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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

御禁制の釣り

シャングリラ学園に秋の始まりを告げるもの。学園祭のお知らせですけど、クラス展示とも催し物とも無関係なのが私たち。「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋を使ってのサイオニック・ドリームが売りになっている喫茶、『ぶるぅの空飛ぶ絨毯』があるんですから。
というわけで準備を特に急ぐこともなく、まだまだ当分はのんびり、まったり。今日も土曜日とあって会長さんのマンションに集まっているわけですが…。
「ハムスター釣り!?」
それってヤバイんじゃなかったかよ、とサム君が。
「動物虐待か何か知らねえけど、やっちゃいけねえ屋台だろ?」
「そうなんだけどね…。ゲリラ的に出没するらしいよ」
警察が来たらトンズラなのだ、と会長さん。
「子供には人気の屋台だし…。逃げるリスクを背負うだけの価値はあるらしくって」
「で、それを学園祭でやろうとしたわけ?」
誰が、と尋ねるジョミー君の視線の先にキース君にシロエ君、マツカ君。いわゆる柔道部三人組というヤツです。
「俺も詳しくは知らないが…。確か後輩の知り合いだったか?」
「そうです、二年生の…。名前は伏せておきますけれど」
その二年生の友達ですよ、とシロエ君が情報通ぶりを。
「ハムスターが好きで沢山飼ってるらしいんです。それが増えすぎたらしくって…。この際、同じ悩みを抱える仲間を募って、学園祭でハムスター釣りだと」
「学校に申請したそうですけど、却下されたという話でした」
当然でしょう、とマツカ君は呆れ顔です。
「普通のお祭りでも警察が来るという代物なんです、学園祭でやろうだなんて…」
「学校の中だと治外法権のように考えがちだし、そのノリだろうな」
馬鹿者めが、とキース君も吐き捨てるように。
「大体、ハムスターを自分で飼っているなら、可哀相だとは思わんのか、そいつは」
「その辺は個人の考え方だよ」
普通の釣りとはちょっと違うし、と会長さんが言ってますけれど。ハムスター釣りはまだ見たことがありません。それって、どういう釣りなんですか?



「ああ、それはね…」
釣りは釣りなんだ、と会長さん。
「そうだよね、ぶるぅ?」
「うんっ! ハムスターいっぱいで可愛いの!」
「見たんですか!?」
シロエ君が訊くと、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は無邪気な顔で。
「ブルーに頼んで一回やらせて貰ったよ!」
「「「えぇっ!?」」」
御禁制のハムスター釣りなんかを何処で?
「えっとね、何処かの夏祭り! ハムスター釣りって楽しいのかな、ってブルーに訊いたら、連れてってくれたの!」
「「「………」」」
流石、としか言えない会長さんの情報網と行動力。それでハムスター釣りって、どんなの?
「金魚すくいの水の代わりに藁が入っているんだよ。其処にハムスターが放してあってさ、餌をつけた釣り糸で釣り上げるわけ。餌に食い付いたら、パッと素早く!」
「三匹釣ったら、一匹貰えるらしいんだけど…。餌が外れたらおしまいなんだけど…」
「ぶるぅなら簡単に釣れるんだけどね、ハムスターを飼うのは大変だしねえ…」
「ブルーが持って帰れないよ、って言うから三匹目は釣らずに餌だけあげたの!」
ちゃんと食べさせてあげたんだよ、と誇らしげな「そるじゃぁ・ぶるぅ」の証言によると、餌はトウモロコシだったとか。食い付いた所を釣り上げるのが動物虐待なのかな?
「そうなるね。ハムスターは釣り上げられるように出来ていないし、弱っちゃうんだよ」
「あのね、あのね…。ブルーがそう言ったから、ぼく、ハムスターさん、逃がしてあげたの!」
「「「えっ!?」」」
逃がしたって、まさかハムスター入りの水槽だかケースだかを引っくり返したとか?
「違うよ、欲しがってる人が沢山いたの! だからハムスター、全部ブルーが買ったの!」
「「「買った!?」」」
ドケチな会長さんが露天商相手に、ぼったくり価格のハムスターを…全部?
「ぼくだって、一応、高僧だしね? 引き取り手がいる動物を見捨てて弱らせておくのはキツイし、ぶるぅが助けてやりたいんならね」
全部お買い上げ、希望者に配ってしまったと言うから凄いです。伝説の高僧、銀青様の名前はダテではなかったんですね…。



