シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
今年も桜の季節がやって来ました。お花見大好きなソルジャーまでが押し掛けてくる季節です。今日は土曜日、せっかくだからと山桜一杯の名所へお出掛け、もちろん反則技の瞬間移動で。ついでにお花見の場所も穴場を探して飛び込んだので…。
「いいねえ、周りに人がいないというのはね!」
貸し切り最高、と笑顔のソルジャー。今日はキャプテンと「ぶるぅ」も一緒で、私たちはドッサリお弁当を持参。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が腕を奮ってくれて…。
「かみお~ん♪ 今日のお弁当、ちらし寿司だよ!」
それとおかずが一杯なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。ちらし寿司が詰まったお弁当箱が配られ、おかずの方はまた別です。好みのおかずを選び放題、桜を見ながらの昼食タイムですけれど。
「うーん…。ちらし寿司かあ…」
ちらし寿司ねえ、とお弁当箱を見詰めているソルジャー。豪華な具がたっぷり乗っているのに、何か文句があるのでしょうか?
「えとえと…。ちらし寿司、嫌いだったっけ?」
今まで聞いていないんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も心配そうです。
「他のお弁当がいいんだったら、大急ぎで買って来るけれど…」
今から作ったんじゃ間に合わないし、と言われたソルジャーは。
「そういうわけじゃないんだけれど…。ちらし寿司は大歓迎なんだけど…」
「だったら、素直に喜びたまえ!」
ぶるぅが朝から作ったんだから、と会長さん。
「おかずとセットで頑張ったんだよ、ぶるぅはね! 君のぶるぅの分まで山ほど!」
「かみお~ん♪ ぶるぅのお弁当、美味しいよね!」
もういくらでも食べられそう! と大食漢の「ぶるぅ」はガツガツと食べ始めています。凄い勢いで食べまくりますから、「ぶるぅ」の分は別にしてあるほどで。
「ほらね、ぶるぅを見習いたまえ! 文句をつけない!」
会長さんが睨むと、ソルジャーは。
「文句ってわけじゃないんだけれど…。同じお寿司なら…」
「特上握りが良かったと?」
出来上がってから文句をつけるな、と会長さんがギロリ。特上握りにしたかったんなら、リクエストするとか、持参するとか、それくらいはして欲しいです。用意して貰ったお弁当に文句をつけるだなんて、最低ってヤツじゃないですか…。
豪華ちらし寿司なお弁当に不満があるらしいソルジャー。てっきり特上握りな気分なのかと思ったんですが。
「握り寿司じゃなくって…。巻き寿司なんだよね」
「「「巻き寿司?」」」
それはとっても地味じゃないか、と考えたものの、巻き寿司も色々。とても太くて具だくさんのもあったりしますし、そういうヤツならお花見にだって良さそうで。
「そっか、巻き寿司…。買った方がいい?」
欲しいんだったら行ってくるけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「巻き寿司だったら、いろんなお店ですぐ買えちゃうし!」
「いいよ、ブルーに睨まれそうだし…。今度御馳走してくれれば」
お花見シーズンも今週でおしまいみたいだから、と言うソルジャー。
「次の土曜日にでもパーティーしようよ、ブルーの家でさ」
「オッケー! パーティーなんだね、巻き寿司で!」
うんと豪華に用意しとくね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大喜び。お客様大好き、おもてなし大好きなだけに、パーティーと聞くと大張り切りで。
「ぶるぅも一緒に来るんでしょ? パーティーだから!」
「…どうだろう? そこはちょっと…」
「そろそろ君のシャングリラが危なそうかい?」
お花見に繰り出し続けたからねえ、と会長さんが。
「ソルジャーとキャプテンが揃ってサボリで、普段だったら留守番しているぶるぅも一緒に来ちゃっているし…。人類軍にでも目を付けられたと?」
「そうでもないけど、ぶるぅは残した方がいいかな」
ハーレイと二人でお邪魔するよ、と早くも決まってしまった予定。明日もみんなで揃ってお出掛け、今年のお花見の総決算ですが、それとは別に巻き寿司パーティー?
「うん、その方がぼくもいいんだよ。明日のお花見はスポンサーもいるし」
「まあねえ、お花見で毟るのはお約束だしね?」
豪華弁当も予約済みだし、と会長さん。明日は最後のお花見ですから、有名店の豪華弁当を予約してあります。支払いはスポンサーという名の教頭先生、それだけに一緒にお花見するわけで。
「ハーレイがいると何かと面倒ではあるかな、確かにねえ…」
それに巻き寿司までは食べ切れないし、と会長さんも納得の様子。豪華弁当と巻き寿司、両方食べても平気なのって、「ぶるぅ」くらいなものですしね?
