シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
今年も夏休みがやって来ました。柔道部三人組は明日から合宿、それに合わせてジョミー君とサム君が璃慕恩院での修行体験ツアーに送り込まれるのも毎年恒例。ついでに夏休み初日に会長さんの家に集まって、合宿などが終わった後の予定を立てる行事もお約束で。
「海の別荘はもう決まってるしね…」
強引に決められちゃっているしね、とジョミー君の愚痴。マツカ君の海の別荘行きはソルジャーが仕切りまくっています。あの別荘はキャプテンと人前結婚式を挙げた思い出の場所で、以来、結婚記念日に合わせて日程を指定。特別休暇を取ってキャプテンと「ぶるぅ」連れで押し掛けて…。
「仕方がねえよ、結婚記念日には勝てねえからよ…」
御馳走が食えるだけ良しとしようぜ、とサム君が少し前向きに。ソルジャー夫妻の結婚記念日はお祝いと称して豪華な夕食、別荘のシェフが腕を奮ったコース料理が食べられますし…。
「まあねえ…。御馳走だけは間違いないね」
あれは毎年凝ってるし、と会長さんも。海の別荘は毎日の食事が素敵ですけど、お祝い料理はやっぱり別格。それっぽく出来てて、ソルジャー夫妻の名前を冠した料理があったり、デザートだったりとシェフのセンスが光ります。今年は何が出て来るのやら…。
「海の別荘、楽しみにはしているんですけどね…」
プライベートビーチも魅力的ですし、とシロエ君。
「思う存分泳ぎ放題、バーベキューだって出来ますし…。ただ、日程が…」
「俺たちの自由にならんというのが腹立たしいな」
海と山とを入れ替えるとか、とキース君もやや愚痴モード。
「たまには海を先にするのも悪くはないと思うんだが…」
「それ、絶対に無理だから!」
もう永遠に無理なコース、とジョミー君が天井を仰ぎました。
「山の別荘は結婚記念日と無関係だし、海の別荘の日程は仕切られてるし…。ぼくたちに許された自由ってヤツは、山の別荘に行くか、他の所で過ごすかだけだよ」
そのために今日も集まってるし、と言われてみればその通り。マツカ君の山の別荘へお出掛けするか、別の所へ出掛けるか。もっとも、夏休みに入ってからの駆け込みだけに…。
「何処に行くにしても、マツカ頼みになるんだけどねえ…」
ホテルも旅館もとっくに満員、と会長さん。
「民宿とかならいけるだろうけど、マツカの別荘は何処も居心地がいいし」
今年もよろしく、と言われて頷くマツカ君。海の別荘に山の別荘、他にもあちこち別荘だらけ。御曹司だけに宿には不自由しないんですってば…。
そんなこんなで、何処へ行こうかと打ち合わせ中。温泉だとか、山の別荘だとか、意見は色々出てますけれど…。
「夏はやっぱり怪談なんだよ」
ジョミー君が出した意見に、たちまち飛び交う反対意見。
「お前、忘れたのか! 前にマツカの山の別荘で心霊スポットに行っただろうが!」
「そうですよ! 会長が守ってくれなかったら祟られてましたよ、確実に!」
山ほどの霊を背負って帰る羽目に…、とキース君とシロエ君とが突っ込みを。その事件は今でもハッキリ覚えています。山の別荘から近い心霊スポットに出掛けて、霊を引き連れて帰ってしまった私たち。同行しなかった会長さんが全部追い払ってくれましたが…。
「心霊スポットはやめとけよ、ジョミー。お前、ああいうのは見えねえんだしよ」
サム君は霊感バッチリですけど、ジョミー君には皆無な霊感。だからこそ懲りていないというのが現状、怪談だなどと言い出すわけで。
「…心霊スポットに行くんだったら、一人で出掛けろ」
お前も坊主の端くれではある、とキース君。
「法衣くらいは貸してやるから、行って存分に楽しんでこい。あちら様でも大歓迎だ」
「…大歓迎って…。なんで?」
どうしてぼくが歓迎されるわけ、とジョミー君が訊けば。
「坊主の格好をしているからだ。これで助けて貰えるだろう、と有難がられる」
「キースが言ってる通りだねえ…。ついでに、坊主が来たという噂が光の速さで広がるしね」
あちらの世界にも口コミが…、と会長さん。
「便乗しようと集まってくるよ、それは沢山の霊ってヤツが。頑張りたまえ、ジョミー」
「…頑張るって…。何を?」
「成仏して貰えるよう、心をこめてお経をね!」
日頃の行いがものを言うよ、と会長さんは面白そうに。
「基本はお念仏、それから光明真言ってトコ。般若心経も悪くはないねえ、ぼくたちの宗派では使わないけど、霊に喜ばれるお経だしね」
般若心経も出来るだろう、と言われたジョミー君は「無理だってば!」と大慌てで。
「あんな長いの、全く覚えていないから! お念仏しか出来ないから!」
「それが出来れば上等じゃないか。行っておいでよ、キースに法衣を貸して貰って」
「…嫌だってば!」
なんで一人で、と既に逃げ腰。私たちだってお断りですよ、心霊スポット…。
怪談の世界を却下されてしまったジョミー君。同行者がゼロもさることながら、霊にカモられるらしい法衣でのお出掛けは本人もやりたくないそうで。
「…スリル満点だと思ったんだけどなあ、怪談の世界…」
夏はやっぱりスリルが欲しい、と未練たらたら。背筋が凍るような涼しさを求めているようですけど、スリルだったら絶叫マシンでいいのでは?