会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」の最強タッグ。動物虐待と噂の屋台を見物に出掛け、遊んだ上に沢山のハムスターを助け出したとは…。
「あんた、凄いな。見直したぞ」
キース君も感動している様子。
「それに比べて、ハムスター釣りを学園祭でやろうってヤツはただのクズだな」
「どうなんだろう? 好きで飼ってる人なんだしねえ、釣りのルールを変えてやったらハムスターも弱りはしないしね?」
「どういう意味だ?」
「屋台でやってるハムスター釣りは餌のトウモロコシが小さいわけ。それを大きいヤツにしておけば、ハムスターは楽々掴まってられるし、その状態なら釣り上げたって…」
「なるほどな…。元が増えすぎたハムスターの譲渡目的なら、そいつもアリか」
全部釣れたら営業終了でハムスターにも里親が出来るか、とキース君。
「そういうこと! でもねえ、ハムスター釣りは既に印象、最悪だから…。ルールを変えます、と説明したって学校としては却下だよ、うん」
「でもでも、ハムスターさん、可愛いかったよ?」
ちっちゃいのを釣るのが楽しかったよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「金魚すくいとは全然違って、チョコチョコ走って可愛いの!」
「「「うーん…」」」
言われてみれば、それは可愛いかもしれません。金魚すくいの金魚は泳いでるだけで何もしませんけど、ハムスターなら事情は別。餌をモグモグ、そしてチョコマカ走り回ったり、藁にもぐったりするのでしょう。
「…やってみたいかも…」
ちょっとだけ、とジョミー君が言い出し、シロエ君たちも。
「可愛くていいかもしれませんね?」
「次はどの辺に出そうなんだよ、ハムスター釣り」
俺もやりてえ、とサム君も乗り気。スウェナちゃんと私もやりたくなって来たのですが。
「ダメダメ、君たち、ハムスターを飼う気は無いんだろ?」
飼う気があっても全部は無理だし、と会長さん。
「ぼくは御免だよ、ぼったくり屋台のハムスターを丸ごと全部お買い上げはね。マツカが代わりに支払うにしても、二度目をやったら、後が無いから」
「「「は?」」」
後が無いって、どういう意味?



ハムスター釣りの屋台で水槽だかケースだかに入ったハムスターを全部お買い上げ。「そるじゃぁ・ぶるぅ」に頼まれた一度目は会長さんのお財布に大ダメージを与えたでしょうが、私たちが行ってそれをやるなら、マツカ君という頼もしい助っ人が。御曹司だけに軽く払える筈です。
なのに二度目は駄目と言われた上、後が無いなどと言われても…。
「いいかい、二度あることは三度あるんだよ」
会長さんは真面目な顔で。
「二度目もぼくが出掛けて行くだろ? どうせぶるぅがやりたがるんだし」
「そうなるだろうな」
俺たちだけではゲリラ屋台も探せないし、とキース君。
「あんたに頼って探して貰って出掛けるとなれば、ぶるぅも一緒に来たがるだろうし…」
「其処なんだよ。ぶるぅがハムスターを助けたくなって、マツカが全部買ったとする。ぶるぅは君たちも知ってるとおりに優しい子だから、三度目がある!」
またハムスターさんを助けに行くんだと言い始めるに決まっているのだ、という見解は間違ってはいないと思います。その三度目をやってしまったら…。
「そうさ、ぼくはこの先、ハムスター釣りの屋台が出る度、出掛けて全部お買い上げなんだ!」
「「「うわー…」」」
「マツカが代わりに払うにしたって、ハーレイから毟って来るにしたって、ハムスター釣りが出て来たら全部! そしてその内に!」
ぼくは立派なカモになるのだ、と会長さんの苦い顔。
「ああいう世界は情報が流れてゆくのが早い。たとえ警察とイタチごっこの屋台であっても人気はあるんだし、廃れない。其処へ毎回、全部お買い上げの凄いお客が来るとしたら?」
「下手したら増えるかもしれねえなあ…。ハムスター釣り」
サム君が呟き、「そうなるんだよ」と頷く会長さん。
「ぼくの得意技は瞬間移動で、何処で屋台を出していたって出掛けて行ける。動物愛護団体の誰かと勘違いされるのはいいとしてもね、屋台さえ出せばぼくが来て全部言い値で売れるのはね…」
「どう考えても立派なカモだな、あんた」
キース君の言葉で、会長さんが二度目とやらを嫌がった理由が分かりました。確かに後がありません。ハムスター釣りの屋台が現れる所、必ず会長さんの影が見えるというわけで…。
「そっか、ダメかあ、ハムスター釣り…」
ちょっと挑戦したかったけどな、とジョミー君。私たちだって同感です~!



