シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※シャングリラ学園シリーズには本編があり、番外編はその続編です。
バックナンバーはこちらの 「本編」 「番外編」 から御覧になれます。
元老寺の除夜の鐘で古い年を送って、ピカピカの新年。冬休みが終わればお雑煮大食い大会だとか、水中かるた大会だとか。一連の行事が終わった途端に迎えた週末、お正月気分も延長戦。会長さんの家でダラダラ過ごした土日の後は月曜、学校に行く日だったのですが。
「なんかさ、今日はおかしくない?」
雰囲気変だよ、とジョミー君が朝の教室で言い出しました。私たち七人グループが揃って直ぐのことです。最後に来たのってマツカ君だっけ…?
「雰囲気が変とはどういうことだ?」
俺は全く気付かなかったが、とキース君が返すと、ジョミー君は。
「じゃあ、マツカは? 特に何にも思わなかった?」
「はい…。門衛さんもいつも通りでしたよ? 貼り紙とかも無かったですし」
「そういう変じゃなくってさあ…。男の先生!」
「「「は?」」」
男の先生がどうかしましたか、私は今朝は先生自体に会ってませんが…。男も女も。男の先生、何処かで何かをしてましたかねえ、グラウンドに穴を掘っていたとか?
「そんなんじゃなくて! 一人も会わなかったんだけど!」
いつもなら誰か会う筈なのに、とジョミー君。運がいいのか悪いと言うのか、普段だったら教室まで来る途中に出くわすそうです、そして挨拶。
「…偶然じゃねえの?」
むしろ毎回会う方が不思議だ、とサム君が。
「俺たちが校門前で揃った時にはよく会うけどよ…。俺なんかブルーの家に朝のお勤めに行ってるせいかな、瞬間移動で登校が多いし、そうは会わねえぜ」
「私もジョミーほどではないわねえ…」
百発百中ってコトは無いわね、とスウェナちゃんも。
「きっと偶然よ、変だとしたなら今日のジョミーの運だと思うわ」
「俺も全く同意見だな」
男の先生にはちゃんと会ったからな、とキース君。
「えっ、何処で!?」
いつの間に、とジョミー君が訊くと。
「柔道部の部室だ、朝練をやってる後輩に伝言があったからなあ、メモを置きに」
其処で教頭先生に会った、という話。ほらね、やっぱり男の先生、ちゃんと学校にいるじゃないですか、ジョミー君が変なだけですってば…。
「…ぼくの運勢の問題なわけ?」
一人も会わなかった理由は、とジョミー君は不安そうな顔。
「もしも運なら、今日のぼくって大吉なのか、大凶か、どっち?」
「知るか、お前の運勢なんか」
俺は占い師じゃないからな、とキース君。
「第一、どうして大吉と大凶の二択になるんだ、もっと他にもあるだろうが」
「…一人も会わなかったわけだし、凄い吉なのか凄い凶かと思ったんだけど…」
「とことん極端なヤツだな、お前」
おみくじでももっと奥が深いぞ、とキース君は呆れた顔で。
「おみくじを置く寺も多いからなあ、俺の家にも見本のカタログが来るわけだ。置きませんかと」
「へえ…! それって面白そうですね!」
キース先輩の家におみくじ、とシロエ君が食い付きました。
「置いてみませんか、除夜の鐘とかの時に引きますから!」
「駄目だな、おみくじってヤツは普段から順調に出てこそだからな」
宿坊のお客様だけでは心許ない、とキース君。
「毎日のように団体様のお参りがあるとか、観光名所の寺だとか。そういう寺なら置いた甲斐もあるが、ウチでは手間が増えるだけだな」
だから置かない、と前置きしてから。
「そのカタログで見ていると、だ…。とんでもない運勢があったりするしな」
「どんなのですか?」
今日のジョミー先輩にピッタリですか、とシロエ君が訊くと。
「ピッタリかどうかは分からんが…。凶のち大吉、という凄いのがあった」
「「「凶のち大吉!?」」」
なんですか、その天気予報みたいなおみくじは? 本気でそういうおみくじがあると?
