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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

燃え上がる湖

※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
 バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。

 シャングリラ学園番外編は 「毎月第3月曜更新」 です。
 第1月曜に「おまけ更新」をして2回更新の時は、前月に予告いたします。
 お話の後の御挨拶などをチェックなさって下さいませv




シャングリラ学園の秋とくればマザー牧場での収穫祭。搾りたてミルクだのジンギスカンだのをたっぷり食べて栄養補給で、次に来るのが学園祭です。もっとも、学園祭の準備は二学期に入ると間もなく始まり、クラス展示だの演劇だのと賑やかになるんですけれど…。
「かみお~ん♪ 今年も空飛ぶ絨毯だよね!」
放課後の「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋でキャイキャイと飛び跳ねるお部屋の持ち主。いえ、持ち主と言っていいのかどうかは謎が残るところ、とはいえ名称は「そるじゃぁ・ぶるぅのお部屋」。生徒会室の奥の壁にある紋章に触った人だけが入れる憩いの空間です。
壁の紋章はシャングリラ学園のシンボルマーク。サイオンを持った人にしか見られないそうで、それに触れれば瞬間移動で壁をすり抜け、「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へと。
日頃はそういう仕掛けになっている部屋を学園祭の時だけ壁にドアをつけて一般公開、それが私たちの誇る催し物、『ぶるぅの空飛ぶ絨毯』という名の喫茶店。好みのドリンクを注文すれば、飲んでいる間にサイオニック・ドリームがかけられ、あちこちの観光名所へバーチャルトリップ。
サイオニック・ドリームは会長さんがやっていますが、一般生徒には「そるじゃぁ・ぶるぅ」の不思議パワーと説明してあります。その喫茶店で売られるドリンク、行き先が観光地だけにお値段は観光地プライス、ぼったくり価格というヤツで…。
「…今年も観光地プライスですか?」
シロエ君がおずおずと口を開きました。
「いい加減、ぼくの良心が痛むんですけど…。なにしろ発案者がぼくということに」
「観光地価格は高いですよね、と君が確かに言ったんじゃないか」
あれでパパッと閃いたのだ、と会長さん。
「サイオニック・ドリームで世界の旅だよ、あらゆる所に行けるんだよ? バーチャルトリップでも臨場感の方はバッチリ、本当に其処まで出掛けるよりかは安いって!」
ジュースの値段じゃ空港までのバス代も出ない、と自説を展開。
「おまけにオプショナル・ツアーの方だって大人気! 眺めるだけよりクルーズ気分とか、遊覧飛行は人気があるよね。追加料金を払うお客さんが毎年大勢いるんだ、問題なし!」
今年もうんとぼったくるべし、という会長さんの号令で私たちはバーチャルトリップの行き先選定に取り掛かりました。定番の場所もありますけれども、新しい場所も入れたいです。何処にするか、と意見を出し合っていた中、飛び出した案が溶岩湖。
「「「溶岩湖!?」」」
なんだそれは、と発案者のジョミー君へと視線が集中。溶岩湖って…なに?



「だからさ、火山の火口だってば!」
ブルーだったら知っているよね、とジョミー君は解説を始めました。私たちの国には無いらしいですが、火山の火口に湖よろしく溶岩が溜まっているのだとか。溶岩だけにもちろんドロドロ、ただし表面は外気に触れているため、赤くはないという話。
「だけど溶岩が一杯なんだし、その上を飛ぶとかスリリングだよね」
「「「あー…」」」
溶岩湖の上をバーチャル遊覧飛行ですか! それは人気が出たりするかも、と思っていたら。
「いいねえ、溶岩湖は素敵に面白そうだよ」
会長さんがパチパチと拍手。
「見物に行ったことはあるから、火口の眺めは提供できる。…遊覧飛行をするとなったらオプショナルかな、その映像は行ってこないと手に入らないし」
「そだね~」
無いね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
「ぼくもブルーも「凄いね」って縁から見てただけだし、上を飛ぶなら見に行かないと…」
「そういうわけだよ、新たにお出掛けが必要になるから別料金はガッツリ頂く!」
会長さんが本領発揮。地球上なら何処でも一瞬で往復可能なサイオンがあるくせに、こういう時には出し惜しみならぬ有難味の押し出し。今更だから、と私たちは何も言いませんけど…。
「あっ、そうだ!」
どうせ行くなら、と会長さんはポンと手を打って。
「遊覧飛行はスリリングに! 溶岩湖で燃えるゴミ袋だよ!」
「「「ゴミ袋?」」」
「うん。実験した人があったんだ。表面は黒っぽく固まって見えるし、其処に人が落っこちたとしたらどうなるか、っていう話が発端」
まさか本当に人を落とすわけにはいかないから、と選ばれたものがゴミ袋。四十キロだか五十キロだか、中身を詰め込んで溶岩湖に投下実験をした学者さんたちがいたのだそうで…。
「そ、そのゴミ袋はどうなったわけ…?」
ジョミー君の問いに、会長さんは。
「表面の黒い部分をズボッと突き抜け、中で爆発炎上だってさ」
溶岩湖の表面は固まってはおらず、件のゴミ袋は下で滾っていた溶岩の中へ。高温ですから瞬時に炎上、溶岩湖の表面もゴミ袋よりも大きめサイズでドッカン爆発。ゴミ袋が燃える煙が一瞬だけ出て、爆発の後は元通りの黒い溶岩湖に…。