やってみたかったハムスター釣り。金魚と違って、チョコマカ走り回る姿が可愛いハムスター釣り。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」のハートを射抜いたと言うのですから、きっと本当に可愛いのでしょう。
一度体験したかった、と誰もがガッカリしたのですけど。
「ふうん…? やってみたかったんだ、ハムスター釣り…」
だけどカモにはなりたくないし、と会長さんが思案中。何処かで釣らせてくれるのでしょうか? 「そるじゃぁ・ぶるぅ」には内緒で私たちだけにコッソリ情報をくれるとか…?
「いや、それは…。君たちが釣りに行くんだったら、そのハムスターは見捨てたくないし…」
「マツカが買えばいいんじゃねえかよ」
それで解決、とサム君がズバリ。
「別にブルーが出てこなくっても、ちゃんと始末はつけるからよ」
「でもねえ…。ぼくにとっては心理的に二度目。そして、ぶるぅにも確実にバレる」
でもって三度目、四度目と続いてカモな人生、と会長さんはぼやいていましたが。突然、ポンと手を打って「そうだ!」と明るい声。
「そうだ、ぶるぅを釣ればいいんだ!」
「「「は?」」」
「ぶるぅ釣りだよ、可愛くないかい? うんとミニサイズのぶるぅで、こんなの」
会長さんが広げた手の上に、ハムスターサイズの小さな「そるじゃぁ・ぶるぅ」がパッと出現。手のひらの上にチョコンと座ってニコニコ笑顔の「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「「「ぶるぅ!?」」」
どうなったのだ、と慌てましたが、「すっごーい…」と普段通りの「そるじゃぁ・ぶるぅ」がミニサイズの自分を覗き込んでいるではありませんか。
「…ぶるぅじゃ……ない……?」
「違うようだな…」
では何なのだ、とキース君がチョンと指でつつこうとしたら。
「「「あれ?」」」
指はミニサイズの「そるじゃぁ・ぶるぅ」の身体を突き抜け、会長さんの手のひらに到達しちゃったみたいです。指を引っ込めたキース君の目は丸くなっていて。
「…あんたの手のひらに触ったんだが…」
「そうだろうねえ、此処には何も無いからね?」
御覧の通り、と会長さんが空いた方の手でパッと払うと「そるじゃぁ・ぶるぅ」のミニサイズは消え失せ、ただの手のひら。それじゃ今のは…?



「サイオニック・ドリームの応用なんだよ、核になるものがあればもっと楽勝」
こういうぶるぅを釣らないかい、と会長さんは微笑みました。
「チョコマカ走らせるトコまではちょっと無理だけど…。小さなぶるぅを釣るだけだったら、表情とか動きはいくらでも、ってね」
「本当ですか!?」
シロエ君が飛び付き、釣られる方の「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
「やってみたぁーい! ぼくを釣る遊びでもやりたいよ!」
「俺も興味が出て来たな」
「ぼくだってやってみたいよ、それ!」
キース君にジョミー君、他のみんなも次々と。もちろん私も釣りたいですから、アッと言う間に決まってしまったハムスター釣りならぬ「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣り。会長さんは「よし」とリビングを出て行って…。
「はい、ぶるぅ釣りのために頑張りたまえ」
これで核になる魚を作って、と会長さんが画用紙を持って戻って来ました。
「幼稚園とかのゲームでやるだろ、磁石を使った魚釣り。あれを核にするから」
紙で作った魚に金属製のクリップをつけて、糸に結んだ磁石にくっつけて釣り上げる遊び。それがサイオニック・ドリーム発動の核になるらしいです。
「核が同じだと似たようなものしか出来ないからねえ、個性的な魚があるといいかな」
大物を作るのも良し、変なのも良し、と会長さん。
「クリップがコレで、磁石がコレ。だから挑んでも釣れないサイズも出来てしまうかもしれないけれど…。その方が手ごたえがあっていいだろ?」
「そう来たか…。つまり俺たちの手で核を作れ、と」
こいつで魚を作るんだな、とキース君が納得、会長さんは下書き用の鉛筆や彩色用の色鉛筆にクレヨンなんかも持って来ました。それからハサミも。
「みんな好きなだけ魚を作って、色を塗ってから切り抜いてよね。それにクリップを取り付けたら核の出来上がりなんだ。個性豊かなぶるぅが出来るよ」
「「「はーい!」」」
やってみよう、と私たちは画用紙を受け取り、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も貰っています。言い出しっぺの会長さんも鉛筆を握ってサラサラと。よーし、サイオニック・ドリームの核になるらしい、紙で出来た魚。私も作ってみましょうか…。