そんなこんなで、次の土曜日は巻き寿司パーティー。教頭先生もおいでになっての豪華弁当なお花見も済んで、平日は学校なんですけれど。
「巻き寿司パーティーって…。手巻き寿司だよね?」
ジョミー君が確認している、放課後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋。「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「うんっ!」と元気良く。
「パーティーなんだもん、手巻きだよ? それが一番!」
「だよねえ、具だって好きに選べるし…」
いろんなのを組み合わせちゃっていいんだし、とジョミー君が言えば、サム君も。
「それが手巻きの醍醐味ってヤツだぜ、あれもこれもって詰め込んでよ!」
「…詰めすぎると溢れてしまうわけだが?」
海苔からはみ出してしまうんだが、とキース君。
「欲もほどほどに、という教訓ではある」
「キース先輩、手巻き寿司パーティーに教訓なんかは要りませんから!」
法話もしないで下さいよ、とシロエ君がフウと溜息。
「ぼくたちは賑やかにやりたいんです。湿っぽい法話はお断りです」
「法話は別に湿っぽいとは限らんのだが?」
笑いを取るための法話もあるが、と言われましても、法話は法話で。
「そういうのは求めてないんだよ!」
ただの手巻き寿司パーティーだから、とジョミー君。
「それにさ、ブルーも来るんだよ? 法話はするだけ無駄っぽいけど」
「それは言えるぜ、あいつら、絶対、聞いてねえしな」
ついでに教訓にもしやがらねえぜ、とサム君が。
「二人揃って来るってことはよ、もうバカップルに決まっているしよ…。法話どころじゃねえってことだぜ、どう考えても」
「「「あー…」」」
そうだった、と頭痛を覚える私たち。ソルジャーとキャプテンが「ぶるぅ」抜きで来ると噂の手巻き寿司パーティー、繰り広げられる光景が目に見えるようです。
「…二人であれこれ巻くんだな、きっと…」
そして「あ~ん♪」と食べさせ合うんだ、とキース君が呻いて、会長さんも。
「それしか無いねえ、どう考えても…」
覚悟はしておいた方がいいね、と言われなくても酷い頭痛が。今度の土曜はバカップルかあ…。
逃げ場所も無いまま迎えた週末、会長さんの家へと出掛けて行った私たち。会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」は朝早くから市場であれこれ買い込んだそうで。
「かみお~ん♪ いいお魚とか、いっぱい買って来たからね!」
「海苔もいいのを用意してあるよ、何処かの馬鹿は忘れて楽しみたまえ」
バカップルは見なければ済むわけなんだし、と会長さん。
「いくら「あ~ん♪」とやっていようが、ぼくたちは無視の方向で!」
「当然だろうが、誰が見るか!」
あんな阿呆は御免蒙る、というキース君の言葉に、私たちも「うん」と。バカップルが勝手に盛り上がる分には、見なければいいだけのことですから。
「ぼくたちは食べればいいんですよね」
せっせと巻いて、とシロエ君が言い、マツカ君も。
「手巻き寿司は自分で作るんですから、自然と集中できますよ、きっと」
「そうよね、巻かなきゃ食べられないものね」
まるで話にならないものね、とスウェナちゃん。寿司飯と具とを巻いてる間は視線を他へは向けられませんし、バカップルどころではないわけで。手巻き寿司パーティー大いに結構、せっせと巻こうと考えていたら…。
「こんにちはーっ!」
「お邪魔します」
空間を超えてソルジャー夫妻が登場、二人揃って私服です。これは食べる気満々だな、と思っている間に「そるじゃぁ・ぶるぅ」が「用意、出来たよーっ!」と呼びに来て。ゾロゾロとダイニングに向かって移動で、大きなテーブルにドッサリと…。
「「「わあ…!」」」
凄い、と歓声、幾つもの大皿に盛られた手巻き寿司の具。海苔も寿司飯もたっぷりとあって、「ぶるぅ」がいたって大丈夫そうなほどの量ですけれど。
「…これはなんだい?」
「「「は?」」」
ソルジャーの台詞にポカンと口を開けた私たち。
「なんだい、って…。君の希望の巻き寿司パーティーなんだけど?」
それ以外の何に見えると言うんだ、と会長さんも呆れ顔です。何処から見たって手巻き寿司パーティー仕様のテーブル、お好み焼きとか鍋パーティーとは違いますけど?
先週のお花見で「ちらし寿司より、巻き寿司の方が良かった」と文句をつけたソルジャーの希望で開催が決まった、本日の手巻き寿司パーティー。なのに「なんだい?」って、ソルジャーはいったいどうしたのでしょう?
