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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

カテゴリー「そるじゃぁ・ぶるぅ」の記事一覧

 今年もシャングリラに、クリスマスシーズンがやって来た。
 シャングリラで恐れられる悪戯小僧、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が一番暇になる季節。
(悪い子供には、サンタクロースがプレゼントの代わりに…)
 鞭を持って来ると聞いているから、この時期だけは悪戯出来ない。生き甲斐のような悪戯だけど、それをやったら「おしまい」だから。プレゼントの代わりに、靴下の中に鞭が一本。
(やだよ、そんなの…!)
 悪戯は我慢、とアルテメシアに降りてグルメ三昧、そういう日々を過ごしている。美味しいものを食べてさえいれば、悪戯のことは忘れられるし、お腹も舌も幸せになって…。
(うんと幸せ…!)
 幸せだもんね、と思う一方、気にかかるものがプレゼント。サンタクロースに何を頼むか、そこが問題。
(欲しいものをカードに書いて、吊るしておいたら…)
 サンタクロースが叶えてくれる、そういうツリーが公園にある。その名も「お願いツリー」。
 この素敵な木ががシャングリラの公園に出現してから、既に何日か経つけれど…。
(…何を頼むか、決まってないよ…)
 欲しいものなら、ブルーから貰ったお小遣いで買える。グルメ三昧やショップ調査に、船から外に出た時に。人類が出掛けるお店に入って、「これ、ちょうだい!」と、お金を払って。
 なにしろ「子供が欲しがるもの」だし、お小遣いだけで充分、足りる。シャングリラで暮らす子供たちより、うんと恵まれているのだから…。
(欲しいもの、って言われても…)
 急には思い付かないお蔭で、只今、絶賛「考え中」。グルメ三昧な毎日の中で。
(……困っちゃった……)
 本当は、欲しい物なら「ある」。
 けれども、それは片っ端から却下されたし、この先だって…。
(…叶いっこないよ…)
 無理なんだもん、と分かってもいる。
 大好きなブルーが焦がれ続ける、水の星、地球。
 サンタクロースは地球からやって来るのだけれども、その地球だけは「貰えないのだ」と。



(……そのお願いは無理なんだよ、って言われたり……)
 直訴しようとサンタクロースを捕まえてみたり、クリスマスの度に頑張ってはみた。それなのに、一度も成功しないし、地球の座標だって手に入らない。座標さえあれば、地球に行けるのに。
(…地球の座標をセットして…)
 ワープしたなら、シャングリラは地球に向かって飛び立つ。一瞬の内に空間を越えて、青い地球が見える場所に到着。そういう仕組みになっているのに、肝心の地球の座標というのが…。
(…地球は人類の聖地だから、座標なんかは最高機密で…)
 何処を探しても、未だに見付からないらしい。
 三百年も昔に、アルタミラとかいう場所を脱出してから、ブルーたちが、ずっと探しているのに。ありとあらゆる手段を試して、地球という星は何処にあるのか、と。
(…サンタさんに訊いたら、一発なのに…)
 なんたって地球から来るんだもんね、と思うけれども、叶わないのが、その「お願い」。
 今度こそは、と小さな頭をフルに使って、お願いツリーに吊るすカードを書いても、直訴する道を選んでみても、地球までの道は開かない。座標さえも手に入れられないまま。
 ブルーたちの努力に負けないくらいに、頑張っていると思うのに。毎年、知恵を絞るのに。
(…ホントのホントに、困っちゃうよね…)
 どうすれば座標が分かるんだろう、と今年も悩ませる頭。クリスマスは年に一回きりだし、お願い出来るチャンスも一年の内に一回だけ。
(あーあ……)
 気分転換に悪戯したいよね、と身体がウズウズし始めた。こういう時には、悪戯が一番。
(だけど、悪戯しちゃったら…)
 プレゼントの代わりに鞭が来るから、もう絶対に「やってはいけない」。
 どんなに悪戯したくても。どんなに考えに詰まってしまって、気分転換が必要でも。
(…ピンチだってばぁ…!)
 グルメなんかじゃ収まらないよ、と部屋から飛び出し、シャングリラの通路を跳ねてゆく。これがクリスマスの時期でなければ、悪戯を仕掛けて楽しむ場所を。普段だったら、うんと楽しく悪戯が出来る、ストレス発散にピッタリの船を。



