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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

卵を見付けて

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。




桜と共に、シャングリラ学園に新しい年度がやって来ました。新入生が溢れる季節で入学式のシーズンです。特別生の私たちはもちろん今年も1年生。入学式に参加するかどうかは自由ですけど、やっぱり節目の行事なだけに。
「記念撮影、今年もするよね?」
いつものスポット、とジョミー君。入学式の日の校門前は新入生が次々に記念撮影中で。
「そりゃまあ、毎度のことだしよ…。撮らねえって手はねえよな、うん」
交代で撮ろうぜ、とサム君が。カメラはスウェナちゃんが持って来ています。元ジャーナリスト志望なだけにプロ仕様とも言える立派なカメラ。
「じゃあ、撮るわよ? ちゃんと並んで!」
整列、整列! とスウェナちゃんが仕切り、「入学式」と書かれた看板の前に並んでポーズを。何も知らない新入生とか保護者から見れば、仲良しグループが揃って合格、晴れて入学という所でしょう。パシャリと写してカメラマン交代、キース君が撮って、ジョミー君も。
撮影の後は入学式の会場の講堂に出掛け、きちんと着席しましたけれど…。
『…これから後が長いんだよ…』
寝てもいいかな、とジョミー君の思念。「いいんでねえの?」とサム君が返しています。
『どうせその内、起こされるんだし、早めに寝とけよ』
『『『あー…』』』
そうだった、と交わした苦笑の思念波。間もなくジョミー君はコックリコックリ船を漕ぎ始め、他のみんなも欠伸をしたり、キース君なんかは左手の数珠レットを繰ってますから心でお念仏の真っ最中。居眠るよりかはお念仏とは副住職だけあって立派かも、と思っていたら。
『居眠るな、仲間たち!!』
朗々と響き渡った思念波、ジョミー君がガバッと顔を上げたくらい。来ました、会長さんの仲間探しのメッセージが。
『ぼくはシャングリラ学園生徒会長、名前はブルー。このメッセージが聞こえているなら、今日の行事が終わった後で来て欲しい。場所は…』
パアアッと頭の中に広がった校内の地図と映像イメージ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へ向かって誘導しているのが分かります。さて、このメッセージが聞こえた人は…?
『いそうかよ?』
『…いや、無反応と見た』
静かなもんだ、とサム君とキース君の思念。広い講堂に集まった今年の新入生たち、お仲間はいないようですねえ…。



こんな感じで始まった新年度、クラスは不動の1年A組。またか、と言うだけ無駄というもの、担任までが不動のグレイブ先生。
「…ブラックリストっていうのを痛感させられますよね…」
もう永遠にコレでしょうね、とクラス発表の紙を指差すシロエ君。私たち七人グループの名前が漏れなく入って、担任はグレイブ・マードックの文字。
「俺たちのせいではないと思うが…。ブラックリストは」
だが入ったものは仕方がない、とキース君は諦めの境地です。
「俺たちがいるとあいつが来るんだ、そしてエライことになるのが毎度のパターンだ」
「やっぱりブルーのせいだよねえ…」
見込まれたのが運の尽きっていうヤツだよね、とジョミー君もフウと大きな溜息。
「今日も来るんだよ、グレイブ先生が実力テストを始めたらさ」
「グレイブ先生も懲りませんよね、毎年、毎年」
どう転んでも来ると思うんですが、とマツカ君までが。入学式の日にグレイブ先生がやらかす実力テストを足掛かりにして1年A組に入り込むのが会長さんで、グレイブ先生との熾烈なバトルになる年も多いんですけれど…。
「今年はどっちのパターンかしらねえ、スルリと入るか、グレイブ先生が捻って来るか」
スウェナちゃんが首を傾げて、サム君が。
「あればっかりは読めねえからなあ…。まあ、どっちでもいいんじゃねえの?」
「そうだな、賭けるほどでもないな」
行くか、と教室に向かって歩き始めるキース君。私たちも馴染んだ通路をスタスタ歩いて、いつもの1年A組へ。やがてカツカツと高い靴音、現れたグレイブ先生の姿に他のクラスメイトが息を飲んだのが分かります。「ハズレの先生」が来た恐怖に。
若干二名ほど落ち着いてるのが、特別生のアルトちゃんとrちゃん。何をしたわけでもないのにブラックリストに入れられたらしく、毎年、毎年、1年A組というのが気の毒かも…。
「はじめまして、諸君。私はグレイブ・マードック。…グレイブ先生と呼んでくれたまえ」
最初に諸君の実力を見たい、と始まりました、今年も懲りずに。配られて来た数学の問題ギッシリのプリント、あちこちで悲鳴が上がっている中、カラリと教室の扉が開いて。
「やあ、こんにちは。…ぼくはシャングリラ学園の生徒会長でブルーと言うんだけど…」
ぼくをこのクラスに混ぜてくれたら、この実力テストも含めて一年間のテストは全て満点、と会長さんの公約が。…うーん、今年はアッサリ勝負がついたようですねえ、グレイブ先生、戦いを放棄しましたか…。



