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シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。

大切な記念日

 ぼくと、ハーレイ。
 もちろん、ちゃんと結婚したから、今は一緒に暮らしてる。
 結婚するまでの間も、それから後にも、思い出話が沢山あるけど、どれから話せばいいのかな。


 きっと、一番、聞かれそうなことは、分かってる。
 その話から始めていこうか、ぼくとハーレイの「今」についてね。


 聞きたいことで、知りたいことって、多分、これだと思うんだ。
 ぼくとハーレイの、結婚記念日。
 結婚しているカップルにとっては、最高に幸せな思い出の日だし、大切な記念日だから。


 ぼくが「結婚」を夢に見ていた頃には、何通りもの夢を描いて、季節も色々。
 ジューンブライドに憧れてみたり、卒業したら「すぐ」というのも、定番だったよ。
 流石に、暑い真夏と、寒い真冬は避けたけれども、それ以外の季節は、夢に見たかな。


 そんな具合だったし、みんなにしたって、似たようなものだと思うんだ。
 学校を卒業した後、最初の日曜日や土曜日、祝日辺りが予想されていそう。


 だけど、当てられる人は、いないと思う。
 ぼくたちの世界で、祝日になっている日は、みんなの時代の「地球」とは違うから。
 新年とかは変わらないけど、SD体制が存在していたことを忘れないでね。


 ハーレイと「結婚する」ことが決まって、日取りを考えるようになったら、夢より現実。
 結婚式に来て欲しい人たちが、困らない日にするのが常識なんだよね。
 ぼくとハーレイの我儘な考えだけで、決めちゃいけない。


 でもね…。
 どうしても「この日にしたい」って思う日があって、ぼくも、ハーレイも、其処は譲れない。
 青い星に戻った「地球」に初めて、人間の降下が許された記念日なんだ。
 ぼくとハーレイが夢に見た星で、遠く遥かな時の彼方で、何度も「行こう」と約束した星。
 ハーレイだけが「辿り着けた」地球は、青くなかった。
 赤茶けた砂漠と毒素の海で、青い水の星は何処にも無かったんだ。


 その地球が「青い星」に戻るまでには、長い時間と厳しい制限。
 自然が自力で回復するのを待つというのが、SD体制で懲りた人間の結論だった。
 誰一人として、地球には降りちゃいけない。
 調査している研究者さえも、遠隔操作でやるしかなかった。
 一番最初に降下したのは、調査員たちを乗せた小型船だったらしいよ。


 その日が、ぼくとハーレイの「結婚記念日」。
 これ以外の日は、思い付けなかった。


 お蔭で、本当に、ぼくとハーレイだけの、大切な記念日になったんだ。
 考えてみてよ、地球だけじゃなくて、宇宙全体で祝われる日で、学校も会社も、全部お休み。
 記念パレードもあるし、コンサートとかも開かれるし、宇宙の何処でも、お祝い一色。


 そんな日を選んで「結婚式」を挙げても、来てくれた人は、きっと、そわそわ。
 式が終わった後に何処へ行こうか、頭の中は、それで一杯。
 特に、ハーレイの教え子で、まだ学校に通っている生徒たちなんかはね。


 そういうわけで、ぼくとハーレイ、二人だけで、そっと、結婚指輪を交換したんだ。
 みんなが想像している通り、シャングリラ・リング。
 シャングリラの船体から出来た指輪は、ぼくとハーレイの所に来てくれたよ。
 それを互いの薬指に嵌めて、結婚届を出しに出掛けて、最高の祝日を結婚記念日にしたわけ。


 どうかな、好奇心、満足してくれたかな。
 結婚式と披露宴の話とか、結婚指輪の話は、またいつか、思い付いたら話すことにするよ。
 だって、ぼくは毎日、うんと幸せで、退屈している暇は無いから。


 あっ、そろそろ、ハーレイが仕事から帰って来そう!
 それじゃ、またね!


        大切な記念日・了



※ハーレイ先生とブルーの、その後のお話。
 保守用で、とても短いですけど、この程度だったら、続けられそう。
 「その後の二人」のお話、たまに書いていくと思います。
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