「あんた、早くもボケたのか?」
そこのブルーより百歳ほど若い筈なんだが、とキース君。
「あんたが希望したんだろうが! 今度の土曜日は巻き寿司がいいと!」
「そうだけど…。でも、これは…」
「何か分からない具があった?」
珍しいのも仕入れて来たし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「分からなかったら、なんでも訊いてね! ぼくでもいいし、ブルーにだって!」
「…具のことじゃなくて…。ぼくが言うのは巻き寿司で…」
「手巻き寿司だよ?」
これからみんなで巻くんだもん! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が「座って、座って!」と声を掛けてくれて、私たちは席に着いたんですけど。ソルジャー夫妻も並んで座りましたけど…。
「…ブルー、巻き寿司ではないようですね?」
キャプテンが言って、ソルジャーが。
「違うようだねえ…」
注文の仕方を間違えただろうか、とテーブルの上を見回すソルジャー。だから手巻き寿司だと言ってますってば、何が違うと?
「これは自分で巻くヤツだし…。巻き寿司じゃないよ」
巻き寿司と言えばロールケーキみたいなヤツで、とソルジャーは両手で形を作ってみせました。
「こんな風に丸くて、細長くって…。全体に海苔が巻いてあってさ」
「そうです、中身は色々ですが…」
キュウリだったりトロだったり…、とキャプテンも。
「同じ巻き寿司の中に何種類もの具が入ったのもありますが…」
「とにかくロールケーキなんだよ、そういう形で海苔がビッチリで!」
それが巻き寿司! とソルジャーが説明、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が目を丸くして。
「…えっと、普通の巻き寿司だったの?」
手巻き寿司じゃなくて、細長く巻く方のヤツだったの、とテーブルの上をキョロキョロと。その巻き寿司なら分かります。同じ巻き寿司でも、ミニサイズのスダレみたいな巻き簾を使って巻いていくアレのことですね…?
どうやら違ったらしい巻き寿司、手巻き寿司ではなかった巻き寿司。ソルジャー夫妻は「これはこれで美味しいんだけどねえ…」などと言ってますけど、食べるつもりではあるようですけど。
「間違えちゃった…」
巻き寿司の意味が違ったみたい、とガックリしている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「気にすんなよ、ぶるぅのせいじゃねえし」
普通はこっちの方だと思うだろうし、とサム君が慰め、シロエ君も。
「パーティーって言ったら、手巻き寿司ですよ。間違ってません!」
「ただの巻き寿司では盛り上がらんだろうなあ…」
今一つな、とキース君だって。
「だから手巻きでいいと思うが」
「そうだよ、ぶるぅは頑張って用意してくれたんだし…」
朝から市場にも行ってくれたし、とジョミー君も言ったんですけれど。
「でもでも…。お客様には、おもてなしの心が大切だもん…」
なのに注文を間違えちゃったなんて、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は具材を乗っけたお皿をまじまじと眺め、それからタタッと駆け出して行って。
「「「…???」」」
どうするのだろう、と思っていたら、戻って来た手に大きなお皿。それにお箸も。
「これと、これと…」
それから、これ! とお皿の上に具材をヒョイヒョイ。もしかして、巻こうとしてますか?
「うんっ! お寿司の御飯はまだまだあるから、作ってくる!」
キュウリもあったし、他にも色々、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「みんなは先に食べ始めててよ、すぐに出来るから!」
「でもですね…!」
そこまでしなくていいんじゃあ、とシロエ君が止めに入りました。
「ただの我儘なんですよ? 巻き寿司の方がいいというのは!」
「そうだぜ、また今度ってことにしとけよ」
ぶるぅも一緒に手巻き寿司しようぜ、とサム君が誘ったのですが。
「ううん、おもてなしは大切なの!」
ちょっと待っててねー! と飛び出して行ってしまった「そるじゃぁ・ぶるぅ」。帰って来るのを待とうかとも思いましたが、それだと逆に気を遣わせてしまいます。申し訳ない気もするんですけど、ここはお先に頂いてますね~!