会長さんは1年A組への仲間入りを果たし、入学式の日は無事に終了。サイオンを持った新しい仲間も入学して来ず、今年も「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋を溜まり場として使えることに。万々歳で浮かれている中、校内見学にクラブ見学と授業の無い日が続いてますけど…。
「かみお~ん♪ 明日は卵の日なんだよ!」
放課後に「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋に行ったら、ニコニコ笑顔の「そるじゃぁ・ぶるぅ」。そういえば明日は新入生歓迎会があるんでしたっけ、特別生はお呼びじゃないので存在自体を忘れてましたが…。
新入生歓迎会の花がエッグハントで、「卵の日」。歓迎会は軽食やお菓子が食べ放題のパーティーですけど、それが終わったらエッグハント、すなわち卵探し。本来はイースターの行事ですから、春という季節だけは合っているかもしれません。
シャングリラ学園のエッグハントは宗教色とはまるで無関係、ただのお宝探しのゲーム。校内に隠された卵を探してゲットするだけ、お菓子の卵や、何か入った卵やら。中でも最大の目玉となるのが特賞の卵、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が化ける卵で。
「今年の特賞、何なんだよ?」
豪華なんだろうなあ、とサム君が訊けば。
「えっとね、選べるクーポン券! 旅行に行ってもいいし、お買い物もいいし…」
お値段、これだけ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が挙げた金額は流石の豪華さ。一人占めするなら海外旅行も出来そうです。
「すげえな、今年も血眼になって探すんだろうな、新入生のヤツら」
「だろうねえ…。ぼくたちにはもう縁が無くなった世界だけどね」
最初の年しか遊べなかったし、とジョミー君。その最初の年に特賞の卵を見付けたというのに、台無しにしたのも私たちです。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が化けた卵と知らずに催涙スプレーやらスタンガンで攻撃、大当たりだった旅行券を無効にされてしまった思い出が…。
「無関係というのが寂しかったら、隠す係を君たちにやらせてあげるけど?」
知恵を絞って卵を隠して回りたまえ、と会長さん。
「あれもなかなかに楽しいものだよ、何回かやっているだろう?」
「…明日ですよね?」
卵隠し、とシロエ君が訊くと「うん」と返事が。
「歓迎パーティーの間に隠して回る! それが王道!」
やってみる? というお誘いに「やる!」と答えた私たち。たまには生徒会のお手伝いという名の卵隠しもいいものですしね!



次の日、パーティー会場へ向かうクラスメイトたちとは別の方向へ向かった私たち。生徒会室に着くと会長さんが山と積まれた卵を前にして「はい」と大きな籠をくれました。
「これで好きなだけ持って行ってくれればいいからね。君たちで隠し切れなかった分は、ぼくがサイオンで片付けるから」
「分かった。適当に貰って行くことにする」
この辺がけっこう当たりっぽいな、とキース君が陶器の卵を取って籠に入れ、チョコレートの卵やキャンディー入りの卵もドッサリと。私たちも籠に詰め始めましたが…。
「そういや、ぶるぅは何処に隠れているんだよ?」
そこは避けないと、とサム君が。
「あー、ぶるぅ! 被っちゃマズイね」
忘れてた、とジョミー君が言ったのですけど、会長さんは。
「なんだ、今頃、気が付いたんだ? 今までに何度も隠してるくせに」
その質問は一度も無かった、と可笑しそうな顔。
「心配しなくても被りやしないよ、ぶるぅは自由に動けるからね」
「「「え?」」」
「卵だよ、卵。卵に化けているっていうだけなんだし、卵に戻った時とは違うよ」
ここはマズイと思った時には瞬間移動で別の所へ移動するのだ、と聞いてビックリ、動ける卵。それじゃ、もしかして、私たちがエッグハントをした年、「そるじゃぁ・ぶるぅ」に会えたのは…。
「決まってるだろう、ぶるぅが自分で出て行ったんだよ、君たちの前に」
見付けて貰えるように移動したんだ、と会長さん。
「せっかく仲間が見付かったんだし、仲良くしたいって張り切ってたのに…」
「…すまん、催涙スプレーもスタンガンも俺だ」
怪しい卵だと攻撃したのは俺だった、とキース君が頭を下げました。マツカ君が誘拐対策に通学鞄に入れていたアイテムを持って来させたのも、使ったのもキース君でしたっけ…。
「もう時効だよ、ぶるぅもとっくに許しているしね。それに仕返し、その場でやったし…」
「「「…旅行券…」」」
パアにされた、と悲しい思い出が蘇ったものの、「そるじゃぁ・ぶるぅ」だって酷い目に遭ってしまったんですから、お互い様というものです。ここは忘れて水に流して…。
「卵隠し、行って来ます!」
シロエ君がダッと駆け出し、私たちも校内に散りました。さーて、隠すぞ、何処に隠すのが楽しいですかね、職員室にも行って来ようかな…?