「あるらしいぞ。この近辺で採用している場所だとあそこだ、南の方のお稲荷さんだ」
「「「えーーー!!!」」」
そんなカッ飛んだおみくじを置いていますか、あそこのお稲荷さん。ちょっと引きたい気もしますけれど、凶のち大吉ならともかく、その逆だったら大変ですし…。
「おみくじは遊びじゃないからな。今日のジョミーの運勢は知らん」
フィシスさんにでも訊いてこい、とキース君が切り捨て、後は普段の雑談に。先生に会ったか会わないかなんて、別に占いにもなりませんってば…。
朝の雑談、話はあっちへ、こっちへと。とはいえ、ジョミー君が振ったネタは健在で。
「店だと、最初の客が女性なら吉だと聞くな」
キース君が何処かで聞いて来た話。店を開けて最初に入って来たお客が女性だったら、その日は儲かると言うんだそうです。けっこう有名な話だそうで…。
「それって、男の人しか行かない店でも?」
ジョミー君の質問に、キース君は「馬鹿か」と一言。
「状況に合わせて考えろ! そんな調子だから、男の先生に会わなかった程度で変だの何だの言い出すんだ」
「そうですよ。ジョミー先輩、気にしすぎですよ、偶然ですって」
でも…、とシロエ君が顎に手を当てて。
「最初のお客さん絡みのネタなら、ぼくも聞いたことがありますね。…何処のお店かは忘れましたが、中華料理のお店の話で」
「どんなのだよ?」
面白いのかよ、とサム君が反応。シロエ君は「そうですねえ…」と。
「お店にしてみれば、あまり嬉しくはないんでしょうが…。無関係な人には面白いですね」
「ほほう…。どういうネタだ?」
俺も気になる、とキース君が尋ねて、私たちも。シロエ君は「炒飯ですよ」とニッコリと。
「最初のお客さんが炒飯を注文しちゃうと、その日は儲からないんだそうです」
「「「へええ…!」」」
それは面白い、と思いました。そのお店で開店の前から待って注文したいくらいです。もちろん炒飯、それから居座ってどうなりそうかと見届けるとか…。
「ね、そういう気持ちになるでしょう? だからお店には嬉しくない、と言ったんです」
「なるほどな…。そうなってくると、今日のジョミーはどうなんだろうな」
何かあるかもしれないな、とキース君。
「お前、やっぱり、フィシスさんの所へ行って来い。お前の今後に興味がある」
「嫌だよ、ネタにされるのは!」
ぼくはオモチャじゃないんだから、とジョミー君は拒否しましたけれども、俄然、知りたくなってしまった私たち。フィシスさんの所へ行く、行かないと騒いでいたら…。
「静粛に!」
嘆かわしい、と飛んで来たグレイブ先生の声。いつの間に来ていたんですか~!
予鈴が鳴ったのには気付いていました。でもでも、グレイブ先生の足音は独特、軍人さんみたいにカツカツと靴の踵を鳴らしてやって来るだけに、それを合図に静かになるのがお約束。そのカツカツが聞こえなかった、と声の方を振り向いてビックリ仰天、クラスメイトも全員、目が点。
「諸君、おはよう」
君たちの日頃の生活態度が良く分かった、とグレイブ先生は顰めっ面で。
「要するにアレだ、私の足音が猫の首の鈴というわけだな。聞こえてから黙れば叱られずに済む、そういう態度だと思っていいかね?」
「「「………」」」
誰も反論出来ませんでした。グレイブ先生の言葉は正しく、靴音が合図だったのですから。不意を突かれたショックも大きいですけど、それ以上に…。
「私の格好がどうかしたかね、これがそんなに気になるのかね?」
それではこの先どうするつもりだ、と厳しい視線がクラスをグルリと。眼鏡の向こうの眼光は鋭く、いつも通りのグレイブ先生なのですが…。
「諸君の無駄口を減らすためにも、此処で説明しておこう。…イメチェンだ」
「「「イメチェン?」」」
それはいったい…、とオウム返しに見事にハモッたイメチェンなる言葉。グレイブ先生はツイと眼鏡を押し上げて。
「イメチェンという言葉を諸君が知らないとまでは思わないがね? イメチェン、すなわちイメージチェンジ。イメージを変えようという意味なのだが?」
こうだ、と黒板にチョークで大きく「イメチェン」の文字。すると本気でイメチェンですか?