『おい、来たぞ! しかもピョンピョン飛び跳ねていやがる』
『大丈夫だ。今の季節は何も起こらん』
『そうだった! うん、クリスマスの時期は安全だったな』
 よし、と飛び交うクルーの思念。「そるじゃぁ・ぶるぅ」の方をチラリと眺めて、自分たちの持ち場で仕事を続行。まるで全く警戒もせずに、悪戯小僧なんかは見なかったように。
(……つまんないよう……!)
 怖がってさえも貰えないよ、と残念無念。いつもだったら、こうして跳ねていたならば…。
(みんなビクビクして縮み上がるか、御機嫌を取りに揉み手で、お菓子…)
 そういう感じになるんだけどな、とガッカリ気分がこみ上げてくる。気分転換にやって来たのに、逆にストレスが溜まりそう。
(…アルテメシアに行こうかなあ…)
 何か美味しいものを食べに、と思い始めた時、「こらぁ!」と罵声が轟いた。
「この先は悪戯禁止じゃ、小僧!」
 船の心臓部になるんじゃからな、と物凄い形相でゼルが立っている。いつの間にやら、機関部まで来てしまったらしい。
「クリスマスの前は、悪戯、しないも~ん!」
「時期を問わずじゃ、馬鹿者めが! 船が沈むわい!」
 絶対に手出しさせんからな、とゼルは頭から湯気を立てていた。「悪戯なんぞで、シャングリラを沈めるわけにはいかん」と、真剣に。「わしの目の黒い内は、何もさせんわい!」と。
「分かってるもん…!」
 そのくらい、とプイと怒って、自分の部屋へとヒョイと瞬間移動した。いくら悪戯小僧とはいえ、機関部に悪戯を仕掛けはしない。エンジンにも、ワープドライブにも。
(クルーにだったら、うんと悪戯するけれど…)
 機関部には何もしないもんね、と頬っぺたをプウッと膨らませた。
 このシャングリラの命とも言える、エンジンなどが詰まった機関部。何か不具合が起きた場合は、船が沈みはしなくても…。
(人類軍に見付かっちゃって、攻撃されることだって…)
 あるんだもんね、と首を竦めた。そんな事態を招きかねない悪戯なんかは、とんでもない、と。



(ぼくだって、ちゃんと分かってるのに…)
 ゼルは石頭だから分かってないよ、と禿げた頭を思い出したら、磨きたくなった。磨いてやったらスカッとするのに、クリスマス前だから、それも出来ない。
(うわぁーん!)
 叱られ損だよう、と泣きたい気持ち。機関部なんかに行ったばかりに、この始末。
(酷いよね…)
 ゼルなんかワープで飛ばされちゃえ! と思った所で、ハタと気付いた。地球の座標さえあれば、シャングリラはワープ出来るのだけれど…。
(……この船、ワープしたことないよ?)
 うんと昔は知らないけれど、と丸くなった目。歴史の勉強をさせられた時に、そう教わった。今はアルテメシアの雲海の中で、ミュウの子供を救出するために隠れている、と。
(…アルテメシアに来たのは、ずっと昔で…)
 それっきり、シャングリラはワープしていない。ワープドライブは一度も使われていない。
(…こんなに大きな船になったら…)
 ワープするのは大変だろう、と想像はつく。きっと大量のエネルギーが要るし、計算だって面倒になるに違いない。仕組みとしては、瞬間移動と「それほど変わらない」ようでも。
(…もっと小さい船だったら…)
 救出作業が無い時期なんかに、気軽にワープ出来ると思う。適当な座標を入力して、ヒョイと。
(そうやって、あちこち飛んでけば…)
 でたらめな座標を入れ続けていても、いつかは当たりが出たかもしれない。偶然、入力した座標。そこに転移したら、目の前に地球があった、とか。地球でなくても、ソル太陽系の中に出たとか。
(…ありそうだよね?)
 三百年ほどもあったんだもの、と目をパチパチと瞬かせた。そうなってくると、小回りの利く船があったら、地球だって…。
(見付けられるかも…!)
 これだ、と「お願い事」は決まった。
 幸い、自分は「うんと暇」だし、悪戯の合間に、地球を探しに行けばいい。思い付くままに座標を入力して。うんと小さな船を貰えばそれが出来るし、船よりは、もっと素敵な乗り心地の…。



