シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
クラブ活動はあったけど、セルジュ君にも先輩たちにも真実を聞けるはずもなく、気持ちが空回りしてるみたい。
でもみんな本当に100歳以上なのかな? なんか信じられないけど。
夕食を終えて部屋に戻ってrちゃんと二人、いつものお喋り会が始まる。
最初は美味しいと思っていた寮の食事も、慣れてくると特別なものじゃなくなって、なんだかちょっと物足りなくなってきた。
学食も食べ飽きてきたかな。
「もっとお料理教えてもらえばよかった」
「でも寮じゃ自炊できないよ?」
「そうだけどさ~。お料理クラブとか」
「そういうクラブなかった」
「何だか意外」
「そうだよね、ありそうだけど」
「じゃあさ、作っちゃおうか、クラブ」
「……アルト…数学同好会は? 苦手だからって逃げちゃ駄目」
「兼部で」
「まぁ…それなら……。でもあたし作る人、あなた食べる人じゃないでしょうね?」
「rちゃん、鋭い! 大アタリ!」
「もう、素敵なレディ計画はどこにいっちゃったの?」
「えっと……2時の方向に転がってます。船長!」
「何だ、諦めちゃったのか」
「諦めた訳じゃないけど。性に合わないし。ありのままの私でいいの」
「玉砕確定」
「もう~!」
何だかんだとじゃれ合ってみる。
刺激は作らないと、寮生活なんてやってられない。
「ねえ。私ね」
床に座り込んでベッドを背もたれにしているあたしたち。
口を開いたrちゃんは、今までじゃれていたのが嘘みたいに真剣な表情をしている。
「つるしてみようと思うんだけど」
「何を?」
尋ねてからハッとした。
お守りだ。
生徒会長からもらったあのお守りを使おうとしているんだ。
それにrちゃんも気付いたらしく、小さくうんと頷いた。
「こんなチャンス2度ないし、お守りを貰っただけなんて、ちょっと寂しい。思い続けるより玉砕もいいかなぁって」
「それは刺激的!」
「でしょ?」
ニコ、とrちゃんが笑う。
せっかくもらったんだし。
「それに『…お守り、使ってくれなかったね。残念だな』って生徒会長言ってたじゃない? やっぱり使うべきだと思う」
それは一理あるかも。
rちゃん、すごい!
「じゃあ今夜?」
「……う…うん」
rちゃんの決心を羨ましく思いながらも、精一杯応援モードに突入した。
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