エッグハントは今年も盛況、新入生たちは楽しく遊んでくれたようです。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が卵に化けて持っていたクーポン券をゲットした幸運な生徒は躍り上がって喜んだとか。翌日は土曜日、会長さんの家に集まってワイワイ、お菓子を食べつつエッグハントの話題再び。
「やっぱアレだよな、職員室とかが盲点だよな!」
入って行く勇気のあるヤツが少ねえし、とサム君が笑って、キース君も。
「礼法室もなかなか来ないぞ、俺はあそこの茶釜に隠した」
「えーっ! あれってキース先輩でしたか!」
ぼくも茶釜を開けたんです、とシロエ君。
「ここならいける、と覗いたら先に卵が入ってて…。仕方ないんで、茶釜の下に」
「「「下?」」」
「灰の中ですよ、そこに何個か突っ込みました」
「「「うわー…」」」
そんな所まで探す生徒がいるのだろうか、と思いましたが、会長さんが言うには隠した卵は全て発見されたとか。新入生のパワー、恐るべしです。礼法室の灰の中まで探すんですか…。
「特賞の卵がかかっているしね、ゴミ箱も端から開ける勢いだよ」
「ぼく、ゴミ箱には隠れないんだけどね…」
もっと居心地のいい場所にするもん! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。今年は中庭の木の一本に小枝で巣作り、其処に隠れていたそうです。
「なるほどな…。卵を隠すなら巣の中なのか」
盲点だった、とキース君が褒めると「そるじゃぁ・ぶるぅ」は。
「鶏さんの小屋があったら、其処でもいいけど…。ウチの学校、それは無いしね」
「無いですね…。でも、灰の中まで探した生徒もガックリですよね」
いともアッサリ中庭の木じゃあ…、とシロエ君がお手上げのポーズで、ジョミー君も。
「巣だもんねえ…。入ってます、って言わんばかりの場所なんだけどな」
「それが意外に見付からないんだよねえ、本物の巣だと思ったみたいで」
気付いた生徒は多いけれども、と会長さんがクスクスと。
「あそこには絶対入っていないという思い込みだね、鳥の巣だしね」
「だよなあ、入ってるとしたら、普通は本物の卵だよなあ…」
下手に覗いたら親鳥の蹴りが入りそうだし、というサム君の意見に私たちも揃って納得です。つつかれるだとか、髪の毛を掴んで毟られるだとか、ロクな結果になりませんってば、本物の鳥の巣を覗き込んだら…。



ウッカリ覗けば流血の惨事になりそうなリスクが高い鳥の巣。それを覗いて「そるじゃぁ・ぶるぅ」の卵を見付けた勇者には乾杯あるのみです。クーポン券を貰えるだけあってまさに勇者だ、と紅茶やコーヒーで賑やかに乾杯していたら。
「こんにちはーっ!」
遊びに来たよ、とフワリと翻った紫のマント。いつものソルジャーが現れて…。
「ぶるぅ、ぼくにも紅茶とケーキ!」
「かみお~ん♪ 今日は桜蜂蜜のロールケーキだよ!」
桜の花の蜂蜜をたっぷり使ってあるの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が桜クリームのピンクが綺麗なロールケーキをサッと運んで来ました。もちろん紅茶も。ソルジャーは「ありがとう!」とフォークを入れて。
「うん、美味しい! 桜もまだまだ咲いているしね、北の方へ行けば」
昨日も夜桜見物に行った、と言ってますから、桜の話をしに来たのかと思ったんですが。
「桜もいいけど、卵もいいねえ…」
「「「は?」」」
何処から卵、とロールケーキを眺めて納得、ケーキの材料は卵だっけ、と考えたのに。
「違う、違う! そういう本物の卵じゃなくて!」
昨日の卵の方だけれど、とソルジャーはエッグハントの話を持ち出しました。覗き見していても楽しそうだったと、あれをやりたいと。
「もう最高だよ、エッグハント! あれでこそゲーム!」
宝探しのゲームだよね、という見解は、まあ間違ってはいないでしょう。でも、ソルジャーだと、何処に卵を隠したとしても、楽勝で探し出せるのでは…?
「え、それはもちろん、そうだけど…」
「ふうん…? だったら、君の目的は賞品なわけ?」
簡単に探し出せるんだしね、と会長さん。
「ノルディに頼んで豪華賞品とかを用意させてさ、ぼくたちも巻き込んでやった挙句に自分でサラッと掻っ攫うだとか、そういう感じ…?」
あまり嬉しくないんだけれど、という鋭い読みに、私たちも揃ってコクコクと。そんな結果が見えているゲーム、やりたい気持ちはありません。頑張った挙句にソルジャーの一人勝ちで終わるくらいなら、最初から参加しませんってば…。



