シャングリラ学園シリーズのアーカイブです。 ハレブル別館も併設しております。
緑のシャングリラ
ねえ、シャングリラの色を知ってる?
新しい雪みたいに真っ白だろう、って?
違うよ、シャングリラは濃い緑色なんだ。
「嘘だろう」って、君は言うのかい。
普通の人なら、もちろん、そうだろうから、否定はしないよ。
シャングリラの色は真っ白、だから人類軍が付けた名前も、モビーディック。
遠い昔に書かれた物語に出て来る、白鯨の名前が使われてた。
でもね、あれから長い時が流れて、白いシャングリラは、とうに無い。
残っているのは名前と、ぼくとハーレイの指にも嵌まってる小さな指輪だけ。
シャングリラの船体の一部が保存されてて、シャングリラ・リングに姿を変える。
これ以外には何も無い筈だけれど、写真集だけは沢山あるよね。
えっ、無いって言っているくせに、何処から「緑色」が来たかって?
今の時代のシャングリラの色だから、色だって「今風」なんだ。
その色が「濃い緑色」で、遠い昔に似ていた色は、ハーレイのマント。
白いシャングリラのブリッジに立っていた時の、キャプテン・ハーレイだよ。
制服の背中にあった、短い丈のマントの色が、濃い緑色だった。
濃い緑色は、今のハーレイにも受け継がれていて、選んだ車の色が濃い緑色。
車を買いに出かけた時には、白も「いい」と思ったらしいのに、買った車は違う色。
白は選びたくなかったらしいよ、次に買い換える時が来たら、白にするけれどね。
つまり、ハーレイが「一人きりで乗る車」には、白は相応しくなかったみたい。
白いシャングリラは、思い出の船で、とても大切なものだから、一人では寂しい。
乗ってゆくなら、二人いないといけない。
ハーレイが車を買った頃には、ぼくたちは出会っていなかった。
今は二人になったけれども、車の寿命は、まだまだありそう。
売り払うのは可哀想だし、今の車にも「思い出」はドッサリ詰まってる。
そんなわけでね、今のシャングリラの色は「濃い緑色」。
ハーレイがハンドルを握って、ぼくが一緒に乗ってゆくんだし、シャングリラ。
宇宙船でも、自家用車でも、ハーレイが動かす以上は、シャングリラなんだ。
そう思わないかい?
走ってゆくのは、宇宙空間じゃなくて、蘇った青い地球の上だけれどね。
いつか買い換える時が来るまで、ぼくたちが乗ってくシャングリラの色は、この色。
濃い緑色も素敵だと思うよ、今の地球には、緑の森も、広い草原もあるしね。
そういった場所までドライブするのも、今ならではの「お楽しみ」。
ハーレイが運転していく「シャングリラ」に乗って、色々な所へ出掛けてゆくんだ。
明日も休日でドライブなんだよ、行き先は、お天気と、明日のハーレイ次第。
何処になるかな、走り出しても分からないくらい、行きたい所があるのが地球。
濃い緑色から、白に乗り換える頃になっても、行き尽くしてはいないんだろうね。
いつまで経っても、きっと飽きない。
さて、ドライブに備えて、今日は、ゆっくり過ごさなきゃ。
車に酔ったら台無しなんだし、のんびりするよ。
それじゃ、またね!
緑のシャングリラ・了
※白い箱船だったのが、遠い昔のシャングリラ。ところが今では、濃い緑色なのです。
今風の色で、シャングリラの正体も車。買い換える日まで、今の車でドライブ。
PR