宙に捨てれば足がつかないかもしれないけれど、と恐ろしい台詞。いったい誰を殺したいと?
「決まってるだろう、ハーレイだよ! それと、殺したいわけじゃないから!」
ゴミに出せたらスカッとするな、と思っただけだ、と会長さん。
「あの暑苦しいのを分別して出すとか、リサイクルとか…。きっとスッキリするだろうと!」
「「「…ゴミ…」」」
教頭先生をゴミに出したいだなんて、そこまで言いますか、オモチャどころかゴミですか…。



「…ん? オモチャだって、いつかはゴミなんだしね」
気に入らないオモチャは直ぐにゴミになったりするし…、と会長さんは澄ました顔で。
「そうでなくても人に譲るとか、バザーに出すとか、こう、色々と…。でも、ハーレイの場合はそういうわけにもいかなくて…」
「当たり前だろうが!」
ゴミと一緒にするヤツがあるか、とキース君が怒鳴りましたが。
「…でもねえ…。たまに出したくなっちゃうんだな、ゴミステーションに」
粗大ゴミで、と会長さん。
「でなきゃリサイクルって書いて出すとか、捨ててみたい気分! 夏休みは特に!」
生ゴミがうっとおしい季節だから…、と生ゴミにまで転落しました、教頭先生。ゴミに出すのもバザーに出すのも、リサイクルだって無理だと思うんですけどねえ?
「無理だからこそ、ぼくの夢なんだよ! 一回くらいは捨ててみたいと!」
「あんた、少々、酷すぎないか?」
卒塔婆でもゴミじゃないんだが…、とキース君が突っ込みましたが、会長さんときたら。
「なら、ハーレイは卒塔婆以下だね、ぼくにとっては!」
ゴミに出したい代物だから、と会長さんが言った所で空気が揺れて。
「こんにちはーっ!」
紫のマントがフワリと翻り、ソルジャー登場。私たちがいるリビングを横切り、空いていたソファに腰を下ろすと。
「ぶるぅ、ぼくにもおやつと飲み物!」
「かみお~ん♪ ちょっと待っててねーっ!」
はい、とソルジャーの前に置かれた夏ミカンを丸ごとくり抜いたゼリー。くり抜かれた中身がゼリーになって詰まっています。それとよく冷えたレモネードと。ソルジャーは早速、ゼリーにスプーンを入れながら。
「…途中から聞いてたんだけど…。ハーレイをゴミに出したいんだって?」
「出したくもなるだろ、あんなモノ!」
夏は生ゴミが臭い季節で…、とまたも出ました、生ゴミ発言。
「だけど出したって回収どころか、ゴミ収集の人にしてみれば、ゴミステーションにホームレスだか酔っ払いだかが転がってるな、って感覚だろうし…」
「そりゃ、回収はしないだろうねえ…」
普通に死ぬしね、とソルジャーもゴミ収集車は理解が出来ている様子。生ゴミが入った袋をガガーッと粉砕しながら走るんですから、教頭先生を入れようものなら、それこそ刑法百九十九条とやらでゴミ回収の人が捕まりますよ…。



会長さんが出したい生ゴミ、いや粗大ゴミ。けれどソルジャーにしてみれば…。
「あのハーレイをゴミに出すだなんて! もったいないから!」
それくらいなら貰って帰る、と斜め上な台詞。持って帰るって、教頭先生をですか?
「そうだけど? それともバザーで売ってくれるのかな?」
買えるんだったら是非買いたい、とソルジャーの瞳がキラキラと。
「ぼくのハーレイ、昼間はブリッジなものだから…。退屈でたまらないんだよ!」
「…それで、あの生ゴミが欲しいって?」
ゴミなんだけどね、と会長さん。
「君が貰って帰った所で、究極の鼻血体質だし! おまけにヘタレで、君だってきっと後悔すると思うけど? とんだゴミを引き取ってしまったと!」
「うーん…。もちろん、そういう目的の方で使ってみてもいいんだけどねえ…」
もっと他にも使い道がね、とソルジャーはニヤリ。
「こっちのハーレイ、一人暮らしだしさ…。家事全般は出来るんだよね?」
「それはまあ…。炊事に洗濯、掃除も出来る筈だけど?」
「それだけ出来れば充分じゃないか!」
決して粗大ゴミなどではない、とソルジャー、絶賛。
「ゴミっていうのは何の役にも立たないからこそゴミなわけでさ…。ぼくが引き取って有効活用、きちんと仕込めば素敵な下僕に!」
「「「下僕?」」」
「そう、下僕。ぼくの召使いと言えばいいのかな? 是非とも欲しいね、ゴミに出すなら」
夏休みの間だけでもゴミに出さないか、とソルジャーは会長さんに持ち掛けました。責任を持って回収するから、ハーレイをゴミに出してくれ、と。
「うーん…。ゴミって、ゴミステーションに?」
「ゴミステーションがいいなら、それでかまわないよ? 捨ててあったら持って行くから」
「ゴミ収集車が来る前にかい?」
「決まってるじゃないか!」
大事なお宝をゴミ収集車なんかに譲れるものか、と本気で回収するつもり。会長さんの方はどうしたものかと考え込んでいましたが…。
「分かった、それならゴミに出してみよう」
「本当かい!?」
「燃えるゴミの日と燃えないゴミの日、どっちがいい? 生ゴミは燃えるゴミだけど」
「好きな方でいいよ?」
どっちでもオッケー、とソルジャーが親指を立ててますけど、教頭先生、本当にゴミに…?