スゴイ、と私たちは驚きました。ゴミ袋の投下実験もさることながら、その実験の結論なるものが「人が溶岩湖に落ちた場合は表面を突き抜け、爆発炎上するであろう」という凄さ。投げ込んだモノはゴミ袋でも、人が転落した時の展開を予想するとは学者魂、恐るべし…。
「…何も人にまで結び付けなくてもねえ?」
怖すぎるんだよ、とジョミー君。
「ゴミ袋だけでいいじゃない! そんなに人を投げ込みたいかなあ…」
「どうなんだか…。まあ、学者というのは研究バカだし?」
探究心は半端では無い、と会長さんが口にしてから。
「待てよ、爆発して燃えるゴミ袋…。これを組み込んだら更にスリリングな体験になるね」
「投げ込むつもりか!?」
キース君がすかさず突っ込みました。
「四十キロだか五十キロだか、ゴミ袋を投げ込みに出掛けるつもりか!」
「それはもう! …どうせだったらゴミ袋よりも人間だよね」
「「「ええっ!?」」」
に、人間って、それは殺人になるのでは? それとも何処かの医学部とかから解剖用のをせしめてくるとか、そっち方面なら無罪だとか…?
「違うね、リアルに出来た人形! 今から作れば間に合うかと」
「…マネキンか…」
ならいいか、とキース君以下、ホッと安堵の溜息ですけど。
「うんとリアルな特製だよ? でもってコンセプトは堕天使なんだ」
「「「堕天使?」」」
会長さんの目指す所がサッパリ分かりませんでした。しかし…。
「ぶるぅ、こないだ買ったリュックは?」
「えとえと、天使のリュックのこと?」
「そう! みんなに見せてあげてよ、アレを」
「オッケー!」
何も無い空間からヒョイと出て来た黄色いリュック。小さなお子様サイズですけど、白い布で出来た翼が両脇にくっついています。ずっと前にも背負ってたかな、このリュック…。
「可愛いでしょ、これ? ブルーに買って貰ったんだよ!」
ねーっ? とリュックを背中に背負って飛び跳ねている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。とても無邪気で上機嫌。天使のリュックは分かりましたが、これと堕天使との関係は…?



黄色いリュックに天使の翼。それを見ていた私たちの耳に、会長さんの笑いを含んだ声が届いて。
「ぶるぅの空飛ぶ絨毯だよ? 溶岩湖の上を飛んで行くなら、ぶるぅがお似合い!」
その更に上をぼくが飛ぶんだ、と会長さんはニコニコと。
「ぶるぅの不思議パワーについては、詳しい内容は知られてないしね? 自分が空を飛んでいるのを上から撮影可能なんだと思われるだけで解決だよ、うん」
「…それで?」
堕天使の件はどうなったんだ、とキース君が冷静に。
「察する所、ぶるぅがマネキンを落としに飛んで出掛けるようだが…」
「もちろんさ。落っこちたマネキンが堕天使なんだよ、溶岩湖に沈んで当然だよね」
ただし、と会長さんはニヤニヤ。
「落っこちて爆発炎上の前にすり替えるだけで、最初は本物の人間だってば」
「「「本物!?」」」
「いわゆるスタントマンっていう感じかな? 天使の翼をつけて貰って、ぶるぅが抱えて飛んで行く。そして堕天使に相応しく!」
燃える溶岩湖に沈むのだ、と会長さんはブチ上げました。
「天使の翼は片方だけにするのがいいかな、もう片方は悪魔の翼! そうすれば一目で堕天しそうな天使と分かるし、すり替えるマネキンは両方の翼を悪魔のヤツにしておけば…」
「ちょっと待て!」
そんな危険を誰が冒すか、とキース君の顔は真っ青で。
「俺は断らせて貰うからな! 坊主は天使などとは無縁だ、そんなコスプレは教義に反する。…いいか、怖くて言っているんじゃないからな!」
「怖がってるとしか思えないけど?」
まあいいけどね、と会長さん。
「その理屈だとサムとジョミーも坊主で却下で、残ってるのは…」
「ぼくたちですか!?」
シロエ君がマツカ君と顔を見合わせてブルブルと。会長さんのサイオンがいくら凄くて心配無用と言われた所で、溶岩湖の上を「そるじゃぁ・ぶるぅ」に抱えられて飛行した上、真っ逆様に落っことされるとあっては誰だって嫌というものです。
「女の子は除外に決まってるしねえ…」
会長さんの台詞に、シロエ君とマツカ君は顔が真っ白になったのですけど。
「…誰が仲間内から選ぶと言った? こういうのは適材適所なんだよ」
喜んで落っこちそうなバカが、と会長さんはニンマリと。落っこちそうなバカって、誰…?