 かくして「お願いツリー」に吊るされたカード。最初に発見したのはキャプテン・ハーレイ、彼は思い切り目を剥いた。「なんだ、これは!?」と。
「ソルジャー、とんでもないことになりました!」
 ぶるぅが何か企んでいます、とハーレイが駆け込んだ青の間。ソルジャー・ブルーは冬の風物詩のコタツに入って、のんびり生姜湯を飲んでいた。
「どうしたんだい、ハーレイ? この時期、ぶるぅは悪戯をしない筈だけれど?」
「そ、それが…。これが、ヤツの今年のリクエストでして…!」
 サンタクロースに、ぶっ飛んだものを注文しました、とハーレイが震える手で差し出したカード。そこには子供らしい字で、こう書いてあった。「ワープできる土鍋が欲しいです」と。
「……ワープが出来る土鍋だって?」
「は、はいっ! 恐らく、ワープ土鍋を使って、短距離ワープを繰り返して…」
 このシャングリラを混乱のるつぼに陥れる気かと…、とハーレイの顔色は悪いけれども、ブルーはクスッと笑って答えた。
「それだと、今とどう違うんだい? ぶるぅは瞬間移動が出来るよ?」
「あ、ああ…。そういえば…。それなら、ワープ土鍋というのは、何でしょう?」
「さあ…? それはぼくにも分からないよ」
 本人を呼んで訊いてみようか、とブルーは宙を見上げて声と思念で呼び掛けた。
「ぶるぅ?」
「はぁーい、呼んだ?」
 おやつ、くれるの? と瞬間移動で飛んで来た「そるじゃぁ・ぶるぅ」。なるほど、確かにワープ土鍋は、船の中では必要が無い。
「あのね、ぶるぅ…。サンタクロースへのお願いだけれど、ワープ土鍋で何をするんだい?」
 ブルーの問いに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は、得意そうにエヘンと胸を張った。
「地球を探すの! ぼくなら暇だし、いろんな座標を打ち込んでいれば、地球に行けるかも!」
 船より土鍋の方がいいもん、と瞳をキラキラ輝かせる。乗り心地は最高に違いないから、どんなに飛んでも疲れないよ、と。
「……うーん……。ぶるぅ、気持ちは嬉しいんだけど…」
 ワープ土鍋は危険すぎるよ、とブルーは首を左右に振った。運良く地球に行ける代わりに、運悪く人類軍の真っ只中に出ることもあるに違いない、と。



「……そっかぁ……。だけど、ぼく、ちゃんと逃げられるよ?」
 それに攻撃されても平気、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は自慢した。ブルーと同じでタイプ・ブルーだから、シールドも張れるし、問題ない、と。人類軍が大軍だろうと、逃げて来られる、と。
「それはそうかもしれないけれど…。逃げる時には、此処の座標を入れるだろう?」
「うん、そうだけど?」
「知ってるかい、ぶるぅ? ワープの航跡はトレース出来る」
 転移先の座標は特定可能だ、とブルーは苦い顔をした。ワープ土鍋が何処へ飛ぼうと、人類軍なら追跡できる。直接、シャングリラに帰らなくても、追い掛けられたら終わりなのだ、と。
「いいかい、いつまでも逃げ続けることは出来ないだろう? その内に船に戻るしか…」
 そうなった時は、このシャングリラが人類軍に見付かるんだよ、とブルーは言った。ワープ土鍋は便利そうでも、危険の方が大きいのだ、と。
「でも、ぼく、頑張って逃げるから…!」
「その内に力が尽きてしまうよ、船に戻らないと。…そうなれば、きっと土鍋ごと…」
 撃ち落とされておしまいになってしまうから、とブルーは「そるじゃぁ・ぶるぅ」に悲しげな顔をしてみせた。「もしも、ぶるぅが帰らなかったら、ぼくは、どうしたらいいんだい?」と。地球の座標は欲しいけれども、そのせいで「そるじゃぁ・ぶるぅ」がいなくなったら、とても辛い、と。
「え、えっと…。ワープ土鍋は、やめた方がいいの?」
「そうしてくれると嬉しいよ。それよりも、素敵な土鍋をサンタクロースに頼むのがいいね」
 土鍋コレクションが増えていくのも楽しいだろう、というブルーの勧め。ハーレイも隣で頷いた。「ソルジャーに心配をかけるのも駄目だし、船を危険に晒すのも駄目だ」と。
「ぶるぅ、ソルジャーの仰る通りだ。ワープ土鍋は、やめておきなさい」
「はぁーい! 普通の土鍋を貰うことにするね!」
 お願いカードを書き換えてくる! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は瞬間移動で消え去り、ハーレイが大きく息をつく。
「今年も、とんでもなかったですな…」
「ぶるぅも考えてくれているんだよ。ぼくのためにね」
 地球を探しにワープだなんて健気じゃないか、とブルーは微笑む。それも土鍋でワープだなんて、ぶるぅらしくて可愛らしいよ、と。「今年も素敵なクリスマスを迎えられそうだ」と。