「えーっと…。燃えるゴミの日は…、と…」
会長さんがカレンダーを眺めて、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「えとえと、明日も燃えるゴミの日なんだけど…。みんなお留守になっちゃうよ?」
合宿だよ、という声に、会長さんは。
「そうだったっけ…。同じ出すなら、見ている人が多い日でなきゃ…」
「それ以前にだな!」
キース君が声を荒げました。
「教頭先生がいらっしゃらないと、明日からの合宿が成り立たないんだ! ついでに夏休み中も柔道部の部活はあるんだからな!」
捨てるな、馬鹿! とストップが掛かったというのに、会長さんは鼻でフンと笑うと。
「…合宿の間は君たちも留守だし、ハーレイも泳がせておくことにしよう。でも、戻って来たら捨てることに決めた! 夏休みの間は!」
「本当に捨ててくれるのかい?」
ぼくが拾っていいのかい、と嬉しそうなソルジャーと、似たような表情の会長さんと。
「捨てる神あれば拾う神ありとも言うからねえ…。捨てたら、拾えば?」
「喜んで!」
捨てる前には連絡してよ、とソルジャーは念を押しました。出来るだけ早く拾いたいから、と。
「了解。ぼくも犯罪者にはなりたくないし…。そうだ、ハーレイが自分でゴミステーションに行けば解決だよねえ、ぼくが捨てたってことにはならない!」
「…こっちのハーレイ、自分からゴミステーションに行くとは思えないけど?」
そんなしおらしいキャラではあるまい、とソルジャーが指摘しましたが。
「ううん、やり方によっては行くね! 大喜びでね!」
合宿が終わって最初のゴミの日にしよう、と会長さんはカレンダーに印を付けに。日付を赤い丸で囲んで戻って来て。
「あの日に捨てるから、拾いに来てよ。燃えるゴミの日だから、早めにね」
「言われなくても早く来るけど…」
ハーレイを拾いに来られるんだし、とソルジャーが言うと、会長さんが指を左右にチッチッと。
「甘いね、燃えるゴミの日を甘く見すぎだよ! この日には色々とルールがあって!」
「…ルール?」
「早く出し過ぎるとカラスなんかが食べに来るしさ、それに臭いし…。夜が明けてから捨てる、という暗黙のルール! 夏の夜明けは早いから!」
早い時間に出したんです、と嘘をついて前の夜から捨てている人もいるのだそうで。ソルジャーの到着が遅かった場合、教頭先生は生ゴミと一緒にいる時間がうんと長めになるらしいですよ?