「もちろん、私個人の趣味ではない。神聖なる職場で個人の趣味には走れないものだ」
これは学校の方針なのだ、とグレイブ先生はイメチェンの文字を指差しました。
「諸君も知っての通りだと思うが、間もなく入試のシーズンだ。下見の生徒もそろそろやって来ることだろう。本校は授業をしている間も、見学者を広く受け入れている」
教室にまでは入らせないが、という話。この学校がそういう姿勢で下見の生徒を受け入れることは知っています。私だって下見に来た日は平日、普通に授業をやってる日でした。授業中の教室は外から覗くだけにして、あちこち自由に歩いて回って…。
そうそう、あの日に「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋に最初に入ったんです、生徒会室から迷い込んじゃって。凄く立派なお部屋だっただけに、大金持ちの特待生用のお部屋なのかと思いましたっけ、あのお部屋。それが今では溜まり場ですけど…。
下見に来た頃にはいろんなことが…、と懐かしく思い出しました。試験本番の日にも色々、会長さんとバッタリ出会って合格グッズを買わないか、と持ち掛けられたり、買わずに滑ってしまったり。不合格になってしまったというのに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」に助けて貰って…。
補欠合格だったことやら、それに至るまでの苦労なんかや、頭の中は走馬灯。でも…。
「いいかね、イメージが大切なのだよ。イメージが」
イメージだ、と繰り返すグレイブ先生から目が離せません。クラス中の視線がグレイブ先生の方へと釘付け状態、余所見をする人は誰もいなくて。
「本校の売りは、自由な校風だと諸君も知っているだろう。しかし、我が校を見に来ただけでは、その校風を体験できるチャンスは非常に少ない」
特に授業の時間ともなれば…、と言われてみればその通り。生徒は授業を聞いていますし、先生の方は教えているだけ。何処が自由なのかはサッパリ分からず、他の学校と似たり寄ったり。
下見に来た時の私にしたって、「この学校に決めた」と思った理由は下見した印象ではなかった筈です。それまでに聞いた噂や情報、そういったもので選んだ筈で…。
「諸君も下見でこの学校に決めたわけではないだろう。そういう生徒も中にはいる。しかし多くは事前の情報などで選んでいるわけで…。それでは下見の値打ちが少ない」
もっと幅広く生徒を獲得したいのだ、とグレイブ先生は黒板のイメチェンの文字をチョークで丸く囲みました。
「何の気なしに寄ってみただけ、という下見の生徒もガッチリと掴む。配布している願書を手にして帰って貰う。…そのためのイメージチェンジなのだよ、諸君」
この姿を見れば自由な校風の端っこくらいは掴めるだろう、とグレイブ先生。首から上はいつものグレイブ先生でしたが、下が問題。キッチリ着込んだスーツの代わりに紺色の着物、いわゆる和服というヤツです。男物のそれをビシッと着こなし、羽織までが。
着物に靴だと似合わないだけに、足元は足袋と草履でした。これでは足音がカツカツと高く鳴るわけもなくて、ペッタペッタと鳴っていたのか、はたまたズッズッと摺り足だったか。何にしたって静かにするための合図は聞こえず、叱られる羽目に陥ったわけで…。
「今日から当分、授業の際には着物となる。他の先生方も着物で授業をなさるわけだし、いちいち驚かないように。平常心で臨みたまえ」
「「「………」」」
平常心だ、と念を押されても、これが冷静でいられるでしょうか? 先生方が揃ってイメチェンだなんて、どう考えても話題沸騰だと思うんですけど~!
入試を控えて先生方が打ち出したイメチェン、着物作戦。下見に来た生徒のハートを掴むためには有効でしょうが、既に通っている生徒からすればお笑いネタかもしれません。女の先生だと、バラエティー豊かに華やかに着こなしておられそうですが…。
「我々のイメチェン計画だがね。…イメチェンは男子教員のみだ」
「「「へ?」」」
何故に男の先生だけか、と思ったら。
「女性が着物を着るとなったら、何かと手間がかかってしまう。着付けもそうだが、ヘアスタイルも普段のままでは似合わない先生も多いのだからな」
「「「あー…」」」
なるほど、と私たちは揃って納得。ミシェル先生なら髪飾りでもつければパーフェクトですし、飾りは無しでもいいでしょう。けれどロングヘアのエラ先生だと結い上げなくてはいけないわけで、ブラウ先生などはドレッドヘアだけに、どうすればいいのか謎な髪型。
「ついでに、女性が着物となったら華美な方へと走りがちだ。それではファッションショーになってしまう、と男子教員のみのイメチェンとなった」
女性教師は普段通りだ、とグレイブ先生はイメチェン計画の全貌を話して、「なお」と追加で。
「体育の先生も気になるだろうが、そちらは作務衣だ」
「「「作務衣!?」」」
作務衣ってアレですか、お坊さんの普段着と言うか作業服と言うか…。たまに元老寺でキース君が着てたりしますが、それを体育の先生が…?
「作務衣は動きやすく出来ているそうだ、お坊さんはアレを着て大工仕事や山仕事などもするらしい。イメチェン計画が出た当初には、柔道などの道着という案もあったのだがね…」
それではサッカーなどの授業でイメージが狂う、とグレイブ先生。指導内容と噛み合わない服で教えていたのでは何が何だか、下見の生徒も混乱するだろうと選ばれた作務衣。
「そういうわけで、シャングリラ学園の男子教員は今日から着物だ。朝のホームルームの前の時間に礼法室で揃って着替えというわけだ」
私も其処で着付けをした、と聞いた途端にピンと来ました、ジョミー君がさっきしていた話。男の先生に会わなかった、という事件の裏には着替えタイムがあったのです。男の先生は礼法室で着替えをしていて、ジョミー君とは出会わず仕舞いで…。
「では、諸君。今日も一日、真面目に授業を受けるように」
出欠を取る、と出席簿が開かれ、いつもの朝のホームルームが形だけは戻って来ましたが…。なんだか気分が落ち着かないです、お正月に逆戻りしちゃったような…?