手巻き寿司の具と、家にあるらしい食材を使って巻き寿司を作りにキッチンへ出掛けた「そるじゃぁ・ぶるぅ」。小さな子供に作らせておいて自分たちは先に食べるというのも酷いですが。
「ぶるぅはあれでいいんだよ。気にしてないから!」
遠慮しないで食べて、食べて! と会長さん。
「巻き寿司を作るのも大好きだしねえ、ぶるぅはね。それに食事もちゃんとしてるし」
「「「え?」」」
「手巻き用の具材でお刺身気分! ちょっと御飯に乗せたりもして!」
海鮮丼風に楽しんでるから、という会長さんの言葉で一安心。巻き寿司をギュッと一本巻いたら、海鮮丼を食べているとか。
「それならいいか…。海鮮丼も美味いしな」
俺たちも手巻き寿司を楽しもう、とキース君が言うまでもなく、何処かの誰かが。
「はい、ハーレイ! 君、こういうのも好きだろう?」
「ありがとうございます! では、あなたにも…」
こんな感じで巻いてみました、と差し出すキャプテン、「あ~ん♪」とやってるバカップル。
(((馬鹿は見ない、見ない…)))
あっちを見たら負けなのだ、と自分の手巻き寿司を巻くのに集中、食べる時にはバカップルはサラッと無視しておいて。
「美味しいですねえ、流石はぶるぅの仕入れですよ」
活きがいいです、とシロエ君が絶賛、ジョミー君も。
「甘海老なんかもう、プリプリだよ? これ、さっきまで生きてたんだよね?」
「もちろんさ。ぶるぅはそれしか買わないよ」
生簀で泳いでいるのが基本、と会長さん。
「他の魚も生簀か活け締め、イカなんかも獲れたてに限るってね!」
それにお米もこだわりのヤツを炊いてるし、という解説に聞き入っていたら。
「かみお~ん♪ 巻き寿司、お待たせーっ!」
こんな感じで作って来たよ! と飛び跳ねて来た「そるじゃぁ・ぶるぅ」。大皿の上に盛られた巻き寿司色々、太さも色々。
「すげえな、そんなに作ったのかよ!?」
「時間、殆どかかってませんよね?」
それにとっても美味しそうです、とシロエ君。綺麗に切られた巻き寿司の断面は彩り豊かです。何種類ほど作ったんでしょうね、ホントに仕事が早いですってば…。
ソルジャーのご注文の巻き寿司を盛り付けた大皿がテーブルの真ん中にドンッ! と置かれて、取り皿も。「そるじゃぁ・ぶるぅ」は「沢山食べてね!」とニコニコ笑顔で。
「足りなかったら、また作るから! すぐ作れるから!」
どんどん食べて! と言われたソルジャーですけど。
「…これってさあ…」
違うんだけど、と見ている大皿の上。今度こそ本物の巻き寿司が出たのに、まだ文句が?
「何処が違うと言うのさ、君は!」
巻き寿司だろう! と会長さん。
「ぶるぅが頑張って作ったんだよ、これの他にどういう巻き寿司があると!?」
それともアレか、と会長さんは眉を吊り上げて。
「御飯の方を外側にして巻くヤツの方を言うのかい、君は!?」
「…そうじゃないけど…。巻き方はこれでいいんだけれど…」
「具材の方なら、文句を言わない! 家にあるものでこれだけ出来たら上等だから!」
干瓢とかは直ぐには戻らないんだから、と会長さんが言う通り。短時間では戻らない上に、味付けだってしなきゃ駄目ですし…。入っていなくて当然でしょう。
「もっと色々欲しいんだったら、買いに行くしかないってね!」
「…そういう意味でもなくってさ…」
「じゃあ、何だと!?」
文句があるならハッキリ言え! と怒鳴り付けられたソルジャーは。
「…この巻き寿司は切ってあるから…」
「「「はあ?」」」
切るも切らないも、巻き寿司はこうやって盛り付けるもの。各自が一切れずつ取って食べるのが巻き寿司の常識、それでこその巻き寿司パーティーですが…?
「…でも、切らないのもあるだろう?」
「それは単なるお店の方針!」
家でお好きにお切り下さい、という店だから、と会長さん。
「好みの厚みというのもあるしね、その手のお店もありはするけど…」
「えっとね、巻き寿司、家で切るのは難しいらしいよ?」
ぼくはなんとも思わないけど、失敗しちゃう人が多いらしいの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。そういう話は聞いてます。寿司飯が上手に切れないだとか、形が潰れてしまうとか。上手に切れない人にとっては、切ってある方が断然、有難いですよね?
「そるじゃぁ・ぶるぅ」が切って持って来た巻き寿司に文句があるらしいソルジャー。切っていない方が迷惑だろうと誰もが考えたのですけれど…。
「そりゃあ、そうかもしれないけれど…。ぼくが食べたい巻き寿司はさ…。切ってないから」
「「「え?」」」
ソルジャーと言えば不器用が売りで、巻き寿司なんかを綺麗に切れるとは思えません。それなのに切っていないのが好みって、まさかキャプテンが切るのでしょうか?