朝はゆっくり寝坊したいのがソルジャーなる人。一方、会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」は早起きタイプで、朝一番に教頭先生をゴミステーションに捨てるとなったら三時半には起きるとか。
「ぼくが自分で捨てに行くんじゃないけどねえ…。ハーレイが歩いて行くんだけれど!」
だけど回収される過程は見たいし早起きをする、と会長さん。
「ハーレイだって早起きなんだよ、夜明けと同時にゴミステーションに到着しろ、と言っておいたら時間厳守で出掛けるから!」
「…それじゃ、ぼくまで三時半起き?」
「ハーレイを早く回収したいのならね!」
生ゴミの匂いが染み付いた後でもかまわないならごゆっくり、と会長さんはニコニコと。
「ハーレイがゴミステーションに座っていたって、他の人はゴミを捨てて行くしね? ハーレイにはキッチリ言っておくから、他の人が捨てに来た時の言い訳!」
「…なんて?」
どんな言い訳、とソルジャーが訊いて、私たちも答えを知りたい気分。いったいどんな言い訳をすれば、他の人が怪しまずにゴミを捨てられると?
「アートだよ!」
「「「アート?」」」
「芸術って意味のアートだってば、そういう理由でパフォーマンスが色々あるだろ?」
実に便利な言葉だから、と会長さんは胸を張りました。
「ハーレイ自身がアートなんだよ、いわゆる芸術作品なわけ! ゴミとしてゴミステーションに座っていることで完成する芸術、そういうものだと自分で言わせる!」
「「「………」」」
あまりと言えばあんまりな言い訳、けれども立派に通りそうな言い訳。芸術家には多い奇人変人、そういう人だからこそ作れるアート。ゴミステーションでゴミを気取ってゴミになり切る芸術家だって、決していないとは言えませんし…。
「ダメ押しするなら、この世には芸術作品になった便器もあるから!」
「「「便器?」」」
便器と言ったらトイレに置いてあるアレなんでしょうか、あれが芸術? ソルジャーだって「嘘だろう?」と目を丸くしてますけど、本当に便器が芸術ですか?
「間違いないねえ、便器以外の何物でもないね!」
こんな感じ、と思念波を使って伝達された代物は紛うことなき便器でした。作った人の署名がしてあるというだけの本物の便器、しかし作品のタイトルは『泉』。これが芸術作品だったら、教頭先生がゴミステーションでアートになっても…。
「問題無し!」
だからこの日に決行する、と決めてしまった会長さん。合宿明けは荒れそうですねえ…。



こうしてキース君たち柔道部三人組は翌日から合宿、サム君とジョミー君は璃慕恩院へ。男子が全員留守の間は、スウェナちゃんと私はフィシスさんも交えてプールに買い物、他にも色々。合宿などを終えた男子が戻って来たら…。
「かみお~ん♪ みんな、お疲れ様~!」
今日は焼き肉で慰労会! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が用意してくれて、会長さんの家で焼き肉パーティー。ソルジャーもちゃっかり混ざっています。なにしろ明日は…。
「いよいよ明日だね、ハーレイがゴミに出される日はね!」
楽しみだなあ、とソルジャーが焼き肉をタレに浸けていますが、会長さんは。
「まだ本人には言ってないけど、まず間違いなくゴミに出るね!」
自分からね、とニンマリ、ニヤニヤ。
「ゴミに出されたら、君が回収して行くんだし…。そのための説得、君も行くだろ?」
「もちろんさ! ハーレイにゴミになって貰わないことには、ぼくは貰って帰れないしね!」
いつ行くんだい、とソルジャーが訊くと。
「焼き肉パーティーが終わってからだよ、昼間で充分!」
明日の朝はハーレイに早起きして貰わないといけないから…、と会長さん。ゴミステーションに朝一番に出掛けるためには早起きだ、と。
「そうだっけねえ…。で、何処のゴミステーションに捨てられるんだい、ハーレイは?」
「捨てた気分を味わいたいから、ぼくが行ってるゴミステーション!」
いつもはぶるぅが捨ててるけれど、と会長さんが言うと「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「んとんと…。ブルー、寝てたりするしね、ぼくの方がうんと早起きだもん!」
重たいゴミでも平気だもん、と家事万能の「そるじゃぁ・ぶるぅ」ならではの台詞。小さい身体でもサイオンを使って楽々ゴミ捨て、両手に提げても行けるようです。
「あんた、ゴミ捨てまでぶるぅにやらせてたのか!」
キース君が呆れましたが、会長さんは全く気にしない風で。
「本人が好きでやってるんだし、それで問題ないんだよ! ゴミ出しルールはぼくより詳しい!」
「えとえと…。ブルー、時々、間違ったものを捨ててるしね…」
燃えないゴミを入れてるバケツに燃えるゴミとか…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。会長さんでもミスする時にはミスするんですね、ゴミ出しルールの間違いかあ…。