会長さんが「個性的に」と言った辺りが大きかったか、元々、個性的な面子が揃っていたのか。絵に描いたような普通の魚も小さいものから大きなものまで揃いましたが、それよりも…。
「リュウグウノツカイって、普通、釣れるのかよ?」
深海魚じゃあ、とサム君が訊いた作品はキース君のもの。ヒョロリと長いリュウグウノツカイにクリップがしっかり取り付けてあります。
「サム先輩だって、タコを描いたじゃありませんか」
シロエ君の突っ込みに「タコは釣れるぜ」とサム君の反論。
「魚じゃねえけど、釣ろうと思えば釣れるって! それより何だよ、そのシーラカンス!」
「魚だと思いますけれど?」
「…魚だっけ?」
まあカニよりは魚だよね、と言うジョミー君は何故だかカニに燃えていました。松葉ガニやら毛ガニやら。どれも形がアヤシイですけど、作りたかったものは分かります。
「個性豊かにって言われたら、釣れない魚も作りたくなるわよ」
スウェナちゃんは鯨を作ってしまって、マツカ君は亀を作った様子。私もホタテガイを描いちゃいましたし、みんなのことは言えません。えっ、ホタテガイは魚じゃないだろうって? だけどあの貝、泳ぐんですもの~!



「よし、充分に個性的なのが揃ったってね」
会長さんが満足そうに作品群を眺め、「そるじゃぁ・ぶるぅ」に。
「ビニールプールはあったっけ? 小さな子供が泳ぐようなヤツ」
「えとえと…。ぼくは持ってないけど、管理人さんの所に無かったかなあ?」
夏になったら貸し出してるから、という返事。そう言えば何度も目にしていました、夏に此処へと遊びに来た時。下の駐車場にビニールプールが置かれて小さな子供たちが遊んでいるのを。
「あったね、そういうビニールプール。じゃあ、借りて来る」
会長さんの姿がフッと消え失せ、暫く経って。
「お待たせ~! シーズンじゃないから仕舞い込んでて、出して貰うのにちょっと時間が」
でも借りて来た、と空気を抜いて折り畳まれたビニールプール。空気を入れるためのポンプもセットで、私たちは交代でプールを膨らませることに。その間に「そるじゃぁ・ぶるぅ」がお昼御飯の支度をしてくれるらしいです。
「プール、作っといてねー!」
「「「オッケー!」」」
お昼御飯を食べ終わったら、ビニールプールで「そるじゃぁ・ぶるぅ」を釣るのです。ミニサイズのうんと可愛いのを…!



足踏み式のポンプでせっせと空気を送り込んで膨らませ、子供用のビニールプールが完成。私たちは「そるじゃぁ・ぶるぅ」が作ってくれた秋の味覚のキノコたっぷりのピラフと、仕込んであった秋鮭と野菜のクリームシチューを平らげてから再びリビングへと。
「プールが釣り場になるからね。魚を重ならないように入れて」
会長さんの指示でリュウグウノツカイやシーラカンスが混じった魚の群れがプールの中に。どれもクリップ付き、会長さんが「試しに」と糸に縛った磁石で釣り上げてみて。
「うん、充分にいけるってね。でも、ぶるぅ釣りは難しいよ?」
「どうして?」
理屈は今のと同じでしょ、とジョミー君。けれど会長さんは「どうだかねえ…」という答え。
「今は魚がちゃんと見えてるから、何処にクリップがあるかも分かる。でもね、魚は全部ぶるぅに化けるんだ。クリップが何処か分かるかい?」
「「「あ…」」」
会長さんの手のひらに乗っていたミニサイズの「そるじゃぁ・ぶるぅ」を思い出しました。会長さんの手は透けて見えはせず、小さな「そるじゃぁ・ぶるぅ」が居ただけ。ということは、魚にくっつけてあるクリップも…。
「そう、いくら目で見ても見えないってね!」
大物であればあるほど苦労する、と言われてしまって恨みたくなった、ヒョロリと長いリュウグウノツカイ。他にも色々と恨みたい魚が溢れてますが…。
「覚悟のほどは出来たかな?」
会長さんはクックッと笑いながら割り箸に糸を結んでいます。糸の先には小さな磁石。要は割り箸が釣竿代わりで、これは本物のハムスター釣りも同じだとか。
「はい、一人一本、釣竿をどうぞ」
「かみお~ん♪ ぼく、いっちばーん!」
元気一杯に「そるじゃぁ・ぶるぅ」が割り箸を受け取り、全員の手に釣竿が行き渡った所で。
「始める前に、ハムスター釣りのお約束! 三匹釣ったら一匹貰える。だけどぶるぅはあげられないから、代わりにおやつのチケットを一枚」
持ち帰り用にも使えるよ、と会長さん。それは大いに美味しい話です。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が作ったお菓子を家でもおやつに食べられるなんて! 他のみんなも思いは同じという中で。
「おふくろのために頑張ってみるか」
美味い菓子を持って帰って好感度アップだ、とキース君。なるほど、アドス和尚に叱られた時に備えてイライザさんにゴマをすりますか…。