「えーっ? 今の季節は暑いだけだよ、ああいう場所は!」
人気のヤツには行列なんだし、とジョミー君がブツブツ、それは確かに本当です。
「…行列だろうね、特に水飛沫が飛び散るようなの」
絶叫と本物の涼しさがセット、と会長さん。その手のマシンは長蛇の列で待つわけですから、頭の上から夏の日射しがジリジリと。シールドしてまで並ぶ根性も無いですし…。
「絶叫マシンは嫌だよ、ぼくは! 並んでまでは!」
同じスピードなら並ばずに何処かで楽しめないか、と言われましても、心当たりがありません。とんでもない速さで飛ぶものだったらシャングリラ号がありますが…。
「シャングリラ号か…。あれは夏場は駄目なんだったな」
キース君が会長さんに尋ねると「そう」と答えが。
「夏休みに合わせて大規模な人員交代をするからねえ…。ぼくやハーレイの出番は無いけど、船の中では忙しくしてる。とてもゲストは乗せられないよ」
「…宇宙の旅も良さそうなんだけど…」
現実という壁が立ちはだかるよね、とジョミー君。
「なんだったっけか、銀河鉄道の夜だっけ? ああいう旅なんか素敵っぽいけど」
「おい。ロマンチックな代物ではあるが、銀河鉄道はお浄土行きの列車だぞ」
天国かもしれんが、とキース君が指摘。乗って行ったらあの世行きだ、と。
「…そうだったっけ?」
機械の身体を貰える星に出掛ける話だったような…、とジョミー君は混同していました。昔に流行った銀河鉄道なアニメと漫画の世界の方と。
「お前なあ…。名作くらいは押さえておけよ? しかしだ、銀河鉄道の旅か…」
面白そうなものではある、とキース君も心を惹かれたようです。
「シャングリラ号が飛べるからには、銀河鉄道も夢ではないか…」
「ぼくは夢だと思うけど? そもそもシャングリラ号があるのが奇跡みたいなものだから!」
あれはこの世界の技術じゃない、と会長さん。シャングリラ号の設計図とやら、ソルジャーに貰ったと聞いてますよね…。
「…銀河鉄道、やっぱり無理だよねえ…」
シャングリラ号とは別物だもんね、とジョミー君。
「列車が空を飛んで行くんだし、システムからして別っぽいよね…」
「システム以前に、ぼくたちの技術じゃ作れないから! シャングリラ号が奇跡の産物!」
あれに合わせた他の技術も…、と会長さんがズラズラと挙げたシャトルだの通信システムだの。どれもソルジャーから貰ったらしい技術を応用したもの、自力では開発不可能なもので。
「ブルーが無意識の内にくれた技術があったからこそ、シャングリラ号が存在するんだよ。そのブルーが生きてる世界の方にも銀河鉄道なんかは無さそうだけど?」
「…そういや、一度も聞かねえなあ…」
宇宙を列車が飛んでる話、とサム君が相槌を打ちました。
「あっちの世界でも無理ってことかな、宇宙に列車を走らせるのはよ」
「…無理と言うより、効率とかの方じゃないかな?」
ロマンの世界よりも現実重視、と会長さんが顎に手を当てて。
「同じ乗客を運ぶんだったら、列車よりも断然、宇宙船だよ。大勢乗れるし、設備を充実させるんだったら専門の船を作った方が便利だからねえ…」
この世界でも豪華列車は乗客の数が少ないものだ、と会長さん。
「お風呂までついてる列車となるとね、その分、スペースを取られちゃうしね? 乗客少なめ、料金は高め。非効率的な乗り物なんだよ、輸送手段には向いていないね」
「あくまで観光用ってヤツだな、ああいうのはな」
それは分かる、とキース君が同意。
「目的は旅と言うよりも列車に乗ること、車窓に流れる景色を目当てに乗る代物だ」
「そういうことだね、だからブルーの世界に無いのも納得だよ」
技術的には不可能なのかどうか知らないけれど、と会長さんが言った所へ。
「こんにちはーっ!」
明るい声がリビングに響いて、噂の人が現れました。紫のマントのソルジャーです。
「さっきから覗き見してたんだけど…。そろそろ、ぼくの出番かなあ、って!」
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
お客様だあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がキッチンに走って、ソルジャーの前に置かれたグレープフルーツとライチのムース。それに冷たいアイスティーも。
「ありがとう! それで、銀河鉄道っていうのは何なんだい?」
説明よろしく、と早速ムースを頬張るソルジャー。銀河鉄道に釣られて湧きましたか?
