シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
アルトちゃんレポート・その9
寮の自室で。
目の前にぶらんとお守りを掲げて揺らす。
隣のrちゃんは手の中でお守りを弄んでいる。
「マカロン、美味しかったね」
「うん。美味しかった」
「水族館も楽しかった」
「イルカショー、最高」
「それを言うなら、ぶるぅ最高!じゃない?」
「あたしは、マカロン最高!かも」
顔を見合わせて笑う。
お守りを生徒会長にもらってから、どうしようかってずっと二人で考えてた。
勉強なんて全然手につかないし、宿題だって出来ない。
このままじゃグレイブ先生だけじゃなくて、他の先生にも睨まれちゃうよね、なんて二人でお茶を飲みながら話をして。
「もやもやするからさ、rちゃん、今夜、使いなよ」
「ええっ、それなら言い出しっぺのアルトが先に」
なんて今日も堂々巡り。
でも二人とも本当は分かってるんだ。
使いたいけど使えないって。
「あのさ…」
「ん?」
「バレたら退学だよね」
「あたしたちだけじゃなくて…」
「…うん。それにさ、あたしたちは好きだけど、生徒会長は…そうじゃないんだよね」
「……そうだよね…」
答え、出てるんだよね。
「夢のプレゼントを貰ったんだよね」
「そうだね」
ふふ、と二人で笑い合う。
「使って欲しいなって思えるような素敵なレディに!」
「……400年後くらいなら可能かもよ」
自分突っ込みで二人で乾いた笑いを響かせる。
「でもさ、お守りは肌身離さずだよね♪」
「プレゼントはプレゼントだもんね♪」
「それにしても、マカロン美味しかったね」
「寮の味気ないお弁当が霞んじゃった」
「ぶるぅのクレープも美味しかったし。特製お弁当、もっと美味しいんだろうなぁ…」
「ねぇアルト」
「なに? 他にも何かあったっけ?」
「さっきから食べ物の話ばっかり」
「あ……」
「素敵なレディになるんじゃなかったの?」
「えっと~……明日から!」
ダメだよ、とrちゃんが言いながらパタパタと背中を叩く。
それを避けようと立ち上がった瞬間、窓の外にセルジュ君の姿が見えた。
「あ、セルジュ君」
「どこどこ? あ、ほんとだ」
rちゃんが呼ぼうとした時、隣に人影が見えた。
「お友達かな?」
呟いた瞬間、驚いてしゃがみ込んだ。
もちろんrちゃんも同じだった。
「み…見た?」
「見ちゃった……」
セルジュ君、キ…キスしてた。
女子寮の前で。
信じられなくて二人でそ~っと窓の外をもう一回見る。
「まだ…真っ最中」
「ひゃぁぁ~大胆。あ、あれ、何か口論? うわっ」
相手の子、セルジュ君を叩いて先に行っちゃった。
二人してまた窓の下に引っ込む。
これは……大事件かも。
でも聞けないよね。
でも気になるよね。
お守りの件が一段落したのに、今夜も眠れそうにないな…。
目の前にぶらんとお守りを掲げて揺らす。
隣のrちゃんは手の中でお守りを弄んでいる。
「マカロン、美味しかったね」
「うん。美味しかった」
「水族館も楽しかった」
「イルカショー、最高」
「それを言うなら、ぶるぅ最高!じゃない?」
「あたしは、マカロン最高!かも」
顔を見合わせて笑う。
お守りを生徒会長にもらってから、どうしようかってずっと二人で考えてた。
勉強なんて全然手につかないし、宿題だって出来ない。
このままじゃグレイブ先生だけじゃなくて、他の先生にも睨まれちゃうよね、なんて二人でお茶を飲みながら話をして。
「もやもやするからさ、rちゃん、今夜、使いなよ」
「ええっ、それなら言い出しっぺのアルトが先に」
なんて今日も堂々巡り。
でも二人とも本当は分かってるんだ。
使いたいけど使えないって。
「あのさ…」
「ん?」
「バレたら退学だよね」
「あたしたちだけじゃなくて…」
「…うん。それにさ、あたしたちは好きだけど、生徒会長は…そうじゃないんだよね」
「……そうだよね…」
答え、出てるんだよね。
「夢のプレゼントを貰ったんだよね」
「そうだね」
ふふ、と二人で笑い合う。
「使って欲しいなって思えるような素敵なレディに!」
「……400年後くらいなら可能かもよ」
自分突っ込みで二人で乾いた笑いを響かせる。
「でもさ、お守りは肌身離さずだよね♪」
「プレゼントはプレゼントだもんね♪」
「それにしても、マカロン美味しかったね」
「寮の味気ないお弁当が霞んじゃった」
「ぶるぅのクレープも美味しかったし。特製お弁当、もっと美味しいんだろうなぁ…」
「ねぇアルト」
「なに? 他にも何かあったっけ?」
「さっきから食べ物の話ばっかり」
「あ……」
「素敵なレディになるんじゃなかったの?」
「えっと~……明日から!」
ダメだよ、とrちゃんが言いながらパタパタと背中を叩く。
それを避けようと立ち上がった瞬間、窓の外にセルジュ君の姿が見えた。
「あ、セルジュ君」
「どこどこ? あ、ほんとだ」
rちゃんが呼ぼうとした時、隣に人影が見えた。
「お友達かな?」
呟いた瞬間、驚いてしゃがみ込んだ。
もちろんrちゃんも同じだった。
「み…見た?」
「見ちゃった……」
セルジュ君、キ…キスしてた。
女子寮の前で。
信じられなくて二人でそ~っと窓の外をもう一回見る。
「まだ…真っ最中」
「ひゃぁぁ~大胆。あ、あれ、何か口論? うわっ」
相手の子、セルジュ君を叩いて先に行っちゃった。
二人してまた窓の下に引っ込む。
これは……大事件かも。
でも聞けないよね。
でも気になるよね。
お守りの件が一段落したのに、今夜も眠れそうにないな…。
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