却下だ、却下だ、と誰もが心で叫んでしまったエッグハント。出来レースと言うか八百長と言うか、ソルジャーが勝つと分かっているのに付き合えるもんか、とブーイングしたい所ですけど、そこまでの度胸も無いというのが正直な話。けれど顔には出ていたらしくて。
「…なんだか歓迎されていないって雰囲気だねえ…」
せっかく面白そうなのに、とソルジャーは不満そうな顔。
「君たちだってワクワクと隠していたくせに…。茶釜の中とか、灰の中とか」
「そりゃ、隠す方は誰だって張り切るものだよ!」
ぶるぅだって張り切って隠れていたし、と会長さん。
「どう隠れようか、何処にしようかと考えて今年は鳥の巣なんだよ、卵を隠すなら巣の中だよ!」
「ほらね、そういう楽しみがね!」
その楽しみをぼくにも是非、と妙な台詞が。ソルジャーがやりたいエッグハントって、探す方じゃなくて隠す方だとか…?
「そう! 探す方だと一瞬で全部分かっちゃうしね、楽しいも何も…」
ブルーとぶるぅはともかくとして他の面子の分がバレバレ、とソルジャーは私たちをチラチラと。
「サイオンで隠し場所を探すまでもなく見えるって言うか、覗けると言うか…。ダダ漏れだしねえ、君たちが考えていることは」
何処に隠そうが顔を見た瞬間に分かってしまう、と如何にもつまらなさそうに。
「その点、隠す方ってことになったら、ぼくも思い切り楽しめるしねえ…。何処に隠そうかというのもそうだし、賞品だって色々と選ぶ楽しみがあるってもので!」
「…君の賞品、欲しい人はいないと思うけど?」
なにしろセンスの違いってヤツが、と会長さんの冷静な指摘。
「君が自信を持って選んでも、ぼくやみんなにウケるかどうか…。血眼になってまで探したいものを君が用意するとは思えなくってね」
「失礼な! ぼくだってちゃんと心得てるから、そういうトコは!」
「だったら、一例」
賞品を一つ挙げてみて、と会長さんが突っ込みました。
「チョコレートの卵とか、お菓子入りの卵というのは駄目だよ? もっと他ので!」
「卵に入れるヤツのことかい?」
「そうだよ、チケットでもクーポン券でも、なんでもいいから君が用意しようと思う賞品!」
さあ挙げてみろ、と言ってますけど、相手はソルジャー。どうせ欲しくもないようなものが出て来るに決まってますってば…。



エッグハントをやりたいソルジャー、探す方ではなくて隠す方。エッグハントは卵を探して回ってなんぼで、シャングリラ学園の場合は素敵な卵を見付けてなんぼ。豪華賞品とか食券だとか、見付けて良かったと思う卵が出て来るからこそ燃えるのがエッグハントです。
つまりは美味しい賞品が無ければ卵を探すわけなんか無くて、いくらソルジャーが主催したって私たちが真面目にやるわけがなくて。会長さんもそれを見越してソルジャーに賞品の例を挙げろと突っ込みを入れたんですけれど…。
「ぼくの賞品、絶対、ウケると思うんだけどね? 最低でもぼくの写真だし」
「「「は?」」」
ソルジャーの写真って、そんな賞品が入った卵を誰が欲しがると言うのでしょう。会長さんの写真だったら欲しい生徒は大勢いますが、それだって女子に限定です。男子が貰って喜ぶとはとても思えないのに、会長さんどころかソルジャーが写った写真だなんて…。
「君の写真って…。そんな写真が入った卵が誰にウケると!?」
この陽気で頭が煮えたのか、と会長さんが吐き捨てるように。
「この間から気温が高めだからねえ、北の方でも暖かいしね? 昨日は夜桜と言っていたけど、今日も朝から何処かで桜で、それで頭が煮えてるだとか?」
「何を言うかな、ぼくは今日はシャングリラから此処に直行なんだし、桜見物には行っていないから! 頭も煮えてるわけがないから!」
ぼくの頭脳は極めてクリア、とソルジャーは指先で自分の頭をトントンと。
「ぼくの写真を喜びそうな人、ちゃんとこっちにいるだろう? 君たち以外で!」
「「「…え?」」」
誰だ、と顔を見合わせたものの、ソルジャーの写真を喜びそうな人の心当たりは二人だけ。何かと言えばソルジャーとランチだディナーだと貢ぎまくってデートしているエロドクターと、会長さん一筋と言いつつソルジャーの訪問もまんざらではないらしい教頭先生と…。
「その人選で合っているけど、ノルディはあんまり面白くないかな」
ハーレイほどぼくに飢えていないし…、とソルジャーの唇が笑みの形に。
「写真くらいで釣れる相手は断然、こっちのハーレイってね! それが賞品!」
他にも色々と考えている、ということは…。エッグハントに挑む人って、私たちじゃなくて教頭先生というわけですか?
「ピンポーン!」
大正解! と満面の笑顔のソルジャーですけど、教頭先生にエッグハントをさせてどういう楽しみがあると…?