「うーん…。銀河鉄道はフィクションだけど…」
元ネタは名作と呼ばれる小説で…、と会長さんが解説を始めました。その小説から閃いた人が漫画を描いたのが大ヒットだとか、他にも色々とアニメがあるとか。
「列車が宇宙を飛んで行くからロマンなんだよ、乗りたいって人はいるんだろうねえ…。もしも存在してたらね」
「お浄土行きの銀河鉄道は駄目だぞ、あくまで普通に旅が出来るヤツだ」
キース君が補足し、ソルジャーは「ふうん…」と納得した風で。
「確かにそういう乗り物は無いね、ぼくが生きてる世界には…。ブルーが言ってた通りに非効率的っていうのが大きいかもねえ、それにロマンもそれほど要らない世界だし…」
なにしろ機械が支配しているSD体制な世界だから、とソルジャー、分析。
「ロマンよりかは効率優先、銀河鉄道なんかを作る暇があったら他のタイプの宇宙船だね。人間も荷物もたっぷりと乗せて飛べるのを開発するってば。でも…」
良さそうだねえ…、とソルジャーは銀河鉄道に関心を持った様子で。
「こっちの世界で列車は何度も乗ったけれども、ああいうのが宇宙を飛んで行くんだ?」
「そうなるね。普通の客車だけじゃなくって、寝台列車とか食堂車つきで」
会長さんが言うと、ソルジャーが。
「寝台列車に食堂車かあ…。豪華列車と言っていたのは、そういうヤツかな?」
「食堂車は豪華列車の基本なんだけど…。寝台列車は少し違うね、豪華列車だと一両に一部屋というタイプもあるし」
列車そのものがホテルなのだ、と会長さん。
「一両の客車にベッドからソファまで、ついでにバスルームもついてたりする。一番豪華なタイプだとそれだね、一両で一部屋」
「そんなのがあるんだ? …ちょっぴり乗ってみたいかもねえ…」
楽しそうだ、とソルジャーは瞳を輝かせて。
「夏休みの計画中だっけ? 銀河鉄道に乗ってみないかい?」
「「「は?」」」
ソルジャーの世界にも銀河鉄道は無い筈です。そんな列車に何処で乗れと…?
「もちろん、こっちの世界だよ! 君たちが計画を練っている時期、ぼくは暇でねえ…」
ハーレイは海の別荘行きに備えて大車輪で働きまくるから、という話。
「夜はすっかりお疲れ気味でさ、夫婦の時間を始めるどころか、もうぐっすりで…」
というわけで暇なのだ、と言ってますけど、私たちの世界で銀河鉄道…?
ソルジャー夫妻の結婚記念日に合わせた海の別荘。そこは絶対に休みたいキャプテン、その前にせっせとお仕事三昧。余裕を持たせて早めに頑張り、一番忙しい時期が今かららしく。
「…ちょうど君たちが山の別荘とかに出掛ける頃かな、クライマックスが」
とにかくとても忙しいのだ、とソルジャーは溜息をつきました。
「漢方薬とかを飲ませてやればね、夫婦の時間も楽しめるけど…。お疲れ気味なのを無理させちゃうより、ぼくが他の楽しみを見付ける方が良くないかい?」
「それはまあ…。せっつかれるよりも放っておいて欲しいかもねえ、そんな事情なら」
来たるべき休暇に向かって努力中なんだし、と会長さんが相槌を打つと。
「ほらね、君だってそう思うだろ? だからこっちで銀河鉄道を走らせようかと」
「「「ええっ!?」」」
ソルジャーの世界にも無いような列車、今から開発出来ますか? 何処へ行こうかと相談していた日は十日ほど先、そんな短期間にどうやって?
「開発しなくてもいいんだよ。豪華列車はちゃんとあるんだろ、こっちの世界に」
「あるけれど…。あれは宇宙を飛べる仕様になってないから!」
レールの上を走るものだから、と会長さんが切り返すと。
「そこでサイオンの出番だってば、ぼくを誰だと思っているのさ?」
シャングリラだって丸ごとシールド可能なのだ、とソルジャーは胸を張りました。
「それだけじゃないよ? シールドで包んだシャングリラを飛ばしてやることも出来る。三日や四日くらいは楽勝、一週間でも疲れないね!」
人類軍との戦闘も込みで、と凄い台詞が。シャングリラ号の巨大さは充分承知しています。それを丸ごとシールドした上、一週間でもソルジャーの力で飛ばせると?