会長さん手作りの割り箸の釣竿、それに景品のおやつチケット。用意は整い、いよいよ「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣りの始まりです。会長さんの青いサイオンがキラッと光って…。
「「「わあっ!!!」」」
ビニールプールに溢れていた魚は一匹残らず「そるじゃぁ・ぶるぅ」に変わっていました。ミニサイズながら、どれもこれも「そるじゃぁ・ぶるぅ」そっくり、ニコニコ笑顔でキャイキャイと。
「なんだか賑やかに笑ってますよ?」
声は小さいですけれど、とシロエ君が驚くと、会長さんは。
「そのくらいのことは出来ないとね? ソルジャーの役目はとてもとても」
「「「スゴイ…」」」
動き回りこそしませんけれども、手を振っていたり、はしゃいでいたり。バラエティー豊かな「そるじゃぁ・ぶるぅ」がプールに一杯、釣り放題で。
「よーし、釣るぞーっ!」
ジョミー君が釣り糸を投げ入れ、私たちも我先に続いたものの。
「…えーっと?」
釣れそうで釣れない「そるじゃぁ・ぶるぅ」。クリップを狙えていないのです。
「くっそお、外したーっ!」
逃げられた、とキース君が呻き、シロエ君たちも。
「本当に難しいですよ、これ…!」
「三匹どころか一匹だって無理かもなあ…」
才能ねえかも、と嘆くサム君。「そるじゃぁ・ぶるぅ」も苦戦しています。
「うわぁーん、ぼくなのに釣れないのーっ!」
ぼくが釣れない、と闇雲に何度も投げ込まれる糸は全て空振り。なんとも手強い「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣りですが…。
「三匹でおやつチケットだって?」
「その三匹が釣れないんだ!」
まだ一匹も釣れていない、とキース君が怒鳴り返しましたけど、今のって…?
「こんにちは。面白そうなことをやってるねえ…」
ぶるぅ釣りだって? とヒョイと覗き込んで来た会長さんのそっくりさん。紫のマントを上手に捌いてビニールプールの脇に座ると、「ぼくにも釣竿!」と会長さんの方へ右手を。
「釣るのかい?」
「おやつチケットは魅力的だしね!」
釣ってみよう、と言ってますけれど。難しいですよ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣り…。



釣れるもんか、と誰もが思った「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣りへの闖入者。ところが割り箸の釣竿を握ったソルジャー、たちまち鮮やかに一匹を。
「かみお~ん♪」
可愛らしい声が上がって、ミニサイズの「そるじゃぁ・ぶるぅ」がソルジャーの手元に飛び込みました。途端に「そるじゃぁ・ぶるぅ」の姿は掻き消え、カニが一匹。
「ぼくの毛ガニだ…」
釣られちゃった、とジョミー君がポカンと眺める間に、また「かみお~ん♪」。今度はマツカ君の亀で、「二匹も!?」と騒いでいたら、またも「かみお~ん♪」。今度は普通に魚でしたが、誰が描いた魚なのかと悩むよりも前に。
「おやつチケット!」
三匹釣った、とソルジャーが手を出し、会長さんが「はい」とチケットを。
「やったね、これで持ち帰り一回分! どんどん釣らなきゃ!」
全部釣ってやる、というソルジャーの台詞はダテではなくて、四苦八苦する私たちや「そるじゃぁ・ぶるぅ」を他所にヒョイヒョイ釣っては「おやつチケット!」。
「うう…。なんであいつだけ釣れるんだ?」
「さ、さあ…。相性ってヤツじゃないですか?」
「うわぁーん、どんどん釣られちゃうようーっ!」
減って行くよう、と泣きの涙の「そるじゃぁ・ぶるぅ」。ビニールプールに溢れ返っていたミニサイズの「そるじゃぁ・ぶるぅ」はぐんぐんと減って、見る間に数えるほどになり…。
「こうなりゃヤケだーっ!」
きっと何処かにクリップが! とキース君が投げ込んだ釣り糸を地引網よろしくズズッと引き摺り、やっと釣り上げた一匹目。その手があったか、と私たちも急いだのですが…。
「ダメダメ、慌てる乞食は貰いが少ないって言うんだろう?」
釣りをするならゆったりのんびり、とソルジャーが糸をヒョイと投げ入れ、「かみお~ん♪」と釣れるミニサイズな「そるじゃぁ・ぶるぅ」たち。
「くっそお、残りは二匹なんだ!」
あと二匹釣ればおやつチケット、と割り箸を握るキース君も、せめて一匹と願う私たちもサッパリ釣れないままにソルジャーだけがヒョイヒョイヒョイ。「かみお~ん♪」の声は其処ばかりです。とうとう最後の一匹までもが。
「「「あーーーっ!!!」」」
釣られたーっ! という叫びも空しく、釣果はソルジャーの手の中に。おやつチケット、全部ソルジャーに取られておしまいでしたよ…。