 そして迎えたクリスマス・イブ。
 今年もハーレイはサンタクロースの格好をして、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋までプレゼントを届けに行った。大きな袋を肩に担いで、ついでに両手で特大の包みを抱え込んで。
「おっとっと…。この態勢はかなりキツイな、サイオンで補助してはいるんだが…」
 明日は確実に筋肉痛だ、と抱えているのは特大の土鍋。「そるじゃぁ・ぶるぅ」の注文の品だし、落として割ったら一大事。割れはしなくてもヒビが入るだけで、土鍋は台無しなのだから。
(ヒビが入ったら粥を炊けばいい、と何処かで聞いたような気もするが…)
 それでも直ぐには炊けないからな、とハーレイが細心の注意を払って届けた土鍋。袋に入れて来たプレゼントの山も、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋にドッサリ置かれたから…。
「わぁーい、サンタさん、来てくれたんだぁーっ!」
 悪戯を我慢してて良かったぁ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は、クリスマスの朝に歓声を上げた。一番大きな包みの中には、きっと土鍋が、とワクワクと開けて…。
「すっごーい、こういう土鍋もいいよね!」
 エキゾチックって言うんだっけ、と眺める土鍋は、それは見事な色とりどりの青。細かい模様が濃い青色やら薄い青色やらで描かれ、アラビアン・ナイトの絵本に出て来るお城のよう。
(…この中に、地球の色もありそう!)
 青い星だもんね、と様々な青を見詰めていたら、ブルーからの思念が届いた。
『ぶるぅ、公園にケーキの用意が出来てるよ。お誕生日おめでとう、ぶるぅ!』
 それに続いて、シャングリラ中の仲間たちからも…。
『『『ハッピーバースデー、ぶるぅ!!!』』』
 ケーキと御馳走が待っているよ、と公園に集まった仲間たち。乾杯しようと、主役を待って。
「ありがとう! ワープ土鍋じゃないんだけれど、素敵な土鍋を貰ったから…」
 それで公園に飛んで行くね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は早速、青い色の土鍋に乗り込んだ。蓋をサイオンできちんと閉めて、ブルーに思念で合図して…。
「ワープドライブ起動完了! 土鍋、発進!」
 公園までワープ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は土鍋ごとパッと瞬間移動でワープした。
 拍手喝采で出迎えられて、ハッピーバースデーの歌が始まり、乾杯、御馳走、それからケーキ。
 「そるじゃぁ・ぶるぅ」、今年もお誕生日おめでとう!!!
 青い土鍋でいつか地球まで、大好きなブルーと、青い地球まで行けますように…!




           ワープしない船・了


※「そるじゃぁ・ぶるぅ」お誕生日記念創作、読んで下さってありがとうございました。
 管理人の創作の原点だった「ぶるぅ」、いなくなってから、早くも2年以上。
 2007年11月末に出会ってから、干支が一周したというのに、寂しい限りです。
 ぶるぅの思い出に、お誕生日だったクリスマスには「お誕生日記念創作」。
 「そるじゃぁ・ぶるぅ」、13歳のお誕生日、おめでとう!
 2007年のクリスマスがお誕生日で、満1歳だった、ぶるぅ。今年で13歳ですv

※過去のお誕生日創作は、下のバナーからどうぞです。
 お誕生日とは無関係ですけど、ブルー生存EDなんかもあるようです(笑)←過去のお誕生日創作は、こちらからv











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 今年もクリスマスシーズンがやって来た。
 アルテメシアの街は華やぎ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の心も弾む。クリスマス・ツリーにイルミネーション、美味しそうな御馳走だって沢山。もちろん、様々なデザートだって。
(あれも、これも美味しそう! 今日は此処で食べて、明日はあっちで!)
 一年で一番楽しいんだよ、とシャングリラを飛び出しては、グルメ三昧の日々だけれども。
(…えーっと…?)
 ある日、出掛けようとしていた所で、子供たちの声が耳に入った。ヒルマンの授業に急ぐ子たちで、普段なら全く興味は無い。「勉強なんか!」と。
 ところが、その日は少し違った。「うんと昔の話だってさ!」と聞こえて来たから。
(……昔って?)
 いつのことかな、と耳を傾けると、「人間が地球にいた頃なんだよね!」という言葉。なんでも、その時代の地球についての話らしくて、俄かに興味が湧いて来た。
(ブルーが好きそうな話なのかも…!)
 偉大なミュウの長、ソルジャー・ブルー。
 彼の知識は膨大なのだし、今日のヒルマンの授業の中身も、きちんと知っているだろう。けれど、子供の自分は知らない。きっと知っておいて損は無いから…。
(お出掛けは後にして、話を聞こうっと!)
 それがいいや、と子供たちの後を追い掛けた。教室に入ると、ヒルマンは…。
「おや、珍しいお客様だね。地球の話を聞きたいのかな?」
「うんっ!」
 元気よく答えたら、一番前の席を用意してくれた。「此処なら、授業に退屈したって、他の子たちの邪魔をしないで出られるからね」と。