「もちろんだってば、人類軍との戦闘も込みで、と言っただろう? つまりはぼくがシャングリラを離れていたってオッケー、ちゃんと飛ばせる!」
ぼくが眠っている間だって、とソルジャーの能力は桁外れでした。会長さんも同じタイプ・ブルーで、持っている力は同じ筈ですが、経験値が違いすぎるのです。
「ぼくの力なら、豪華列車を飛ばすくらいは何でもないよ。…ただし、列車の面倒の方は…」
食堂車だとか、お風呂だとかのフォローは範疇外だ、とソルジャーらしい説明が。
「ぼくは食事を作れやしないし、お風呂の掃除も出来ないし…。そういったことをしてくれる人が誰かいるなら、銀河鉄道!」
「かみお~ん♪ お料理はぼくに任せて!」
食材を乗っけておいてくれたら作るから、と頼もしい言葉。お風呂掃除も任せていいかな?
ソルジャーからの素敵な提案、銀河鉄道で宇宙の旅。食堂車とかお風呂のフォローは出来ないと言われましたが、私たちには家事万能の「そるじゃぁ・ぶるぅ」がついています。食事は作ると手を挙げてくれて、お風呂掃除もやってくれるという話ですが…。
「ダメダメ、お風呂の掃除まではぶるぅがやらなくていいよ」
大変そうだ、と会長さんが割って入りました。
「宇宙を旅するわけだろう? 水道とかの循環システムはどうするつもり?」
まずはその点を説明してくれ、とソルジャーに求める会長さん。限られた量の水しか持っては行けない筈だが、と。
「ああ、その点なら大丈夫! 浄化用の簡易システム、ぼくのシャングリラには幾つもあるしね、普段は使っていないヤツが!」
ちょっとデータを誤魔化してくれば持ち出し可能、とニッコリと。
「飲料用とお風呂と下水は別に処理する方向で! もう本当に簡単なヤツで、チョチョイと連結しておけばね!」
「そうなんだ? だったら銀河鉄道は実現可能なわけか…。食事係はぶるぅがいるから、お風呂とかの掃除係さえいれば」
会長さんが首を捻って、シロエ君が。
「掃除くらいは当番制でやりますよ! 宇宙の旅が出来るんだったら!」
「俺だってやるぜ、風呂でもトイレでもよ!」
サム君が応じて、他の男子も次々と名乗りを上げました。スウェナちゃんと私もですけど、会長さんは「うーん…」と乗り気ではなくて。
「ロマンたっぷりの宇宙の旅だよ、おまけに豪華列車だよ? 料理はぶるぅでかまわないけど、掃除はねえ…。それ専門の人が欲しいよね」
「それは言えるね、贅沢な旅を楽しむならね」
旅仲間が掃除をする図はちょっと…、とソルジャーも。
「非日常の旅に出掛けるからには、とことん贅沢したいよねえ…。掃除は抜きで」
「そうだろう? だからぶるぅは却下なんだよ、掃除好きでも」
「でもさ…。いるのかい、ぶるぅの他に掃除が出来るような人材」
ぼくの存在自体が極秘なんじゃあ…、と自分の顔を指差すソルジャー。
「それに宇宙の旅なんだよ? いろんな意味で、ここの連中の他にはいないと思うけど?」
掃除係をしてくれる人、と尤もな意見。専門の掃除係を雇ってくれるなら嬉しいですけど、使えそうな人がいないんじゃあ…?
豪華列車で銀河鉄道の旅をするには必要らしい、お掃除係。なんだかんだで当番制になるか、「そるじゃぁ・ぶるぅ」に任せるしかないと思うんですけど、会長さんは。
「みんな揃って忘れてるだろう、約一名!」
「「「約一名?」」」
「そう! その名もシャングリラ学園教頭、ウィリアム・ハーレイ! またの名をキャプテン・ハーレイってね!」
高らかに言い放たれた名前にゲッと仰け反る私たち。教頭先生は全く頭にありませんでした。言われてみれば、ソルジャーの存在を知っている上に宇宙も御存知。でも…。
「あんた、教頭先生を掃除係にするつもりなのか!?」
酷すぎないか、とキース君が噛み付き、シロエ君も。
「ぼくもそう思います、それくらいだったら当番制にしておきますよ」
申し訳なさすぎて…、と言い終わらない内にキラリと光った青いサイオン。会長さんの指がパチンと鳴らされ、教頭先生がリビングに立っておられました。ポカンとした顔で。
「やあ、こんにちは。よく来てくれたね」
「………。何か用なのか?」
会長さんの声で我に返った教頭先生、流石の飲み込みの早さです。用も無いのに会長さんが呼ぶわけがなくて、頼み事を聞けばポイントが高いことも承知というわけで…。
「話が早くて助かるよ。実は掃除係を募集中でさ」
「掃除係?」
この家のか、とリビングを見回す教頭先生。広いですけど、お掃除大好き「そるじゃぁ・ぶるぅ」がキッチリ掃除をしていますから、塵一つ落ちていない状態です。他のお部屋も何処もピカピカ、代わりに掃除をするとなったら大変そうではありますが…。お掃除係も要りそうですが…。
「あ、違う、違う。この家じゃなくて…。列車なんだけど」
「…列車?」
なんだそれは、と教頭先生、怪訝そう。それはそうでしょう、列車の掃除は日常生活で登場しそうにありません。そういうバイトをするならともかく。
「列車だってば、豪華列車! それの客車の掃除係を探してるんだよ、お風呂掃除とか!」
「豪華列車…? そういうものなら、ちゃんと係がいるだろう?」
「普通ならね。でもねえ、貸し切りで走る予定でさ…。その上、行き先は宇宙なんだよ」
文字通りの銀河鉄道の旅! と会長さんは天井を指して「宇宙」と強調。教頭先生、一発で理解出来ますか、それ…?