「切ってないって…。だったら、誰が切ってるのさ?」
会長さんもそこを突っ込みましたが。
「誰も? ぼくは切らないし、ハーレイもね!」
「切らないでどうやって食べているわけ?」
巻き寿司なんかを、と会長さんが更に重ねて尋ねると。
「そのままに決まっているだろう! 巻き寿司と言ったら、丸かじりだよ!」
恵方に向かって丸かじりだ、と飛び出した台詞。
「「「恵方!?」」」
恵方と言ったらその年の縁起のいい方向。そっちに向かって巻き寿司を丸かじりするとなったら、恵方巻とか言うような…。節分限定品だったような…。
「そうだよ、こっちの世界の節分のだよ!」
あの日は何処でも切っていない巻き寿司を売っているよね、とソルジャーは笑顔。
「ぼくもハーレイも、あれが好きでねえ…。ただねえ、あれはさ…」
「食べるのがとても難しいのです、私もブルーも未だに上手く食べられないのです」
もう長いこと頑張り続けているのですが、とキャプテンが補足。
「節分の度にブルーと挑戦しているのですが…。今年も頑張ったのですが…」
「難しいって…。相手は恵方巻だよね?」
ぼくもぶるぅも食べるけど、と会長さん。
「あれってそんなに難しいかな、君たちはアレで苦労をしているかい?」
どう思う? と訊かれましたから。
「俺は特に…。太巻きに挑むというなら別だが」
キース君が答えて、ジョミー君も。
「途中で誰かに話し掛けられて、どうしても返事をしなくっちゃ、っていうのでなければ…」
「いけるよな、普通?」
困らねえぜ、とサム君が。恵方巻なら、自分に合ったサイズを選べば楽勝ですけど?
節分に食べる恵方巻。それが難しいと言うソルジャー夫妻ですが、巻き寿司がいいと言い出した原因はそれなんでしょうか、食べるコツを習いたかったとか?
「そう、それなんだよ! この機会にと思ってさ!」
こっちの世界じゃ恵方巻は常識みたいだし、とソルジャーが膝を乗り出して。
「ぼくたちの世界に恵方巻は無いけど、君たちには馴染みの食べ物だしね!」
「…恵方巻にはコツも何も無いと思うけど?」
恵方に向かって黙って食べるというだけで、と会長さん。
「さっきジョミーが言ってたみたいに、喋っちゃったら終わりなだけでさ」
「そういうことだな、黙って食うのがお約束だ」
喋ったら福が逃げるからな、とキース君が言うと、ソルジャーは。
「ぼくたちだって、それは知ってるんだよ! でも、それ以前に食べる方がさ…」
「恵方に向かって丸かじりの段階で躓くのですが…」
本当にどうにもなりませんで、と嘆くキャプテン。
「今年こそは、と気合を入れても、失敗ばかりで…」
「そうなんだよ! 今年も福を逃したんだよ!」
丸かじりが出来なかったから、とソルジャー、ブツブツ。
「だからさ、ちらし寿司を見て思い出したついでに、恵方巻のプロに教わろうと!」
「プロって言うのかな、こういうのも…」
単に食べてるだけなんだけど、と会長さんが呆れて、シロエ君も。
「節分のイベントっていうだけですよね、豆まきとセットで」
「俺もそう思うが、そういう文化が無い世界となればコツが要るのか…?」
たかだか恵方巻なんだが…、と首を捻っているキース君。
「黙って食ったらそれで終わりだぞ、コツと言うより根性か辛抱の世界じゃないのか?」
「ああ、辛抱ね! …それは足りないかもしれないねえ…」
ぼくたちの場合、とソルジャーがキャプテンに視線を遣ると。
「その可能性はありますねえ…。辛抱ですか、それと根性だと」
「根性は要るぜ? デカいのを食おうと思った時はよ」
ギブアップしたら終わりだからよ、とサム君が言うと、ソルジャーは。
「うん、君たちはやっぱりプロみたいだねえ! 是非ともコツを習いたいんだけど!」
「私からもよろしくお願いします。お手本を見せて頂けたら、と…」
よろしく、と揃って下げられた頭。恵方巻を食べるお手本ですって…?
手巻き寿司パーティーを繰り広げる筈が、どう間違ったか恵方巻。切った巻き寿司では話にならないとソルジャーが主張するだけに…。
「分かった、とりあえず手巻き寿司パーティーが終わってからっていうことで…」
でないと色々と無駄になるし、と会長さんが。
「今も食べながら話してるけど、巻き寿司も出たし…。とにかく、これは食べておかないと」
「まったくだ。手巻き寿司はネタが新鮮な内だし、巻き寿司も出来立てが美味いしな」
作り置きでは話にならん、とキース君も。
「これだけあるんだ、ちゃんと食わんとぶるぅに悪い」
「そうですよ。巻き寿司なんかは、わざわざ作って貰ったんですし…」
恵方巻の件は食べてからにしましょう、とシロエ君が言った途端に、ソルジャーが。
「ありがとう! お手本を見せてくれるんだね?」
「えっ? え、ええ…。それはまあ…」
どうしてもということであれば、とシロエ君。
「でも、参考になるんでしょうか? 食べるだけですよ、巻き寿司を?」
「だけど、丸かじりをするんだろう? そこが大切!」
プロならではのコツを是非教わりたい、と繰り返すソルジャー。
「辛抱と根性だったっけ? それを聞けただけでも大いに収穫だったからねえ、そうだよね?」
ねえ? と話を振られたキャプテンは。
「ええ、本当に。…素晴らしい話を伺えました、来て良かったです」
ありがとうございます、と深々と頭を下げるキャプテン。なんとも不思議でたまりませんけど、ソルジャー夫妻は恵方巻に深い思い入れがあるようで…。
「恵方巻ねえ…。そこまで言うなら、やるしかないねえ…」
食べ終わってお腹が落ち着いたら、と会長さん。
「コツがどうこうと言ってるからには、練習なんかもするんだろうし…」
「練習もさせて貰えるのかい? 有難いねえ、ねえ、ハーレイ?」
「そう願えると嬉しいです。…恵方巻は私たちの念願ですから」
どうかコツを、とキャプテンにまでお願いされると断れません。もう恵方巻のお手本を見せるしかなくて、そうなってくると…。
「ぶるぅ、後で巻き寿司を二十本ほど…。具は適当なのでかまわないから」
「オッケー! 恵方巻にいいサイズのヤツだね!」
分かったぁ! と会長さんの注文に飛び跳ねている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。なんだって春に恵方巻なんていうことになるのか、お花見シーズンもとっくに終わりましたが…?