グレイブ先生がホームルームを終えて出て行った後は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになってしまいました。なにしろイメチェン、男の先生がもれなく着物だと言うのですから。クラスメイトも騒いでますけど、私たちだって。
「すげえな、ジョミー! お前のカンって凄かったのな!」
見直したぜ、とサム君がジョミー君の背中をバンバン叩いて、キース君も。
「…すまない、適当に聞き流していて悪かった。お前の運勢とはまるで違っていたようだ」
「ほらね、だから変だって言ったのに…。雰囲気がさ」
ぼくだって一応、タイプ・ブルー、と言いかけたジョミー君にシロエ君が鋭くシッ! と。
「その話、此処ではタブーですよ。周りは一般生徒ですから」
「ご、ごめん…。でもさ。ぼくのカンだって当たる時には当たるんだよ」
「そのようだな。…しかし、イメチェンとは…」
思い切ったことを、とキース君。
「この学校らしいと言えばそうだが、着物姿を売りにして来たか…」
「そんな学校、確かに何処にも無さそうだわねえ…」
遊んでるわね、とスウェナちゃん。
「先生方だって遊びたいのよ、それでイメチェンしちゃっているのよ」
「着物で済んだだけマシだったかもしれないなあ…」
下手をしたらハロウィンもどきになっていたかもな、というキース君の意見に「うん」と頷く私たち。遊び心溢れる学校なだけに、そういうチョイスも有り得ます。そっちだったら女の先生も全員仮装で、魔女やら妖精やらが校内を闊歩していたわけで…。
「…遊び過ぎないために着物なのかもね」
ジョミー君が呟き、シロエ君が。
「恐らく、そんなトコでしょう。ウチの学校、ノリの良さではピカイチですから」
何処と比べても負けません、というシロエ君の読みは大当たりでした。授業が始まってから分かった真実、着物なるものの奥の深さと先生方のノリの良さ。
「…裃も着物の内だしな…」
「何処の御老公だよ、ってスタイルも着物には違いないよな…」
ゼル先生にはハマり過ぎだぜ、と大ウケしていた御老公スタイル、杖をつきつつ教室に入るなり、「この紋所が目に入らぬか!」と突き付けられたシャングリラ学園の紋章入りの立派な印籠。裃で来たのはヒルマン先生、どっちも確かに着物ですけどね…。
昼休みの校内はイメチェンの話題で盛り上がっていて、教室も食堂もワイワイガヤガヤ。私たちは午後の授業に備えて情報収集、古典の時間に教頭先生が来る筈です。
「…教頭先生、八丁堀だって?」
そういう噂が、とジョミー君。食堂でのランチタイムが終わって教室に戻って来たんですけど…。
「なんだよ、八丁堀ってよ?」
何処のお堀だよ、とサム君が返すと、ジョミー君は。
「…何だったかなあ、なんかそういう…。ショボイ役人だって噂で」
「俺も聞いたな、奥さんと姑に頭が上がらない小役人のスタイルでいらっしゃるとか」
ずっと昔に大流行りした時代劇らしい、とキース君。
「確か必殺仕事人だ。親父が好きで再放送を何度も見ているからなあ、あれの主役のことだろう」
通称が八丁堀だった筈、というキース君の解説で思い出しました。噂に高い必殺シリーズ、それのしがない同心だった、と。それじゃ刀も差してますかね、教頭先生?
「それがさ…。刀は持っていないらしくて、余計にショボイって」
だけどガタイはいいから別物らしい、とジョミー君が集めて来た情報を披露しました。着ている着物と役どころはショボくても、教頭先生の立派なガタイで格好良く見えるらしいのだ、と。
「「「へえ…」」」
それは楽しみ、と迎えた古典の授業。チャイムが鳴って、ワクワクと前の扉に注目していたのですが、カラリと開いたのは後ろの扉で。
「「「え?」」」
なんで先生が後ろから…、とクラス全員が振り返ったら。
「御免下さいませ、ウィリアム・ハーレイでございます」
腰の低すぎる挨拶と自己紹介の言葉。そういえばこういうキャラでしたっけ、八丁堀。ガタイが良すぎて別物だとしか思えませんけど、着物は本当に八丁堀スタイル、ただし刀無し。
教頭先生は八丁堀よろしく教室の脇をスタスタと歩いて教卓まで行くと、教科書を広げて。
「授業を始める。…居眠りした生徒は切って捨てるから、心して授業を聞くように」
「質問でーす!」
男子の一人が手を挙げました。
「刀が無いのに、どうやって切って捨てるんですか、ハーレイ先生!」
「それはもちろん、成績の方だ。切り捨て御免だ、満点を取ろうが評価はしない」
「「「うわー…」」」
ヤバイ、と真っ青、1年A組。満点が通用しないとなったらヤバすぎですって、八丁堀…。