「銀河鉄道?」
実在したのか、と教頭先生の返事は斜め上でした。なまじシャングリラ号のキャプテンなだけに、宇宙は身近な存在です。銀河鉄道と言われて実在するのだと考える辺りがカッ飛び過ぎで。
「…いくらなんでも走っていないよ、現実にはね」
ブルーの世界にも無いそうだ、と会長さんはソルジャーの方へ視線を投げると。
「でもね、銀河鉄道の話をしてたら、ブルーが遊びに来ちゃったわけ。そしてブルーは乗り気なんだよ、銀河鉄道で旅をしようと!」
「そういうこと! 豪華列車をちょっと借りてさ、ぼくがシールドして飛ばす! 楽勝で宇宙を飛べるんだけれど、食堂車の係と掃除係が必要でねえ…」
食堂車の方は見付かったんだ、とソルジャーが言えば「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「ぼくが食堂車でお料理するの! とっても楽しみー!」
「ふうむ…。それで私が掃除係というわけか…」
なるほど、と教頭先生は腕組みをして。
「掃除係が見付かりさえすれば、銀河鉄道が宇宙を飛べるわけだな?」
「そう。…シロエたちは当番制でやると言ってくれたんだけどね、それじゃ豪華列車で旅をしている気分が出ない。専属の掃除係を雇ってなんぼなんだよ」
給料はビタ一文払うつもりはないけれど、と会長さんは強烈な台詞を口にしました。
「タダ働きでお願いしたいな、ぼくと一緒に宇宙の旅だよ? ぼくが使ったバスルームとかも掃除出来るし、悪い話じゃなさそうだけど?」
「…現物支給というわけか…」
「普段は絶対、掃除出来ない美味しい場所をね! こんなチャンスはそうそう無いって!」
この家のバスルームを掃除して欲しいとは思わないし、と会長さん。
「銀河鉄道の旅だからこそ、君にバスルームの掃除を任せる。…どう? この話、受ける?」
「もちろんだ!」
チャンスを逃してなるものか、と教頭先生は食い付きました。タダ働きの掃除係に。
「それじゃ、商談成立ってことで…。君のスケジュールは分かってるんだよ、柔道部の合宿が終わった後は暇な筈だね?」
「うむ。今の所、これという予定は無いが…」
「じゃあ、空けておいて。銀河鉄道の旅はこの辺りだから」
いいね、とカレンダーを指差し、会長さんは教頭先生を家へと送り返しました。瞬間移動でほんの一瞬、「掃除の手引きは後で届けるから」と。
かくして決まった、夏休みの銀河鉄道の旅。豪華列車はマツカ君がアッと言う間に調達を。他の国で走っているヤツですけど、そこは御曹司ならではです。運航スケジュールの空いているヤツを押さえてしまって、その言い訳が「ロケに使う」というもので。
「ロケかあ…。それなら消えても誰も行方を気にしないよね」
ジョミー君が言いましたけれど、ソルジャーが「違うね」と指を左右にチッチッと。
「マツカにロケだと言わせたのはさ、列車を消すためじゃないんだな。ロケ中につき立ち入り禁止とやっておく方が簡単なんだよ」
警備員とかの幻影付きで、とソルジャーはニコリ。
「だけど本物の列車はその頃、宇宙を走っているってね! ぼくが瞬間移動で借りちゃった上に、君たちも乗せて銀河鉄道!」
さあ忙しくなりそうだ、と言いつつも楽しげにしているソルジャー。
「君たちは明日から合宿だっけ? その間に準備しておくからさ」
「かみお~ん♪ 食材の買い出しとかも?」
「そうだね、そっちはぶるぅに任せようかな、ぼくは目利きが出来ないしね!」
列車の方を担当するよ、と言ってますけど、浄化システムの連結とかも?