こうして何故だか恵方巻。手巻き寿司と巻き寿司でお腹一杯になった私たち、午後のおやつは元から要らない気がしてましたが、おやつどころか…。
「…恵方巻は節分なんだがな…」
節分の次の日が立春でだな、とキース君が巻き寿司の山を眺めています。切られていない巻き寿司が二十本はあって、私たちの技の出番待ちで。
「節分の次の日からが春でしたよね?」
その春はとっくに真っ盛りですが、とシロエ君。
「桜の季節が終わったからには、春も半分過ぎていそうな気がするんですが…」
「じきに立夏だよ、ゴールデンウイークが終わったらね」
そしたら暦の上では夏の始まり、と会長さんが壁のカレンダーへと目を遣って。
「…今のシーズンになって恵方巻なんて、正気の沙汰とも思えないけどねえ…」
「かみお~ん♪ ちゃんと美味しく作ったよ!」
丸かじりしやすい中身にしたの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「太さもリクエストを聞いて作ったし、みゆもスウェナも大丈夫だよね?」
「「…大丈夫だけど…」」
この太さなら充分いけるけど、と返事したものの、恵方巻。季節外れにもほどがあります、ソルジャー夫妻は期待に満ちた瞳で見詰めていますけど…。
「…仕方ない、食うか」
揃っていくぞ、とキース君が合図し、恵方巻を持った私たち。
「今年の恵方はあっちでしたか?」
シロエ君が確かめ、会長さんが。
「それで合ってる。それじゃ、揃って…」
「わぁーい、みんなで恵方巻ーっ!」
黙って、黙って! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が叫んで、総員、ピタリと沈黙。恵方巻は恵方に向かって無言で食べること。これが大切、これが鉄則。
「「「………」」」
モグモグ、モグモグ。節分の夜じゃないんですから、本物の恵方巻とは違いますけど、お手本はきちんと真面目にやらなきゃいけません。喋ったら駄目、喋ったら駄目…。
「よし、食ったぞ!」
こんな感じだ、とキース君が一番、他のみんなも次々と。スウェナちゃんも私も「そるじゃぁ・ぶるぅ」も食べ終えましたけど、ソルジャー、コツは分かりましたか?
「えーっと…」
大切なのは根性と辛抱、と呟くソルジャー。そうです、それが大切です。食べてる途中でどんなに可笑しいことがあっても笑っては駄目で、巻き寿司の量がどんなに多くても丸ごと一本食べないと御利益は貰えないもの。
「…根性と辛抱は分かったかなあ、今ので大体」
「そうですね。…皆さん、真面目にお手本を見せて下さいましたし」
とても勉強になりました、と頷くキャプテン。
「ただ…。私たちの積年の課題をクリアするには、もう一つ、恵方の問題が…」
「そうだっけねえ! そこも外せないポイントだよねえ、本当に」
恵方を向かなきゃ意味が無いし、とソルジャーが。
「…二人揃って恵方を向いて食べたいんだけどね、どうすれば食べられるんだろう?」
「「「はあ?」」」
どうすればって…。たった今、みんなで恵方に向かって食べてましたよ、恵方巻?
「二人って…。君たち二人のことかい、揃ってというのは?」
会長さんが訊くと、ソルジャーは「うん」と。
「これがどうにも難しくって…。未だにクリア出来そうもなくて」
「難しいって…。見本を見ただろ、二人どころか九人も恵方を向いてたけれど?」
余所見さえしなければいける筈! と会長さんが恵方を指して。
「あっちなんだ、と恵方を向いたら余所見をしない! そこがポイント!」
「それしか無かろう、あんたたちの場合は余所見したいかもしれんがな」
バカップルだけに隣が大いに気になるとか…、とキース君。
「しかし、恵方巻をきちんと食べたいのなら、だ。余所見は駄目だな」
「そうです、せめて食べ終わるまでは我慢ですよ」
根性と辛抱で耐えて下さい、とシロエ君も言ったのですけれど。
「…耐えるだけなら、なんとかなりそうなんだけど…」
「ええ。そちらの方は、根性と辛抱で持ち堪えることも出来そうですが…」
私も努力してみますが、とキャプテンが。
「ですが、二人で恵方を向くというのが…。もう本当に積年の課題で…」
いったいどうすればいいのでしょう、と悩みまくられても困ります。解決するには辛抱あるのみ、余所見をしないことが大事だと思いますけどねえ…?