 ワクワクする内に授業が始まり、ヒルマンは前のボードに「私有財産」と書いた。
「これは個人の持ち物のことで、今の時代も無いことはない。ただし…」
 ミュウと人類では事情が違うね、とヒルマンが浮かべた微笑。
「もっとも、シャングリラにいるミュウに限るのだが…。財産は全く個人の自由だ」
 自分で独り占めしておくも良し、誰かに譲り渡すのも良し、という説明。
(…当たり前だよね?)
 ぼくだって、そうしてるもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は考えた。いつもブルーがくれるお小遣いは、私有財産と言うのだろう。それを使って食べ歩きをして、ブルーに御土産を買うこともある。そうしたものだと思っていたのに、ヒルマンは「ところが、人類の世界では違うのだよ」と重々しく髭を引っ張った。
「知っての通り、人類の世界はマザー・システムが統治している。ある程度の自由は、もちろん存在しているが…。次の世代には譲れないね」
「「「えっ?」」」
 子供たちは、一斉にどよめいた。
 このシャングリラでは、財産は受け継がれるのが当たり前。
 遥か昔にアルタミラから脱出した者たちの中には、とうに寿命が尽きた者もいる。彼らが遺した多様なものは、今の時代も船のあちこちで生かされてていた。
 「ずっと昔に、誰それが造った便利な機械」だの、「この木を植えた人の名前はね…」といった具合に。
 だから「次の世代が貰えて当然」と思っているのに、人類の世界は違うらしい。
 ヒルマンは一つ咳払いをして、「しっかりと覚えておきたまえ」と言った。
「人類たちは、子供さえも次々に取り替えるのだよ? 次の世代という概念は無いね」
 死んだらそれで終わりなのだよ、という結論。財産は全て回収されて、ものによっては再利用。そう出来ないものは処分されてしまって、何一つ、残らないらしい。
 そう、暮らしていた家さえも。…お気に入りだった部屋も、丹精込めた庭だって。



(……そうだったんだ……)
 なんだか酷いね、と教室を出た「そるじゃぁ・ぶるぅ」は考え込んだ。
 残りの授業はどうでもいいから、アルテメシアの街に降りて来たけれど、賑わう街も、結局の所、誰のものでもないらしい。強いて言うなら、機械のもの。
(大きなクリスマス・ツリーを買っても、持ち主の人が死んじゃったら…)
 それまでのことで、受け継がれることは無いのだろう。シャングリラならば、欲しい人は大勢いるのだろうに。「私が貰う!」「いや、俺だ!」と喧嘩だって起こるかもしれない。
(…ブルーがいつも、「SD体制は酷いんだよ」って言っているけれど…)
 ホントのホントに酷いみたい、と首を振り振り、気分を変えようと店に入った。こういう時には、美味しいものを食べるに限る。
(んーと、んーと…)
 どれにしようかな、とメニューを広げて、『地球のクリスマス』と謳ったコースに決めた。クリスマスには少し早いけれども、クリスマスの御馳走をドッサリ揃えた豪華セット。
(ターキーもあるし、他にも色々…)
 前菜からしてうんとゴージャス、大満足で食べている内に、ふと閃いた。
(…サンタさんって、地球から来るんだよね? 地球に住んでて…)
 それもSD体制が始まるよりも、ずうっと前から…、と赤い衣装のサンタクロースを思い出す。ついて行ったら地球の座標が分かるかも、と今までに何度も挑戦した。
(罠で捕まえたら、ただの酔っぱらいになっちゃったこともあったし…)
 トナカイの橇で逃げられたことも、失敗談として記憶に刻まれている。
 サンタクロースは、地球の座標を教えてくれない。青い地球に焦れ続けるブルーを、地球まで連れて行ってもくれない。
 でも…。
(サンタさんは地球に住んでるんだし、地球の上に家とか土地を持ってるんだよ!)
 今の時代でも昔のままで…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は確信した。代替わりしないから「受け継ぐ人がいない」だけのこと。サンタクロースの私有財産は、昔から、ずっと地球にある。
 サンタクロースがその気になったら、もしかしたら、譲って貰えるのかも…!