「ああ、それねえ…。掃除係が見付かったんだし、掃除ついでにやって貰おうかと」
「「「はあ?」」」
掃除のついでに付けられるんですか、ソルジャーの世界の浄化システムとやらいうものは?
「え、そうでなくっちゃ意味が無いだろ、簡易システムだと言った筈だよ。万一の時には女子供でも扱えるようにしておかないと…。専門家がいるとは限らないしさ」
戦闘とかの非常時でなくても全員が寝込む可能性はある、と話すソルジャー。なんでもシャングリラの中で風邪が流行った時、ブリッジ要員が端から寝込んで航行不能に陥りそうになったことがあるそうです。専門家にばかり頼っていたら危なっかしいのがソルジャーの世界らしくって。
「そういうわけでね、浄化システムは君たちでも取り付け可能なんだよ。でもねえ、せっかく掃除係がいるんだからさ…。そっちにお任せしないとね!」
ぼくは列車の仕様の確認、とソルジャーはマツカ君が執事さんに頼んで送って貰った豪華列車の資料を見ながら。
「んーと、重さは大したこと無し! 全体にシールドをかけて運んで、酸素とかの方はサイオンで何とでもなるし…。運ぶ練習だけしておこうかな、何回かね」
もう借りてある列車だし、という言葉通り、只今、マツカ君のお父さんの名前で借り上げ中。何度か宇宙を走るんでしょうね、本番までに…。
翌日、男子たちは合宿に、修行に出発しました。例年だったらフィシスさんも一緒にプールにお茶にと過ごす私たちですが、今年は一味違います。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が豪華列車の食堂車のメニューをあれこれ取り寄せてみては検討中で。
「んとんと…。三泊四日で走るわけでしょ、朝御飯とお昼と、晩御飯と…」
それからおやつ、と組み立ててみては「どう?」と意見を訊かれます。どの案もとても魅力的だけに、決め難いのが困りもの。最終的には男子の帰還待ちかな、ということに。食材の買い出しは丸一日もあれば充分に出来るそうですし…。
メニュー決めの合間には試食タイムもあり、そういう時にはソルジャー登場。
「うん、美味しい! これは採用して欲しいなあ、何処かで是非!」
「オッケー! ブルーが走らせてくれるんだもんね、銀河鉄道!」
運転手さんの意見は一番に採用しなくっちゃあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がノートにソルジャーのお気に入りを書き付け、メイン料理やお菓子が幾つか決定ですけど。
「あ、そうだ。…運転手だけど…」
ぼくってわけでもないんだよね、とソルジャーの口から不思議な台詞が。ソルジャーが走らせる銀河鉄道、運転手さんはソルジャーなんじゃあ…?
「基本的にはそうなるけどさ…。勝手に運転するのもアリだよ、シールドしているから衝突の危険が無いからね」
「「「え?」」」
それじゃ、スウェナちゃんとか私が運転したっていいわけですか? 会長さんとか「そるじゃぁ・ぶるぅ」が運転しても…?
「もちろんだよ! キースたちが喜んでやりそうだよね」
列車の運転は人気らしいじゃないか、とソルジャーは知識を増やしていました。なんでもエロドクターとランチしたとか、ディナーだとか。銀河鉄道の旅だと披露したそうで…。
「将来の夢は列車の運転手、って子供が多いと聞いたよ。いい大人でもさ、走らせてみたい人がけっこういるって…」
「まあね。乗りたい人とか、写真を撮りたい人も多いのが鉄道ってヤツで…。それを自分で運転となれば、喜ぶ人は少なくないよ。きっとジョミーたちも…。ん…?」
若干一名、喜ばないのがいるような、と会長さん。それって誰…?
「いや、ちょっと…。行ってみないと分からないかな」
意味深な台詞にソルジャーが「うん」と。二人揃ってニヤついてますが、運転手をやりたくなさそうな人って、誰なんでしょう…?