ソルジャーがやりたいエッグハントのターゲットは教頭先生らしいです。隠す方の楽しみを味わうにしては、人数が足りなさすぎるような気が…。エッグハントは大勢を相手にやるもので…。
「え、それは君たちの知ってるエッグハントの世界ってヤツで…。ぼくは人数は別にどうでも」
探しに来るのが一人だけでも気にしない、とソルジャーは参加者は教頭先生だけで充分と考えているらしくって。
「要は楽しめればいいんだからねえ、卵を隠した方として! 特賞の卵が見付かるまで!」
ハーレイが頑張ってくれればいい、とソルジャーは乗り気。
「ぶるぅが隠れてた鳥の巣じゃないけど、ハーレイにもうんと頑張って貰わなきゃ! 当たりの卵が見付かるまでね!」
「…その特賞って、どういうヤツが入った卵になるわけ?」
アヤシイ卵じゃないだろうね、と会長さんが尋ねると。
「何を寝言を言っているかな、ハーレイ相手のエッグハントの豪華賞品、アヤシイ魅力が満載でなくちゃ嘘だろうとぼくは思うけど?」
「アヤシイ魅力って…。ま、まさか…」
「もちろん、ぼくと一発なんだよ! ゴージャスなホテルで思い出の一夜!」
「却下!」
誰がそういう許可を出すか、と会長さんは柳眉を吊り上げました。
「どうせハーレイは鼻血で轟沈だろうけれども、そんな賞品をホイホイ出されちゃ困るんだよ!」
ぼくが迷惑、と怒ってますけど、ソルジャーの方は。
「だからこそのエッグハントってね! そう簡単には見付からないのが特賞の卵で、見付けたと思ったら逆ってことも!」
「「「…逆?」」」
なんのこっちゃ、と首を捻れば、ソルジャーはパチンと片目を瞑って。
「君たちがやってたエッグハントの特賞はぶるぅが持ってたんだろ、クーポン券!」
「…そうだけど?」
それが何か、と会長さんは怪訝そうな顔。
「毎年、ぶるぅが持っているのが伝統だけど…。どう転がったら逆って話になるんだい?」
「ぶるぅだよ、ぶるぅ! ぶるぅは一人じゃないからねえ!」
ぼくのぶるぅもいるんだよね、と聞いた途端に頭に浮かんだ悪戯小僧の大食漢。いわゆる「ぶるぅ」の方ですけれども、おませで覗きが趣味の「ぶるぅ」がどうしたと…?



ソルジャー曰く、エッグハントで逆がどうこう。鍵は「ぶるぅ」にあるみたいですが、悪戯小僧で何をやらかすと言うのでしょう…?
「分からないかな、特賞の卵は二つなんだよ、ぶるぅの数だけ! こっちのぶるぅと、ぼくのぶるぅで合計二つ!」
二つあるのだ、というソルジャーの台詞に、会長さんはテーブルを拳でダンッ! と。
「特賞だけでも却下と言ったろ、それを倍にしてどうするつもりさ!」
「ぼくは逆だと言ったんだけどね? …特賞は二つ、だけど賞品はまるで逆様!」
「「「逆様?」」」
逆様って…。逆で逆様って、同じ特賞でも中身が逆とか?
「その通り! 当たりの方の特賞だったら、ぼくと一発! その逆の方の特賞だったら、一発どころか足蹴にされて奴隷なコースに設定するとか、君に失恋するだとか!」
常に失恋しているけれど…、とソルジャーはニヤリ。
「つまりは究極の選択ってわけで、特賞の卵のどっちを取るかで天国と地獄に分かれるんだよ!」
「…それはいいかも…」
それならいいかも、と会長さんが顎に手を当てて。
「ぶるぅが二人で、どっちも卵に化けてるわけだね? それをハーレイが探しに行く、と…」
「そうなんだよ! ぼくのぶるぅは卵に戻りはしないけどねえ、ぶるぅにコツを教わればきっと、卵に変身できるかと!」
そして特賞になって貰う、とソルジャーが言えば、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「えとえと…。ぶるぅ、卵に化けられるけど?」
「本当かい!? いつの間にそんな芸当を…」
ぼくは見たことないんだけれど、とソルジャーの目が真ん丸に。けれども「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「前からだよ」と即答で。
「ぼくも卵に化けてみたいな、って言ってたから、やり方、教えてあげたの! でもね…」
「何か問題でもあるのかい?」
「ううん、そっちの世界でウッカリ卵に化けてたりしたらゴミと一緒に捨てられちゃう、って!」
「「「あー…」」」
ありそうだな、と私たちは瞬時に理解しました。ソルジャーは掃除や片付けが苦手で、あちらの世界の青の間はゴミだらけになった挙句にお掃除部隊が突入するのが恒例だと何度も聞かされています。そんな所で「ぶるぅ」が卵に化けていたなら、確かに捨てられそうですってば…。