試験勉強なんかはせずとも、全科目で満点を取れると噂の1年A組。何かと言えば混ざって来たがる会長さんのお蔭です。表向きは「そるじゃぁ・ぶるぅ」の不思議パワーとなっていますが、実の所は会長さんのサイオンが成せる業。
定期試験の度にクラスに混ざって試験を受けつつ、問題の答えをクラスメイトの意識の下へと送り込むという凄い技です。これさえあれば誰でも満点、勉強なんかは何もしなくても百点が取れて、成績だって最高の評価がつくんですけど。
その満点を評価しない、と言われてしまえば文字通りの切り捨て、バッサリ切られて成績表には見るも無残な評価がついてしまうでしょう。
「…誰だよ、イメチェンなんかを言い出したのはよ…」
居眠りしたら終わりじゃないかよ、と誰かがぼやいて、教頭先生が「ふむ」と。
「何か聞こえて来たようだが…。切り捨てていいか?」
「「「い、いいえ!」」」
困ります! とクラス中が声を揃えました。木の葉を隠すなら森の中。誰が言ったか分からなければ無問題だ、と思ったのに。
「…ほほう、困る、と…」
この辺りから聞こえたのだが、と教卓を離れた教頭先生。机の間の通路をスタスタ、ぼやいた生徒の持ち物らしい机を指でトントンと。
「いいか、私は仕事人ということになっているからな。諸君の年では知らない生徒も多いと思うが、殺しを請け負う凄腕の剣客と言えば分かるか?」
「「「は、はいっ!」」」
教室中の生徒の背筋がピシイッと伸びて、教頭先生が「よし」と腕組み。
「私は柔道十段だ。気配に敏いし、仕事人並みに勘が冴えていると言っていいだろう。試験でなくても、遠慮なく切る。この役どころをしている内はな」
私を敵に回さないように、と八丁堀、いえ、教頭先生はスタスタと教卓に戻ってゆくと。
「朝のホームルームでイメチェンの話は諸君も聞いているだろう。イメチェンするからには徹底的に、というのが私の信条だ。切られたくなければ頑張ることだ」
居眠りはその場で切り捨てる、と怖い台詞が。居眠りでなくとも授業中に御機嫌を損ねてしまえば叩き切られてしまう結末、成績表には強烈な評価。
(((ヤバすぎる…)))
死ぬ、と1年A組、顔面蒼白。未だかつてない強敵登場、切り捨て御免の仕事人では誰も太刀打ち出来ませんってば~!
クラス中を恐怖の坩堝に叩き込んでくれた教頭先生は、授業が終わると悠然と去ってゆきました。来た時と同じに後ろの扉から、コソコソと本物の仕事人のように。
「…ヤバイぜ、イメチェン、いつまでなんだよ…!」
俺って切られていねえよな、と机を叩かれた男子生徒が震え上がって、他のクラスメイトもザワザワと。「そるじゃぁ・ぶるぅ」の不思議パワーでも仕事人には勝てないのか、と。
「なあ、どうなんだよ、何か方法ねえのかよ!?」
切られたら終わりらしいけど、と縋るような目で見られた私たち。あの仕事人をどうにかしてくれと、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の不思議パワーで、と。
「えーっと…。ぶるぅが出て来てくれないと…。でなきゃ、ブルーか」
どっちか必要、とジョミー君が返して、キース君も。
「すまん、俺たちでは手も足も出せん。…不思議パワーは管轄外だ」
「そこを何とか…! 俺、マジで切られそうだったから!」
机を叩かれた男子が土下座で、他の生徒も口々に「頼む」と言い出しましたが、会長さんがクラスのみんなに約束したのは百点満点、他は約束していません。テストの他にも一位を取らせると公言してはいるのですけど、成績の切り捨てなんかは一度も無かったことですし…。
「…どうしようもないよね、ぼくたちだけじゃあ?」
ジョミー君が私たちを見回し、シロエ君も。
「ええ。ぼくたちの手に負えないことだけは確かですね」
「それじゃ、なんとか頼んでくれよ! 生徒会長と、そるじゃぁ・ぶるぅに!」
俺、このままだと確実に死ぬから、と土下座の男子生徒が床に額を擦り付け、他の生徒も首をコクコク。土下座男子はクラスのムードメーカーなだけに、彼が切られたら教室がお通夜ムードになるのは確実です。ムードメーカー、すなわち少々、言葉が多め。
「…俺、絶対にまた何か言うから! 余計なことを!」
普段だったら笑って流して貰えるけれども仕事人じゃあ…、と土下座する男子。どういう基準で教頭先生が切るか分からず、切られたら最後、成績表が無残なことに…。
「…どうするよ? 俺たちじゃ役に立たねえけどよ…」
サム君が改めて言うまでもなく、何の力も無い私たち。けれど、このまま放置も出来ず…。
「ブルーに相談するしかないな…。それと、ぶるぅに」
キース君がフウと溜息をついて、私たちは放課後、終礼が終わると同時に「頑張ってくれ」とクラス全員の期待を背負って送り出されました。仕事人対策、会長さんは持ってますかねえ…?
