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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

キャンディ・アルト様バージョン

ノルディ×ブルー

 
 どこからともなく囁かれるようになった言葉「エロドクター」
 言わずと知れたみゆ様作のシャングリラ学園のドクターへの賛辞の言葉!?です。
 いつの日かブルー(シャン学生徒会長)と甘い夜を…と思っているようですが……。

 
 このお話は、拙作の「絶賛修行中」の中で教頭先生がうちのブルーとの素敵な経験の記憶を見てしまったことに端を発し、好奇心を抑えきれず『シャングリラ学園 → うちのブルーの元へ』という前提です。

 さてエロドクター。うちのブルーを射止めることが出来るのか否か!


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「あ、ノルディ先生、いらっしゃい。健康診断の予定はないよね? あ、も…もしかして僕? 僕は元気一杯。全然元気。すっごく元気」
 生徒会長であるブルーの側にいつもいる元気で小さな「そるじゃぁ・ぶるぅ」が答える。
 病気、医者が嫌いなせいか、元気っぷりを強調するようぶるぅはにニコニコ笑いながら飛び跳ねる。
「いやいや、そういう用事ではないんだ。向こうのぶるぅと連絡取れるかな?」
「うん。いつでも大丈夫。僕たち仲良しだから♪」
「あちらの世界を是非とも見学したいのだが、どうだろう?」
「ん~。……あのね、ぶるぅがね、ブルーに聞いたらいいって。今行く?」
「今? 心の準備が…。いや、この誘惑に勝てようか。行く。連れて行ってくれ」
「いいけど、僕は行かないよ。パイ生地を作ってる最中だからね。ぶるぅに頼んでおくよ。ノルディ先生をよろしくねって」
「頼むよ」
「は~い♪ じゃ、行ってらっしゃい」

 そしてノルディは旅立った。

 

 

 


「ではドクター、処置を」
 声のした方を向けば至近距離に紅の瞳があった。
 だが見慣れた色合いではなく、緊張を含んだものだ。
「ドクター?」
 ハッとして周囲を見回した。
 ここは格納庫。
 煙が立ちこめ、焼けた臭いが鼻をつく。
 目の前に横たわる青年はひどい火傷を負っており、それで一気に意識がはっきりした。
「大丈夫です。手当をします」
「頼む」
 厳しい表情のブルーは駆け込んできたゼルと話をしている。
 その横顔は今まで見たことがないほど鋭く冷たく美しい。
 ソルジャー服を纏った姿は何度も見ているが、職務を忘れるほど見入ってしまったのは初めてだった。
 思わず見とれた自分を心の内で叱責して、ノルディは負傷者の手当に没頭した。