焼き肉パーティーが終わった後は、爽やかな冷たいミントティー。それを飲んでから、瞬間移動でいざ出発。会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」、ソルジャーの青いサイオンがパアッと光って。
「「「お邪魔しまーっす!」」」
挨拶付きで飛び込んだものの、教頭先生はリビングのソファで仰け反ってしまわれました。それでもアタフタと用意して下さった冷たい麦茶とお煎餅。会長さんがお煎餅を齧りながら。
「ハーレイ、ぼくは君を捨てたいと思っていてね」
「は…?」
「ほとほと愛想が尽きたんだよ、君に! でも捨てようにもゴミに出せないし、と悩んでたら…」
「ぼくが貰おうと思ってね!」
捨てる神あれば拾う神あり、とソルジャーが得々として名乗り出ました。
「ブルーが君を捨てると言うなら、ぼくが拾いに来るんだよ! どうだい、この夏休みはぼくのシャングリラで過ごしてみるとか!」
海の別荘に行く時までくらい…、とソルジャーの提案。気に入ったならば夏休み一杯、いてくれてもいいと。
「…で、ですが…。私が行ったらお邪魔なのでは…」
「ううん、全然! 君さえ良ければ、ぼくとハーレイとの愛の時間に混ざってくれてもかまわないからね!」
むしろ歓迎、と笑顔のソルジャー。
「ヘタレで鼻血体質の君にはそれほど期待してないし、その、なんて言うか…。片付け係? そういうのをやって暮らしてくれれば」
「片付け係…ですか?」
「ぼくは片付けが苦手なタイプで、青の間は常にメチャメチャなんだよ。ぼくのハーレイが片付けようと頑張ってるけど、片付けなんかに貴重な時間を割くのは嫌いで」
片付けよりも夫婦の時間が最優先! とソルジャーはグッと拳を握りました。
「そんなわけだから、片付け係がいると助かるなあ、と…。捨てられてくれる?」
「は、はあ…。そのぅ、捨てるというのは…」
「ブルーが捨てた気分を味わいたいって言っているから…。後はお願い」
はい、交代! とソルジャーが会長さんに合図を送って、今度は会長さんの番。教頭先生をゴミに出したいと言い出した張本人は極上の笑みで。
「難しいことではないんだよ、うん。君さえゴミになってくれるなら」
「…ゴミ?」
「そう、文字通りのゴミってね!」
用意はキッチリして来たのだ、と言ってますけど、用意って、なに…?



教頭先生をゴミに出したい会長さん。「ゴミだよ、ゴミ」とポケットに手を突っ込むと。
「種も仕掛けもありません、ってね。ゴミにはコレ!」
超特大! と引っ張り出されたゴミ袋。燃えるゴミ用の指定のマークが入った袋で、それの一番大きいタイプを「ジャジャーン!」と効果音つきで広げて見せて。
「この通り、ぼくはゴミ袋を買ったんだ。君をゴミに出すための袋をね」
「…そ、それで…?」
「明日の朝、これをポンチョみたいに被ってさ…。ぼくのマンションの横のゴミステーションに座っていれば、回収係がやって来るから!」
ブルーが寝坊さえしなかったなら、夜明けと共に…、と会長さん。
「夏は夜明けが早いからねえ、わざわざ早起きをしてやって来るブルーを待たせないためにも、朝の三時半には着いてて欲しいね、あそこにね!」
「…座っているだけで迎えが来るのか? ゴミステーションに」
「そう! 君がブルーのシャングリラで夏休みを過ごすんだったら、座ること!」
それからねえ…、と会長さんは例の言い訳を教頭先生に吹き込みました。ゴミを捨てに来た人に出会った場合は「アートなんです」と答えるように、と。
「ぼくのマンションは仲間しか住んでいないけど…。ご近所の人も使っているしね、あのステーションは。立地の関係というヤツで」
前の晩から捨てておこうという不届き者もいるからゴミはある筈、と会長さんはニコニコと。
「そういうゴミの隣に座って、ブルーを待つ! 来ない間は芸術作品!」
アートのためならぼくも一肌脱ぐことにする、とダメ押しが。
「ぼくは普段はゴミ捨てしないし、ぶるぅの係なんだけど…。君をゴミに出した気分を味わうためには見に行かないとね、ゴミステーション! そしてゴミ捨て!」
ブルーよりも先に到着してゴミを出してやる、と会長さんは宣言しました。
「いいかい、このぼくが生ゴミを捨てに行くんだよ? 君が座って待ってる所へ!」
「…そ、そうか、お前も来てくれるのか…」
それは嬉しい気持ちではある、と教頭先生、ゴミを捨てられても感激の様子。自分自身がゴミ扱いな上に、会長さんがゴミを捨てに来るのに。
「お前がゴミを捨てに来るなら、やはり頑張って其処に座りに行かんとな」
「そうそう、その意気! でもねえ、ぼくが捨てた生ゴミの袋を漁ったりしたらいけないよ?」
それはアートの精神に反する、と会長さんはキッチリと釘を。
「ゴミはゴミらしく、座っているだけ! 他のゴミ袋は荒らさない!」
「分かった、私もゴミ奉行なわけではないからな…」
いちいちチェックをしたりはしない、と教頭先生。本気で捨てられるつもりですよ…。