落っこちたら最後、爆発炎上、地獄まがいの溶岩湖。そこに落とされるスタントマンが出来そうな人がいると言われても、まるで見当がつきません。誰なんだろう、と言い合っていたら。
「バカと言ったら一人だけだろ、考えるまでもなさそうだけど?」
「「「バカ?」」」
「ぼくにベタ惚れのバカだってば! シャングリラ学園教頭、ウィリアム・ハーレイ!」
ゲッ、としか声が出ませんでした。きょ、教頭先生を溶岩湖に…?
「いいじゃないか、学園祭の催し物に使う映像だよ? 教師たるもの、協力しなくちゃ!」
そして撮影は一発勝負、と会長さん。
「ぼくのサイオンにミスは無いしね? それにハーレイはタイプ・グリーンだ。防御能力はタイプ・ブルーに匹敵する。万一の時にも大丈夫!」
「「「………」」」
その万一とは何を指すのか、言われなくても明明白白。会長さんと「そるじゃぁ・ぶるぅ」が大失敗をして溶岩湖の中に転落する羽目になった場合も生き残れるという意味です。
「だからね、まずはハーレイのマネキン作り! いつものコスプレ専門店の子会社がマネキンを扱ってるから、ハーレイの体格と体重に合わせたリアルなヤツを作って貰おう」
天使じゃなくて堕天使バージョン、と会長さんはニコニコと。
「堕天使の翼はやっぱりアレだね、コウモリだよね」
「それはまあ…」
そうなんだが、とキース君が浮かない顔で。
「あんた本気か、本気で教頭先生を?」
「だって、ピッタリの人材だよ? 学園祭の催し物だよ、ハーレイが落下するとなったら人気は絶大、お客がひっきりなしに来るかと」
もちろん価格は超のつくスペシャル観光地価格、と儲け第一、他は二の次、三の次。
「しかし、教頭先生の同意を得てない段階でだな…」
「同意するってば、ぼくも一緒に飛ぶんだからね。ぶるぅの上を飛ぶと言っても、同時に飛ぶのは間違いない。ハーレイにとっては貴重な体験、落下シーンが待っていようと絶対にやる!」
会長さんは自信満々で。
「堕天使バージョンの翼をくっつけたマネキンと一緒に、コスプレの方も注文しなきゃ。天使の翼と堕天使の翼、それを片方ずつハーレイにつけて、と…」
「凄いね、なんだかカッコ良さそう」
「「「は?」」」
カッコ良さそうって、いったい何が? そもそも今の台詞って、誰?



何処かがズレた奇妙な台詞。誰の口から飛び出したのだ、と見回してみれば。
「こんにちは」
紫のマントがフワリと翻り、会長さんのそっくりさんのソルジャーが姿を現しました。
「ハーレイにコウモリの翼だって? …マネキンでもさ」
「本人の翼も片方、コウモリだけど?」
会長さんがツンケンと。
「それの何処がカッコいいってことになるのか、ぼくにはサッパリ分からないけど」
「そうかなあ? コウモリと言えば吸血鬼だろ?」
かっこいいじゃないか、とソルジャーはウットリした顔で。
「黒いタキシードでバッチリとキメて、背中にコウモリの翼だよ。でもって美女の生き血を吸うんだ。ハーレイの場合は君の生き血かな、それとも生き血よりもずっと素敵な…」
「「「素敵な?」」」
「男のアレだよ、絶頂の時に迸るヤツ!」
「退場!!!」
今すぐ出て行け、と会長さんがレッドカードを投げ付けましたが、効き目なし。
「そういうのを啜る吸血鬼っていうのもいい感じだよね? でなきゃアレかな、吸ケツ鬼かな?」
「「「???」」」
吸血鬼と言えば吸血鬼でしょう。他にどういう意味があるのだ、と思ったのですが。
「ケツが違うんだよ、お尻の方だよ! お尻はとっても大切だから!」
吸うよりは舐める方なんだけど、と言われましても、お尻を…ですか?」
「あっ、もしかして君たちは分からない? 男同士でヤるとなったらお尻に入れるのは知ってるだろう? その前に充分ほぐさないとね。舌を入れるのも王道ってヤツで」
「退場だってば!!」
会長さんがレッドカードを何度投げても、ソルジャー、全くお帰りにならず。
「いいねえ、ハーレイが吸血鬼かあ…。何を吸うにしても燃えると思うよ、その役、絶対に引き受けると見たね。ぼくも口添えしてあげるから!」
ハーレイが吸えそうなブツについて、と極上の笑み。
「それだけの特典がついてきそうなコスプレなんだ。たとえ溶岩湖が待っていようと、ハーレイは笑顔で承諾だね」
「…き、き、君は…!」
来なくていいっ! と会長さんは叫びましたが、時すでに遅し。ソルジャーに聞かれてしまった以上は、どう断っても来るでしょう。プロジェクト中止もきっと不可能、なんで溶岩湖にゴミ袋を投げ込む話が吸血鬼に……。