恵方巻を食べるには恵方に向かって黙々と。食べ終えるまでは沈黙、それが鉄則。巻き寿司を一本食べるだけの時間も我慢出来ないのがバカップルというヤツなのでしょうか。会長さんも両手を広げてお手上げのポーズで。
「…食べる方は耐えられても、恵方を向けないって言われてもねえ…」
どれだけ辛抱が足りないのだ、と呆れ果てた顔。
「それだと今から練習あるのみ、ぼくたちが応援してあげるから頑張るんだね!」
練習用の恵方巻ならそこに沢山あるんだから、と指差す巻き寿司。
「節分じゃないから、恵方巻とは呼べないけれど…。それを二人で食べて練習!」
「…応援をしてくれるのかい?」
「二人きりでも気が散ってるなら、いっそエールを送った方がマシそうだからね!」
さあ持って! と言われたソルジャー夫妻は、恵方巻をそれぞれ持ちましたけれど。
「はい、食べて! 余所見しないで、恵方はあっち!」
会長さんが示した方向、それを見ているソルジャー夫妻。
「…どうする、ハーレイ?」
「コツは教えて頂きましたし、練習してもいいのですが…。でもですね…」
いささか恥ずかしくなって来ました、とヘタレならではの発言が。
「応援して下さるのは嬉しいのですが、なにしろ私は…」
「分かってるってば、見られていると意気消沈だというのはね! でもねえ、これは恵方巻!」
本当に本物の巻き寿司だから、と促すソルジャー。
「節分の夜とは違うわけだから、ここは思い切って頑張ってみる!」
「は、はい…。ですが、恵方を向く件は…」
「誰かが教えてくれると思うよ、これだけのプロが揃っていればね!」
「そ、そうですね…。では、恥ずかしさは根性で耐えるということで…」
頑張りましょう、と恵方巻をグッと握ったキャプテン。
「それで、恵方はあなたが向かれる方向で?」
「決まってるじゃないか、毎年、そういう約束だろう!」
恵方を向くのはぼくが優先! と妙な台詞が。優先も何も、二人揃ってそっちを見たらいいだけなのでは…、と誰もが思ったのですけれど。
「では、ブルー。…ここは失礼して…」
「うん、練習をしないとね!」
ゴロリと絨毯に転がったソルジャー、恵方巻、寝ながら食べるんですか…?
いったい何をする気なのだ、と驚いてしまったソルジャーのポーズ。寝転んで恵方巻を食べようだなんて、喉に詰まったらどうするのでしょう?
「…どうかと思うよ、その姿勢はね!」
気が散るわけだ、と会長さんが文句をつけました。
「恵方巻をいつ食べているのか、それで大体分かったってば! そんな時間に食べる方が無理!」
ベッドに行く前に食べたまえ! という声で納得、ソルジャー夫妻は大人の時間の真っ最中に恵方巻を食べていたようです。それでは二人で恵方を向くどころか、気が散りまくりになって当然で。根性と辛抱が必要なわけだ、と誰もが溜息、超特大。けれど…。
「ちょっと待ってよ、まだこれからが大切で!」
「そうなのです。ブルーが恵方を向くわけですから、私の方がですね…」
こんな感じになるのですが、とソルジャーの上に四つん這いになってしまったキャプテン。恵方巻を持った手は床から離れてますけど、他の手足で身体を支えて。
「「「………」」」
どういうポーズだ、と頭の中に乱舞している『?』マーク。キャプテンの頭が向いている方向はソルジャーとは真逆、ソルジャーの足の方向に頭があるわけで。
「…こうです、この状態で毎年、恵方巻をですね…」
「ハーレイ、百聞は一見に如かずだってば! ここでみんなに見て貰わないと!」
「そうでした…。お知恵を拝借するには、まず食べませんと…」
黙って恵方巻でした、とモグモグと巻き寿司を丸かじりし始めたキャプテン。ソルジャーの方も食べてますけど、ホントにどういう食べ方なんだか…。って、会長さん?
「ちょっと訊くけど!」
そこの二人! と、会長さんが仁王立ちに。
「「………」」
返事は返って来ませんでした。恵方巻タイムだけに、当然と言えば当然ですが。
「黙っているのは分かるんだけどね、君たちが毎年食べているのは本当に恵方巻なんだろうね?」
「「「え?」」」
恵方巻って…。それ以外の何を食べるんですか?