 さて、シャングリラのクリスマスシーズンと言えば、公園に飾られる大きなツリーと、それとは別の『お願いツリー』。
 お願いツリーは小さめのツリーで、誰もが欲しいプレゼントを書いたカードを吊るして、クリスマスを待つ。お願いしたのが子供の場合は、クリスマスイブの夜にコッソリ配られるプレゼント。大人の場合は、意中の男女のカードを探して、プレゼントする人も多いイベント。
 シャングリラに戻った「そるじゃぁ・ぶるぅ」は、早速、お願いカードを書いた。
 「ぼくにサンタさんの土地を分けて下さい。ちょっぴりでいいです」と。
(…ホントはブルーにあげて欲しいんだけど、大人にプレゼントはくれないって…)
 何度もブルーに聞かされたから、「自分が貰う」ことにした。
 貰ってしまえば、後はどうとでもなる。人類とミュウとは私有財産とやらの仕組みが違うし、ヒルマンの話では、遠い昔には「贈与」という仕組みもあったらしい。
(生きてる間に、あげたい人に譲れるんだよ!)
 だから、サンタクロースに貰った土地も、そうすればいい。右から左にブルーに譲れば、きっと喜んでくれるだろう。
(地球の座標は分からなくっても、地球にブルーの土地があるなら…)
 ブルーの夢は少しだけでも叶うだろうし、いつかその土地を見たいと思えば、生きる気力も湧いてくる筈。
 「ぼくは地球まで行けそうにないよ」が口癖だけれど、そんな風には言わなくなって。
 「ぶるぅに貰った土地を見るまで、絶対に死ぬわけにはいかないね」と、前向きになって。
(これで完璧!)
 もう最高のお願いだもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は御満悦だった。
 サンタクロースの土地を分けて貰うだけなら、断わられることは無いだろう。地球の座標は教えなくても構わないのだし、「君にあげるよ」と約束をするだけだから。
(お庭の端っこでも、トナカイの小屋の隅っこでも…)
 何処でもいいや、と夢は広がる。猫の額ほどの土地にしたって、地球には違いないのだから。



 こうしてカードを吊るしたツリー。「そるじゃぁ・ぶるぅ」はドキドキしながらクリスマスを待っていたのだけれども、ある日、ブルーに呼び出された。いつものように青の間に。
「かみお~ん♪ なあに?」
 おやつ、くれるの? と飛び込んで行ったら、勧められた炬燵。向かい合わせでチョコンと座って、お饅頭とお茶は貰えたものの…。
「ぶるぅ、サンタさんへのお願いだけどね…。土地を貰ってどうするんだい?」
 ブルーの問いに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」はエヘンと胸を張った。
「サンタさんの土地は、地球にあるでしょ? 貰って、ブルーにプレゼントするの!」
「…プレゼント?」
「そう! 大人はプレゼントを貰えないでしょ、ぼくが貰って、それからブルーに!」
 ヒルマンは「贈与」って言っていたよ、と大得意で披露した知識。サンタクロースの土地の一部を分けて貰えれば、ブルーも地球の土地が持てる、と。
「そうなのかい…? だけど、ぶるぅ…。ぶるぅのお小遣いでは足りないと思うよ」
 このシャングリラを売っても無理かも…、とブルーは困った顔付きになった。
「えっ、お金? なんでお金が沢山要るの?」
 貰うんだからプレゼントでしょ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は驚いたのだけれども…。
「ヒルマンの授業では、そこまで話していなかったんだね。ずっとずっと昔、人間が地球で暮らしていた頃にはね…」
 土地は売買するものだったんだよ、とブルーは解説してくれた。誰かにタダで譲るにしても、土地の値打ちに見合った額の税金を納めなければならない。今も地球で暮らすサンタクロースの土地については、そのシステムが健在だろう、と。
「だからね、ぶるぅ。サンタクロースの土地を貰うには、税金が必要になるんだよ。地球は人類の聖地なんだし、ぶるぅの手のひらくらいの土地でも、凄い値打ちで…」
 税金はシャングリラより高いかもね、とブルーが零した深い溜息。「とても無理だ」と。
 かてて加えて、その税金を払えたとしても、更にブルーに譲るとなれば…。
「譲るためにも、また税金が要るの!?」
「…そっちの方は、ぼくが支払うことになるんだけどね…」
 それだけ払う羽目になったら、もう間違いなく破産するよ、とブルーの苦悩は深かった。破産したのでは地球に行けないから、お願いカードは取り下げるべき、と。



(……いい考えだと思ったのに……)
 今年も失敗、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はションボリと肩を落として、お願いカードを外しに出掛けた。サンタクロースの土地は貰えず、ブルーに譲ることも出来ない。
(お金が山ほど必要だなんて…)
 知らなかったよ、とガッカリだけれど、土地が欲しくても貰えないなら、地球を目指すしかないだろう。ブルーが焦がれてやまない星を。
 本当に本物の地球を探して、いつかは座標を手に入れて。
 ブルーが力尽きてしまわない内に、頑張って、遠い地球までの道を一緒に突き進んで。
(…ということは、今年のお願い事は…)
 もうクリスマスまでは日数も無いし、「頭が良くなりますように」と新しいカードに記入した。悪戯をやめるつもりはゼロでも、優秀な頭脳がありさえすれば…。
(ぼくだって、地球の座標くらいは…!)
 きっと割り出してみせるもんね、と野望は大きい。
 暇さえあったら悪戯ばかりで、グルメ三昧の「船一番のクソガキ」でも。
 下手くそなカラオケを披露しまくり、船中に迷惑をかけまくっては、皆に逃げられていても。
(頑張るんだもん…!)
 ブルーのために、と誓う心は本物だった。
 誰よりも好きなブルーのためなら、年に一度のクリスマスでさえ、「ブルーのための」願い事を書く子供だから。
 「サンタさんの土地を分けて下さい」と、本気で願ったほどなのだから…。