こうして強引に仲間入りを果たしたソルジャー。思い立ったが吉日だとか言い出した末に、その日の夜には教頭先生の家へ行くことがサックリ決まってしまいました。
「…学園祭の話だったのに…」
どうしてこうなる、と会長さんがブツブツと。完全下校のチャイムを合図に私たちは瞬間移動で会長さんの家に移動し、ジュウジュウと焼けるステーキの夕食。溶岩湖の話が発端なだけに、ソルジャーが希望したのです。一人前ずつ鉄板を仕込んだお皿に乗っかった熱々ステーキ。
「ふふ、溶岩となったら鉄板どころの熱さじゃないよね」
でもハーレイは頑張るだろうね、とソルジャーはステーキを頬張っています。
「タイプ・グリーンのプライドにかけて挑んでくると思うよ、きっと。君と一緒に飛べるだけでも食い付きそうなのに、吸血鬼! これで釣れなきゃ男じゃない、と!」
「吸血鬼の話は要らないってば!」
「ダメダメ、そこが肝心要! こっちのハーレイ、何かと腰が引け気味だしね? 無事に撮影終了したらさ、ぼくが手引きして吸血鬼への道を」
「なんだって!?」
会長さんの顔色が変わりましたが、ソルジャーの方は平然と。
「手引きだってば、吸血鬼の! 何を吸うにしても、ターゲットは君!」
そして目出度く結婚なのだ、と信じられない言葉がポポーン! と。
「吸血鬼に血を吸われたら吸血鬼になるらしいしねえ? 君も吸血鬼の仲間入りだよ、ハーレイと仲良く吸ったり、吸われたり!」
「なんでハーレイのお尻なんかを!」
「お尻とは言ってないってば!」
言っていない、とソルジャーは人差し指を左右にチッチッと。
「お尻からは何も吸えないじゃないか、舌を突っ込むくらいでさ。吸うと言ったら男のシンボル! 二人仲良く一緒に吸うならシックスナイン!」
「「「…しっくすないん?」」」
何が何やら、もはや理解の範疇外。分かるもんか、と私たちはステーキに集中ですけど、会長さんはさに非ず。頭から湯気が出そうな勢い、ソルジャーを激しく詰りまくり。
「君の頭はとっくの昔に論外だから! 腐れまくって爛れてるから!」
「こっちのハーレイだってそうだろ、毎日妄想三昧だしさ! そんなハーレイに是非ともオススメ、吸血鬼! 絶対に「うん」と言わせてみせるよ、学園祭での催しのために!」
「催しだけでいいんだってば、他の話は要らないんだよ!」
黙っていろ、と怒鳴り付けている会長さんですが、相手はソルジャー。教頭先生の家にお邪魔した後、何が起こるか考えたくもないですってば…。



夕食が済んで、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が片付けを終えて。その頃には教頭先生もとうに御帰宅、食事を済ませてリビングで寛ぎのコーヒーと新聞の時間だそうです。
「そろそろいいかな。…ブルー、君は余計なことを言わない!」
「そう言わずにさ。移動用のサイオンは惜しまないから」
ねえ? とソルジャーが「そるじゃぁ・ぶるぅ」に声を掛け…。
「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
三人分の青いサイオンがパアッと迸り、私たちは教頭先生の家のリビングへと突入しました。予告なしの電撃訪問に教頭先生が仰け反られる姿も毎度お馴染み、会長さんが挨拶を。
「こんばんは、ハーレイ。今日は学園祭のことで相談があって…」
「学園祭?」
なんだそれは、と教頭先生。それはそうでしょう、過去のパターンからして瞬間移動での訪問はロクでもない目的が圧倒的多数。学園祭などと真っ当なものを持ち出された方が驚きなわけで。
「学園祭がどうかしたのか、お前たちは今年もアレだろう?」
アレとは『ぶるぅの空飛ぶ絨毯』。喫茶として届け出が済んでいますし、ドアを取り付ける工事が必要なだけに業者さんを手配して貰うための届けも必須。教頭先生がそうしたことを御存知ないわけがありません。
「うん、例によって喫茶なんだけど…。其処のメニューに新しいのを出したくってね」
会長さんはズバリ本題を持ち出しました。
「その件で君に相談したくて」
「新メニューだと? それは勝手に決めてるだろうが、相談が必要とも思えないが? …待てよ、サイオンの特殊な使い方でも追加するのか? それなら長老会議だな」
教頭先生が仰る通り、存在自体が極秘なサイオンは長老会議こと長老の先生方全員の賛同を得ないと校内で新しい使い方を実行することは出来ません。そうした相談に現れたものと教頭先生はお思いになったようですが…。
「ううん、長老会議じゃなくて…。君個人の協力が必要なんだな」
「は?」
「ぼくと一緒に空を飛んでいる映像が欲しい。…それが今年のスペシャルメニュー」
「お前とか!?」
教頭先生の顔が輝き、釣り針にがっぷり食い付かれたのが分かりました。さて、この先がどうなるか…。釣り上げられるか、逃げられるか。なにしろ相手は溶岩湖ですしね?