捨てられる悲劇を回避した結果、卵に化けられる事実を今までソルジャーに知られずに来たらしい「ぶるぅ」。練習しなくても卵になれると知ったソルジャー、大喜びで。
「それなら、エッグハントは直ぐに出来るね! 他の卵の準備さえすれば!」
「…特賞が二つで片方はハズレ、と…。どちらを選ぶかはハーレイ次第というわけだね?」
それなら良し! と会長さんがグッと親指を立てました。
「ぶるぅの卵は移動出来るし、ぶるぅにハズレを持たせておけば…。そしてハーレイに発見されるように仕向けておいたら、もう確実に地獄しかないし!」
「ほらね、楽しくなってきただろ、エッグハントも?」
ぼくもハズレの特賞を希望で…、とソルジャーの顔に悪魔の微笑み。
「今のぼくはね、こっちのハーレイと一発よりかは、エッグハントが楽しみなんだよ! 頑張って探す姿を眺めて勝ち誇れるだけで気分は最高!」
だからハズレを選んで欲しい、とニコニコニッコリ。
「でね、同じハズレを設定するなら、こんなハズレはどうだろう? ぼくと一発と思える特賞、でも実態はぼくの奴隷で!」
「「「…奴隷?」」」
「ぶるぅがゴミと一緒に捨てられそうっていうので閃いたんだよ、ぼくの青の間、例によって派手に散らかってるものだから…」
お花見で浮かれて出歩いてたから、とソルジャーが語った所によると、青の間の片付けは普段はキャプテン。ソルジャーが散らかしまくっているのを暇を見付けてコツコツ片付け、それでも散らかってゆくというのが現状だとか。
そんなお掃除係のキャプテンがソルジャーや「ぶるぅ」と一緒にこちらの世界でお花見三昧、時間が出来たらお花見とばかりに出掛けた結果は普段以上に散らかりまくった青の間で…。
「それをこっちのハーレイに片付けて貰うというのも良さそうだよね!」
「…拉致するのかい?」
君の世界のシャングリラへ、と会長さんが問いを投げれば。
「ご招待だよ、表向きはね! ぼくの青の間という竜宮城へのご招待だけど、その実態は!」
「…出掛けたら最後、掃除係にされるって?」
「そうなんだよ! そういうハズレの特賞をぶるぅに持たせようかと!」
「最高だよ! そうしてくれたら、ハーレイも暫く懲りるだろうし!」
美味しい話はそうそう無いと学習するであろう、と会長さん。特賞の卵が二つのエッグハントは、教頭先生、ハズレの卵を選ばされる羽目になるわけですね…?



特賞が二つ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」が特賞を持って卵に化けるというエッグハントは開催が決定しそうですけど、会場は何処になるんでしょうか。卵を隠しに出掛ける人はソルジャーで決まりとしても…。
「会場かい? ハーレイの家でいいんじゃないかと!」
最終的には拉致するんだし、とソルジャーが高らかに言い放ちました。
「姿が消えても無問題って場所ならハーレイの家が一番だよ! ついでに卵を隠す係は、君たちにもやって貰おうと思っているんだけどね?」
慣れていそうだから、と私たちまで巻き添え決定。教頭先生の家に出掛けてあちこちに卵を隠すのが仕事になりそうです。チョコレートやお菓子の卵も隠すんですか?
「もちろんだよ! こっちのハーレイも甘い食べ物が苦手だからねえ、そういう卵はハズレってことで仕込まなくっちゃね!」
普通のエッグハントだと喜ばれる卵みたいだから、とソルジャーは卵の仕入れ先を会長さんに尋ねています。今から行っても買えるだろうか、と。
「買えると思うよ、今年のイースターはまだ来てないから」
今がシーズン真っ盛りで…、と会長さん。イースターは毎年、日が変わります。三月だったり四月だったり、コロコロと。今年のイースターはまだでしたか…。
「分かった、それじゃチョコレートとかの卵を買って、と…。写真入りの卵を用意するならオモチャ屋さんになるんだね?」
「そういうことだね、卵型のケースを買うことになるね」
色も大きさも色々あるから…、と会長さん。
「写真の他には何を入れるんだい、そっちも気になっているんだけどね?」
「ランチ券とかディナー券とか…。ぼくとのデートのチケットだけど?」
ただし全額ハーレイの負担、とソルジャーは抜け目がありませんでした。自分が行きたいお店を選んで書いておくそうで、チケットを使うなら教頭先生が飲食費用を支払うことに。
「ぼくとしてはゴージャスにいきたいからねえ、ノルディお勧めの店にしようかと!」
「釣られるハーレイが悪いわけだね、高くついても?」
「ぼくとデートが出来るんだよ? うんと貢いでくれなくっちゃね!」
君とのデートの予行演習で貢いで貰う、とソルジャーが挙げたお店は軒並み高級店ばかり。教頭先生、そういうチケットをゲット出来ても、懐が寂しくなりそうですねえ…?