「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋へ向かう途中にも出会ったイメチェン中の先生たち。印籠を持った御老公姿のゼル先生には「お供を募集中なんじゃ」と声を掛けられ、バイトしないかと美味しい話が男子たちに。
成績も出欠も問われない特別生ならではのアルバイトだと、毎日登校するだけに有望株だと殆ど名指しのスカウトでしたが、キース君たちは。
「すみません、今、急いでいるので…」
「ほう? 時給は相場より高く出すんじゃが、バイトせんのか?」
「特別生は他にもいますから! 数学同好会の部室に行けば誰かがたむろっています」
パスカルだとかボナールだとか、とキース君が言い抜け、シロエ君も。
「セットもので二人の募集でしたら、B組のセルジュ先輩も有望です! 相棒がいます!」
「ふうむ…。欠席大王のジルベールがバイトをしてくれるかのう…?」
「セルジュ先輩とセットなら希望があります、あの二人だったら目立ちますよ!」
ぼくたちなんかより華があります、とシロエ君も必死の言い逃れ。ここで捕まってバイト契約をしているどころではなく、仕事人対策をしなくては…!
「華と来たか…。確かにそうじゃのう、引き立て役は華があるほどいいからのう…」
わしも目立つし、とゼル先生は私たちのグループの男子を放って数学同好会の部室の方へと向かいました。運が良ければジルベールが其処で捕まるでしょうし、ジルベール抜きでもセルジュ君は部室にいる筈ですから、バイトを頼めばいいわけですし…。
「…バイト、楽しそうで儲かりそうなんだけどね…」
ジョミー君が名残惜しげにチラリと振り返り、サム君も。
「悪くねえんだよなあ、御老公のお供で教室を回って印籠を出せばいいんだからよ」
それで時給があれだけかあ…、と残念な気持ちは男子の誰もが抱いていたと思います。しかし、私たちには重大な使命というヤツがあって、1年A組のみんなのためにも先を急ぐしかありません。バイトで儲ける話が如何に美味しくても、クラスメイトが優先ですって…!
かくして駆け込んだ「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋でしたが、出迎えてくれた「そるじゃぁ・ぶるぅ」と会長さんは呑気なもので。
「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
「やあ、イメチェンとやらも面白そうだね」
ゆっくり羽を伸ばして行ってよ、と会長さんが言えば、「そるじゃぁ・ぶるぅ」がバナナと黒糖クリームのティラミスとやらのタルトを出してくれました。飲み物の注文も取ってくれましたが、今はおやつよりも用件が先で。
「あんた、此処から見てたんだったら、俺たちのクラスを何とかしてくれ!」
このままではお先真っ暗だ、とキース君が単刀直入に。
「教頭先生が仕事人モードになっているんだ、一人切られるトコだったんだ…!」
「ああ、あれねえ…。他のクラスとか学年でも切っていたねえ、ハーレイ」
「「「ええっ!?」」」
既に被害者が出ていたんですか、切り捨て御免の仕事人。とはいえ初日のことなんですから、まさか本当に切り捨てられてはいないと思うんですけれど…。
「甘いね、君たちのクラスは居眠っていたというわけじゃないから死んでないだけで…」
他のクラスではバッサリ切られた、と会長さんは証言しました。教頭先生が授業の時に持ってくる生徒の名前が書かれた帳面、それに「済み」のマークが書かれているとか。
「「「…済み…?」」」
「そう。切り捨てました、という印だよ。仕事は終わった、と」
「じゃ、じゃあ…。それを書かれたら、成績は…」
どうなっちゃうの、というジョミー君の問いに、会長さんはアッサリと。
「そりゃあ、最低最悪ってね。幸い、学年末だから…。一学期と二学期の分も合わせて成績がつくから、それまでの成績が良かった場合は1ってことにはならないけどねえ…」
「「「…1…」」」
つまり本当に最低なのか、と仕事人の怖さを思い知りました。私たちのクラスの土下座男子は今日の所は無事だったようですが、明日以降は…。
「うん、切られたら終わりということだね。彼に限らず、クラスの誰でも」
「お、おい! あんた、俺たちのクラスをフォローしてくれるんじゃなかったのか!」
キース君が食い下がりましたが、会長さんは。
「個人的なフォローはやっていないよ、考えてみたまえ、今日までのことを」
あくまで1年A組のみ、と言われて思えばその通り。1年A組、終わりましたか…?
