シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
※猫キックというタイトルについて、少々ご説明をば。
かつて「シャングリラお風呂隊」というハレブル好きの団体がございました。
お風呂隊での作者の仮の姿(?)は三毛猫。
他の隊員の修羅場中において、エール代わりに繰り出す技が「猫キック」です。
タイトルはそこから来ています。
内輪だけで終わるネタの筈でしたが、ハレブル別館オープン記念に蔵出ししました。
では、どうぞ!
「ああ、ハーレイ。ちょうどよかった」
届いたばかりの荷物なんだ、とブルーはテーブルに置かれた箱の中から棒のようなものを取り
出した。
「なんだ、それは?」
「猫の手らしい」
「…孫の手のように見えるのだが」
「でも肉球がついてるよ? それに毛皮も」
言われて見れば孫の手もどきは猫の手だった。猫に手は無いから正確には足と呼ぶべきか。
…とにかく三毛猫の足の形の作りものだ。
ブルーは猫の足でポンとハーレイの尻を叩いて。
「どう?」
「どう、とは?」
「どんな感じかなぁ、と思って」
「…特に何も」
「ふうん? そうか…。じゃあ、こっち」
おやつらしいよ、と差し出されたのは棒状のスナック菓子だった。
「大丈夫、甘くはないらしいから。食べてみて」
そう言う間にもブルーは猫の足でハーレイの尻を叩いてみては「おかしいなぁ…」と呟いて
いる。
猫の足で尻を叩くことに何らかの意味があるのだろうか、と気になりつつも受け取った菓子を
眺めてみれば。
「…エロイ棒?」
「うん。うまい棒っていうスナック菓子のパクリだってさ。それはマカ味。これはスッポンで、
それからこっちがオットセイで…」
「待ってくれ。…その荷物は誰が送って来たんだ?」
「猫だけど? エロは書けないけど大好物っていう三毛猫が、お前のために特注したって…。
茶吉尼天を拝み倒して作ってもらったらしいんだけど、なんかイマイチ」
「…だきにてん…?」
「エロの神様だというから期待したのに効かないようだし、エロイ棒の方を試してみようよ」
とにかく食べて、とブルーはスナック菓子をハーレイに押し付け、期待に満ちた瞳で見ている。
ハーレイは仕方なく食べ始めた。確かに味は悪くない。もっと食べたいという欲求が身体の
奥から湧き上がって来る。マカにスッポン、オットセイ…。次から次へと食べる間に気が付いた。
こんな菓子よりも美味そうなモノが目の前に腰掛けているではないか。
これを食わずになんとする、と猫の手で自分の尻を叩き続けていたブルーの肩を掴んでベッドに
押し倒し、衝動のままにマントを剥ぎ取り、白と銀の上着を毟り取ってアンダーのジッパーを
引き下げて…。
その後はもう獣のように思う様、ブルーを貪り食らう。
未だかつてこんなにも激しくしたことがあっただろうか、というハーレイの勢いに流されてゆく
ブルーは全く気付いていなかったのだが、猫の手とエロイ棒が詰め込まれていた箱の底には注意
書きが入っていた。
++++++++++++++++++++++
『猫の手に即効性はありません。二人のムードを高める時間を大切にするため遅効性となって
おります。焦らず暫くお待ち下さい。何度も続けて叩いてしまうと、叩いた数だけヤリ続けて
しまう恐れがあります。六回を超えても叩き続けるのはおやめ下さい』
『エロイ棒の効果は抜群です。一本で確実に濃いめのエロをお約束します。なお、濃すぎる
エロは翌日のお仕事などに差し支えますので、一度に食べるのは一本までにして下さい。』
『猫の手とエロイ棒には茶吉尼天のパワーが凝縮されております。併用するとR18どころか
発禁処分になってしまう恐れがございます。決して併用しないで下さい』
++++++++++++++++++++++
こういう注意書きは荷物の一番上に入れておくのが常識である。エロ好きの猫が何を思って
荷物の底に突っ込んだのかは分からない。
エロイ棒の山に埋もれた注意書きがブルーとハーレイの目に止まるのは、本当にいつに
なるのやら…。
猫キック・了
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