決まってしまったゴミ出し計画。教頭先生は夏休みの間は留守にする、という届けをあちこちに出してしまって、気分はすっかりソルジャーが暮らすシャングリラへと。
「…つまり、私の仕事というのは青の間の片付けなのですね?」
「それと、料理が出来るんだったら、おやつをよろしく」
材料はちゃんと用意するから、とソルジャーもワクワクしています。
「おやつ係ですか…。甘い物は苦手なのですが…。作って作れないことはないかと」
「じゃあ、お願い! ぼくの青の間、ぶるぅとハーレイしか出入りしないしね、君が増えてもバレやしないって!」
食事だって一人前くらいは誤魔化せるし、と教頭先生を貰う気満々、拾う気満々。キャプテンにも既に相談済みらしく、了解は得てあるそうでして。
「青の間の奥に簡易ベッドを置くから、そこで眠ってくれればいいから! 気が向いた時は、ぶるぅと一緒に覗きをしててもかまわないからね!」
混ざってくれても歓迎するから、と言われた教頭先生、耳まで真っ赤で。
「…た、楽しみにしております…」
明日ですね、とカレンダーをチェックし、会長さんに貰ったゴミ袋を見て。
「これを被ってゴミステーションにいれば、来て下さる、と…」
「そうだよ、君を拾いにね!」
頑張って早起きしなくっちゃ! とソルジャーが拳を高く突き上げ、会長さんも。
「その前にぼくがゴミ捨てだよ! 捨てた気分を存分に!」
「かみお~ん♪ 明日はブルーがゴミ捨てなんだね!」
頑張ってねー! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。えーっと、私たちの方はどうすれば…?
「え、君たちかい? アートを見たいと言うのなら…」
ぼくの家に泊まって中継で見れば、と会長さん。いつものサイオン中継です。それで見られるのならば、ちょっぴり見たいような気も…。
「オッケー、それじゃ全員、今夜は泊まりということで!」
「やったあ、今夜はお客様だあ~!」
晩御飯の後もゆっくり出来るね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飛び跳ねています。おもてなし大好き、お客様大好きだけに、急な泊まりも嬉しいらしくて。
「ねえねえ、帰りに泊まりの荷物を取りに行ったら? 瞬間移動で送るから!」
「それが良さそうだね、ぼくの家へ帰る前に一旦、解散ってことで」
家へ帰って荷物をどうぞ、と瞬間移動でそれぞれの家へ。私も自分の部屋まで送って貰いました。荷物を詰めたら、思念波で合図。直ぐに会長さんの家へと移動出来ましたよ~!



夜は屋上でバーベキュー。生ビールやチューハイなんかも出て来て、ソルジャーは飲んで食べまくって帰ってゆきました。いい感じにエネルギーをチャージ出来たから今夜も楽しみだ、と。
「…御機嫌で帰って行ったけど…。明日の朝、ちゃんと起きるのかな、アレ」
目覚ましをセットしろと言い忘れた、と会長さんが心配してますけれども、もう連絡がつかないそうです。ソルジャーは恐らく大人の時間の真っ最中で、意識がこっちに向いていないとか。
「そういう状態のブルーには連絡不可能なんだよ」
「…忘れて寝てなきゃいいんだがな…」
教頭先生がただのゴミになってしまわれるんだが、とキース君。けれど会長さんは「別にそれでもいいんじゃないか」という答え。
「ただのゴミにはならないと思うよ、アートだからね!」
「…ゴミ収集車が来るまでですか?」
シロエ君の問いに、会長さんは。
「そうなるねえ…。上手くいったら誰かが新聞に写真を投稿してくれるかも!」
「「「うわー…」」」
そんなことになったら写真が世界中に散らばらないか、という気がします。投稿した人が誰かに送って、其処から一気に拡散するとか…。まさか、まさかね…。