個人的なフォローはしていない、と断言されてしまった以上は、どうすることも出来ません。仕事人と化した教頭先生、居眠った生徒を端からバッサリ。定期試験が何もしなくても満点なだけに、居眠る生徒は日頃から多いわけですし…。
「やむを得ん。俺たちで居眠る前に起こすか?」
キース君が提案しましたけれども、ピンポイントで送れる思念波、一般人向けに使えるレベルになっていません。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、全員でやれば効くかもですけど…。
「…居眠りそうなのを見付けたら思念波で合図してですね…」
それから「せーの」で起こしましょう、とシロエ君が呼び掛けましたが、相手は必殺仕事人。私たちが連絡を取り合っている間に居眠りに気付いてバッサリなのでは…。
「そ、そっか…。時間が足りないか…」
ジョミー君が唸って、サム君も。
「思念波で気付かれるってことだってあるぜ、誰か居眠ってるみたいだな、って」
「「「うわー…」」」
これぞ藪蛇、そういう恐れも充分あります。いくら教頭先生が仕事人でも、黒板にせっせと書いてる間は気付かない可能性もゼロではなくて…。
「ど、どうしよう…?」
「諦めて切られて貰うしかないか…?」
ブルーが乗り気でない以上はな、とキース君が肩を落とした所へ。
「こんにちはーっ!」
遊びに来たよ、と翻った紫のマント。ソルジャーが来たみたいですけど、この人こそ何の役にも立ちはしないな、と思っていたら。
「なんかハーレイ、イメチェンだって?」
普段と雰囲気が全然違うね、とソルジャーがタルトを頬張って。
「コソコソと出入りするのはともかく、居眠った生徒を端からバッサリ! 柔道十段はダテじゃないねえ、惚れ惚れとしちゃう仕事ぶりだよ!」
あの着物姿に思わず惚れそう、とズレているのがソルジャーの視点。そのバッサリが困るんですってば、切り捨てられたら成績がアウトなんですから…。
「えーっ? あのハーレイ、カッコイイけどなあ…」
ずっとイメチェンしてればいいのに、とソルジャーならではの迷惑発言。イメチェンが早く終わってくれないと、1年A組、古典の成績が最悪なことになる被害者続発なんですが…!
「困るだなんて…。ぼくはハーレイのカッコ良さに見惚れているのにさ…」
仕事人なハーレイだったら嫁に行ってもいいくらい、とズレまくっている異世界からのお客様。会長さんはフォローしないと言い切りましたし、諦めるしかないのでしょうか?
「いいじゃないか、別に。君たちの成績が下がるわけでなし」
あのハーレイは実にカッコイイから、とソルジャーは「嫁に行きたい」を連呼。とっくに結婚しているくせに嫁に行くも何も…、とブツブツ言っていた私たちですが。
「待てよ、あいつが嫁に行くなら使えるぞ」
キース君が妙な発言を。
「使えるって?」
何に、とジョミー君が尋ねると、キース君は。
「…仕事人の弱みは嫁だった筈だ。嫁と姑の最強コンビで毎回、話が終わる仕組みだ」
「「「へ?」」」
そうだったっけ、と乏しい知識を総動員して、キース君の話も聞いてみたらば、必殺シリーズの王道がソレ。大トリを飾る仕事を果たした八丁堀が家に帰ると、嫁と姑にコケにされた挙句、仕事で儲けた報酬までをも掻っ攫われるというシナリオで…。
「姑が足りない気がしないでもないが、この際、嫁だけでいいだろう。あいつが押し掛けて仕事の報酬を寄越せとゴネれば、懲りて仕事をしなくなる……かもしれない」
あくまで希望的観測なんだが…、とキース君がソルジャーを眺めて、ソルジャーが。
「…ぼくが鬼嫁? あのハーレイの?」
「あんた、とりあえず、惚れたんだろうが! だったら、嫁に行ってくれ!」
ついでに婿をいびってくれ、と無茶な注文、無理すぎる頼み。そんな仕事を頼んじゃったら、私たちがソルジャー相手に仕事の報酬を支払う羽目になりそうですが…。
「いいよ、タダ働きになっちゃっても。…仕事の成果を取り上げちゃったらいいんだろう?」
済みのマークを消してしまえばいいんだよね、とソルジャーがニコリ。
「でもねえ…。カッコイイ姿も見ていたいから、1年A組限定でどう?」
「有難い! もしかして、サイオンでやってくれるのか?」
帳面に細工をしてくれるのか、とキース君が確認をすると、ソルジャーは。
「そうじゃなくって、必殺シリーズの王道ってヤツ! どんなものかは分かったから!」
そっちのコースで楽しくやるよ、とソルジャーはウキウキしています。詳しくは今夜の中継で、なんて言ってますけど、いったい何をやらかすんでしょう…?