「…正確に言うと、君はぶるぅと飛ぶんだよ。でも、その真上をぼくが飛ぶわけ」
そうやって映像をゲットするのだ、と会長さんは教頭先生に説明しました。
「ぶるぅが君を抱えて飛ぶ。その姿をぼくが記憶しておいて、サイオニック・ドリームとしてメニューに出す。…どうかな、ぼくたちと一緒に飛んでくれる?」
「もちろんだ!」
教頭先生、考えもせずに見事な即答。流石は日頃の夢が会長さんとの結婚だけのことはあります。会長さんをお嫁に貰って「そるじゃぁ・ぶるぅ」を養子にしたいと、何回耳にしたことか…。
「飛んでくれるんだね? ありがとう。それじゃマネキンが出来てきたらさ、早速撮影に出掛けようかと…」
「…マネキン? 飛ぶのは私のマネキンなのか? 私ではなくて?」
傍目にもガッカリなさった教頭先生ですけれど。
「違う、違う! マネキンはいわゆるスタントマンかな、君の代わりに爆発炎上」
「爆発炎上!?」
不穏な言葉に教頭先生の目が見開かれて。
「スタントマンだの爆発だのと、どうも穏やかには聞こえんのだが…」
「だろうね、目指す所はスリリングな遊覧飛行だから! それでこそウケが取れるってもので」
「スリリング…?」
「溶岩湖の上を飛ぶんだよ。溶岩湖はもちろん知っているよね、こう、溶岩がグツグツと」
煮え滾っているというか、表面だけが黒く固まったように見えるというか…、と会長さん。
「其処にゴミ袋を放り込むとさ、爆発炎上するらしい。人間でも同じ結果が得られそうだと学者が言ってる。だからね、君のマネキンを投げ入れようかと」
「…わ、私の…?」
「そう。そして、それだけでは面白くない。テーマは堕天使の墜落なんだ。堕天した天使は地獄行き! 溶岩湖はまさに地獄の風景!」
其処でマネキンが爆発炎上してこそなのだ、と会長さんは滔々と。
「でもねえ、最初からマネキンを抱えていたんじゃつまらない。まずは本物の君を抱えて遊覧飛行! 頃合いを見てぶるぅが手を放す。真っ逆様に落ちてゆく君をマネキンと入れ替えて溶岩湖の中でドッカン爆発、実にスリリングな見世物だよ、うん」
「…つ、つまり私が落ちるのか? 溶岩湖に?」
「途中まではね」
震え始めた教頭先生に、「平気だってば」と太鼓判を押す会長さん。
「ぼくのサイオン能力の高さは知ってるだろう? ちゃんとキッチリ入れ替えるさ」
心配無用、と微笑まれても。教頭先生、顔が凍ってますってば…。