「…なんでこういうことになるわけ?」
一匹くらいは釣りたかった、とジョミー君がぼやくと、ソルジャーは。
「簡単なことだよ、クリップを狙って釣るだけってね!」
「「「クリップ!?」」」
「そうだよ、魚についてるクリップ。ぶるぅの向こうに見えているだろ?」
「「「えーーーっ!!!」」」
やられた、という気分でした。私たちにも「そるじゃぁ・ぶるぅ」にも全く見えなかったクリップ、ソルジャーの目には見えていたのです。考えてみれば会長さんよりも経験値が高い人でしたっけ。挑むだけ無駄、キース君が一匹釣っただけでもマシだったのか、と…。
「負けた…」
キース君がガックリと項垂れ、私たちも。まあ、本物の屋台のハムスター釣りなら、これくらいの勢いで負けると言うか、釣れないと言うか。仕方ないな、とは思うんですが…。
「釣れなかったなんて…」
気分だけで終わってしまったなんて、とシロエ君が零し、サム君も。
「だよなあ、せっかくプール一杯のぶるぅだったのによ…」
「楽しく釣る筈だったのに…」
トンビにアブラゲ、というジョミー君の言葉に、ソルジャーが。
「目的はおやつチケットよりも釣りだったのかい?」
「そうなんだが?」
よくも俺たちの楽しみを、とキース君。
「あんた一人に釣られちまって、俺たちはロクに釣りを楽しめなかったんだが!」
「そうなんだ…。それは何だか申し訳ないし、良かったらぼくが釣り場を提供しようか?」
「「「は?」」」
「ブルーは今ので疲れただろうし、代わりにぼくが!」
コレを核に使って良ければ、とソルジャーの手元の紙の魚が指差されました。
「それとビニールプールを借りられるんなら、極上の釣りの時間を君たちに!」
「「「本当に!?」」」
会長さんよりも経験値の高いサイオンの使い手がソルジャーです。よりリアリティーのある「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣りを楽しませて貰えるに違いない、と飛び付いた私たちと「そるじゃぁ・ぶるぅ」だったのですが…。



「…なんだい、これは?」
会長さんの冷たい声と、何と言っていいのか言葉も出ない私たちと。
「何って…。ブルー釣りだけど?」
これも悪くないと思うんだよね、と微笑むソルジャーがビニールプール一杯に作り出して来たサイオニック・ドリームの釣りの対象。それはミニサイズの「そるじゃぁ・ぶるぅ」ではなく、全部ミニサイズのソルジャーでした。多分、ソルジャー。
「何処から見たって君じゃないか!」
「さあねえ、君かもしれないよ? とにかく、ブルーで!」
邪魔なマントは抜きで纏めた、とソルジャーが自慢するとおり、マント抜きでのソルジャーの正装のソルジャーだか、会長さんだかがドッサリ、ミニサイズでプールに溢れています。
「まあ釣ってみてよ、誰でもいいから!」
「「「………」」」
可愛らしい「そるじゃぁ・ぶるぅ」なら釣ってみたいですけど、これはイマイチな感じがヒシヒシと。美形ですから可愛くないとは言い切れないものの、なんだか違うという感じ。
「なんで釣らないわけ? じゃあ、キース!」
さっき一匹釣り上げた腕を見込んで君だ、とソルジャーの指名。キース君は蛇に睨まれたカエル状態、仕方なく釣り糸を垂れたのですが。
「…あんっ!」
「「「え?」」」
一匹……いえ、一人のミニサイズのブルーが身体をくねらせ、「あんっ!」と小さな甘い声。鼻にかかった声でしたけれど、今のは一体…?
「外したんだよ、クリップの場所を。はい、もう一回!」
「…嫌な予感がするんだが…」
キース君の腰が引けているのに、ソルジャーは「釣れ」の一点張り。恐る恐るといった体で下ろされた釣り糸、今度は何処に当たったものやら。
「…やぁっ!」
同じ「やあ」でも柔道とかの掛け声とは百八十度も違った甘すぎる声。ミニサイズのブルーとやらは、もしかして、もしかしなくても…。
「まあ釣ってみてよ、手を貸すからさ!」
此処を狙って、とソルジャーが手を添え、キース君が垂れた釣り糸がクンッ! と。どうやらクリップに当たったようですが、釣り上げられるミニサイズのブルーが発した声は。
「や、やあぁぁっ! い、イクっ…!」
行くって何処へ、と見回す私たちが見たものは怒り狂った会長さん。レッドカードを握ってますから、今の台詞はヤバかったんですね…?