その夜、私たちは会長さんの家で夕食を御馳走になることに。「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋から揃って瞬間移動で、ソルジャーも一緒に寄せ鍋パーティー。それが終わると、ソルジャーが「行ってくるね」と姿を消して、壁に現れた中継画面。その向こうでは…。
「こんばんは、ハーレイ」
教頭先生の家のリビングにソルジャーがパッと現れ、ニコッと笑って。
「えーっと、婿殿、だったっけ? …仕事人のお嫁さんの台詞は」
「…は? え、ああ…。まあ、そうですが」
仕事人がどうかしましたか、と怪訝そうな教頭先生はとっくに私服。ソルジャーは笑顔で近付いてゆくと。
「婿殿、イメチェンしてる間の仕事だけどねえ…。1年A組の分だけ、済みのマークは無効にしておいてくれるかな?」
そのマークはぼくが貰うから、と艶やかな笑みが。
「婿殿の報酬は奪ってなんぼで、だけどカッコイイ君だって見たい。1年A組につけた済みのマークをぼくが奪って、君はせっせと仕事をするんだ。バッサバッサと切り捨て御免で」
1年A組の分の報酬をぼくにくれるなら…、とソルジャーが教頭先生の首に両腕を回して、頬にチュッとキスを。教頭先生は耳まで真っ赤になりましたけれど。
「ね? 悪い取り引きじゃないだろう? 婿殿のためには毎晩、こういうキスをあげるから」
代わりに1年A組の分の済みのマークを寄越すように、というソルジャーの提案、教頭先生はその場でオッケーしてしまいました。更に…。
「そのぅ…。仕事をもっと頑張った時は、キスが増えるとか、そういうのは…」
無いのでしょうか、と欲張りな台詞。ソルジャーは「いいよ」と即答で。
「ぼくは仕事人姿に惚れたんだ。イメチェン期間中、君のカッコ良さを山ほど見られるんなら、いくらでも! 頬っぺたどころか本気のキスでもプレゼントしたいくらいだよ!」
ねえ、婿殿? と悩殺の微笑み、教頭先生、もうフニャフニャで。
「が、頑張ります…! 1年A組でも切って切りまくります!」
「いいねえ、そこでゲットした済みのマークをぼくが奪うということで…!」
イメチェン万歳! とソルジャーがブチ上げ、教頭先生も仕事人に徹する決意を固めて…。
「え、マジかよ!? 俺たち、切られても無効だって!?」
次の日、例の土下座男子が躍り上がって、1年A組に溢れる大歓声。イメチェンで仕事人と化した教頭先生がいくら切ろうが、1年A組だけは成績に響かないということになったのですから。
「すげえな、やっぱ、そるじゃぁ・ぶるぅの力は思い切り効くんだなあ…!」
「頼みに行って貰った甲斐があったよな、そるじゃぁ・ぶるぅに御礼、よろしくな!」
「「「う、うん…」」」
今回は「そるじゃぁ・ぶるぅ」は全く関係ないんだけれど、という裏事情は決して言えはしなくて、ソルジャーならぬ「そるじゃぁ・ぶるぅ」の株がググンと上がりました。二時間目にあった古典の授業は、いつも通りに居眠りの生徒が続発で…。
「御免下さいませ。ハーレイでございます」
机の側まで出掛けて行っての、この台詞。言われたら切られてしまうわけですが、切られたマークを書かれた所で無効なのだと知っているのが1年A組、眠りまくりの切られまくりで。
『うん、カッコイイねえ…』
惚れ惚れするねえ、と思念波が届き、何事かと思えばソルジャーが教室の後ろに立っていました。私たちにだけ姿が見えるよう、シールドを張って。
『現場を見ちゃうと一層惚れるよ、こっちのハーレイの意外な魅力を発見だよ…!』
ずうっとイメチェンしてて欲しいくらい、とウットリしているソルジャーの思考はサッパリ謎で分かりません。けれども、お蔭で1年A組、切られても無事に済むわけですし…。
(((あそこの馬鹿は放っておこう…)))
蓼食う虫も好き好きなんだ、と私たちはソルジャーを放置することに決めました。教頭先生は家へ帰ればソルジャーに「婿殿」とキスが貰えて万々歳。もっと仕事を頑張ろう、と居眠る生徒を切りまくりですが、他のクラスの学年末の成績表は…。
「どうなるんだろう?」
「…俺たちには関係無いからな…」
居眠るヤツらが悪いんだ、とキース君。イメチェン期間はまだ続きます。入試直前まで続きますから、今日も必殺仕事人。ゼル先生のお供はセルジュ君とジルベールですし、シャングリラ学園のイメチェン作戦、下見の生徒にウケますように~!
変えたい印象・了
※いつもシャングリラ学園を御贔屓下さってありがとうございます。
男の先生が全員、着物でイメチェン、そういう計画。シャングリラ学園ならではです。
仕事人な教頭先生の切り捨て御免が怖いですけど、ソルジャーが役に立ったというお話。
次回は 「第3月曜」 10月19日の更新となります、よろしくです~!
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こちらでの場外編、9月といえば秋のお彼岸シーズン。はてさて、今年は…?
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