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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

看護師  第2話

マザー、今日はキャプテンが胃薬が欲しいと言ってこられました。皆様のお部屋に『置き薬』を配るのも看護師の仕事で、キャプテンのお部屋の分は今朝、補充した筈ですが…。胃痛が酷くなられたのでしょうか?

「…ドクター、本当に困っているのだ。胃薬はどれも同じだと思ったのだが…」
「口に合わないということもあります。子供に多いケースです」
「なるほど、ならば納得がいく」
あらら?…キャプテン用ではないようです。
「アヒルから離れないので、下痢止めを飲ませようとしたら噛まれた」
「はぁ…これは痛そうですね」
ドクターがキャプテンの腕を診て、傷薬と包帯を持ってくるようおっしゃいました。手際よく手当てなさいます。
「で、下痢は止まっているのでしょうか?」
「そもそも下していなかったようだ。ひきこもりたい気分だったらしい。…それとも浪漫に浸っていたのか?」
「なるほど…。意外にデリケートですな」
「アヒルで読書中でもあった。デリケートならそんな所で本は読まない」

胃薬は「そるじゃぁ・ぶるぅ」用みたいです。今日も読書をしているんですか…。
「しかも私の本なのだ。気に入ったとは分かっていたが、2巻以降は複製が出来てから渡せばよかった。…アヒルから離れさせようとアイスで釣ったら、食べすぎたらしい。ムカムカすると訴えたので私の薬を飲ませたのだが…」
「吐き出してしまったんですね」
「ああ。…胃が痛むのか、本も読まずに丸まっている。子供用なら飲めるだろうか?」
「放っておいても治りそうですが、その前にキャプテンが胃薬のお世話になりそうですし…」
ドクターはサラサラと処方箋を書き、先輩の看護師に手渡しました。
「この薬をキャプテンに。…棒つきキャンデーも一緒に頼む。一番大きいソーダ味のだ」

マザー、看護チームに来ても「そるじゃぁ・ぶるぅ」から逃れられません。どうせなら「お体が丈夫でない」というソルジャー・ブルー様のために看護師の仕事をしたいのですが…。あ、『王家の紋章』は貸出し中になっていました。出版部が複製を作るためだそうです。さきほど聞いた話からして、キャプテンが「そるじゃぁ・ぶるぅ」用に発注されたのでしょう。ジャンルは少女マンガでした。内容とキャプテンの蔵書リストが気になります、マザー…。




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