「…よ、溶岩湖…。真っ逆様に……」
死ねる、と青ざめる教頭先生。けれど会長さんは「心配ない、ない」と教頭先生の背中をバンッ! と強く叩いて。
「君は防御力ではぼくに匹敵するタイプ・ブルー! 万一の時にもシールドを張れば死にはしないし、火傷もしないで無事に生還! これが出来るのは君しかいない!」
ゼルやヒルマンでは駄目なのだ、と拳を握ってタイプ・グリーンの力を強調。
「ぼくが見込んだ人材なんだし、ここは是非とも協力を…ね? 一度はやると言ったじゃないか」
「…し、しかし……」
「マネキンだとホントにつまらないんだよ、堕天使の君が落っこちてこそ! 堕天使なんです、と見ている人によく分かるように翼もつけるし」
「翼?」
怪訝な顔の教頭先生。会長さんは「翼だってば」と教頭先生の肩を指差し…。
「片方の肩に天使の翼で、もう片方には悪魔の翼! 善と悪とのせめぎ合いです、って雰囲気を作り出さなくちゃ。溶岩湖に落ちるマネキンは両方とも悪魔の翼なんだよ」
悪魔になってしまったからこそ地獄行きだ、と会長さん。
「その前段階として天使と悪魔の両方の翼の君が必要! まさに地獄な溶岩湖の上で改心するかどうかを問われて、改心しないままに地獄落ちっていうシチュエーションだよ!」
ドラマティック、と会長さんは自分のアイデアに酔っている顔。
「落ちたマネキンは爆発炎上、溶岩湖の底力を見たお客さんは大いに満足ってね。シャングリラ学園の教頭である君が落ちるから見世物としての魅力も上がるし」
「…ほ、本当に大丈夫なのか? そ、そのう……溶岩湖に落ちたとしても」
「自分の力は知ってるだろう? ゼルとかだったら危ないけどさ」
君なら出来る、と会長さんが発破をかけた所で。
「悪魔の翼がとってもポイント高いんだよ?」
ソルジャーが割って入りました。
「悪魔の翼だと思っているから間違ってくる。…ブルー的には悪魔の翼のつもりだろうけど、現物はコウモリみたいな翼になるって話でねえ…。コウモリで何か思い出さない?」
「…コウモリですか?」
傘でしょうか、と間抜けな答え。コウモリ傘は実在しますし、教頭先生だってお持ちなのですが。こういう流れでコウモリ傘とは、ズレるにもほどがあるのでは…?



「…いや、そこはコウモリ傘じゃなくって…」
もう少し頭を捻ってみたまえ、とソルジャーが溜息をつきながら。
「いいかい、コウモリの翼だよ? 悪魔に極めて近いモノでさ、コウモリとくれば吸血鬼だし!」
「ああ…! 言われてみればそうですねえ…」
吸血鬼にはコウモリが付きものでした、と教頭先生。実際に居るかどうかはともかく、吸血鬼はコウモリに変身すると言われています。納得なさった教頭先生に、ソルジャーは。
「君がコウモリの翼をつけるからには吸血鬼だ、と、ぼくはブルーに言ったわけ。そして吸血鬼の狙いは美女だと決まっているけど、君の場合はブルーだよね?」
「そ、それは…。もし吸血鬼になってしまっても、私にはブルーしか見えませんが!」
いくら美女でも目に入りません、と教頭先生はグッと拳を。それを聞いたソルジャー、満足そうな笑みを浮かべて。
「ほらね、ブルー? 君しか見えていないらしいよ、この吸血鬼」
そうして君を襲うんだ、とニヤリニヤニヤ。
「でね、ハーレイ? 君の場合は吸血鬼と言っても偽物なんだし、所詮はコスプレ! 本当に血なんか吸わないだろう? だから代わりに別のものを…ね」
「別のもの?」
「吸血鬼という響きに相応しく、ブルーのお尻…。いわゆるケツを吸ってみるとか、ブルーの大事なアソコが吐き出す白い液体を吸ってみるとか!」
「…うっ……」
教頭先生は鼻の付け根を押さえて鼻血の危機。しかしソルジャーが止まる筈もなく、吸血鬼を目指せと更なる煽りが。
「君が溶岩湖でのロケだか何だか知らないけれども、それを見事にやり遂げたなら! 君を立派な吸血鬼と見なして、このぼくが手伝ってあげるから!」
「…手伝い…ですか?」
「吸血鬼の君がブルーの家へと忍び込むための手伝いだよ! ブルーのお尻を吸いまくるも良し、アソコを吸って飲み干すのも良し!」
「の、飲み干す……」
ツツーッと教頭先生の鼻から流れる赤い筋。両方の鼻から垂れた鼻血に、教頭先生はティッシュで拭くやら鼻に詰めるやら、大騒ぎですが。それにかまわず、ソルジャー、トドメの一言を。
「吸血鬼に吸われてしまった人はさ、吸血鬼になるっていう話だよね? ブルーも吸血鬼になってしまうかも…。二人仲良く吸血鬼! 大事な部分をお互いに吸ってシックスナイン!」
「…し、シックスナイン…」
ブワッと鼻からティッシュが吹っ飛ぶ勢い、鼻血の噴水。教頭先生、終わりでしょうか?