 そして訪れたクリスマス・イブ。
 今年もハーレイがサンタクロースに扮して、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋にプレゼントを届けに行った。長老たちからのプレゼントの他に、ブルーからも…。
「ハーレイ、今年もよろしく頼むよ」
「はい。…これはカラオケマイクですか?」
 サイズからして…、とハーレイが首を傾げた包み。クリスマスらしく綺麗にラッピングされている箱は、それらしい形だったから。
「ご名答。でも、ただのカラオケマイクじゃないよ? 首都惑星ノアの限定品だ」
「それはまた…。えらくゴージャスな代物ですね」
 悪戯小僧には勿体ないような、とハーレイは包みを眺め回している。けれどブルーはクスッと笑って、「もっとゴージャスな代物かもね」とウインクをした。
「とても稀少な金属を使った部品があって…。今の所は、パルテノンの者しか買えない」
「なんと…! いったい、どうやって、そのようなモノを!?」
「ぼくはこれでもソルジャーだよ? お取り寄せくらいは、ごく簡単なことなんだ」
 代金の方も支払っておいたし、帳尻は合う、と微笑んだブルー。「地球の土地にかかる贈与税に比べれば、マイクくらいは安いものだよ」と。
「贈与税ですか…。ぶるぅは今年もやってくれましたね、凄い願い事を…」
「あれには、ぼくも驚いた。地球の土地なら、トナカイの小屋の隅でも欲しいけれどね」
 偽の証文でも貰っておいたら、ぶるぅは喜んだだろうに…、とブルーは睫毛を伏せた。
「ならば、そうなさればよろしかったのに…。ゼルあたりが張り切って捏造しますよ」
「いいや、それでは駄目なんだ。ぼくは、ぶるぅを騙したくない」
 あれでいいんだ、と大きく頷き、「罪滅ぼしにカラオケマイクなんだよ」とブルーは笑んだ。せっかく考えてくれたアイデアを無にしたからには、せめて気持ち良く歌える時間を、と。
「はあ…。船の仲間たちには災難でしょうね、このマイクは…」
 御自慢の逸品ともなれば、さぞかし何度もリサイタルが…、とキャプテン・ハーレイの悩みは尽きない。そうは言っても、ブルーの望みも断われないし…。
「悪いね、ハーレイ。仲間たちには、心からすまなく思っていると伝えてくれたまえ」
「はい、ソルジャー…」
 それでは行って参ります、とサンタクロースは出発した。「そるじゃぁ・ぶるぅ」が眠る部屋へと、大きな白い袋を担いで。



 クリスマスの朝、土鍋で目覚めた「そるじゃぁ・ぶるぅ」は歓声を上げた。
 今年も贈り物がドッサリ、中でも一番はカラオケマイク。ブルーがくれたとは思わないから、サンタクロースだと頭からすっかり信じ込んで…。
「うわぁ…! 限定品って書いてある! これで歌えば、きっと頭が良くなるんだよ!」
 パルテノンってエリート集団らしいもんね、と飛び跳ねる。ミュウの敵には違いないけれど、とても頭のいい人類だけしか入れないことくらいは知っていた。
「頑張って歌って、歌いまくって、うんと賢くならなくっちゃ…!」
 そして頑張って地球の座標を見付けるんだよ、と張り切っていたら、届いた思念。
『ぶるぅ、お誕生日おめでとう。今年もお祝いしなくちゃね』
 公園でみんなが待っているよ、とソルジャー・ブルーからの優しい言葉。
「わぁーい! あのね、カラオケマイクを貰ったの! 歌ってもいい!?」
『…そ、それは…。みんなに訊いてみないと…』
 ブルーの思念は戸惑ったけれど、そこへ大勢の思念が一斉に木霊した。
『ハッピーバースデー、そるじゃぁ・ぶるぅ! リクエスト曲は、バースデーソング!!』
 みんなで歌えば怖くない、というオマケつきだったけれど、それは最高の誕生日プレゼント。
 「そるじゃぁ・ぶるぅ」は貰ったばかりのマイクを手にして駆け出した。公園へと。
 瞬間移動をするのも忘れて、懸命に走って、息を切らせて…。
「やあ、ぶるぅ。来たね、バースデーケーキは今年も特大だよ」
 ほらね、とブルーが運び込ませた、大勢の仲間たちが御神輿のように担ぐ特大ケーキ。
 大勢の仲間たちとケーキの周りを囲んで、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は熱唱した。
 誰よりも好きなブルーも一緒に、限定品のカラオケマイクで、バースデーソングを。きっといつかは地球の座標を、ブルーのために手に入れようと。
 悪戯をやめる気はないけれども、カラオケに励んで優秀な子供にならなくちゃ、と。
 ハッピーバースデー、「そるじゃぁ・ぶるぅ」。今年もお誕生日、おめでとう!
 そしていつかは、大好きなブルーと、きっと地球まで…。