列車の運転は憧れる人が多い代物、スウェナちゃんと私でさえも「やってみよう」と思いました。なのに喜びそうにない人、それが誰なのか謎のままに男子の御帰還で。
「「「運転手!?」」」
やっていいのか、と声を揃えたジョミー君たち。合宿とかの慰労会の席でのことです。焼き肉パーティーにはソルジャーも来ていて、「どうぞご自由に」と極上の笑顔。
「ぼくのシールドは完璧だからね、小惑星帯に突っ込んで行っても大丈夫!」
フルスピードで楽しんでくれ、と言われた男子は大歓声です。ソルジャーが衛星軌道上まで列車を一気に瞬間移動で、そこから先は宇宙の旅。まずは第一宇宙速度を突破し、ガンガンとスピードを上げてゆくとかで。
「絶叫マシンも真っ青の速さ! それを宇宙で!」
「かみお~ん♪ ぼくも運転するーっ!」
乗り物大好き! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飛び跳ねた瞬間、ハッと頭に閃きました。絶叫マシンが苦手な人がいた筈です。速い乗り物が苦手な人が。スウェナちゃんも気付いたらしくて、私たちは顔を見合わせて。
「「…教頭先生…?」」
「なになに、教頭先生がどうかしたわけ?」
ジョミー君の問いを無視して、ソルジャーと会長さんが同時に。
「「それで正解!」」
「「「は?」」」
キョトンとしている男子たちを他所に、会長さんとソルジャーは。
「ハーレイ、キャプテンのくせに速い乗り物が駄目だからねえ…。銀河鉄道もねえ…」
「無理だろうねえ、シャングリラと違って運転席から宇宙が丸見えだしね? 強烈な速さで飛んでいるんだと分かるわけだし、腰を抜かすか、気絶だか…」
掃除係がお似合いなのだ、と笑うソルジャー。会長さんもウキウキとして。
「いいねえ、ハーレイのヘタレっぷりを横目に見ながら銀河鉄道の旅! 男だったら運転席に座ってなんぼのロマンだけどねえ、ハーレイには無理!」
「回れ右して逃げ出す姿が目に見えるようだよ、そしてせっせと掃除だってば」
惚れた人を乗せた列車を走らせる根性も無いであろう、とソルジャー、溜息。
「ブルーが使ったお風呂の掃除で終わりなんだよ、カッコよく運転する代わりにね。なんともヘタレで歯痒いけれども、それも面白くはあるんだ、うん」
今回の旅は笑えればいい、とソルジャーはヘタレを容認です。教頭先生、いいトコ無しかあ…。
二日後の朝、私たちは会長さんのマンションに集合しました。掃除係の教頭先生もです。全員が旅の荷物持参で、間もなくソルジャーがパッと姿を現して。
「準備オッケー! ブルーとぶるぅもよろしく頼むよ!」
「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
青いサイオン、三人前。身体がフワリと浮いたかと思うと、豪華列車の中にいました。ソファとかが置かれた広い車両に。窓の向こうは地面が見えますが…。ええっ!?
「「「うわあ…!」」」
凄い、と歓声を上げる男子たち。一瞬の内に窓の外は宇宙、駆け寄ってみれば青い地球が。
「はい、移動完了! お疲れ様~!」
後はひたすら走るだけ、とソルジャーがパチンとウインクして。
「おっと、その前に…。掃除係には大事な仕事があるんだよねえ。生活用水の確保は大切、簡易用の浄化システム、連結しておいてよね」
「は、はいっ!」
行って来ます、とアタフタと駆け出して行った教頭先生。ソルジャーから予め渡されていた説明書で覚えた手順を実行したらしく、間もなく私たちの所に戻って来て。
「取り付けて来ました、作動するかどうかも確認済みです」
「ご苦労様。それじゃ、今日から三泊四日は掃除係ということで…。あ、気が向いたら運転席にも座ってくれていいからね」
「運転席…?」
「そう、運転席! 列車の運転はロマンだと聞いたよ、ブルーを乗せて銀河鉄道!」
いつでもどうぞ、とソルジャーに言われた教頭先生、心が動いた様子です。
「運転ですか…。この列車を?」
「そうだよ、一番手でやってみるかい? 君もキャプテン・ハーレイだしね」
「是非!」
やらせて下さい、と先頭車両に向かう教頭先生の後ろにゾロゾロ私たち。野次馬根性に決まっています。教頭先生が入ってゆかれた運転席の後ろはガラス張り。見学用のスペース充分、覗き込んでみれば列車はまだ停車中で、ソルジャーが。
「出発進行、と言ってくれれば動くようにするよ?」
「お願いします! 出発進行!」
教頭先生、「シャングリラ、発進!」を思わせる口調で仰いましたが、次の瞬間、ギャーッ! と野太い悲鳴が。凄い勢いで走り出しましたよ、銀河鉄道…。
ソルジャーが言うには、第一宇宙速度を突破しただけ。宇宙船としてはまだまだ序の口、もっと速度を上げないことには三泊四日の旅を満喫出来ないそうで。
「…そこのヘタレを放り出してね、誰か代わりに運転したいならお好きにどうぞ」
ソルジャーの言葉に「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「ぼく、やっていい? えとえと、ハーレイを放り出して、と…」