「…ったく、超絶どスケベが…」
あれで倒れないなんてどうかしている、と会長さんは怒り心頭。ソルジャーが持ち出した吸血鬼なアイデアは教頭先生のハートをガッツリと掴み、鼻血の海で契約完了したのでした。教頭先生は天使と悪魔の翼を片方ずつ肩につけ、溶岩湖の上を飛行する予定。しかも…。
「失敗したって恨まないだって!? ハーレイとマネキンの入れ替え作業!」
吸血鬼めが、と怒鳴り散らしている会長さん。ソルジャーはとっくに帰ってしまって、私たちも会長さんの家のリビングに戻っています。会長さんが吸血鬼という言葉を口にする度に、脳内で吸ケツ鬼と誤変換を繰り返しながら。
「…吸ケツ鬼だしよ、基本はスケベに決まってるよなあ?」
サム君の言葉に、誰もが「うん」と。あんな吸ケツ鬼を抱えて飛ぶ羽目になる「そるじゃぁ・ぶるぅ」が可哀相になってきそうですけど、そこは小さなお子様だけに。
「わぁーい、ハーレイを抱えて飛ぶんだ! 天使のリュックで飛ぶんだよ!」
とっても楽しみ! と跳ね回ってますし、コスプレ衣装の専門店に発注する翼やマネキンのデザインもやりたいらしく。
「ねえねえ、天使の翼とコウモリの翼、どっちが右側でどっちが左?」
「…さあな? コウモリが左でいいんじゃないのか」
投げやりな口調はキース君。
「左手は不浄だと言われる国も多いしな? 逆は聞かんし、左が悪魔の側だろう」
「そっか、左がコウモリなんだね! 右が天使で…、と…。この辺はカタログで選べるよね」
それとハーレイの服をどうしよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は首を傾げて。
「やっぱり天使は白い服かな? うんと長くてズルズルしたヤツ」
「それでいいんじゃない?」
ジョミー君が答えて、シロエ君が。
「悪魔の服をどうするかですよ…。堕天した時って服は変わるんでしたっけ?」
「うーん、どうだろ…」
分かんないね、と顔を見合わせる私たちは明らかに知識不足でしたが。
「そのままでいいよ、吸ケツ鬼なんて!」
会長さんが声を張り上げました。
「いちいち服のデザインを替えるなんていう面倒なことは必要無い。要はスリリングな見世物なんだよ、溶岩湖に真っ逆様で爆発炎上!」
見どころは其処であって衣装ではない、と言われてみればそんな気も…。学園祭用のスペシャル映像、作成はマネキンが出来上がり次第。私たちはロケに行けませんけど、どんな映像が出来て来るのか楽しみです~!



学園祭の準備が進んでゆく中、ついにマネキンが出来て来ました。会長さんのマンションで拝んだそのマネキンは教頭先生に瓜二つ。体重も同じになっているそうで、着せられた服は「そるじゃぁ・ぶるぅ」のデザインで作られた純白のローブ、天使の衣装。
「凄いね、ソックリ!」
悪魔の翼がついていなければ教頭先生そのものだ、と言いながらジョミー君が触ってみて。
「うわっ、なんか肌までリアルに出来てる!」
「えっ、どれどれ?」
ワイワイ騒いでタッチしてみて。まるで人間の皮膚のような手触り、職人さんのこだわりだとか。
「会長、これが溶岩湖でドッカンですか? もったいない気がしますけど…」
シロエ君が残念がっても、このマネキンはそのためのもの。教頭先生に着せるローブと天使の翼と悪魔の翼も揃っています。悪魔の翼はコウモリで黒。
「さて、ハーレイの家に出掛けようかな? 時差があるから本番は夜中になるけれど…」
「かみお~ん♪ 練習はやっぱりしなくちゃね!」
行って来るね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が手を振り、会長さんと一緒に消え失せました。現場を見られない私たちは家でお留守番。お泊まりしながらの留守番ですから、夕食は「そるじゃぁ・ぶるぅ」が作っておいてくれたシチューなどを食べ、夜更けも騒いでいたのですけど。
「…あれっ?」
唐突な声はジョミー君。なになに、何か変なものでも?
「……あれ、あそこ……」
なんでアレが、と指差した先に大きな人影。いえ、あの妙な影は人ではなくて…。
「「「マネキン!?」」」
廊下の隅っこに悪魔の翼を生やしたマネキンが直立不動。ついさっきまでは無かった筈です。時計を見れば、例のロケをすると会長さんが言っていた時間がとっくに過ぎているような…?
「おいおい、ロケはどうなったんだよ?」
中止かよ、とサム君が教頭先生マネキンを見詰め、キース君が。
「いや、中止だったらまだいいが…。これは不要と戻して来たんじゃないだろうな?」
「「「不要?」」」
「つまりだ、ロケは決行されたが、こいつの出番は無かったとかだ」
「そ、それって、まさか…」
まさか、とジョミー君が顔面蒼白、私たちも震え上がりました。このマネキンの出番が無い時。それはすなわち、スタント無し。教頭先生、溶岩湖へと真っ逆様で爆発炎上…?