「…よし、食べた!」
「ええ、食べられましたね!」
やはり根性と辛抱が大切でしたね、と笑顔のキャプテン。ちゃんと恵方巻は食べてましたけど、キャプテン、恵方を向いていませんでしたよ、ソルジャーと逆方向でしたし…。
「…こんな感じになっちゃうんだけど…。揃って恵方を向ける方法って、何かありそう?」
恵方巻のプロに教えて欲しい、と起き上がって来たソルジャーとキャプテン。
「食べる間は辛抱っていうのは分かったんだよ、そこは耐えるから!」
「私も根性で耐えてみせます。今もなんとかなりましたから」
恵方巻を無事に食べ終えられましたから、とキャプテンは自信を持った様子で。
「ですが、ブルーが恵方を向いている限り、私の方は逆を向くしかないわけでして…」
「そこを解決したいんだよ! ぼくとハーレイ、二人揃って恵方を向いて食べたいからね!」
プロの意見を是非よろしく、とソルジャーの瞳に期待の光が。
「それさえ分かれば、来年からは最高の恵方巻だから!」
「ぼくはさっきも訊いたけどねえ、もう一度訊かせて貰っていいかな?」
本当に恵方巻を食べているんだろうね、と会長さん。
「まさか、恵方巻とは全く違う物を食べてはいないだろうね…?」
「「「へ?」」」
違う物って…、と首を傾げた私たちですが、ソルジャーは。
「分かってくれた!? ぼくたちの節分の恵方巻はね、もう特別で!」
「そうです、お互い、一本ずつを大切に食べているわけでして…」
ついついウッカリ声が零れてしまう辺りが問題でして…、とキャプテンの頬が気持ち赤めで。
「けれど、そちらは根性と辛抱で耐えればいいと教わりましたし…。後は恵方が問題で…」
「そうなんだよねえ、ハーレイも恵方を向ける方法って無いのかな?」
節分の夜はシックスナインで恵方巻! とソルジャーは高らかに言い放ちました。
「「「…しっくすないん…?」」」
それって69の意味なんでしょうか、69って数字がどうしたと…?
「出て行きたまえ!!!」
やっぱりそうか! と激怒している会長さん。ソルジャー夫妻は何をやらかしたと?
「待ってよ、恵方の問題がまだ…!」
「クルクル回せば解決するだろ、ベッドごと! ぶるぅに回して貰うとか!」
「ああ、ぶるぅ! それはいいねえ、回して貰えばいいかもねえ!」
一瞬ずつでもお互いに恵方、とソルジャーが叫んで、キャプテンが。
「それは考えもしませんでしたね、回して貰えばお互いに恵方を向けますねえ…!」
プロに相談した甲斐がありました、と大喜びのキャプテン、ソルジャーと固く抱き合ってキス。バカップル的には何かが解決したようですけど、恵方を向くのにベッドを回すって…?
「…あいつらは何がしたかったんだ?」
恵方巻の残りを持って帰りやがったが、とお悩み中のキース君。私たちだって分かりません。ソルジャー夫妻が恵方巻を食べる時のポーズも、シックスナインとかいうものも。
「…何だったんでしょう、節分の夜はシックスナインだそうですが…」
シロエ君が顎に手を当て、サム君が。
「分かんねえけど、ブルーがブチ切れていたってことはよ…」
「ヤバイ話だって意味だよねえ…?」
恵方巻の何処がヤバイんだろう、とジョミー君。本当に何処がヤバイんでしょう?
「分からなくてもいいんだよ! 君たちは!」
どうせ理解は出来ないから、と会長さんが溜息をついて、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「かみお~ん♪ 来年の節分、ブルーたちも呼ぶ?」
恵方巻、うんと沢山作るから! と言ってますけど、会長さんは「呼ばなくていい!」とバッサリ切って捨てました。と、いうことは…。
「…恵方巻ってヤツは、あいつらの世界じゃ猥褻物か?」
キース君の問いに、会長さんが。
「あの二人に関してはそういうことだね!」
今日の記憶は手放したまえ、と言われたからには、忘れた方がいいのでしょう。ソルジャー夫妻が節分の夜に食べる恵方巻、来年からは「ぶるぅ」がベッドを回すとか。乗り物酔いしないといいんですけどね、年に一度の恵方巻ですし、美味しく食べたいですもんね…?
お寿司の好み・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
ちらし寿司より巻き寿司なのだ、というソルジャーの注文。しかも切らずに丸ごとだという。
恵方巻の食べ方の指南を希望はいいんですけど…。こんな結末、忘れるしかないですよね。
次回は 「第3月曜」 11月15日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、10月といえば行楽の秋で、何処かへお出掛けしたい季節で…。
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