「君はどういうセンスでこれを…!」
さっさと消せ! と会長さんは怒り心頭ですけど、ソルジャーの方は涼しい顔で。
「えっ、楽しいと思うけど? ブルー釣り!」
エロくて雰囲気バッチリなのだ、とソルジャーは威張り返りました。
「三匹釣ったら何にしようか、ぼくからキスをプレゼントとか!」
「要りませんから!」
即答したシロエ君が神様に見えた気がします。その勢いで追い返してくれ、と思ったのに。
「おや、キスだけだと不満かい? だったらストリップもオマケにサービスするけど」
「…そ、それは…」
「あ、感動しちゃった? じゃあ、キスとストリップをセットでサービス!」
頑張って三匹釣り上げてよね、とソルジャーは笑顔でシロエ君の背中をバンバンと。
「キースは残り二匹だよ。さっきのも特別にカウントするから!」
「誰が釣るか!」
「なんで?」
楽しいのに、と全く分かっていないソルジャー。私たちが釣りたかったものはミニサイズの可愛い「そるじゃぁ・ぶるぅ」。キャイキャイ、ワイワイ、賑やかに騒ぐ「そるじゃぁ・ぶるぅ」。けれども今のプールに溢れているものは…。
「「「………」」」
山のようなミニサイズのマント無しソルジャーがウインクをしたり、思わせぶりに顔を伏せたり。どちらかと言えばお色気軍団、たまに「来て」とか小さな声が。
「釣らないのかい?」
何処でも当たればイイ声が、とソルジャーが指でチョンとつつくと「あんっ!」という声。
「ぼくはブルーよりも遥かに高度なサイオニック・ドリームを操れるしね? これだけの数でもイイ声は様々、重なったりはしませんってね!」
そして釣り上げれば絶頂の声が! と得意げなソルジャー。
「ミニサイズのブルーは釣り上げられれば昇天ってことで、イッちゃうんだよ! でもって元の紙の魚に戻るんだけれど…」
「こんな猥褻物な釣堀、要らないから! グダグダ言わずに撤去したまえ!」
誰も絶対、釣りたがらない、と会長さんは柳眉を吊り上げたのですが。
「本当に?」
本当にニーズは無いと思うかい、とソルジャーがズイと乗り出しました。私たちは釣りたくありませんけど、釣りたい人がいるとでも…?



「釣らせてぼったくりで、カモなんだよ」
そういう人に心当たりは無いか、とソルジャーは指を一本立てて。
「ハムスター釣りなら、君がカモになりそうって話だけれど…。ブルー釣りだと君はカモる方! カモがネギをしょってやって来るってね!」
「…カモって、何処から?」
好奇心をそそられたらしい会長さん。ソルジャーの方はニッと笑うと。
「分からないかな、君に惚れてて、この手の声とかを毎晩妄想している誰か!」
「…まさか、ハーレイ?」
「ピンポーン♪」
大当たり! とソルジャーはビニールプールを指差しました。
「こっちの世界のハーレイを呼んで、釣らせるんだよ、有料で!」
「それでカモなのか…」
「そのとおり! 言い値で釣らせて、しかもいい感じに遊べるってね!」
だって釣るための場所なんだし…、とソルジャーの唇が笑みの形に。
「釣りには釣り竿が欠かせなくって、竿と言えば!」
「…竿?」
怪訝そうな顔の会長さんの耳に、ソルジャーがヒソヒソと耳打ちを。
「………と、こんな感じでどうだろう?」
「その話、乗った!」
このブルー釣りでボロ儲けだ、と会長さんは一気に方向転換しちゃいましたが、教頭先生をカモにする所までは分かります。でも…。
「竿って何さ?」
分かんないよ、とジョミー君が首を捻って、キース君が。
「餌じゃないか? 本物のハムスター釣りみたいに」
「ああ、何回か挑んだら磁石が外れてしまうとかですね!」
買い替え必須になるんですね、とシロエ君。
「そうだと思うぞ、ぼったくり価格で新しい竿を売り付けるんだ」
「「「うーん…」」」
その線だな、と腑に落ちたものの、カモにされてしまう教頭先生。私たちでも難しかった釣り、磁石が外れるオマケつきでは難易度ググンとアップですってば…。