ソルジャーはエッグハントの準備をするからと姿を消して、夕食の前に帰って来ました。山のような数の卵を抱えて。
「ほら、見てよ! お菓子の卵も、卵型のケースも山ほど買ったし!」
そしてチケットや写真を詰める、とウキウキ、お好み焼きの夕食が済んだら作業開始で。
「ハーレイを釣るには、恥ずかしい写真も要るからねえ…」
ぶるぅに色々撮って貰った、と自分の世界にも行って来たようです。手作りデート券などもケースに詰め込み、準備完了。後は特賞の卵が二つで。
「ハズレの特賞は、ぼくのぶるぅに持たせようかと…。竜宮城にご招待だ、って空間移動で直ぐに連れてってくれるからねえ、ハーレイを!」
「それじゃ、ぶるぅが持つ特賞は当たりの方になるのかい?」
君とどうこうというアヤシイ特賞、と会長さんは苦々しい顔。
「ぶるぅにそういうヤツは持たせたくないんだけどねえ…」
「誰が本物を持たせると言った? ぼくの希望はもれなくハズレで、青の間の掃除係が欲しいんだからね! ぶるぅが持つのは白紙でかまわないんだよ!」
どうせハーレイはそっちの特賞を引けないんだから、と恐ろしい言葉が飛び出しました。
「こっちのぶるぅのを引きそうになったら、ぼくがサイオンで入れ替える! ぶるぅの卵を!」
「「「うわー…」」」
そこまでやるのか、と思いましたが、こうと決めたら動かないのがソルジャーです。「そるじゃぁ・ぶるぅ」も何か勘違いをしたらしく…。
「かみお~ん♪ ぼくのチケット、ハーレイに渡さなければいいんだね!」
「あっ、ぶるぅにも通じたかい? もしもハーレイにぶるぅよりも先に発見されそうだったら…」
隠れ場所をサッと変えるとか、とソルジャーが言うと。
「んーとね、最初からぶるぅと一緒にいちゃ駄目?」
「「「は?」」」
「どっちか片方、選ぶんでしょ? 一緒にいた方がハーレイも選びやすいと思うの!」
ぼくか、ぶるぅか、どっちか片方! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が無邪気に叫んで、ソルジャーが「よし!」と手を叩いて。
「うん、それでこそエッグハントを楽しめるかもしれないねえ! どっちの卵を掴むべきかと悩むハーレイ! 特賞は二つ、天国なのと、より天国と!」
地獄コースがあるということは秘密なのだ、とソルジャーの発想は極悪でした。竜宮城に行けるコースの更に上があると騙すそうですが、教頭先生、どうなるんでしょう…?



揃ってしまったエッグハント用の卵たち。次の日は日曜、ソルジャーはもうこの日に決めたと私たちを朝から駆り出し、教頭先生の家のリビングへと瞬間移動でお出掛けで…。
「こんにちはーっ!」
今日はゲームをしに来たんだけど、とソルジャーは自分や私たちが手にした卵だらけの籠を示して極上の笑みを。
「エッグハントは知っているよね? それを君の家でやろうと思って…」
「はあ…。私が隠して回るのですか?」
「違うよ、ぼくたちが隠すんだよ! 君が一人で探すんだけどね、特賞はね…」
二つもあって、とソルジャーがヒソヒソと教頭先生に耳打ちを。教頭先生の喉がゴクリと鳴って。
「で、では…。ぶるぅの卵を見付けたら…」
「大当たりなんだよ、両方は選べないけどね! 先に見付けた方だけしか!」
だけど探すだけの値打ちはあるから、と聞かされた教頭先生、やる気満々。卵を隠す所を見ては駄目だから、と目隠しをされて庭に出されてしまわれましたが…。
「はい、君たちは隠して回る! いろんな卵を!」
「「「はーい!」」」
頑張ります、と家中に散った私たち。ソファの下から棚の中まで、あらゆる場所に卵を隠して、空の籠を抱えてリビングに戻ると…。
「隠し終わったよ、入っていいから!」
ソルジャーが教頭先生を呼び込んで目隠しを外し、エッグハントの始まりです。教頭先生はチョコレートやお菓子の卵には「うーむ…」と唸っているだけですけど、写真やデート券の入った卵は嬉しそうに集めてゆかれて…。
「…うっ…」
グッと詰まってしまわれたのが、二つ並んだ青い卵でした。「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」が化けた卵で、よりにもよって…。
「…冷蔵庫ですか…」
シロエ君が呆然と呟き、キース君が。
「卵を隠すなら卵の中、というわけか…」
冷蔵庫に入っていた卵のケース。パック入りとは違って器に何個か盛られた卵の中に青いのが混じっています。どちらかが「ぶるぅ」で、どちらかが「そるじゃぁ・ぶるぅ」なわけで。
「…これはどちらか一つですか?」
片方ですか、と尋ねた教頭先生にソルジャーが「うん」と。大当たりは片方、そこが問題…。