私たちの方は徹夜で騒いで、夜明け前。会長さんが「来た!」と声を。
「ハーレイが来たよ、ゴミステーションまで歩いてね」
「「「歩いて?」」」
車じゃないのか、と思いましたが、ソルジャーの世界へ行くんですから、車は自分の家に置いておく方が安心です。「そるじゃぁ・ぶるぅ」がサイオン中継の画面を出してくれて、まだ暗い中を歩いて来た教頭先生の姿が見えました。普段着姿でゴミ袋持参。
「ふむ、この辺りか…」
ゴミもあるしな、と前の晩から置かれていたらしいゴミ袋の脇にドッカリ、体育座り。例のゴミ袋をポンチョのように頭から被れば、足先まで余裕でカバーです。頭だけが出たテルテル坊主スタイルとでも言うべきでしょうか?
「…座っちゃったよ…」
大真面目だよ、とジョミー君がポカンと口を開け、会長さんが。
「ぼくはゴミ捨てに行ってくるよ。ぶるぅ、生ゴミの袋は今日は一つで良かったっけ?」
「うん、右側のバケツの分だけ!」
「オッケー、それじゃ捨てに行こうかな、アートに花を添えるためにね」
ゴミの間違いじゃないのかい! と誰もが心でツッコミ、暫くすると中継画面にゴミ袋を提げた会長さんが。それを教頭先生の真横にドサッと放り出すと、「おはよう」の挨拶を綺麗に無視。
「ゴミは本来、喋らないものだよ? 理由を訊かれない限りはね」
じゃあね、と立ち去り、戻って来ました、私たちの所へ。間もなく朝一番のゴミ捨てらしい仲間がゴミステーションに現れて…。
「こんな所で何をなさってらっしゃるんです?」
「いや、ちょっとしたアートで、パフォーマンスのつもりなんだが…」
「はあ…。学校の方のお仕事でしょうか、夏休みなのに大変ですね」
では失礼して…、とゴミ袋を置いて去って行った仲間。お次は仲間ではなくご近所の人で、教頭先生、同じく言い訳。そうこうする内、ゴミは増えてゆき、夏だけに…。
「…匂うんじゃないの?」
臭そうだよ、とジョミー君。その瞬間にユラリと空間が揺れて。
「どうしよう、寝坊しちゃったんだけど…!」
あのハーレイ、ゴミ臭くなってるんだけど、とソルジャーは慌てまくりの顔で。
「回収前に洗っていいかな、こっちの世界で?」
「それはハーレイと相談したら? あ、またゴミが増えた…」
臭そうなゴミが、と会長さんは知らん顔。ついでに通りすがりの人がカメラを構えています。アートだと聞いて撮っているらしく…。



「とにかく君が回収したまえ! あのゴミを!」
「臭くなってるから、それは嫌だと!」
いくら青の間が散らかっていてもゴミの匂いはまた別物だ、とソルジャーが騒ぐ間にも増えるゴミ。カメラを構える人も増えて来ました、挙句の果てに…。
「か、会長…。写真がアップされちゃいました!」
新聞じゃなくて…、と携帯端末を持ったシロエ君がブルブルと。携帯端末で見られるってことは、その写真は…。
「「「拡散コース…」」」
ゴミに混じってソルジャーの迎えを待ってらっしゃる教頭先生、下手をすれば地球規模で写真がバラ撒かれてしまうことでしょう。ゴミのアートとして。
「だから、さっさと回収しろって言ってるのに!」
会長さんが怒鳴って、ソルジャーが。
「あれはゴミだよ、もう完全に…。いくらぼくでも、ゴミは欲しくないし…」
またの機会に、とソルジャーの姿が消えてしまって、逃げたようです。教頭先生、ゴミ袋の被り損ですが…。
「まあ、いいか…。ハーレイをゴミに出した気分は味わえたからね」
収集車が来るまでにゴミ袋がどれだけ増えるかな…、と会長さんは楽しそう。例の写真は凄い勢いで拡散中かと思われますけど、あれはアートでいいんでしょうか? タイトルをつけるなら何になるんですか、やっぱり『ウィリアム・ハーレイ』ですか~!?




           捨てたい芸術・了


※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 ゴミステーションに捨てられてしまった、教頭先生。拾って貰える筈なのに、スルー。
 気の毒ですけど、どうしようもないコース。しかも写真が拡散中って、泣きっ面に蜂かも。
 次回は 「第3月曜」 8月17日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、7月とくれば夏休み。満喫したい所ですけど、問題があって…。
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