ガクガクブルブル、震えが止まらない私たち。教頭先生はどうなったのだ、と噂するのも憚られる中、「かみお~ん♪」と元気な声がして。
「ただいまあー! 凄くいいのが撮れたらしいよ、ブルーの映像!」
「みんな、留守番、ご苦労様。まあ、見てよ」
ぼくの渾身の作の出来栄え、と満面の笑顔の会長さん。私たちは無言でマネキンの方を示して、ブルブル震えていたのですけど。
「遠慮しなくていいってば! どうかな、スペシャル! こんな感じで!」
会長さんが強引に思念で伝えて来た映像では「そるじゃぁ・ぶるぅ」が飛んでいました。背中に黄色いリュックを背負って、それについた白い翼を羽ばたかせて。小さな腕を精一杯に広げて引っ掴んでいるのが教頭先生の背中です。純白のローブをしっかりと握り…。
「…飛んでるな?」
「飛んでいますね…」
キース君とシロエ君が囁き交わす中、教頭先生の右の肩には天使の翼。左の肩には悪魔の翼。「そるじゃぁ・ぶるぅ」に吊り下げられて飛んでゆく先に恐怖の溶岩湖。グツグツとまではいかないものの、不穏に滾るその上空で教頭先生の身体が何度かグラグラ揺さぶられて。
「「「あーーーっ!!!」」」
パッと手を放した「そるじゃぁ・ぶるぅ」。教頭先生は手足をバタつかせながら真っ逆様。そう、バタバタと暴れまくりながら…。
「素敵だろう? マネキンは暴れないってことにリハーサルの時に気が付いちゃってね…」
会長さんの声が酷く遠くに聞こえました。じゃ、じゃあ、これって…。
「「「教頭先生!?」」」
全員の悲鳴が響き渡る中、教頭先生は冷えて黒く見える溶岩湖の表面を突き抜けて落ちてゆかれました。ドッパーン! と真っ赤な溶岩が噴き出し、大爆発と黒煙が。それじゃ教頭先生は…。



「…吸ケツ鬼だったら、気絶して自分の家のベッドに転がってるけど?」
会長さんが冷たく言い放ち、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が。
「えとえと、ブルー? 棺桶って何処で売ってるの?」
「多分、その辺の葬祭センター!」
一番安いのでかまわないから、と答えながら会長さんはマネキンを眺めています。えっと、棺桶って何のこと? それにマネキンがどうしたと?
「これかい? 学園祭で客寄せにしようかと思ってさ。溶岩湖に落ちて燃えたマネキンのそっくりさんです、よく出来てます、って。これが瞬時に燃えるんだよ? きっと大勢のお客さんが!」
燃える瞬間見たさにスペシャルなサイオニック・ドリームを買うであろう、と嬉しそう。で、でも、本当に爆発炎上させられたのは教頭先生なんですけど~!
「そんなの絶対バレやしないよ、元々が夢の販売だしねえ? 落ちる瞬間まで暴れているのも演出なんだと思ってくれるさ、これで大ウケ間違いなし!」
「それじゃ棺桶は何なんだ! なんで買うんだ!」
キース君が噛み付きましたが、会長さんは涼しい顔で。
「…ブルー対策」
「「「ブルー対策?」」」
「あっちのブルーさ。ハーレイが見事に溶岩湖に突入を遂げた以上は、吸ケツ鬼とやらを煽りに出て来る。でもねえ、いくらブルーでも棺桶を開けてまで煽りはしないさ」
ついでに棺桶に十字架とニンニクをたっぷり詰める、と会長さん。
「どっちも伝統の吸血鬼除け! ぼくは吸血鬼も吸ケツ鬼の方もお断りです、とハーレイにもアピールしておかないとね」
でないと勘違いして吸ケツ鬼になってしまいかねない、と言い切った会長さんは「そるじゃぁ・ぶるぅ」が棺桶をゲットして戻って来るなり、気絶している教頭先生を棺桶に入れて…。
「…本当にあれで良かったのかよ?」
「坊主としては十字架とニンニクが引っ掛かるんだが、あいつがいいならいいんだろう」
銀青様は伝説の高僧だしな、とサム君に答えるキース君。十字架が効いたかニンニクが効いたか、はたまた棺桶も効いたのか。教頭先生は吸血鬼にも吸ケツ鬼にもならず、お元気で過ごしておられます。蓋が釘付けされた棺桶からの大脱出には苦労なさったようですが…。
えっ、溶岩湖なサイオニック・ドリームですか?
あれはもちろん、学園祭での一番人気。ぼったくり価格の高額商品、最高の稼ぎ頭でしたよ~!




            燃え上がる湖・了

※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
 教頭先生が落下なさった「溶岩湖」は実在しますです。爆発炎上するのも本当。
 気になる方は、検索してみて下さいね。ドッカンする動画もあるんです。
 来月は第3月曜更新ですと、今回の更新から1ヶ月以上経ってしまいます。
 よってオマケ更新が入ることになります、6月は月2更新です。
 次回は 「第1月曜」 6月5日の更新となります、よろしくです~!

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 こちらでの場外編、5月は、スッポンタケとの縁を切ろうという企画が進行中。
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