よいしょ! と小さな身体にサイオンも加えて、腰を抜かした教頭先生を運転席の外へ放り投げると運転開始。窓の向こうは明らかにスピードが上がっていると分かる景色で。
「次はぼくだよ!」
「ジョミー先輩、そこはジャンケンです!」
男子が賑やかに次の運転手を決めつつある中、教頭先生の腰は抜けたまま。本当にこれがシャングリラ号のキャプテンなのか、と疑いの眼差しで見ていたら…。
「そ、そのぅ…。舵輪と列車は何かと勝手が違ってだな…」
始まりました、苦しい言い訳。会長さんがクッと喉を鳴らして。
「どうだかねえ…。速い乗り物は苦手だっけね、シャングリラ号だとスクリーン越しにしか見えないからねえ、外の景色は」
「…そ、そうだが…」
「ところが列車は違うってね! 窓の向こうはそのまま宇宙で、スピード実感! 君が悲鳴を上げた時には、第一宇宙速度にも達していなかったけどね?」
このヘタレが、と会長さんは腰を抜かしている教頭先生のお尻をゲシッと蹴って。
「ぼくが乗ってる列車も運転出来ないとはねえ…。いつかはぼくと二人でドライブ、と夢を見ていたと思うんだけれど、こんなヘタレじゃ、とてもとても…」
ぼくの命は預けられない、と冷たい一言。
「君は掃除が似合いなんだよ、今日から四日間、下働き! 食事も君だけ別にするから!」
「…別なのか?」
「当たり前だよ、運転手だったらキャプテンと同じ立場だと言えなくもないし、豪華客船ならキャプテンもパーティーに出たりするけど、掃除係じゃあ…」
どうしようもないね、と教頭先生のお尻に二発目の蹴りが。
「ほら、腰が立つようになったら、早速、掃除! ぶるぅが昼食の支度をするから!」
「…もう掃除なのか?」
「キッチンの掃除も仕事の内だよ!」
ぶるぅの指示で働きたまえ、と会長さん。教頭先生、下働きの旅が四日間ですか…。
運転が出来なかったばかりに掃除係と化してしまった教頭先生。心のオアシスは会長さんが使ったお風呂の掃除だけ。鼻歌交じりに今日もお出掛けなんですけれど。
「ブルーのお風呂さあ…。あれってさあ…」
ぶるぅが掃除してるって? とジョミー君。シロエ君が「ええ」と頷いて。
「御存知ないのは教頭先生だけですよ。ぶるぅが掃除して、その後、シャワーで水撒きを…」
「実に悪辣な話だな…」
偽装工作までやらせているとは、と頭を振っているキース君。けれど会長さんは涼しい顔で。
「別にいいだろ、本人がそれで幸せならね」
「そうだよ、今回、ハーレイにはそれくらいしか報われる場所が無いからねえ…」
二度と運転はしたくないそうだし…、とソルジャーからもフォローは無し。これってやっぱり、自分がキャプテンにかまって貰えない時期だからですか?
「えっ? まあ、それも大きい理由だねえ…。ハーレイとブルーをくっつけてやったら、ぼくが欲求不満になるし! この時期だけは!」
大いにヘタレていて貰おう、とソルジャーにも見捨てられてしまった教頭先生、今日も豪華列車のお掃除係。食堂車で美味しい食事どころか、食生活も…。
「まかないを食べてらっしゃるそうですよ」
今朝の食事がこんな具合で…、とシロエ君、すっかり事情通。銀河鉄道の旅は乗っているだけ、たまに運転するだけですから、暇は山ほどあるのだそうで。
「ここだけの話、お部屋もですね…。一番後ろの貨物の中に簡易ベッドが」
「「「うわー…」」」
掃除用具入れが置いてある車両に小さな個室がついてましたし、そこだとばかり思っていました。簡易ベッドで貨物の中って…。
「ぼくがそっちに左遷したんだよ、運転も出来ないヘタレだからね!」
個室なんかは必要無いのだ、と会長さんがバッサリと。教頭先生用だった狭い個室の出番はトイレとシャワーの時だけだとか。
「それだけは流石に使わせないとね、客車のは使わせられないし」
「うんうん、掃除係は掃除係らしく! 豪華列車の設備は掃除係のものじゃないから!」
銀河鉄道の旅のルールはぼくとブルーで決めるのだ、とソルジャーも楽しんでいるようです。欲求不満になりそうだから、と教頭先生を酷い扱い、でもでも、この旅は素敵ですから文句なんかは言いません。教頭先生、旅の終わりまで、頑張って耐えて下さいね~!
銀河鉄道の夏・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
豪華列車で宇宙の旅という、それは素晴らしい夏休み。銀河鉄道をソルジャーが実現。
けれど教頭先生だけは、掃除係な上に、運転手さえも出来ない始末。気の毒すぎるかも…。
さて、シャングリラ学園、11月8日に番外編の連載開始から12周年を迎えました。
干支が一回りしてくる歳月、書き続けたとは、本人が一番ビックリです。
そして去年の今頃は想像もしなかった、まさかのコロナ禍。13年までいければ御の字かも。
次回は 「第3月曜」 12月21日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、11月は紅葉シーズン、マツカ君の別荘が紅葉見物にピッタリ。
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