「お疲れ様」
 気がついた時、ノルディは青の間にいた。
 いつの間に移動したのかと問おうとしたが、緩やかにマントを翻して歩み寄って来たブルーに見据えられて口が動かなくなってしまった。
「さすが手際が良い」
「……ブルー…」
「疲れたか? 少し休むといい」
 そう言って示されたのはベッド。
 青の間のブルーのベッドだった。
 自分が住む世界の生徒会長であるブルーの方から誘ってきたことは一度もない。
 それどころか逃げ回り、予防線を張りまくっているのだ。
 教頭であるハーレイにならば数限りなく仕掛けているが、危険視されているノルディに生徒会長の方のブルーは誘いをかけたことはないのだ。
 喉が鳴る。
 期待に鼓動が早くなる。
「……いや、あり得ない。ブルーが私を誘うなど」
 ノルディの呟きを拾ったブルーは、不審の表情を一瞬見せ、その後、喉の奥で笑い出した。
「記憶が飛んだか?」
 ブルーの問いにノルディはようやく自分が別の世界にやってきたことを思い出した。
 そう、ハーレイの記憶の中の別世界のブルーなら誘惑することもあるだろう。
 しかし別人とは言い難い。
 ソルジャー服を着たブルーと、全く変わりがないのだ。
 先程の緊張した表情も見たことがある。
 そして今、楽しげに笑う姿も見たことがある。
「違いを探してみるか? 君はドクターだから診察するといい」
 言うとブルーは手袋を取り、マントを脱ぎ捨てる。
 ブーツを脱ぎ、上着を床に落とし、アンダーのファスナーに手をかけたところで熱っぽい瞳のノルディを見つけた。
「診察の時は本人が脱ぐか、看護師が脱がせるかだけど、ドクターが脱がせてみる?」
 負傷者を前にしていた時と正反対の笑みが浮かんでいる。
 更に歩み寄ってノルディの手を取り、ファスナーに触れさせるが、動かない。
「視姦が好み?」
 赤い舌を見せて尋ねると、ノルディの身体の芯がぞわぞわと泡立った。
 快感の嵐の卵、竜巻の源。激しいものを予感させるに十分な感覚だった。
 躊躇わずファスナーが下ろされる。
 腕を抜き、肩を落としあっという間に全て脱ぎ去ってしまった。
「お前の欲しい人と同じか?」
 裸体を惜しげもなく晒すブルーから視線を逸らせず、ノルディは考えるより先に行動に出た。
 歩み寄り、ブルーをベッドに押し倒す。
 戸惑いの色はなく、組み敷かれた下で微笑を浮かべていた。
 両手をシーツに押しつけ、ノルディは首筋に舌を這わせる。
 目眩がするほど甘い。
 耳朶を舌先で舐めれば、腰が浮くほど反応し、しゃぶっては甘く噛んだ。
 押さえつけたブルーの両手が震えている。
 ああ、ここが弱いのか、と征服者の笑みを浮かべながら、ノルディは更にそこを嬲った。
 微かに声が漏れ聞こえる。
 自分の世界のブルーではあり得ないことだ。
 嵐が吹き荒れ始めた感覚に、ノルディ理性が翻弄されてゆく。
 執拗に耳朶を嬲りながら、指は胸を這い回り、ブルーの身体は本能的に逃れようとしていた。
「ああ、ブルー」
 思わず零れた言葉に反応したのはブルーだった。
「……ノルディ」
 愛撫することに没頭しているノルディは、視線だけをブルーに向けた。
「ねえ、ノルディ。僕はお前の覚悟が知りたい」
「覚悟……ですか?」
「ソルジャーである僕を抱く覚悟」
 言いながらブルーはノルディの前に小瓶を差し出した。
「これは……」
「僕が君の世界のブルーに渡したお土産。これの正体が君には分かっているだろう? ノルディ」
「……媚薬…ですね。これを…どうしろ…と?」
「飲んで」
 ブルーの瞳と同じ紅。それも透き通っている液体だ。
「苦くないと思う。僕は必要ないから飲んだことないんだ」
 はい、と言って手渡す。
「私も……飲む必要はないと思いますが」
「淫乱ドクターなんだ。診察は拷問? それとも至福の時?」
「その時々でしょうか。ブルーの診察の時は拷問ですが」
「そうだろうね」
 クスリ、とブルーが微笑した。
「飲まないんだね。じゃあ、頑張って」
 いつの間にかノルディとブルーの位置が入れ替わっていたことにノルディは気付かなかった。
「――頑張る…とは?」
「すぐに分かる」
 起き上がろうとしても身体が鉛のように重いことに気付いた。
 ブルーは苦もなく身体の位置を反転させると、まだ堅さが十分でないノルディの昂ぶりを舌先で悪戯しはじめる。
「ソ……ソル…」
 舐め始めるとブルーの身体が揺れ、目の前のブルー自身は半テンポ遅れて揺れる。
 緩く握り込まれ、含まれ、熱に包まれるとノルディの感覚は一瞬にして一か所に集中した。
 自分でも聞いたことのない自分の喘ぎが耳に届き、全身が熱くなる。
 そして羞恥を初めて感じた自分に、更に快感が高まっていった。
 身体は動かないが何とか舌は動くと分かると、ノルディは舌を伸ばして目の前のブルー自身に触れようとする。
 揺れて一瞬触れては遠のき、焦燥すら感じながらそれに集中する。
 ノルディの行動を見ていたかのようにブルーの腰が少し落ちると、先端だけを舐めることができた。
 ビクとブルーが反応するとノルディの唇の端が持ち上がる。
 ブルーもまた、ノルディを焦らしながらも欲しいのだと知ったからだった。
 この手を差し伸ばして、腰を抱いて、引き寄せて……思うが身体はベッドに縛り付けられたように動かない。
 ソルジャー、どうか、と言おうとした時、
「上から飲まないなら、下からだね」
 ブルーの声が届き、ちゃぷん、と水音が響いた。

 

 気がついた時、ノルディは見慣れたベッドの上にいた。
 自宅のベッドだった。
 起き上がって自分の身体を見れば、いくつか残る赤い痕。そして下肢部の痛み、怠さ。
 記憶を辿って冷静に判断したノルディは驚きに息が止まった。
 ソルジャーに組み敷かれる自分。
 喘いで泣き、許しを乞う。
 快感に翻弄され、最後は……。
 医者として、自分の身体を観察した。
 情事の痕がある。
 認めたくないが痛みもあった。
 そして解放された後の感覚も。
 だが記憶がない。
 達した時の記憶が全くない。ここに戻ってきた記憶も。
(どういう事だ?)
 改めて記憶を探る。
 と、そこに作為的なものを感じた。
(作られ、埋め込まれた記憶か? いや、途中までは真実のはず。一体どこまで…?)
 何度も記憶を再生するが、真実と偽りの境は分からなかった。

 


 

■作者メッセージ
 一体何が起こったのか!
 とりあえずナイショらしいです(笑)
 「僕はやってないから」とうちの長、笑いながら言っております。
 ……アヤシイ





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