そうして結託してしまった会長さんとソルジャーなだけに、間もなく教頭先生が瞬間移動で呼び寄せられて。
「な、何なのだ、これは!?」
ビニールプールを覗いて叫んだ教頭先生に、会長さんが。
「ブルー特製、サイオニック・ドリームのブルー釣りだってさ。三匹釣ったらブルーからのキスとストリップの賞品が出るらしいんだけど…。挑戦してみる?」
料金はちょっとお高くて…、と告げられた値段は強烈なもの。それは屋台の釣りの価格じゃないだろう、と思いましたが、教頭先生は「是非」と財布を取り出したから凄いです。
「これで一回分なのか?」
「うん。思う存分、釣ってくれればいいからね」
あれ? 餌が外れるまで、って言いませんでしたけれど、いいんでしょうか? 外れてから「もう一回やるなら」って凄い値段を毟るのかな?
ともあれ、教頭先生は割り箸の竿を受け取り、ビニールプールの側に座っていそいそと。下ろされた釣り糸は一匹だか一人だかのブルーの身体に当たって…。
「あんっ!」
鼻にかかった声と、くねる身体と。教頭先生、ビクンと腕を硬直させて。
「な、なんだ!?」
「ああ、それね。そういう仕様になってるんだな、何処に当たってもイイ声らしいよ。でもって、見事に釣り上げた時は「イクッ!」と叫んでいたっけねえ…」
そうだよね? と話を振られたキース君は。
「あ、ああ…。俺には正直、何のことだかサッパリ分からなかったんだが…」
「ほらね、こうして証人もいる。キースは一匹釣ったんだ。正体はキースたちが作った紙の魚だけど、釣り上げられるまでの反応だけはブルー並み!」
頑張って三匹釣ってみたまえ、と煽り立てられた教頭先生、懸命に糸を垂らして努力なさっておられるのですが…。
「やぁぁっ!」
「はい、ハズレ。まったく、何処を狙ってるんだか…」
「ホントにねえ…。ぼくをイカせるには、もっと努力が必要だってね」
でなければ竿を特製に、とソルジャーが言って、会長さんが。
「そうそう、特製の竿があったね、もれなくブルーが食い付くという!」
高いんだけどねえ…、とニヤニヤニヤ。竿って、ついにぼったくり価格の竿の出番が?



「特製の竿?」
教頭先生は惹かれたようで、会長さんがにこやかに。
「それはもう! これに食い付かなきゃブルーじゃない、って素晴らしい竿があるんだけれど」
「高いのか?」
「値段も高いし、度胸も必要。使いたいなら、こんなトコかな」
目の玉が飛び出るような値段でしたが、負けていないのが教頭先生。「ちょっと取ってくる」とソルジャーに瞬間移動で送迎して貰って、タンス預金とやらをドッカン、帯封付きの凄い札束。
「オッケー、それじゃ特製の竿の使用を許可しよう。ブルー、手伝ってあげて」
「もちろんさ! ハーレイ、ちょっと失礼するよ」
ソルジャーが教頭先生の前に屈み込んで、いきなり腰のベルトをカチャカチャと。
「な、何を…!?」
「分かってないねえ、ぼくがもれなく食い付く竿だよ? 君のココしか無いだろう!」
男のシンボルの竿で釣るのだ! とファスナーが下ろされ、私の視界にモザイクが。ソルジャーは手にしっかりと糸を握っています。
「これから膨らむことを考えると、緩めに縛っておかなきゃね。余裕を持たせてこんなもので…、って、あれっ、ハーレイ?」
「…す、すびばせん…」
教頭先生の鼻からツツーッと鼻血が。
「大丈夫かい? それでね、この竿で釣るとぼくがもれなく釣れるんだけど…」
「…た、たのしびです…」
「釣れたぼくはね、君の竿にパクリと食い付くんだな、イク前に! これぞサービス!」
「ふ、ふひつく…!?」
食い付く? と言いたかったのでしょう。そんな教頭先生に向かって、ソルジャーが。
「小さいだけにね、口も小さくて御奉仕とまでは…。でも、感触は本物だから!」
小さな口でもしっかりと! と言い終わる前に、ドッターン! と響いた教頭先生が床に倒れた物凄い音。鼻からは鼻血がブワッと噴水、大事な部分はモザイク状態。
「えーっと…。特製の竿代、これで一回分ってことでいいかな?」
「そうだね、正気を取り戻したら二回目の支払いを済ませて挑戦ってコトで」
今日は思わぬ荒稼ぎが…、と会長さんは御満悦でした。ソルジャーも今日は夜までブルー釣りを開催するようですけど、私たちは御免蒙ります。特製竿まで飛び出した今となってはエロしか残っていない釣り。「そるじゃぁ・ぶるぅ」釣りからブルー釣り。
「…最悪だよね?」
「最悪ですね…」
ジョミー君とシロエ君の溜息を他所に、会長さんとソルジャーは札束の山を山分け中。まだまだお札は増えるんでしょうね、教頭先生、早くカモだと気付いて下さい~!




            御禁制の釣り・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 ハムスター釣りの話が発端になって、みんなで楽しく「ぶるぅ」釣り。素敵な発想。
 なのにソルジャーが考案したのは、最悪すぎる釣り。教頭先生、カモにされてますよね。
 これが2018年ラストの更新ですけど、「ぶるぅ」お誕生日記念創作もUPしています。
 来年も懲りずに続けますので、どうぞよろしく。それでは皆様、良いお年を。
 次回は 「第3月曜」 1月21日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、12月は、キース君から賠償金を毟り取ろうとしてまして…。
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