              サンタと財産・了


※「そるじゃぁ・ぶるぅ」お誕生日記念創作、読んで下さってありがとうございました。
 管理人の創作の原点だった「ぶるぅ」、いなくなってから、もう1年以上。
 それでも2007年11月末に出会って以来の、大好きで忘れられないキャラです。
 いなくなっても、お誕生日だったクリスマスには「お誕生日記念創作」。
 「そるじゃぁ・ぶるぅ」、12歳のお誕生日、おめでとう!
 2007年のクリスマスがお誕生日で、満1歳でした。だから今年は12歳ですv

※過去のお誕生日創作は、下のバナーからどうぞです。
 お誕生日とは無関係ですけど、ブルー生存EDなんかもあるようです(笑)
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「そるじゃぁ・ぶるぅ」はアルト様のサイトの2007年クリスマス企画で生まれました。
今はアルト様のサイトのペットになっております。
アルト様のサイトのlinkページにペットのお部屋への入口があります。
よく噛みますが、「飼ってみようかな?」と思われましたら、そちらからどうぞv
とりあえず、見た目はこんな感じ。小さくて可愛い男の子です。
「かみお~ん♪」と元気に挨拶してくれ、お気に入りの寝床は大きな土鍋。

そるじゃぁ・ぶるぅ

 


   ←クリックで拡大できますv





もっとも、こちらは通称「シャン学ぶるぅ」。
お料理上手で家事万能のいい子なのですが、『シャングリラのし上がり日記』の方では
噛みついてばかりの悪戯小僧でした。
そちらの方が先に生まれたため、「本家ぶるぅ」と呼ばれております。
 

「そるじゃぁ・ぶるぅ」はブルーの分身、あるいは弟分のような存在です。
アルト様の2007年クリスマス企画で生まれたペットで、同じくクリスマス企画用だった
特設掲示板で連載しました『シャングリラのし上がり日記』にて「本家ぶるぅ」が誕生。

クリスマス企画が「過去企画」として再アップされた時、特設掲示板は模様替えされて
シャングリラ学園生活となり、そこで連載した作品が『シャングリラ学園・本編』です。
こちらで生まれたのが「シャン学ぶるぅ」。

また、アルト様も「そるじゃぁ・ぶるぅ」絡みのお話を幾つか書いておられます。
アルト様からの頂き物』として収録させて頂いた作品たちです。
シャングリラ学園・番外編』にはアルト様の「そるじゃぁ・ぶるぅ」をモデルにしている
「ぶるぅ」が登場いたします。
 

早い話が「そるじゃぁ・ぶるぅ」は究極のオリキャラなのですが…。
今となっては「そるじゃぁ・ぶるぅ」抜きでは話が成立しない所まで来てしまいました。
シャングリラ学園シリーズで普通人の筈のキース君たちがサイオンを持っているのも
「そるじゃぁ・ぶるぅ」の力のお蔭ですしね。

ちなみに、この記事をUPしてある2011年12月25日は「そるじゃぁ・ぶるぅ」の誕生日。
2007年クリスマス企画中に1歳の誕生日を迎えましたので、この日で5歳になりました。
お誕生日祝いに書いた短編は『サンタに願いを』。
毎年、お誕生日に書き続けてきた短編は『シャングリラのし上がり日記・タイトル一覧』の
末尾から順に遡っていって下さいませv

そして2012年11月22日。
xiangのリンドウノ様から素敵イラストを頂戴しました!
リンドウノ様は「そるじゃぁ・ぶるぅ」の絵をお描きになった「生みの親」でいらっしゃいます。
ぶるぅ鍋イラストでございますよ~!
ぶるぅ鍋!




   ←クリックで拡大できますv



両脇のコロコロしたのは「ぬいぐるみ」らしいです。
シャン学ぶるぅなんでしょうねえ、自分のぬいぐるみを自作したかと!




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