本当の所はどちらを選んでも、もれなくソルジャーの青の間にご招待なオチ。それもお掃除係ですけど、竜宮城行きが待っているのだと信じているのが教頭先生で。
「…片方か…。竜宮城だとブルーとの初めてが問題なのだが…。大当たりだとブルーだからな…」
(((え?)))
どういう意味だ、と思った途端にソルジャーの思念が飛び込んで来ました。
『大当たりの方だと、ぼくじゃなくってブルーの方だと思ってるんだよ。一発の相手!』
そういう嘘をついておいた、とソルジャーの思念がクスクスと。
『だけど、そういう特賞なんかは存在しないし…。もれなく竜宮城なんだけど』
それで納得がいきました。教頭先生が懸命に探しておられた理由。ソルジャーにあれこれと誘われる度に会長さんと秤にかけて悩まれるのが教頭先生なんですが…。大当たりだったら会長さんとくれば、悩みも吹っ飛び、大当たりに賭けたくなるわけで…。
「ううむ…。どちらが大当たりなのだ?」
サッパリ分からん、と冷蔵庫から出した卵のケースを前にして悩み続ける教頭先生。それはそうでしょう、会長さんとの大人の時間か、ソルジャーの方か。間違えて選べばソルジャーの世界へご招待されて、会長さんよりも先にソルジャーと…。
「早く選んだら? でないと、その卵…」
片方は「ぶるぅ」で辛抱が…、とソルジャーが言った次の瞬間。
「待ちくたびれたーーーっ!!!」
青い卵の片方がピョンとケースから飛び出し、教頭先生の手の中へ。あれって…。
「「「ぶるぅ!?」」」
悪戯小僧の方だったか、と私たちは息を飲み、ソルジャーは。
「はい、片方選んでしまったってね! 竜宮城にご招待ってことで…。ぶるぅ、よろしく」
「かみお~ん♪ 先に運んでおくねーっ!」
ご案内ーっ! と「ぶるぅ」が教頭先生の腕を引っ掴んでパッと姿を消しました。教頭先生、ソルジャーの世界に行っちゃいましたか?
「そうなるねえ…。青の間をテキパキと片付けて欲しいね、早く終われば早く帰れるよ」
多分、三日もあれば綺麗に…、と言うソルジャー。それじゃ、教頭先生、帰れるまでは無断欠勤になるわけですか…?
「そうだけど…。いいんじゃないかな、卵、こんなにプレゼントしたし!」
恥ずかしい写真にデート券に…、とソルジャーが笑い、会長さんも「自業自得だよ」とエッグハントを始めたことを責める有様。確かに教頭先生が「やる」と決めたんですから、自業自得とも言えますけれど…。



「…いいんでしょうか、こんな結末で…?」
シロエ君が幾つも転がっている卵を眺めて、ジョミー君が。
「…ぼくたちじゃ連れて帰れないしね…。あっちの世界に行けもしないし」
「だよなあ、諦めて貰うしかねえよな、当分は掃除で奴隷でもよ…」
エッグハントって怖かったんだな、とサム君がブルッと肩を震わせてますが、卵からボワンと元に戻った「そるじゃぁ・ぶるぅ」は。
「えーっ!? 楽しかったよ、エッグハント! ぶるぅと一緒に隠れられたし!」
またやりたいな、と元気一杯、ピョンピョン飛び跳ねてホップ、ステップ。会長さんとソルジャーも楽しげですから、またやらかすかもしれません。教頭先生、どうか学習して下さい。今回で懲りてエッグハントは拒否して下さい、でないとババを引かされますよ~!




            卵を見付けて・了


※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 教頭先生が張り切ってしまった、エッグハント。凄い賞品が貰える予定だったんですけど。
 どう転がっても、ソルジャーの奴隷だったという気の毒なオチ。お掃除、頑張るしか…。
 次回は 「第3月曜」 3月15日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、2月は恒例の節分ですけど、今年は124年ぶりに1日早くて…。
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